【例文5選】ESでありきたりな経験を魅力的に伝えるには?改善点やポイントまで徹底解説!

【例文5選】ESでありきたりな経験を魅力的に伝えるには?改善点やポイントまで徹底解説!

記事をお気に入り登録する

記事のお気に入りに登録

「記事のお気に入りに登録」のご利用にはログインが必要です。

会員登録がお済みでない方

無料会員登録
伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

「カフェのアルバイト」「サークルの副部長」…自分の経歴を見て、「ありきたりな経験しかなくて、ESに書くことがない」と悩んでいませんか?実は、採用担当者は経験の珍しさではなく、その経験から何を学び、どう行動したかという「あなただけのプロセス」を見ています。

この記事では、多くの就活生が悩む「ありきたりな経験」を、人事を惹きつける「最強の武器」に変えるための思考法と具体的な書き方を、例文を交えて徹底的に解説します。

この記事を読めば、あなたも自信を持ってESを提出できるようになるでしょう。

【ES】ありきたりなエントリーシートとはどのようなもの?

「ありきたりだ」と評価されてしまうエントリーシートには、実は明確な共通点があります。

それは経験のテーマそのものよりも、その伝え方に問題があるケースがほとんどです。

これから解説する5つの特徴を知ることで、「なぜ自分のESは魅力的に見えないのか」という原因を客観的に分析できます。

まずはこれらの特徴を理解し、ご自身のESが当てはまっていないか、自己診断のきっかけにしてみてください。

そうすることで、改善すべき点が明確になるはずです。

そもそも「ありきたり」とは?

ESにおける「ありきたり」とは、経験のテーマ(アルバイト、サークルなど)が他の学生と被っていることではありません。

本当の問題は、の経験の伝え方にあります。

採用担当者は何百、何千というESを読む中で、同じような言葉や表現に何度も出会います。

その中で埋もれてしまうのが「ありきたりなES」です。

企業は経験の珍しさよりも、その経験に対してあなたがどのように考え、課題を設定し、行動したのかという思考の深さを見ています。

つまり、ありきたりな経験でも、あなただけの視点や学びが加われば、それは強力なオリジナルエピソードに変わるのです。

テーマ設定が王道すぎるES

カフェや塾講師のアルバイト、サークル活動、ゼミのグループワーク。

これらは多くの学生が経験するため、ESのテーマとしては王道です。

しかし、王道であるがゆえに、他の学生との比較が容易になり、少しでも内容が薄いと「ありきたり」という印象を与えやすくなります。

例えば、「アルバイトでお客様に感謝された」「サークルでチームワークを学んだ」といった結論だけでは、あなたの個性は全く伝わりません。

王道のテーマを選ぶ際は、他の学生が語らないような独自の課題設定や、あなたならではの具体的な工夫を盛り込み、いかに差別化するかという視点が不可欠です。

具体性がなく抽象的な言葉を多用しているES

「コミュニケーション能力を発揮し、粘り強く努力した結果、チームに貢献しました」。

このような、具体性のない抽象的な言葉ばかりで構成されたESは、「ありきたり」の典型です。

採用担当者は、その言葉の裏付けとなる具体的な行動事実を知りたいと考えています。

「コミュニケーション能力」とは具体的に「相手の意見の背景を汲み取ること」なのか、「自分の意見を論理的に伝えること」なのか。

「頑張った」とは、何を目標に、何を、どれくらい行ったのか。

抽象的な言葉は避け、あなたが行った具体的な行動を描写することで、初めてアピールに説得力が生まれます。

プロセスがなく結果だけのES

「サークルで大会優勝を果たした」「アルバイトで売上1位を獲得した」といった華々しい結果は、一見すると魅力的に見えます。

しかし、そこに至るまでのプロセスが語られていなければ、それは単なる「結果の自慢話」で終わってしまいます。

企業が知りたいのは、その結果を出すために、あなたがどのような課題に直面し、何を考え、どう工夫して行動したのかという点です。

再現性のあるあなたの強みや人柄は、このプロセスの中にこそ表れます。

結果だけを伝えるのではなく、そこに至るまでの試行錯誤や努力の過程を丁寧に描写することが重要です。

企業研究が不足しているES

「貴社の成長性に魅力を感じた」「社会に貢献したい」といった志望動機や、「私の強みである挑戦心を活かしたい」といった自己PRが、その企業のビジネスモデルや理念、求める人物像と結びついていないESは、「ありきたり」で志望度が低いと判断されます。

それは、どの企業にも提出できる「使い回し」の文章に見えるからです。

なぜ、この会社でなければならないのか」「なぜ、自分の強みがこの会社で活きるのか」を、企業研究に基づいて具体的に語ることで、初めてESはあなたとその企業を結びつける特別なものになります。

テンプレートなES

Webサイトにある例文を参考にESを作成することは有効ですが、その構成や言葉をそのまま借用してしまうと、あなたの個性が完全に消えてしまいます。

採用担当者は、構成が綺麗でも、どこかで読んだことがあるような「テンプレート的」な文章には魅力を感じません。

本当に知りたいのは、その経験を通じてあなたが何を感じ何を考えたのかという生の声です。

構成は参考にしつつも、動機や感情、学んだことなどあなたにしか書けない「らしさ」を盛り込むことを意識してください。

それがありきたりなESから脱却する鍵となります。

【ES×ありきたりな経験】企業がエントリーシートで見ている点

採用担当者は、たとえ「ありきたり」に見える経験の中からでも、あなたのポテンシャルや人柄を見抜こうとしています。

彼らは、経験の華やかさではなく、その裏側にあるあなたの「思考」と「行動」に注目しているのです。

これから解説する4つの視点を理解することで、企業が何を評価しているのかが明確になり、あなたのESが格段に魅力的になります。

企業側の視点を知り、それに的確に応えることが、選考突破への最短ルートです。

内容が具体的であるか

採用担当者は、あなたのESから入社後の働きぶりを具体的にイメージしたいと考えています。

そのため、「頑張った」「努力した」といった曖昧な表現ではなく、「何を目標に」「どのような課題に対し」「誰を巻き込み」「どう行動したのか」といった具体的な事実を求めています。

「売上を前年比110%にした」「離職率を5%改善した」のように、可能な限り数値を活用することで、エピソードの説得力は飛躍的に高まります。

具体的な描写は、あなたの行動力論理的思考力を証明する最も強力な証拠となるのです。

アピールポイントが具体的であるか

「私の強みはリーダーシップです」と述べるだけでは、その強みが本物であるか判断できません。

企業は、その強みがどのような場面で、どのように発揮されたのかという具体的なエピソードを求めています。

例えば、リーダーシップを発揮した経験として、「対立していたメンバー双方の意見をヒアリングし、共通の目標を再設定することでチームを一つにまとめた」といった具体的な行動を示す必要があります。

アピールしたい強みと、それを裏付けるエピソードをセットで語ることで、あなたの強みに再現性があることを示しましょう。

入社後のイメージができているか

企業は、あなたの経験や学びが、自社でどのように活かされるのかを知りたいと考えています。

そのため、エピソードを語るだけで終わらせず、「この経験から得た〇〇という力を、貴社の△△という事業でこのように活かし、貢献したい」という入社後の展望まで繋げることが重要です。

そのためには、徹底した企業研究が欠かせません。

企業の事業内容や求める人物像を深く理解し、自分の経験との接点を見つけ出すことで、志望度の高さと入社後の活躍イメージを具体的に伝えることができます。

誤字脱字がないか

誤字脱字や文法的なミスは、内容以前の問題として評価を大きく下げてしまいます。

どれだけ素晴らしい内容が書かれていても、基本的なミスが散見されると、「注意力が散漫」「志望度が低い」「入社後も仕事が雑かもしれない」といったネガティブな印象を与えかねません。

これは、相手(採用担当者)への配慮が欠けているとも言えます。

ESを提出する前には、声に出して読んだり、友人やキャリアセンターの職員など第三者にチェックしてもらったりと、入念な確認を徹底しましょう。

【ES×ありきたりな経験】構成

ありきたりな経験を魅力的に伝えるには、エピソードの内容以上に「構成力」が重要です。

伝えたいことを、どのような順番で、どのように語るかによって、読み手の理解度や納得感は全く変わってきます。

これから解説する構成術を身につければ、あなたの経験が論理的で説得力のあるストーリーに生まれ変わるでしょう。

特に、ビジネスシーンにおける基本の型であるPREP法は、どんな設問にも応用できる万能なフレームワークです。

この型をマスターし、他の就活生と差をつけましょう。

PREP法

PREP法とは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論の再主張)の頭文字を取った、説得力のある文章構成のフレームワークです。

まず最初に結論を述べることで、話の要点が明確になり、読み手はストレスなく内容を理解できます。

次にその理由を説明し、具体的なエピソードで裏付けることで、主張に説得力と信頼性を持たせます。

最後にもう一度結論を繰り返すことで、最も伝えたいメッセージを強調し、印象に残します。

この論理的な流れは、ESだけでなく面接でも非常に有効なため、必ずマスターしておきましょう。

①結論

文章の書き出しは、必ず質問に対する「結論」から始めましょう。

「私が学生時代に最も力を入れたことは、〇〇です」「私の強みは〇〇です」のように、一文で簡潔に言い切ることがポイントです。

最初に結論を提示することで、採用担当者は「これから何についての話が始まるのか」を瞬時に理解でき、その後の文章が頭に入りやすくなります。

逆に、状況説明から長々と書き始めると、要点が分からず、読み手を疲れさせてしまうため、絶対に避けましょう。

②理由や背景

結論を述べた後は、「なぜそれに力を入れたのか」「なぜそれが強みだと言えるのか」といった理由や背景を説明します。

ここには、あなたの価値観や人柄、課題意識が表れます。

例えば、「なぜアルバイト先の業務改善に取り組んだのですか?」という問いに対して、「お客様に快適な時間を過ごしてほしいという思いがあったからです」と答えることで、あなたのホスピタリティ精神を伝えることができます。

この理由の部分を丁寧に記述することで、あなたの行動に深みが生まれ、エピソード全体がより説得力のあるものになります。

③具体的なエピソード

理由を述べた後は、それを証明するための具体的なエピソードを描写します。

ここは、あなたの行動力や思考プロセスをアピールする最も重要な部分です。

どのような状況(Situation)で、どんな課題(Task)があり、それに対してあなたがどう行動(Action)どのような結果(Result)に繋がったのか(STARメソッド)を明確にしましょう。

数字固有名詞を使い、情景が目に浮かぶように具体的に記述することで、あなたの話にリアリティが生まれ、採用担当者を惹きつけることができます。

④入社後の展望

エピソードの締めくくりとして、その経験から何を得て、それを入社後どのように活かしていきたいかを述べます。

これは、PREP法における最後のPoint(結論の再主張)にあたります。

経験から得た学びを再定義し、「この経験で培った課題解決能力を、貴社の〇〇という業務で活かし、事業に貢献したい」といった形で、業への貢献意欲を示すことが重要です。

ここを具体的に語ることで、採用担当者はあなたの入社後の活躍を明確にイメージでき、採用したいという気持ちが高まります。

【ES×ありきたりな経験】自分だけのエントリーシートを作成する方法

ありきたりな経験から脱却し、あなただけのオリジナルESを作成する鍵は、「事実」に「あなただけの意味づけ」をすることです。

経験は他の学生と同じでも、その経験から何を感じ、何を考え、どう行動したのかは、あなただけのものです。

これから紹介する5つの方法を実践すれば、どんな経験もあなたらしさが光る魅力的なエピソードに変わります。

テクニックを知り、自分だけの物語を紡ぎ出しましょう。

自分の言葉で伝える

Webサイトの例文や就活本の表現は、洗練されていて使いやすいですが、それは「あなたの言葉」ではありません。

採用担当者は、綺麗な言葉よりも、多少不器用でもあなたの考えや感情が乗った「生の声」を聞きたいと思っています。

例えば、「課題解決能力を培いました」というありきたりな表現ではなく、「試行錯誤の末、仲間と議論を尽くすことで、一人では決して辿り着けない答えに辿り着けるのだと実感しました」のように、自分の体験から生まれた実感のこもった言葉で表現しましょう。

それが、あなたらしさを伝える第一歩です。

感情が動いた経験から考えてみる

オリジナリティの源泉は、あなたの「感情」にあります。

その経験の中で、「最高に嬉しかったこと」「悔しくて眠れなかったこと」「夢中になったこと」は何だったでしょうか。

その感情が大きく動いた瞬間には、あなたの価値観や譲れない信念が隠されています。

例えば、「なぜ悔しかったのか?」を深掘りすると、「自分の理想とするレベルに到達できなかったから」など、あなたの基準の高さが見えてきます。

その感情を起点にエピソードを語ることで、ESは一気に人間味を帯び、あなたの人柄が伝わるようになります。

自分だけの課題設定をしてみる

同じ状況でも、何に課題を感じるかは人それぞれです。

この「課題設定」にこそ、あなたの個性が表れます。

例えば、「売上が低かった」という事実に対し、「私は、お客様との会話が少ないことがリピーターが増えない原因だと考え、そこに課題を感じた」のように、自分の視点を加えることが重要です。

多くの人が見過ごすような点に問題意識を持つことができる、あるいは、課題をより深く、構造的に捉えることができる、といったあなたの思考の深さ視点のユニークさをアピールする絶好の機会です。

自分ならではの「工夫」を言語化してみる

課題に対して、あなたが「なぜその行動を選んだのか」という思考プロセスを具体的に記述することで、ありきたりな行動が、あなたならではの工夫に変わります。

例えば、「マニュアルを作成した」という行動に対し、「年配のスタッフが多かったため、文字の大きさを通常より大きくし、専門用語を図で解説するなど、誰もが直感的に理解できるよう配慮した」といった工夫を付け加えるのです。

このような状況判断や他者への配慮、独創的なアイデアこそ、あなたの強みを具体的に示す強力な証拠となります。

情景やその時の思いも書いてみる

採用担当者の印象に残るESは、論理的であると同時に、感情に訴えかける力を持っています。

単に「悔しかった」と書くのではなく、「目標達成度50%という結果を突きつけられ、自分の無力さに唇を噛んだ」のように、具体的な情景や身体的な感覚を描写することで、読み手はその場面を鮮明にイメージし、あなたの感情を追体験します。

物語を読むように、読み手が思わず引き込まれるような描写を少し加えるだけで、ESは無機質なテキストから、あなたという人間の体温が感じられる魅力的なストーリーへと変わるのです。

【ES】ありきたりな経験を魅力的なもの変える例文集

ここまで解説してきた、ありきたりな経験を魅力的に変えるためのポイントや構成術を、実際の例文で確認していきましょう。

「ダメな例」と、それを改善した「改善例」を比較することで、どこをどう変えれば良いのかが劇的に分かります。

アルバイト、サークル、ゼミといった多くの学生が経験するテーマを扱っているので、ご自身の経験に最も近いものを参考に、オリジナルのES作成に応用してみてください。

アルバイト経験

ダメな例文

 カフェのアルバイトで接客を頑張りました。

お客様一人ひとりに丁寧な対応を心がけた結果、「ありがとう」と感謝されることが増え、やりがいを感じました。

この経験からコミュニケーション能力の大切さを学びました。

貴社でもこの力を活かして貢献したいです。

改善後の例文

 カフェのアルバイトで、ピーク時の行列が原因の顧客満足度の低下という課題解決に取り組みました。

私は業務フローを見直し、役割分担を再定義する案を店長に提案・実行しました。

結果、提供時間を平均3分短縮し、売上を15%向上させました。

この経験で得た課題発見力と実行力を活かし、貴社の業務改善に貢献します。

就活コンサルタント木下より

ポイント解説

ダメな例は、「頑張った」「やりがいを感じた」といった抽象的な言葉に終始しており、行動の具体性がありません。また、「コミュニケーション能力」という学びも、ありきたりで説得力に欠けます。 改善例では、まず「顧客満足度の低下」という具体的な課題を設定しています。それに対し、「フローの見直し」「提案・実行」という主体的な行動を示し、「3分短縮」「売上15%向上」という定量的な成果に繋げられています。これにより、単なるアルバイト経験が、「課題解決能力」と「実行力」を証明する強力なエピソードへと昇華しています。

サークル経験

ダメな例文

 テニスサークルの副部長として、部長のサポートやメンバーの意見調整を頑張りました。

大変なこともありましたが、チームの団結力が高まり、最後の大会では良い結果を残せました。

この経験からチームワークの大切さを学びました。

改善後の例文

 テニスサークルの副部長として、参加率の低下という課題に取り組みました。

原因をヒアリングで特定し、練習内容の刷新とSNSでの新たな広報戦略を企画・実行しました。

結果、メンバーが前年比1.5倍に増加し、組織の活性化に成功しました。

この経験で培った「課題を分析し、周囲を巻き込み解決する力」を貴社でも活かしたいです。

就活コンサルタント木下より

ポイント解説

ダメな例は、「サポート」「意見調整」といった行動が曖昧で、どのような役割を果たしたのかが不明確です。「良い結果」という表現も具体性に欠けます。
改善例では、「参加率の低下」という明確な課題に対し、「ヒアリング」「企画・実行」という具体的な行動を起こしています。そして「メンバーが前年比1.5倍に増加」という定量的な成果を示すことで、行動の価値を証明しています。学びも「チームワーク」から「課題を分析し、周囲を巻き込み解決する力」へと具体化され、ビジネススキルとしてアピールできています。

ゼミ活動

ダメな例文

ゼミのグループワークで、みんなで協力してプレゼン発表を成功させました。

意見がぶつかることもありましたが、議論を重ねて良いものを作り上げることができました。

この経験で協調性を学びました。

貴社でもチームで協力して頑張りたいです。

改善後の例文

 ゼミ研究で、意見対立により議論が停滞した際、調整役を買って出ました。

私は双方の意見をホワイトボードに書き出して論点を可視化し、議論の交通整理を行いました。

その上で、新たな折衷案を提示し、合意形成に貢献しました。

結果、チームは一体感を取り戻し、発表は教授から最高評価を得ました。

この経験で得た調整力を活かし、チームの成果を最大化します。

就活コンサルタント木下より

ポイント解説

ダメな例は、「みんなで協力」という言葉に具体性がなく、その中で「あなた」が何をしたのかが見えません。「協調性」という学びも漠然としています。 改善例では、「調整役」という自身の役割を明確にし、「ホワイトボードで論点を可視化」「折衷案の提示」といった極めて具体的な行動を描写しています。これにより、抽象的な「協常性」ではなく、「利害関係を調整し、合意形成に導く力」という高度なスキルをアピールできています。

長期のインターンシップ

ダメな例文

Webマーケティングの長期インターンで、SNSアカウントの運用を担当しました。

様々な施策を実行した結果、3ヶ月でフォロワーを5,000人から10,000人に増やすことに成功し、チームに貢献できました。

この経験は大きな自信になりました。

改善後の例文

 長期インターンで、SNSのフォロワー数停滞という課題に直面しました。

私はデータを分析し、課題を「インプレッション数の低さ」と特定。

ターゲットに響くコンテンツを企画し、投稿時間を最適化する施策を実行しました。

結果、3ヶ月でフォロワーを1万人まで伸ばしました。

この経験から、データに基づき仮説検証を繰り返す重要性を学びました。

就活コンサルタント木下より

ポイント解説

ダメな例は、「フォロワーを1万人に増やした」という結果だけを述べており、そのプロセスが見えません。「様々な施策」という言葉も具体的ではありません。 改善例では、まず「フォロワー数停滞」という課題から書き始めています。そして、「データ分析」「課題の特定」「具体的な施策の実行」という論理的なプロセスを明確に示しています。これにより、単なる成功体験ではなく、「データに基づいた課題解決能力」を持つ人材であることを説得力をもって伝えることができています。

留学

ダメな例文

 大学2年生の時にアメリカへ半年間留学し、語学力と異文化理解力を身につけました。

最初は大変でしたが、現地の友人もできて良い経験になりました。

この経験を活かして、グローバルに活躍できる人材になりたいと考えています。

改善後の例文

 留学中、文化の違いからグループワークで孤立した困難を乗り越えました。

私は原因を自身の語学力と対話不足と考え、毎日3時間の会話練習と、異文化を学ぶための積極的な交流を自らに課しました。

結果、信頼を得てリーダーを任されるまでに至りました。

この経験で培った「困難な環境でも主体的に課題を設定し、解決する力」を活かしたいです。

就活コンサルタント木下より

ポイント解説

ダメな例は、「留学した」という事実しか伝わらず、多くの留学生との差別化ができていません。「語学力」「異文化理解力」というのも、留学経験者なら誰でも書くありきたりな学びです。 改善例では、「グループワークで孤立した」という具体的な困難(課題)を設定しています。それに対し、「会話練習」「積極的な交流」という主体的な行動を示し、「リーダーを任された」という客観的な成果に繋げています。これにより、単なる留学経験が主体的な課題解決能力をアピールするエピソードに変わっています。

【ES×ありきたりな経験】エントリーシートは面接で深堀される!

エントリーシートを提出して終わり、ではありません。

書類選考を通過すれば、その内容は面接で必ず深掘りされます。

特に「ありきたりな経験」は、面接官が「この学生は本当に自分の頭で考えて行動したのだろうか?」という点を見極めるために、格好の質問材料となります。

なぜその行動を取ったの?」「他に選択肢は考えなかった?」「その経験、あなたがいなくても同じ結果になったのでは?」といった鋭い質問に対し、自分の言葉で、具体的な思考プロセスを交えて答えられなければなりません。

Webサイトの例文を丸暗記したような薄い内容では、一瞬で見抜かれてしまうでしょう。

だからこそ、ESを作成する段階から、このような深掘りを想定し、なぜどうしてどのように、と自問自答を繰り返しながら、自分の経験を徹底的に言語化しておくことが不可欠なのです。

まとめ

「ありきたりな経験しかない」という悩みは、実はチャンスです。

なぜなら、ありきたりな経験を、あなただけの「意味づけ」と「具体的なプロセス」で語ることさえできれば、それは他の誰にも真似できない、説得力のある「最強の武器」に変わるからです。

本記事で紹介した思考法や構成術、例文を参考に、あなたの経験に眠る価値を最大限に引き出してください。

経験の大小ではなく、その経験から何を学び、どう行動したかを自分の言葉で語ること

それが、採用担当者の心を動かすESへの第一歩です。

この記事を友達におしえる!

LINEで送る ツイートする シェアする URLをコピーする

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます