HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
この記事では、アパレル業界の実態について、仕事内容やきついと言われる理由、そして将来性まで、幅広く解説していきます。
【アパレル業界はきついのか】アパレル業界はきつい？
「アパレル業界はきつい」という言葉は、就職活動をしていると一度は耳にするかもしれません。
確かに、体力的な負担や売上へのプレッシャーなど、厳しい側面があるのは事実です。
しかし、それがすべてではありません。
ファッションを通じて人々に喜びを提供するやりがいや、トレンドを生み出すクリエイティブな魅力も、この業界の大きな特徴です。
きついかどうかは、職種や企業、そして何より本人の適性によって大きく変わってきます。
イメージだけで判断せず、多角的に実態を知ることが大切です。
【アパレル業界はきついのか】アパレル業界の仕事内容
アパレル業界と一口に言っても、その仕事内容は非常に多岐にわたります。
皆さんが最もイメージしやすい店舗での販売業務はもちろんですが、一着の服がお客様の手に届くまでには、多くの専門家が関わっています。
例えば、市場のトレンドを分析して「どんな服を作るか」を考える商品企画、その服を実際に形にするデザインや生産管理、そしてブランドの魅力を世の中に発信する広報やマーケティングなど、多彩なフィールドが存在します。
本社機能として、営業や人事、経理といったバックオフィス業務も欠かせません。
自分がどの分野に興味があるのか、どんな形でファッションに関わりたいのかを具体的にイメージするためにも、まずは仕事内容の全体像を把握することが重要です。
店舗運営・販売
アパレル業界の最前線であり、お客様と直接触れ合う花形とも言えるのが店舗運営・販売の仕事です。
主な業務は、もちろんお客様への接客販売です。
お客様の好みやニーズを引き出し、コーディネートを提案し、購入につなげます。
しかし、仕事はそれだけではありません。
商品の検品、品出し、在庫管理、店内のディスプレイ（VMD＝ビジュアル・マーチャンダイジング）の変更、レジ業務、清掃なども重要な業務です。
特にVMDは、ブランドの世界観を表現し、お客様の購買意欲を高めるために欠かせません。
また、店長や副店長といった役職になれば、スタッフの育成やシフト管理、売上管理といったマネジメント業務も担当します。
お客様からの「ありがとう」という言葉が直接聞ける、非常にやりがいのある仕事ですが、同時に店舗の売上目標を達成するという責任も伴います。
MD（マーチャンダイザー）
MD（マーチャンダイザー）は、アパレル業界における「商品の仕掛け人」とも言える重要なポジションです。
主な仕事は、市場のトレンドや消費者のニーズを分析し、「いつ、どんな商品を、どれくらいの量、いくらで販売するか」という商品計画を立て、実行することです。
具体的には、デザイナーやパタンナーと協力して新商品を企画・開発し、工場の選定や生産数の調整、コスト管理まで行います。
商品が完成したら、販売戦略を立て、店舗への配分も決定します。
MDの判断一つで、ブランドの売上が大きく左右されるため、非常に責任重大な仕事です。
トレンドを予測する先見性や分析能力はもちろん、社内外の多くの人と関わるため、高いコミュニケーション能力も求められます。
ヒット商品を生み出した時の達成感は、何物にも代えがたい魅力があります。
プレス・広報
プレス・広報は、ブランドの「顔」として、その魅力や世界観を社外に発信する役割を担います。
主な仕事は、テレビ、雑誌、Webメディアといった媒体の記者や編集者と良好な関係を築き、自社の商品やニュースを取り上げてもらうことです。
具体的には、プレスリリースの作成・配信、メディアからの取材対応、雑誌などに掲載する商品の貸し出し（リース）業務などを行います。
最近では、SNS（Instagram, X, TikTokなど）の公式アカウント運用や、インフルエンサーと連携したプロモーション企画も、プレスの重要なミッションとなっています。
他にも、ファッションショーや展示会、ポップアップストアといったイベントの企画・運営も担当します。
ブランドイメージを構築し、認知度を高めるという重要な役割を担っており、華やかなイメージだけでなく、地道な関係構築や企画力が求められる仕事です。
【アパレル業界はきついのか】アパレル業界の主な職種
アパレル業界には、先ほど紹介した仕事内容を遂行するために、様々な職種が存在します。
就職活動においては、これらの職種の違いを理解し、自分がどの道に進みたいのかを考えることが不可欠です。
大きく分けると、お客様と直接関わる「販売職」、企業の根幹を支え多岐にわたる業務を担う「総合職」、そして服作りの専門技術を持つ「専門職」があります。
入社後のキャリアパスも職種によって大きく異なります。
例えば、販売職からスタートして店長を目指し、その後エリアマネージャーや本社職（MDやプレスなど）へキャリアチェンジする道もあれば、総合職として入社し、ジョブローテーションを経て専門性を高めていく道もあります。
自分の適性や将来のビジョンと照らし合わせながら、どの職種を目指すか検討しましょう。
販売職（ショップスタッフ）
販売職、いわゆるショップスタッフは、アパレル業界のキャリアにおいて最も一般的なスタートラインの一つです。
主な勤務地は、百貨店、ファッションビル、路面店などの各ブランド店舗となります。
基本的な業務は、接客販売、レジ対応、商品管理、ディスプレイ作成、清掃など、店舗運営に関わる全般です。
この職種の最大の魅力は、お客様の反応をダイレクトに感じられる点です。
自分の提案した服でお客様が笑顔になる瞬間に、大きなやりがいを感じるでしょう。
キャリアパスとしては、まず店舗で経験を積み、副店長、店長へとステップアップするのが一般的です。
その後は、複数店舗を統括するエリアマネージャーや、本社勤務（MD、プレス、人事など）へ異動する道が開ける企業もあります。
ブランドの最前線に立つという誇りと、売上目標への責任感が求められる職種です。
総合職（本社勤務）
総合職は、主に本社で勤務し、ブランド運営や企業経営に関わる様々な業務を担います。
新卒採用では、将来の幹部候補としてポテンシャルを重視されることが多いです。
配属先は多岐にわたり、MD（マーチャンダイザー）、プレス・広報、営業（店舗開発や卸売）、ECサイト運営、人事、経理、経営企画などが含まれます。
総合職の特徴は、ジョブローテーションを通じて多様な部署を経験できる可能性があることです。
これにより、会社全体のビジネスの流れを理解し、幅広いスキルを身につけることができます。
例えば、営業として百貨店との交渉を経験した後、MDとして商品企画に携わるといったキャリアも考えられます。
企業全体の成長戦略に深く関わることができるため、大きなスケールで仕事をしたい人に向いています。
専門職（デザイナー・パタンナー）
専門職は、服作りにおける「技術」を担う職種であり、主にデザイナーやパタンナーが該当します。
デザイナーは、ブランドのコンセプトやシーズンのテーマに基づき、服のデザイン画を作成します。
トレンド感覚や独創的なアイデアはもちろん、素材に関する知識も必要です。
一方、パタンナーは、デザイナーが作成したデザイン画を基に、服の型紙（パターン）を作成する仕事です。
服の着心地やシルエットはパタンナーの技術力によって大きく左右されます。
ミリ単位の調整が求められる、非常に専門性の高い技術職です。
これらの専門職は、多くの場合、服飾系の専門学校や大学で専門知識と技術を学んだ人が目指します。
ものづくりへの強い探究心と、地道な作業を続ける忍耐力が求められる職種です。
【アパレル業界はきついのか】アパレル業界がきついとされる理由
アパレル業界の華やかなイメージの裏で、「きつい」という声が聞かれるのはなぜでしょうか。
その理由を具体的に知ることは、入社後のミスマッチを防ぐ上で非常に重要です。
もちろん、これから挙げる理由がすべての企業や職種に当てはまるわけではありませんが、業界特有の傾向として理解しておくことは大切です。
特に販売職の場合は、お客様の目に触れる部分以外のバックヤード業務や、売上に対する責任など、外からは見えにくい負担が存在します。
また、トレンドの移り変わりが激しい業界だからこそのプレッシャーもあります。
これらの「きつい」とされる側面を理解した上で、自分がそれを上回るやりがいを見出せるかどうかを考えることが、業界研究の第一歩となります。
体力的な負担（立ち仕事・不規則なシフト）
アパレル業界、特に販売職がきついと言われる最大の理由の一つが、体力的な負担です。
店舗での勤務は、基本的に営業時間中ずっと立ち仕事となります。
ヒールや革靴の着用が求められる場合もあり、足腰への負担は少なくありません。
また、商品の入った重い段ボールを運んだり、店内のレイアウト変更で什器（じゅうき）を動かしたりと、意外と力仕事が多いのも特徴です。
さらに、勤務形態はシフト制が一般的です。
早番・遅番があり、生活リズムが不規則になりがちです。
特に土日祝日や、年末年始、セールの時期は最も忙しい繁忙期となるため、カレンダー通りの休みを取るのが難しいことは覚悟しておく必要があります。
体力に自信がない人にとっては、この点が大きなハードルになる可能性があります。
ノルマや売上へのプレッシャー
アパレル業界もビジネスである以上、売上目標の達成は至上命題です。
多くの企業では、店舗全体での売上目標はもちろん、個人の売上目標（ノルマ）が設定されている場合があります。
「ノルマ」という言葉が直接使われなくても、実質的な目標数値があり、その達成度が評価に直結することは少なくありません。
接客が好きで入社した人でも、常に数字を意識し続けることにプレッシャーを感じ、ストレスになってしまうケースがあります。
お客様に寄り添った接客をしたいという思いと、売上を上げなければならないという現実の間で悩むこともあるでしょう。
目標達成への意欲や、プレッシャーをやりがいに変えられるようなポジティブさが求められます。
給与水準とキャリアパス
給与水準やキャリアパスに関する不安も、「きつい」とされる理由の一つです。
アパレル業界、特に販売職の初任給は、他業界と比較した場合、平均的か、やや低い水準でスタートすることがあります。
もちろん企業規模や職種によりますが、ファッションが好きという情熱だけでは、将来的な生活設計に不安を感じる人もいるかもしれません。
また、キャリアパスについても、店長まではイメージできても、その先のキャリアが見えにくいという声も聞かれます。
店長から先の、エリアマネージャーや本社職（MD、プレスなど）への道は、ポストが限られていることも事実です。
実力主義で評価され、若くして店長やマネージャーに昇進できるチャンスがある一方で、明確なキャリアプランを描きにくいと感じる人もいるようです。
【アパレル業界はきついのか】アパレル業界の現状・課題
アパレル業界は今、大きな変革期を迎えています。
皆さんが就職活動をする上でも、この業界が直面している「今」を理解しておくことは非常に重要です。
単に「服が好き」というだけでなく、業界が抱える課題や今後の動向を踏まえた上で、自分なりの考えを持つことが求められます。
例えば、スマートフォンの普及により、服の買い方が大きく変わりました。
ECサイト（通販サイト）での購入が当たり前になり、実店舗の存在意義が改めて問われています。
また、環境問題への関心の高まりから、サステナビリティ（持続可能性）への取り組みも待ったなしの状況です。
こうした変化の中で、アパレル企業がどう対応しようとしているのか、その視点を持って企業研究を進めましょう。
EC化の進展と実店舗の役割変化
近年、アパレル業界においてEC（電子商取引）の比率は急速に高まっています。
スマートフォン一つでいつでもどこでも服が買えるようになり、多くの消費者がオンラインストアを利用しています。
この流れは今後も続くと予想されており、企業にとってはECサイトの強化が重要な経営戦略となっています。
一方で、実店舗の役割は大きく変化しています。
単に商品を「売る」場所から、ブランドの世界観を「体験」する場所へとシフトしているのです。
例えば、プロのスタッフによるコーディネート提案を受けたり、限定イベントに参加したりと、実店舗でしか得られない付加価値の提供が求められています。
これからの販売職には、オンラインではできない、質の高い接客スキルや体験価値を創出する能力が一層重要になります。
サステナビビリティへの対応
アパレル業界は、伝統的に「大量生産・大量消費・大量廃棄」のビジネスモデルが主流でしたが、近年、その環境負荷の大きさが世界的な問題となっています。
服の製造過程で使用される水やエネルギー、売れ残った商品の廃棄などが、地球環境に深刻な影響を与えているという指摘です。
こうした背景から、サステナビリティ（持続可能性）への取り組みは、業界全体の急務となっています。
具体的には、リサイクル素材やオーガニックコットンの使用、受注生産による廃棄ロスの削減、古着の回収・再利用など、様々な取り組みが進められています。
消費者側も、環境に配慮した製品を選ぶ傾向が強まっており、企業のサステナビリティへの姿勢が、ブランドイメージや売上を左右する重要な要素となっています。
人材不足と労働環境
「きつい」というイメージが先行することで、アパレル業界は慢性的な人材不足という課題も抱えています。
特に販売職において、離職率の高さや、若手人材の確保の難しさが指摘されています。
前述した体力的な負担、不規則な勤務形態、給与水準などが、主な原因と考えられています。
このままでは、店舗運営やサービスの質を維持することが難しくなります。
そのため、多くの企業が労働環境の改善に乗り出しています。
例えば、デジタル技術を活用した業務効率化（在庫管理の自動化など）、年間休日の増加、評価制度の見直しによる給与アップ、キャリアパスの多様化など、働きやすい環境づくりが進められています。
こうした企業の努力にも注目してみると良いでしょう。
【アパレル業界はきついのか】アパレル業界に向いている人
ここまでアパレル業界の仕事内容や課題について見てきましたが、では、実際にどのような人がこの業界で活躍できるのでしょうか。
「きつい」とされる側面を乗り越え、やりがいを感じながら働くためには、やはり一定の適性が求められます。
もちろん、現時点で全てが当てはまらなくても、入社後に身につけていくことも可能です。
大切なのは、自分の特性と業界が求める人物像が、どの程度マッチしているかを客観的に見極めることです。
もし「これは自分に合っているかもしれない」と感じる項目があれば、それがあなたの強みになります。
自己PRや志望動機を考える際の参考にしてみてください。
ファッションへの純粋な情熱がある人
アパレル業界で働く上で、最も根本的かつ重要な資質は、「ファッションが心から好き」という純粋な情熱です。
トレンドは常に移り変わり、新しい情報や知識をキャッチアップし続ける必要があります。
また、時には体力的に厳しかったり、売上プレッシャーに悩んだりすることもあるでしょう。
そうした困難に直面したとき、「それでも服が好き」という強い思いが、自分を支える大きな原動力となります。
単に流行の服を着るのが好きというだけでなく、その服が持つ背景（ブランドの歴史やデザイナーの意図）に興味を持てるか、ファッションを通じて人々の生活を豊かにしたいと考えらえるか、といった探究心やホスピタリティも重要です。
コミュニケーション能力が高い人
アパレル業界は、想像以上に「人」との関わりが多い仕事です。
販売職であれば、お客様との会話はもちろんですが、店舗スタッフ同士のチームワークも非常に重要です。
円滑な店舗運営のためには、日々の情報共有や連携が欠かせません。
また、本社勤務のMDやプレスといった職種でも、デザイナー、生産工場、メディア関係者など、社内外の多くの人と関わりながら仕事を進めていきます。
自分の意見を的確に伝える力、相手の意図を正確に汲み取る力、そして良好な関係を築く力、こうした総合的なコミュニケーション能力が、あらゆる場面で求められます。
人と話すことが好き、チームで何かを成し遂げることに喜びを感じる人に向いています。
体力と精神的なタフさがある人
「きついとされる理由」でも触れたように、アパレル業界、特に店舗勤務では、体力的なタフさが求められます。
一日中立ち仕事であることや、重い商品を運ぶこと、不規則なシフトに対応できる柔軟性が必要です。
また、同時に精神的なタフさも欠かせません。
売上目標へのプレッシャー、時にはお客様からの厳しいご意見（クレーム）に対応しなければならない場面もあります。
そうしたストレスがかかる状況でも、気持ちを切り替えて前向きに業務に取り組める力、目標達成に向けて努力を継続できる忍耐強さが求められます。
体力と精神力、この両方をバランスよく備えている人が、業界で長く活躍できる傾向にあります。
【アパレル業界はきついのか】アパレル業界に向いていない人
一方で、アパレル業界の特性と自分の価値観や適性が合わないと感じる人も、もちろんいます。
入社後に「こんなはずではなかった」というミスマッチを防ぐためにも、どのような人が向いていない傾向にあるのかを知っておくことは大切です。
これは決して優劣の問題ではなく、あくまで「向き・不向き」の問題です。
もし以下の項目に多く当てはまるようであれば、アパレル業界を目指すべきか、もう一度冷静に考えてみる必要があるかもしれません。
自分のキャリア選択において、何を優先したいのかを明確にする良い機会だと捉え、自己分析を深めるきっかけにしてください。
安定した勤務形態（土日祝休み）を最優先する人
アパレル業界、特に店舗での販売職を目指す場合、勤務形態の優先順位は非常に重要です。
前述の通り、アパレル店舗の繁忙期は、世間一般の休日である土日祝日や、ゴールデンウィーク、年末年始です。
そのため、これらの日に休みを取ることは難しく、シフト制による平日休みが基本となります。
友人や家族とカレンダー通りに休みを合わせたいという希望を最優先に考える人にとっては、この勤務形態が大きなストレスになる可能性があります。
もちろん、本社勤務の総合職や専門職であれば土日祝休みの企業も多いですが、販売職をキャリアのスタートとして考えている場合は、ライフスタイルとの兼ね合いを慎重に検討する必要があります。
トレンドや変化に無関心な人
アパレル業界は、トレンドの移り変わりが非常に激しい世界です。
昨日まで流行っていたものが、今日には古くなっているということも珍しくありません。
この業界で働くには、ファッションに限らず、音楽、アート、社会情勢など、世の中の様々な変化に常にアンテナを張る姿勢が求められます。
新しい情報を自らキャッチアップし、学び続けることが苦になる人、あるいは「一度覚えたらそれで終わり」と考えたい人には、アパレル業界は向いていないかもしれません。
お客様に最新の提案をするためにも、ブランドの方向性を考える上でも、変化を楽しみ、自らも変わっていける柔軟性が不可欠です。
数字や目標達成への意識が低い人
「ファッションが好き」という気持ちは大切ですが、アパレル業界は「好き」だけで成り立つ仕事ではありません。
れっきとしたビジネスであり、企業は利益を追求しています。
そのため、どの職種であっても、売上や利益といった「数字」への意識は必ず求められます。
特に販売職であれば、日々の売上目標、客単価、セット率（一度の会計で購入する点数）などを常に意識し、どうすれば目標を達成できるかを考え、行動に移す必要があります。
「数字に追われるのは嫌だ」「目標達成よりも、自分のペースで働きたい」という意識が強すぎる人は、仕事の成果を評価されるプロセスに苦痛を感じるかもしれません。
【アパレル業界はきついのか】アパレル業界に行くためにすべきこと
アパレル業界のリアルな側面を理解した上で、それでも「この業界で働きたい」という気持ちが強まった人もいるでしょう。
では、アパレル業界への就職を実現するためには、具体的にどのような準備をすれば良いのでしょうか。
華やかなイメージがある分、志望者も多いのがこの業界です。
その中で内定を勝ち取るためには、付け焼き刃ではない、本質的な対策が求められます。
業界研究や企業研究はもちろん、なぜ自分がアパレル業界でなければならないのかを深く掘り下げることが重要です。
ここでは、就職活動において特に意識して取り組むべきことを3つ紹介します。
徹底した企業研究とブランド理解
アパレル業界と一口に言っても、企業によってその特色は千差万別です。
ファストファッションからラグジュアリーブランドまで、ターゲット層、価格帯、デザインの方向性、販売チャネル（実店舗中心かEC中心か）など、ビジネスモデルは様々です。
まずは、自分がどの分野に興味があるのかを明確にしましょう。
その上で、気になる企業については、その理念、歴史、強み、弱み、そして競合他社との違いを徹底的に研究してください。
特に重要なのは、その企業が展開するブランドへの深い理解です。
「なぜ他のブランドではなく、うちのブランドなのか」という問いに、自分の言葉で具体的に答えられるように準備することが、志望動機の説得力を格段に高めます。
アルバイト経験（可能であれば）
もし時間的な余裕があり、機会があれば、アパレル関連のアルバイト、特に販売職を経験してみることを強くお勧めします。
これは、業界の「リアル」を肌で感じる最も効果的な方法です。
記事で読んだ「立ち仕事のきつさ」や「バックヤード業務の大変さ」、そして「お客様に喜んでいただけた時のやりがい」など、すべてを実体験として理解できます。
この経験は、自己PRや志望動機において、何物にも代えがたい説得力を持ちます。
「アルバイトを通じて、体力的な厳しさを実感したが、それ以上にお客様の笑顔がやりがいになると確信した」といった具体的なエピソードは、採用担当者にも響きやすいです。
もちろん、必須ではありませんが、ミスマッチを防ぐという意味でも非常に有益です。
業界のトレンドと課題を自分なりに考察する
アパレル業界を志望する学生として、業界の最新トレンドや動向、そして直面している課題（EC化、サステナビリティなど）について、自分なりの考えを持っておくことが重要です。
ただニュースを知っているだけでなく、「そのトレンドがなぜ起きているのか」「その課題に対して、自分ならどう考えるか」という一歩踏み込んだ考察をしてみましょう。
例えば、志望する企業がサステナビリティにどう取り組んでいるかを調べ、それに対して「自分が入社したら、こんな形（例えば、店舗での積極的な情報発信）で貢献したい」と具体的に語れれば、熱意と論理的思考力をアピールできます。
日頃から業界ニュースに関心を持ち、自分の意見をまとめる習慣をつけておきましょう。
まとめ
アパレル業界は、「きつい」側面があるのは事実ですが、それ以上に「好き」を仕事にする大きなやりがいと、人々の生活に彩りを与えるという魅力に溢れた業界です。
大切なのは、華やかなイメージだけでなく、体力的な負担や売上への責任といったリアルな部分も理解した上で、それでも挑戦したいという熱意があるかどうかです。
この記事で紹介した内容を参考に、自己分析と企業研究を徹底的に行い、自分がアパレル業界で何を成し遂げたいのかを明確にしてください。
皆さんの就職活動を心から応援しています。
