
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
この記事では ChatGPT を使ってガクチカを作る方法を、最初の考え方から実践のコツ、注意点まで一通りまとめています。
ただ使うだけでは浅い文章になりますが、正しく使えば自分の経験を整理しやすくなり、深いガクチカが書けるようになります。
就活で何から始めればいいか迷っている人は、まずこの記事全体を通して読めば流れがつかめるので、是非参考にしてください。
目次[目次を全て表示する]
【ChatGPTでガクチカ】作成はできるの?
就職活動では、自分の経験をどのように伝えるかがとても大切になります。
その中でも、学生生活で力を入れたことは多くの企業が注目する項目です。
最近は文章を整えるためにAIを使う学生も増えており、便利さを感じる場面も多いはずです。
しかし、どのように使うかによって出来上がる内容の深さや説得力が大きく変わります。
作成自体は可能
AIの性能向上により、学生生活で力を入れたことの文章を作成すること自体は十分に可能です。
テーマや経験の流れを伝えるだけで、文章の骨組みや流れを示してくれるため、書き出しで手が止まってしまう学生にとって大きな支えになります。
文章が苦手な人にとっては、言い回しの調整や段落構成の整理を手伝ってくれる点も魅力です。
また、自分では気づきにくい表現の偏りを抑え、全体の読みやすさを整える働きもあります。
しかし、AIが作った文章には限界があります。
経験の温度感や本音の部分は、やはり本人の言葉でしか伝わりません。
そのまま提出すると、表面だけをなぞったような印象になり、経験の深さが読み手に届かないことがあります。
そのため、AIはあくまで補助役と考え、最後に自分の言葉で調整する工程が欠かせません。
ただし指示が品質を左右する
AIに学生生活で力を入れたことの文章を作成してもらう場合、どのような指示を与えるかで完成度は大きく変わります。
活動名だけを伝えた曖昧な指示では、どこにでもあるような平凡な文章しか生まれません。
活動の背景、自分の役割、苦労した点、工夫した点、得た学びなど、具体的な情報を与えることで、文章の深さは大きく向上します。
また、読み手に伝えたい強みや、理解してほしい成長を事前に整理しておくことも重要です。
AIは与えられた情報をもとに文章を組み立てるため、元の材料が不足していると内容が薄くなります。
そのため、まず自分の経験を簡単に整理し、必要な情報をまとめておくことが文章の質を高める重要な準備になります。
ChatGPTは書かせるより深掘りに使う
AIの本当の力は、文章を自動で書かせることではなく、自分の経験を深掘りする対話にあります。
活動の背景や、そのときの気持ちを質問形式で整理してもらうことで、自分では気づいていなかった考え方に気づくことがあります。
なぜその行動を選んだのか、どの場面で苦労したのか、結果としてどんな成長につながったのかなど、経験の中にある本質を明確にする手助けもしてくれます。
さらに、書き上げた文章に対して改善点を示してもらうことで、伝わりにくい部分の修正や構成の見直しができます。
AIを対話相手として使うことで自己分析が深まり、読み手に響く根拠のある文章へと仕上がります。
【ChatGPTでガクチカ】バレる要因3つ
就職活動では自分の経験をどのように伝えるかが重要になります。
その中でも学生生活で力を入れたことは多くの企業が重視する項目です。
最近は文章作成の補助としてAIを使う学生が増えていますが、その一方で内容が不自然だと気づかれてしまう場面もあります。
以下では、ガクチカをchatgptで作成しているとバレてしまう要因3つを紹介します。
1. AI特有の一般論
AIが作る文章で最も目立つ特徴が、一般論の多さです。
主体性や課題解決といった言葉は便利ですが、それだけでは誰にでも当てはまる内容になってしまい、人事にとって印象に残りません。
また活動の背景や状況が曖昧になりやすく、経験を実際に行った本人でなくても語れてしまう文章になりがちです。
学生生活で力を入れたことは個人の実体験が重要視されるため、この一般論の多さは大きなマイナスになります。
読み手は文章のうまさよりも、本当にその経験に向き合ったのかどうかを重視しているため、曖昧な表現はすぐに見抜かれる傾向があります。
具体的な数値、固有名詞、当時の会話など事実ベースの情報を自分の言葉で追加しましょう。
活動した人数、扱った資料の量、成果として残った数値など数字で示せる部分は積極的に入れます。
またチームの名前、活動した場所、自分に指摘をくれた相手の名前など固有名詞を加えると内容に現実味が生まれます。
さらに当時の会話を自分の記憶の範囲で書き加えることで、その場にいた本人でしか書けない文章に変わります。
AIの文章を骨組みとして使い、最後に自分だけが知っている事実で肉付けすることが最も効果的な対策になります。
2. 感情や葛藤の欠如
AIが作る文章の大きな弱点として感情の薄さがあります。
困難だった、努力したなどの表現はできますが、悔しかった、不安で眠れなかった、緊張で手が震えたといった生の感情までは表しきれないため文章が無機質になります。
人事は学生が経験の中でどのように感じ、どのように向き合ったのかを知りたいと考えているため、感情の抜けた文章は説得力が弱くなります。
AIの文章を基礎として使いつつ、当時の自分が感じた感情を必ず自分の言葉で追加することも重要です。
悔しさ、不安、焦り、達成できた瞬間の安堵など、自分の気持ちを直接表現することで文章に大きな変化が生まれます。
また迷いがあった場面や失敗したときの気持ちを具体的に書くことで読み手にとってリアリティが増します。
感情の部分は本人の経験からしか出てこないため、ここを丁寧に補うことが文章の深さを作る最も重要なポイントになります。
3. 面接での深掘り質問
AIに全面的に作らせた文章の最大の問題点が面接で破綻しやすいことです。
文章の内容が自分の言葉で構成されていないため、面接官からのなぜや具体的にという質問に答えられなくなるケースが多く見られます。
活動の背景を理解していないまま文章にしているため、自分でも何が重要だったのか把握できていない状態で本番を迎えてしまいます。
その結果、説明が曖昧になったり話が矛盾したりし、文章そのものの信用性まで疑われることがあります。
完成した文章をAIに読み込ませ、面接官役として深掘り質問をしてもらいましょう。
なぜその行動を選んだのか、他の選択肢はなかったのか、具体的にどう行動したのかなど、実際の面接で聞かれる質問を事前に確認できます。
このシミュレーションを繰り返すことで、自分の経験を自分の言葉で語れるようになるため、面接でも落ち着いて答えられるようになります。
AIで作った文章であるほど、この深掘り作業は必須の工程になります。
バレない本質は自分の言葉で書くこと
AIを使って学生生活で力を入れたことを作成する際に最も大切なのは、最終的な文章を自分の言葉で仕上げることです。
どれほどAIが便利になっても、経験の細かな背景や、その時に抱いた気持ち、迷い、葛藤などは本人しか持っていない情報です。
そのためAIが作った文章をそのまま提出すると、内容に独自性がなくなり、読み手にとっても心に残らない文章になってしまいます。
一方でAIは深掘りの相手や構成案を作る役割としては非常に有効で、自分では気づけなかった視点や整理しきれなかった要素を引き出す手助けをしてくれます。
【ChatGPTでガクチカ】指示のコツ
AIを使って学生生活で力を入れたことを作成する際には、やり方によって仕上がりの質が大きく変わります。
便利だからといって任せきりにすると、どこかで見たような一般的な文章になってしまい、自分の経験としての深みが失われてしまいます。
ここでは、AIを使って学生生活で力を入れたことを作る時に知っておくと役に立つ、指示の出し方について詳しく説明します。
1. いきなり作成を指示しない
AIに学生生活で力を入れたことの文章を作ってほしいと思ったときに、いきなり作成をお願いしてしまうと深みのない平凡な文章になりやすくなります。
活動名だけを伝えた場合や、経験の背景を説明せずに作成を依頼した場合、AIは一般論を中心に組み立てるため、誰が書いても同じような内容になります。
この段階で作られた文章には自分らしさがほとんど反映されず、読み手にとっても印象に残りにくい仕上がりになります。
そのため作成を依頼する前に、まずどのような構成が適しているのか、どの点を強調したいのかなど、文章の土台となる部分を相談する段階を作ることが大切です。
2. AIに役割を与える
AIに役割を与えてから依頼をすると、回答の精度が大きく向上します。
学生生活で力を入れたことは文章の整え方だけでなく、採用側の視点を理解することも大切になるため、面接官役として質問してもらう方法は特に効果的です。
また文章の整理が苦手な場合は、文章をわかりやすくする指導役としてお願いすることで、表現の改善点や伝わりにくい箇所を教えてもらえます。
役割を与えることでAIは依頼内容をより具体的に理解し、その役割に適した視点で内容を深めてくれるようになります。
さらにキャリアの相談役として使うことで、自分では気づけなかった強みに気づいたり、経験をどう表現すれば良いかの方向性をつかむきっかけにもなります。
3. 自分の経験素材を詳細に入力する
AIは入力された情報だけを使って文章を組み立てるため、経験の素材が不足していると内容が浅くなってしまいます。
活動内容を一言だけ伝えた場合や、大まかな説明だけを入力した場合、AIは一般的な表現で埋めるしかなく、経験に現実味がなくなります。
そこで大切になるのが、五つの要素と一つの要素を意識して具体的な素材を与えることです。
いつ、どこで、誰と、何を、なぜ、どのように進めたのかを細かく伝えることで、AIは文章の骨組みをより正確に構築することができます。
また活動中に起きた出来事や、会話の内容、失敗した場面、成功までの過程など具体的な情報を追加することで、自分にしか書けない内容へと変わります。
4. 対話を繰り返し精度を上げる
AIの初回回答はあくまでたたき台であり、完成形ではありません。
最初の回答をそのまま採用してしまうと、内容の深さが足りない部分や、表現の改善点に気づけないまま文章が完成してしまいます。
そこで必要になるのが対話を重ねるという工程です。
疑問点や改善したい部分を伝え、もう一度作り直してもらうことで、内容は少しずつ精度が高まります。
また追加で説明したい経験が出てきた場合や、強調したい点が変わった場合も、その都度伝えることでより自分らしい文章に近づきます。
この対話の積み重ねは面接対策にもつながり、自分の経験を自分の言葉で語れるようになるという副効果もあります。
【ChatGPTでガクチカ】作成4ステップ
AIを使って学生生活で力を入れたことを作成するときは、いきなり文章を作らせるのではなく、順番と手順を意識することがとても大切です。
自分の経験をしっかり思い出し、その意味づけを深めてから文章に落とし込むことで、読み手に伝わる内容になります。
以下、4つのステップに分けて解説します。
Step1. 自己分析と素材の洗い出し
最初のステップでは、AIに頼らずに自分の経験を自力で棚卸しすることが重要になります。
どの活動に最も時間をかけたのか、どんな場面で苦労したのか、どの瞬間が一番印象に残っているのかなどを紙やメモアプリに書き出していきます。
このとき、完璧な文章にしようとする必要はなく、思いついた順番で構わないので事実をそのまま並べていく意識が大切です。
部活動、アルバイト、ゼミ、サークル、ボランティアなど、関わったことを幅広く書き出し、その中から特に自分の成長が大きかったと感じるものを選んでいきます。
また、関わった人数や期間、担当した役割、成果として残ったものなど、できるだけ数字や具体的な内容も一緒にメモしておくと後のステップで役に立ちます。
Step2. AIとの対話で深掘りする
次のステップでは、Step1で整理した素材をもとにAIと対話しながら経験を深掘りしていきます。
いつ、どこで、誰と、何を、なぜ、どのように取り組んだのかをAIに伝え、その上でさらに理由を掘り下げる質問を投げてもらいます。
なぜその活動を選んだのか、なぜその場面でその行動を取ったのか、なぜうまくいかなかったのか、なぜ成長したと言えるのかなど、理由を何度も問い直していくことで、自分でも気づいていなかった動機や価値観が見えてきます。
このとき、AIを答えを出す相手ではなく、考えを整理するための壁打ち相手として使う意識を持つと効果が高まります。
自分の考えを一度文章にしてAIに伝え、返ってきた質問にまた答えるというやり取りを繰り返すことで、経験の背景や学びがよりはっきりしてきます。
こうして深掘りした内容が、後のステップで文章に説得力を持たせる核の部分になります。
Step3. 構成案の作成
3つ目のステップでは、深掘りして整理した内容をもとに、AIに文章の骨組みを作ってもらいます。
ここで役立つのが状況、課題、行動、結果の流れで整理する考え方です。
最初にどのような状況だったのか、次にどんな課題や問題があったのか、自分がどのように行動したのか、最終的にどんな結果や学びにつながったのかという順番で、見出しや構成を作るよう指示します。
この段階でいきなり本文を書いてもらうのではなく、段落ごとに何を書くかを整理した構成案だけを出してもらうことがポイントになります。
構成案があれば、自分がどの部分にどのエピソードを入れればいいのかが一目でわかり、書くときの迷いが少なくなります。
Step4. 文章の添削
最後のステップでは、Step3で作った構成案に沿って自分の言葉で文章を書き、その後でAIに添削を依頼します。
このときに大切なのは、本文そのものをAIに任せてしまうのではなく、あくまで自分で書いた文章を見てもらうという姿勢です。
まずは構成案を見ながら、自分の経験や感情を思い出しつつ、一文一文を自力で書き上げます。
書き終えたら、その文章をAIに渡し、読みづらい箇所はどこか、わかりにくい説明はないか、内容に矛盾がないかなどを客観的に指摘してもらいます。
言い回しの調整や、削った方が良い部分、逆にもう少し具体的に書いた方が良い部分についてアドバイスを受け、それを参考にしながら最終版に整えていきます。
【ChatGPTでガクチカ】最強プロンプト集
Chatgptは指示の出し方を工夫するだけで、文章の深さも説得力も大きく変わります。
適切な指示は経験の棚卸しを助け、強みを引き出し、読み手に伝わる文章を作るうえで欠かせない力になります。
そこでここでは、誰でもすぐに使えて、学生生活で力を入れたことの質を一気に高めるための最強プロンプトをいくつかを紹介します。
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あなたは優秀なキャリアアドバイザーです。
以下の私の経験リストからアピールできそうな強みを3つ挙げてください。
[ここに経験の箇条書きを貼り付け]
あなたは鋭い面接官です。
以下のエピソードについて「なぜ」「具体的に」という質問を5回繰り返してください。
[ここに深掘りしたいエピソードを貼り付け]
あなたは[志望業界名 例:IT業界]の人事担当者です。
私の「居酒屋アルバイトでの新人教育」経験を「ITコンサルタント職」で活かせるスキルに翻訳して説明してください。
[ここに経験の詳細を貼り付け]
あなたは論理構築の専門家です。
以下の「課題」「私の行動」「最終結果」を使い、STAR法に基づいたストーリーの骨組みを作成してください。
課題:[例:サークルの参加率が低かった]
私の行動:[例:欠席者に個別にLINEで議事録を送った]
最終結果:[例:次のイベント参加率が20%向上した]
あなたは共感を呼ぶコピーライターです。
以下の文章は論理的ですが冷たく、人間味に欠けます。
私が当時感じていた「悔しさ」や「粘り強さ」が伝わるよう、人間味のある表現に修正してください 。
[ここに修正したい文章を貼り付け]
あなたは[志望企業名 例:〇〇商事]の採用担当者です。
以下のすべての要素を盛り込み、ガクチカとして400字以内の構成案を作成してください。
要素1:[深掘りした動機]
要素2:[翻訳した職種別スキル]
要素3:[STAR法で構築したエピソード]
要素4:[人間味を加えた感情表現]
【ChatGPTでガクチカ】GPTsの評価
AIを使った文章作成が一般的になり、より便利に活用するための機能としてGPTsが注目されています。
これは自分の目的に合わせてAIを調整できる仕組みで、使い方によって作業効率を大きく高めることができます。
ガクチカ作成用GPTsとは
ガクチカ作成用GPTsとは、あらかじめ経験の整理に役立つ質問や、文章の流れを作る指針が設定されており、呼び出した瞬間からガクチカ作成に必要な方向へ話が進むように作られています。
初心者でも迷わず使えるように、質問や構成の流れが用意されている点が大きな特徴です。
どこから書き始めれば良いのか分からない学生にとっては入り口として役立ち、一定の型に沿って作業を進められるため安心して取り組めます。
一方でこの仕組みは作成者が決めた方向性をなぞる形になるため、自由に深掘りしたい場合や独自の視点を強く反映したい場合には調整が必要になる側面があります。
GPTsのメリットとデメリット
ガクチカ作成用GPTsの最大の利点は、とても手軽に使える点にあります。
最初から作業の流れが決まっているため、難しい指示を出さなくても文章の骨組みを作ることができます。
忙しい学生や文章の構成が苦手な学生にとっては、短い時間で形にできるという点は大きな魅力です。
しかし便利さと引き換えに、考え方が一定の型に寄りやすいという弱点があります。
設定された質問に答える形になるため、深く掘り下げるよりも決まった道筋をなぞるような思考になりやすく、オリジナリティの面では物足りなさが出ることもあります。
ガクチカは自分の経験に基づく独自性が重要になるため、この点を理解したうえで使い方を工夫する必要があります。
無料版で十分な理由
無料版の環境でも、ガクチカ作成には十分すぎるほど対応できます。
理由は、ガクチカ作成の本質が二つの要素で成り立っているためです。
一つ目は自分の経験をどこまで丁寧に深掘りできるかという点で、これは無料版でも問題なく行えます。
二つ目は文章の構成や添削の工程であり、これも無料版の機能だけで十分に対応できます。
さらに無料版では決まった型に縛られず、対話の内容を自分で調整しながら深掘りできるため、かえって独自性のある内容に仕上げやすい利点があります。
この記事で紹介している指示文を組み合わせれば、ガクチカ作成用GPTsよりも深く、自分らしさを引き出した文章を作ることができます。
【ChatGPTでガクチカ】利用時の注意点
AIを使って学生生活で力を入れたことを作る流れが広がる一方で、その便利さに頼りすぎると逆に評価を下げてしまう危険もあります。
特に面接では文章だけでは分からない部分が見抜かれやすく、AIを使ったことがすぐに伝わってしまうこともあります。
また入力する情報の扱い方や、生成された内容の確認不足によって思わぬトラブルが起こることもあります。
ここではAIを使うときに必ず押さえておくべき3つの注意点を、分かりやすく説明します。
NG1. コピペの禁止
AIが作った文章をそのまま写す行為は、もっとも避けるべき使い方です。
理由は二つあります。
一つ目は自分で深掘りをせずに文章を完成させてしまうため、面接で理由を聞かれたときに説明できなくなる危険があるからです。
文章上では整っていても、自分の言葉で語れなければ経験としての説得力が失われ、評価も大きく下がってしまいます。
二つ目はAIが整えた文章には特徴的な癖があり、読み手にとっては本人の考えの跡が薄い内容に見えてしまうことです。
経験に伴う感情や迷いがほとんど書かれていないため、どこか表面的で深みがない印象になります。
NG2. 個人情報の入力禁止
AIを使う際には、氏名や大学名、アルバイト先などの特定される情報を入力しないことが重要です。
理由は、入力された内容がシステムの外に漏れる可能性を完全にゼロにできないためです。
個人が特定される情報を不用意に入力してしまうと、不要なリスクを抱える結果になります。
そのため安全に使うためには、固有名詞を別の抽象的な表現に置き換えて入力する方法が有効です。
例えば大学名の代わりに文系の四年制大学とするなど、自分を特定されない範囲に調整して使います。
また実名や具体的な場所を避けることで、作成した文章の扱いに不安を感じずに活用することができます。
NG3. 虚偽情報の確認
AIは便利ですが、必ずしも正しい情報だけを返すわけではありません。
もっとも注意すべき点は、自然な文章として提示されていても、中身が実際とは違っている場合があることです。
特に過去の出来事や数字に関する情報は、古い内容をそのまま回答することもあり、自分でも気づかないうちに誤りを含んだ文章になってしまう危険があります。
そのため生成された内容は完成と思い込まず、必ず自分で裏付けを取る意識が必要です。
自分が実際に経験していない部分が含まれていないか、事実と違う説明になっていないかなど、細かく確認することで信頼できる文章に整えることができます。
【ChatGPTでガクチカ】実践・改善例
学生生活で力を入れたことを作るときは、頭で理解していてとうまく形にできないことが少なくありません。
そこで役に立つのが実際の対話例や改善例です。
実際の例を知ることで、自分自身の学生生活で力を入れたことにも応用できるようになります。
悪いプロンプト例と生成結果
多くの学生がやってしまいがちな失敗は、ChatGPTに思考を丸投げしてしまう抽象的な指示です。
居酒屋のアルバイト経験で、ガクチカを400字で作成してください。
私は居酒屋のアルバイトでリーダーシップを発揮しました。主な役割は新人の指導とシフト管理です。私は常に効率的なオペレーションを心がけ、売上向上に貢献しました。困難な状況でも主体性を持って課題解決に取り組み、チーム全体のパフォーマンスを最大化しました。この経験で培った課題解決能力を活かし、貴社の発展に貢献したいと考えています。
この文章は、具体性やあなた自身の感情が一切なく、AI特有の一般論だけで構成されています。
採用担当者はこのような文章を日常的に目にしているため、ES選考の段階で即座に見抜かれてしまう可能性が非常に高いです。
良いプロンプトの対話例
次に、本記事が推奨する深掘りを活用したChatGPTとの対話例を紹介します。
ポイントはAIに書かせるのではなくAIに質問させることです。
あなたは優秀なキャリアアドバイザーです。 私は居酒屋でアルバイトをしていましたが、平凡な経験だと感じています。 以下のエピソードについて、私が「なぜ」そう行動したのか、私の「本当の動機」を深掘りするために、鋭い質問を5回繰り返してください。
エピソード:新人の離職率が高いことに問題意識を持ち、教育マニュアルを自分なりに改善しました。
ChatGPT:なぜ新人の離職率が高いことに「問題意識」を持ったのですか?あなた自身に何か実害がありましたか?
学生:はい。自分が新人の頃、誰も教えてくれず放置されて非常に苦労し、悔しい思いをした経験があったからです。
ChatGPT:なるほど。なぜマニュアルを「自分なりに」改善しようと思ったのですか?既存のマニュアルではダメだったのでしょうか?
学生:既存のマニュアルは用語が難しく、実際の業務(ハンディの使い方など)と内容がかけ離れていました。
ChatGPT:なぜ業務と内容がかけ離れていたのだと思いますか?
学生:店長が忙しく、マニュアルが何年も更新されていなかったからです。
ChatGPT:なぜあなたは(店長ではなく)自分でマニュアルを改善したのですか?
学生:苦労している新人を見るのが辛かったですし、自分が教育係を任されることが多く、指導の非効率さが店全体の負担になっていると強く感じたからです。
ChatGPT:「全体の負担」とは、具体的にどのような負担だと考えたのですか?
学生: 新人が定着しないと、既存スタッフのシフト負担が物理的に増えます。その結果、接客品質が下がり、お客様の満足度低下に繋がると考えました。
改善ガクチカのBeforeとAfter
「悪いプロンプト」で自動生成されたものと、「良い対話」を経て深掘りした内容を基に、あなた自身の言葉で執筆したガクチカを比較してみましょう。
私は居酒屋のアルバイトでリーダーシップを発揮しました。主な役割は新人の指導とシフト管理です。私は常に効率的なオペレーションを心がけ、売上向上に貢献しました。困難な状況でも主体性を持って課題解決に取り組み、チーム全体のパフォーマンスを最大化しました。この経験で培った課題解決能力を活かし、貴社の発展に貢献したいと考えています。
私は居酒屋のアルバイトで「課題を発見し、主体的に行動する力」を発揮しました。私の店舗では新人の離職率の高さが慢性的な問題でした。原因は、業務マニュアルが何年も更新されておらず、指導者によって教え方が異なり新人が混乱するためだと分析しました。私自身も新人の頃、誰も頼れず悔しい思いをした経験があります。そこで店長に許可を取り、新人目線で分かりやすい独自マニュアルを作成・配布しました。結果、新人の定着率が3割向上し、店舗全体の接客品質も安定しました。この経験で学んだ課題を発見し行動する力を、貴社の業務でも活かします。
Beforeのリーダーシップという曖昧な一般論が、Afterでは課題を発見し、主体的に行動する力という具体的な行動に変わりました。さらに悔しい思いをしたというリアルな感情(動機)が加わり、面接官の深掘りにも自信を持って答えられる、あなただけのオリジナルなエピソードに進化したことが分かります。
【ChatGPTでガクチカ】よくある質問
AIを使って学生生活で力を入れたことを作る動きが広がる中で、利用方法や面接での扱い方について不安を抱える学生も多くいます。
便利な道具である一方、誤った使い方をすると評価を落としてしまう可能性もあるため、正しい理解が欠かせません。
ここでは実際に寄せられることが多い4つの質問を取り上げます。
AIを使ったことは面接で言うべきですか?
AIを使用したことを面接で伝えるべきか悩む学生は多いですが、自分から積極的に申告する必要はありません。
面接は自分の経験や価値観を伝える場であり、AIの利用そのものを評価されるわけではないためです。
ただし面接官から直接聞かれた場合には、隠さずに率直に答える姿勢が大切になります。
その際には文章作成を丸投げしたのではなく、壁打ちとして使った、添削の助けとして活用したなど、自分が主体的に取り組んだ点を中心に説明することで評価が下がる心配はありません。
AIを使ったこと自体が問題ではなく、どのように使い、自分の思考がどこにあるのかを説明できるかが重要になります。
他の学生もChatGPTを使っていますか?
近年はAIを学習に取り入れる学生が増えているため、学生生活で力を入れたことの作成に活用している学生も多いと考えられます。
ただし重要なのは使っているかどうかではなく、どのように使っているかという点です。
AIをそのまま写して提出するのではなく、自分の経験を深掘りする相手として利用し、自分の言葉でまとめる姿勢が大切です。
他の学生が使っているかどうかを気にするよりも、自分が主体的に経験を整理できているかが評価に影響します。
AIの利用は珍しいことではありませんが、思考を放棄してしまうと文章に深みがなくなり、読み手にすぐに見抜かれてしまいます。
有料版は必要ですか?
学生生活で力を入れたことを作る目的であれば、有料版でなくても十分に対応できます。
無料版でも経験の深掘りや文章構成の整理、添削など必要な工程はすべて実行できるため、必須ではありません。
有料版は動作が速く安定し、長い文章を扱う際に便利ではありますが、内容の質に直接の差が出るわけではありません。
むしろ重要なのは、どの情報を入力し、どこまで深掘りを行うかという使い方の部分です。
この記事で紹介している指示文を無料版で使えば、十分に独自性のある内容を作ることができます。
他の自己PR・志望動機への応用は?
学生生活で力を入れたことの作成に使った方法は、自己PRや志望動機にも十分に応用できます。
特にAIを壁打ち相手として利用し、なぜに対して理由を繰り返し問い直す深掘りは、どの項目でも共通して効果があります。
また企業研究の段階でも質問相手として使えるため、業界の特徴や企業の求める人物像を整理する際にも役立ちます。
一度使い方が身につけば、文章作成全体の質が安定し、複数の項目で一貫した強みを表現できるようになります。
大切なのはAIに任せるのではなく、自分の経験や考えを引き出す道具として使う意識を持つことです。
【ChatGPTでガクチカ】まとめ
ガクチカ作成で大事なのは、AIに頼りきりになることではなく、自分の経験を自分の言葉で語れるようにすることです。
この記事で紹介した指示の出し方や深掘りの考え方を使えば、AIは作業を代わりにする道具ではなく、考えを整理する相手として役立ちます。
今日から少しずつ試しながら、自分だけのエピソードを形にしていきましょう。
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