【業界研究】介護業界はきつい?労働環境や勤務時間がきついと言われる理由や向いていない人を解説!

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

この記事では、介護業界のリアルな姿を掘り下げ、仕事内容や職種、そして「きつい」と言われる理由から現状の課題までを詳しく解説します。

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【介護業界はきついのか】介護業界はきつい?

介護業界は「きつい」というイメージが根強くありますが、それは一面的な見方に過ぎません。

確かに、身体的な負担や精神的なプレッシャーが大きい側面は存在します。

しかし、それはどの業界、どの仕事にもある「大変さ」の一つであり、介護の仕事が持つ大きなやりがいや魅力と表裏一体であるとも言えます。

重要なのは、イメージだけで判断するのではなく、業界全体の構造や仕事の具体的な内容を正しく理解し、その上で自分にとって「きつい」と感じる部分と「やりがい」を感じる部分を冷静に見極めることです。

【介護業界はきついのか】介護業界の仕事内容

介護業界の仕事は、利用者の生活を支える多岐にわたる業務を含んでいます。

食事介助・入浴介助・排泄介助などの身体介護

身体介護は、介護の仕事の中でも最も身体的な負担が大きいとされる部分です。

具体的には、高齢者や障がいを持つ方の食事、入浴、排泄など、日常生活を送る上で欠かせない動作のサポートを行います。

食事介助では、誤嚥を防ぐための配慮が必要ですし、入浴介助や排泄介助では、利用者のプライバシーに最大限配慮しながら、安全かつ尊厳を保ったケアを提供することが求められます。

この仕事は、体力的な要素に加え、利用者の小さな変化に気づく観察力と細やかな気遣いが非常に重要になります。

環境整備・生活援助などの生活援助

生活援助は、利用者が自立した生活を送るためのサポートを目的とした業務です。

具体的には、居室の清掃、衣類の洗濯、食事の準備や買い物代行などが含まれます。

身体介護と異なり、直接的な身体への接触は少ないですが、利用者が快適に生活できる環境を整えることが中心となります。

単なる家事代行ではなく、利用者の生活習慣や好み、こだわりを尊重しながら、その人らしい生活が継続できるよう支援することが求められる、利用者との信頼関係構築に不可欠な仕事です。

レクリエーション・機能訓練のサポート

利用者の心身の健康を維持・向上させるために、レクリエーションや機能訓練のサポートも重要な仕事です。

レクリエーションでは、歌やゲーム、創作活動などを通じて、利用者が社会と繋がり、楽しみや生きがいを感じられるように働きかけます。

機能訓練のサポートでは、リハビリテーション専門職の指導のもと、利用者の残存機能を活かした訓練を一緒に行います。

これらの活動は、利用者の身体機能の維持だけでなく、精神的な活性化にも大きく寄与するため、非常にやりがいを感じられる業務の一つです。

【介護業界はきついのか】介護業界の主な職種

介護業界には、資格や役割に応じて様々な職種があります。

介護職員・ヘルパー

介護職員やヘルパーは、介護の現場で最も多くの方と接する職種です。

主な仕事は、前述した食事、入浴、排泄などの身体介護や生活援助を提供することです。

特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護など、働く場所によって求められるスキルや業務範囲は異なりますが、共通して言えるのは、利用者の日常生活に最も密接に関わり、日々の健康状態や心の変化を把握する重要な役割を担っていることです。

多くの場合、資格なしで働き始めることも可能ですが、キャリアアップを目指すには介護職員初任者研修などの資格取得が推奨されます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネジャーは、介護を必要とする方が適切なサービスを受けられるように、ケアプランを作成し、サービス提供事業者との連絡・調整を行う専門職です。

利用者の心身の状態や生活環境、意向を細かくヒアリングし、一人ひとりに最適な介護サービスを組み合わせて提供できるよう計画を立てます。

この職種は、介護保険制度や関連法規に関する専門知識はもちろん、多職種連携を円滑に進めるための高いコミュニケーション能力が求められます。

実務経験と資格試験の合格が必要な、介護のプロフェッショナルです。

生活相談員・サービス提供責任者

生活相談員は、主にデイサービスやショートステイといった施設において、入所・退所の相談受付や、利用者・家族との連絡調整、行政手続きの代行などを行う職種です。

施設の窓口として、利用者や家族の抱える問題や要望を聞き取り、サービスへと繋げる役割を果たします。

一方、訪問介護におけるサービス提供責任者は、ヘルパーのシフト管理や指導、ケアプランに基づく具体的な訪問介護計画の作成など、サービスの質の維持・向上を担う重要なポジションです。

【介護業界はきついのか】介護業界がきついとされる理由

介護業界が「きつい」とされる背景には、いくつかの共通する要因があります。

これらを事前に理解しておくことで、入職後のミスマッチを防ぐことができます。

人手不足による業務過多と精神的負担

介護業界は慢性的な人手不足にあり、一人当たりの業務量が多くなりがちです。

これにより、職員は休憩時間を十分に取れなかったり、時間外労働が増えたりするなど、身体的な疲労が蓄積しやすい環境にあります。

また、利用者の生命と生活を預かるという仕事の性質上、常に高い集中力と責任感が求められるため、精神的なプレッシャーも大きくなります。

人手不足は、十分なケアを提供したいという職員の思いと、現実とのギャップを生み出し、大きな精神的負担となり得るのです。

身体的な負担の大きさ

食事介助や入浴介助、体位変換といった身体介護は、利用者の体重を支えたり、持ち上げたりする動作が多く、腰や背中を痛めやすいなど、身体的な負担が非常に大きいです。

近年は介護ロボットやリフトなどの導入が進んでいますが、すべての現場で十分に行き届いているわけではありません。

特に経験の浅い職員は、適切な介助方法を知らないために、無理な体勢で介助をしてしまい、怪我につながるリスクもあります。

正しい知識と技術を習得し、負担を軽減する工夫が常に求められます。

利用者やその家族との人間関係の難しさ

介護の仕事は、利用者やその家族と密接に関わるため、人間関係の難しさに直面することがあります。

認知症の症状によるコミュニケーションの困難さや、利用者からの予期せぬ言動、あるいは家族からの過度な要望やクレーム対応など、感情的な対応が求められる場面も少なくありません。

特に、家族の介護に対する考え方や価値観の違いから、職員と家族の間で意見の衝突が起こることもあり、精神的な疲労の原因となることがあります。

給与水準が他の業界と比較して低い傾向

厚生労働省の統計などを見ても、介護職員の給与水準は、他産業の平均と比べて低い傾向にあります。

これは、介護サービスの公定価格である介護報酬によって収益が左右されるなど、業界特有の構造的な問題も影響しています。

人手不足の解消や質の高い人材の確保のため、国を挙げて処遇改善の取り組みが進められてはいますが、仕事の専門性や責任の重さに見合った対価が得られていないと感じる職員も少なくありません。

これが、離職理由の一つとなることもあります。

【介護業界はきついのか】介護業界の現状・課題

介護業界は現在、多くの重要な課題に直面していますが、同時に変革期を迎えているとも言えます。

加速する高齢化と需要の増大

日本の高齢化は世界に類を見ないスピードで進行しており、それに伴い介護サービスの需要は今後も増加し続けます。

特に、団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」を控え、介護を必要とする高齢者の数はピークを迎える見込みです。

この増大する需要にどう応えるかが、業界最大の課題です。

施設やサービスの拡充はもちろん、介護の質を維持・向上させるための人材育成や確保が急務となっています。

働き手不足と定着率の改善

需要が増大する一方で、介護業界は依然として人手不足が深刻です。

この問題を解決するためには、介護職員の処遇改善だけでなく、職場環境の改善やキャリアパスの明確化が不可欠です。

ICT技術や介護ロボットの導入による業務効率化を図り、職員の負担を軽減することも重要な施策です。

職員が長く安心して働ける環境を整備し、定着率を高めることが、サービスの安定供給に直結します。

介護サービスの質の担保と専門性の向上

介護保険制度のもと、多様な事業者がサービスを提供していますが、サービスの質にばらつきが生じていることも課題です。

利用者が安心して質の高いケアを受けられるよう、職員一人ひとりの専門性を高める教育・研修の機会を充実させることが求められます。

また、医療やリハビリテーションなど、他の専門職との連携を強化し、より包括的で質の高いケアを提供できる体制づくりも必要です。

【介護業界はきついのか】介護業界に向いている人

介護業界での仕事に特に向いている人には、いくつかの共通した特徴があります。

人の役に立つことに喜びを感じる人

介護の仕事の根幹は、誰かの生活を支え、人生を豊かにすることです。

自分の行動や言葉が、利用者の笑顔や安心につながる瞬間に、心から喜びや充実感を感じられる人は、この仕事に大きなやりがいを見いだすことができます。

献身的な姿勢や他者への貢献意欲は、介護の仕事のモチベーションを維持する上で、最も重要な資質の一つです。

相手の気持ちに寄り添える共感力がある人

介護を必要とする方は、身体的・精神的な不安や困難を抱えています。

そうした利用者の気持ちを察し、言葉にならない思いにも寄り添える高い共感力や傾聴力は、質の高いケアを提供する上で不可欠です。

ただ作業をこなすのではなく、利用者一人ひとりの個性や尊厳を尊重し、心の通ったコミュニケーションを図れる人は、介護の現場で信頼されます。

忍耐強く、冷静に対応できる人

介護の現場では、利用者の認知症の症状による予期せぬ行動や、体調の急変など、マニュアル通りにいかない場面に頻繁に遭遇します。

そのような時でも、感情的にならず、冷静に状況を判断し、適切に対応できる忍耐強さと落ち着きが必要です。

また、介助中に身体的な負担がかかる場面もあるため、精神的にも肉体的にもタフさを持っていることも重要です。

【介護業界はきついのか】介護業界に向いていない人

逆に、介護業界での仕事に困難を感じやすい可能性がある人の特徴も理解しておきましょう。

感情のコントロールが苦手な人

利用者の言動や、仕事上のストレスから、つい感情的になってしまう人は、介護の仕事で精神的に疲弊しやすいかもしれません。

介護の仕事では、プロとして常に一定の冷静さと安定した態度を保つことが求められます。

特に、認知症の方への対応など、感情的になっても問題解決には繋がらない状況が多いため、自己の感情を適切に管理し、切り替えられるスキルが必要です。

細かい変化に気づくことが苦手な人

介護が必要な方の状態は日々変化します。

小さな体調の変化や、精神的な落ち込みのサインを見逃してしまうと、重大な健康問題につながる可能性があります。

利用者の表情や食欲、排泄の状況など、日々の細かい観察と記録が非常に重要になるため、変化に鈍感であったり、マニュアルにない状況への対応が苦手な人は、この仕事で戸惑うことが多いかもしれません。

チームワークを乱す個人主義的な傾向が強い人

介護の仕事は、看護師、理学療法士、栄養士、ケアマネジャーなど、多職種連携によって成り立っています。

情報共有や協力体制が不可欠であり、チームの一員としての協調性が求められます。

自分の考えややり方を押し通したり、職場のルールや連携を軽視するような個人主義的な傾向が強い人は、円滑なサービス提供を妨げ、職場の人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

【介護業界はきついのか】介護業界に行くためにすべきこと

介護業界への就職を考えている新卒就活生が、入社後にスムーズに活躍できるよう、今からできる準備があります。

介護業界への理解を深める情報収集

まずは、介護業界に対する漠然としたイメージを払拭し、業界の現状と課題、そして今後の動向について深く理解することが重要です。

介護保険制度の仕組みや、高齢化社会における介護の役割、各種施設の種類やサービス内容などを、専門のウェブサイトや書籍を通じて学びましょう。

これにより、面接などで自身の志望動機や入社後の目標を、より具体的に語れるようになります。

職種に応じた資格の取得を検討する

介護職員として働く場合、入社までに資格の取得が必須ではありませんが、介護職員初任者研修などの資格を持っていると、基本的な知識と技術を身につけた状態で仕事に臨めるため、採用選考で有利になる可能性があります。

また、仕事への本気度を示すことにも繋がります。

入社後のキャリアアップを見据え、介護福祉士などの国家資格についても情報収集をしておくと良いでしょう。

実際に現場を見るインターンシップやボランティアへの参加

机上の知識だけではわからない、介護の仕事のリアルな側面を知るためには、インターンシップやボランティアへの参加が最も有効です。

実際に高齢者の方々と触れ合い、現場の職員の働き方を間近で見ることで、仕事の大変さとやりがいの両方を体験できます。

「きつい」と言われる理由を肌で感じつつ、それを上回る魅力があるのかどうかを自分で判断する貴重な機会となります。

まとめ

介護業界は「きつい」というイメージが先行しがちですが、この記事を通じて、その仕事が持つ社会的な重要性と大きなやりがい、そして具体的な職種や業務内容をご理解いただけたのではないでしょうか。

確かに身体的・精神的な負担はありますが、それは人の人生を支える仕事ならではの責任感の裏返しでもあります。

超高齢社会を迎える日本において、介護の仕事は今後ますます必要とされる分野であり、キャリアを通じて社会貢献を実感できる仕事です。

もし少しでも興味が湧いたのなら、ぜひインターンシップなどを活用して現場に触れ、あなたの就職活動の選択肢の一つとして真剣に検討してみてください。

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