HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
本記事では、エンジニア志望のガクチカにおいて企業が注目するポイントや、アピールするべきスキル、さらに分かりやすい書き方と注意点を解説します。
エンジニアとしての適性を示すためにどのような要素を強調すればよいのか、ぜひ参考にしてください。
【エンジニアのガクチカ】学生時代に力を入れたこと
エンジニアを志望する際にガクチカとして挙げる経験は、技術力や学習意欲を活かした内容が最適です。
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」を指し、一般的には大学生や専門学生が対象とされます。
高校時代の経験も悪くはありませんが、大学時代や専門学校での取り組みの方が評価されやすい傾向にあります。
特に、プログラミングやプロジェクトの実践経験が求められるエンジニア職の場合、技術習得の過程やチームでの役割をガクチカで説明することが望ましいです。
コロナ禍で課外活動が制限される中でも、自己学習やリモートプロジェクトへの参加など、何かに積極的に取り組んでいたエピソードを見つけましょう。
学業や課外活動の制限があった状況を理解しつつ、独自の工夫をして取り組んだことが評価されやすいです。
自己PRでは、主に「自分の強みをどう業務に活かせるか」を説明します。
例えば、エンジニアとしての強みである「問題解決力」をどう実際のプロジェクトで活用できるかを語る場です。
一方、ガクチカは、学生時代の経験を通じて身に付けたスキルや価値観がどのように形成されたかに焦点を当てます。
特にエンジニア職においては、論理的思考力や学習意欲が求められるため、ガクチカではどのようなプロセスでそれらを習得したか、具体的な経験やプロジェクト内容を用いて伝えることが重要です。
【エンジニアのガクチカ】企業がガクチカを聞く理由
企業がガクチカを質問するのにはいくつかの理由があります。
エンジニアは技術力のみならず、協調性や柔軟性も求められる職種です。
企業は、志望者がチームの一員としてどのように貢献できるのかや、持続的に学び続ける意欲があるのかも重視します。
自社とマッチングする人なのか
企業がガクチカを通じて見たいポイントの一つが、「自社とマッチングするかどうか」です。
学生時代に力を入れたことの内容やその行動スタイルから、応募者の人柄や価値観を知ることができるからです。
もし、ガクチカがサークルやアルバイトなど、複数人で行う活動だった場合、どのように周囲と関わりながら役割を果たしてきたかが問われます。
特に、チームとしての協力姿勢や、対話を通じた課題解決の姿勢は、エンジニア職における協調性を評価するうえで非常に重要です。
職場でも頑張れる人なのか
企業がガクチカを尋ねるもう一つの理由は、「職場でも努力を続ける姿勢を持っているかどうか」です。
エンジニアとして活躍するには、常に新しい技術や知識を取り入れることが欠かせません。
そのため、学生時代に特定のプロジェクトや研究に積極的に取り組んできた経験がある人材は、企業としても歓迎されやすいです。
特に、問題が発生しても冷静に対応し、改善を繰り返すことで自己成長を図ってきたエピソードは、入社後の仕事への意欲と意識の高さを示す材料となります。
学びの姿勢があるか
ガクチカでは、経験から学んだことをどう次に活かしたかが問われます。
エンジニアは業務の中で日々新しい知識や技術に触れるため、学びの姿勢が求められます。
例えば、過去に直面した課題から得た教訓をどのように次のプロジェクトに活かしたのかなどのエピソードは、学び続ける意欲があることを示すポイントです。
このようなエピソードをもとに、企業は応募者が仕事においても積極的に知識を吸収し、自分の成長に取り組んでいける人材であるかを評価します。
【エンジニアのガクチカ】エンジニアに必要なスキル
エンジニア志望の就活生がガクチカでアピールすべきスキルは、エンジニア特有の要件を意識したものが望まれます。
特に、コミュニケーション力、問題解決力、学習意欲、論理的思考力の4つはエンジニアとして必要不可欠なスキルであり、企業が特に注目する点です。
コミュニケーション
エンジニアにとって、技術力だけでなく、チームやクライアントと円滑にコミュニケーションを取る能力も求められます。
プロジェクトの進行には、チームメンバーと密な情報交換が欠かせません。
特に、グループで協力しながら進めたプロジェクトや課題解決の経験を通じて、他者の意見を理解し、自分の考えを適切に伝える力を発揮したエピソードは大きな強みとなります。
また、エンジニアは複雑な技術内容を簡潔に伝える場面も多いため、専門知識をわかりやすく他者に伝えることができる能力も重視されます。
問題解決能力
エンジニアには、日々発生するエラーや予期せぬトラブルに対応するための高い問題解決能力が不可欠です。
ガクチカの中で、何か課題に直面したときにどのように対処したか、その思考プロセスと具体的な解決方法を示すことで、企業はあなたの柔軟な対応力や課題解決のスキルを評価することができます。
たとえば、学業やプロジェクト活動で発生した技術的な障害やチーム内の不一致に対し、冷静に状況を分析し、適切なアクションを起こしたエピソードは、面接官にとって印象的な要素です。
このように、問題解決力を発揮した実例を具体的に示すことで、エンジニアとして求められる柔軟性や論理的思考力を強調することが可能です。
学習意欲
エンジニア業務においては、常に新しい技術や知識を吸収することが求められます。
IT業界は急速に進化し、新しいプログラミング言語や開発ツール、技術スタンダードが頻繁に更新されるため、学習意欲が高いことは必須の資質です。
ガクチカにおいては、自己学習の姿勢をアピールすることが効果的です。
例えば、独学で新しいプログラミング言語を習得し、実際のプロジェクトに応用した経験や、資格取得のために自発的に勉強を続けたエピソードを通じて、企業側に「学び続ける力」を示しましょう。
このように、学習意欲をアピールすることで、入社後も自ら成長し続ける姿勢を伝えることができます。
論理的思考力
エンジニアには複雑な課題を論理的に分解し、一つずつ解決していく能力が求められます。
ガクチカにおいて、物事を分解し、ステップごとに解決策を組み立てるプロセスを詳述することで、論理的思考力をアピールできます。
たとえば、学生時代に取り組んだ研究やプロジェクトで、初めに計画を立て、問題の優先度を設定し、順序立てて取り組むことで成果を得た経験がある場合、それを具体的に伝えると良いでしょう。
また、コーディングやシステム設計において複雑なアルゴリズムやデータ構造を理解し、最適な処理方法を選択した経験も強みになります。
【エンジニアのガクチカ】構成
ここでは、ガクチカの基本的な構成を解説します。
この構成に沿って進めることで、内容が整理され、面接官にもわかりやすく伝わる文章を作成できます。
1. 結論
ガクチカでは結論を最初に述べることで、面接官に要点が伝わりやすくなります。
まず、「私のガクチカは〇〇です」と、どのような経験を通じて力を入れて取り組んだのかを簡潔に示しましょう。
エンジニア志望の場合であれば、たとえば「〇〇プロジェクトでのチーム開発経験」や「独学でのプログラミング習得」といった具体的な経験が挙げられます。
こうした結論ファーストのアプローチにより、話の焦点がはっきりし、面接官の興味を引きやすくなります。
2. 背景
次に、なぜその経験に力を入れようと思ったのか、背景を述べます。
この部分では、自分の成長やスキル向上を目指した動機や、チームに貢献したいという意欲などを具体的に説明します。
例えば、「〇〇のスキルを身に付けたいと思ったため」や「初めてのチームプロジェクトで責任を果たしたかったから」など、エンジニアとしての目標に向かって努力する姿勢を伝えると良いでしょう。
背景を示すことで、モチベーションや考え方を面接官に伝えることができます。
3. 目的
ここでは、ガクチカにおいて達成したい目的や乗り越えるべき課題を示します。
目指した結果やそのプロセスを具体的に伝えることで、面接官にも取り組みの重要性が伝わりやすくなります。
たとえば、「チームでの開発スキルを高め、プロジェクトの成功に貢献することを目指した」や「プログラムの完成度を高め、バグを最小限に抑える工夫をした」といった具体的な目標があると説得力が増します。
この段階で、エンジニアとしての責任感や問題解決への意欲を示すと良いでしょう。
4. 具体的な取り組み
実際にどのような行動を取ったのかを詳細に記述します。
課題をどのように解決し、取り組みの過程でどんな努力をしたか、具体的なアクションを順を追って説明しましょう。
例えば、「〇〇のツールを使用して作業を効率化し、〇〇に注力する時間を確保した」など、問題解決や効率化の工夫を盛り込むと、あなたのエンジニアとしてのスキルが伝わります。
また、チーム開発であれば、どのように他メンバーと連携し、意見を調整したかも重要なポイントです。
5. 結果
次に、あなたの取り組みの結果がどのような成果を生んだのかを示します。
結果として達成できたことや、具体的な数値や評価を盛り込むことで、取り組みの効果が面接官に伝わりやすくなります。
たとえば、「エラー発生率を20%削減することに成功し、チームからも評価を得た」といった具体的な成果があると説得力が増します。
こうした結果を明示することで、努力の成果と実力が証明されるため、エンジニアとしての価値がより伝わりやすくなります。
また、結果として「思うようにいかなかった」「失敗した」などでもガクチカとしては全く問題ないため、その失敗から何を得たか、ポジティブに伝えるようにしましょう。
6. 学びと入社後の結び付け
最後に、ガクチカを通じて得た学びや成長をどのように入社後に活かしていきたいかを述べます。
この部分では、エンジニアとしてどのように貢献したいかや、自己成長をどのように続けていくつもりかを伝えましょう。
例えば、「問題解決のための柔軟なアプローチを常に意識し、今後も改善に努めたい」といった抱負を述べると良いでしょう。
学んだことをもとに入社後の意欲や貢献姿勢を表現することで、企業に対して真摯な姿勢が伝わります。
PREP法は面接でも有効!
PREP法(Point, Reason, Example, Point)は、面接の際に効果的な伝え方として知られています。
面接は書類とは異なり、話す内容をその場で即座に組み立てる必要があるため、PREP法を使って整理することで、自分の伝えたいポイントがスムーズに伝わります。
最初にポイント(結論)を簡潔に述べ、次にその理由や背景を補足し、さらに具体的な事例で説明し、最後に再度ポイントをまとめる構成です。
この順序で話を進めると、面接官にわかりやすく印象的な回答ができます。
【エンジニアのガクチカ】ポイント
エンジニアとしてのガクチカで重要なのは、実際の経験をもとに具体的でわかりやすいアピールを行うことです。
ここでは、ガクチカを効果的に伝えるためのポイントについて解説します。
具体的な数字を盛り込む
ガクチカをわかりやすく伝えるには、具体的な数字や指標を使用して結果や成果を明確にすることが重要です。
たとえば、「3ヶ月間のプロジェクトでチームの効率を20%向上させた」や、「アルゴリズムの改善により処理速度を30%短縮した」など、明確な数字があると成果が一目で伝わります。
また、定量的な目標や成果を示すことで、ガクチカがより説得力を持ち、面接官にも高く評価されやすくなります。
事実と解釈を分ける
ガクチカで伝えるエピソードには、事実と自分の解釈を分けて整理することが大切です。
具体的な行動や結果を「事実」として提示した上で、その経験から得た気づきや成長、自己理解を「解釈」として明確に示すと、エピソードに一貫性が生まれます。
たとえば、「データ分析の経験から論理的思考力を養い、効率化への意識が高まった」といった形で伝えると、自分の学びと成長を面接官に納得させやすくなります。
【エンジニアのガクチカ】注意点
ガクチカでは、アピールする内容に偏りが出ないようにすることが重要です。
ここでは、ガクチカを書く際に注意すべき点について解説します。
成果やエピソード自体を強調しすぎない
ガクチカでは、成果だけを強調するのではなく、その過程や取り組んだ工夫をしっかり伝えることが重要です。
たとえば、プロジェクトの成功だけに注目するのではなく、成功に至るまでの問題解決方法や努力したプロセスを具体的に述べると、あなたの働き方や考え方が評価されやすくなります。
また、エンジニアとしての思考プロセスや課題に対する柔軟な対応が伝わるように構成することで、面接官にもより深い理解を与えられるでしょう。
ポジティブに伝える
ガクチカでは、たとえ失敗や困難な経験であっても、それを乗り越えた過程や得られた学びをポジティブに伝えることが大切です。
例えば、トラブルを経験したエピソードがある場合、問題の解決に向けて取り組んだ具体的な方法や、そこから学んだことを前向きな視点で説明しましょう。
このように成長意欲を持って取り組んだ経験として伝えることで、企業に対して良い印象を与えやすくなります。
ポジティブな姿勢は、エンジニアとしての柔軟性や自己成長力を示すアピールポイントとなります。
【エンジニアのガクチカ】例文3選
エンジニアとしてのガクチカを作成する際、具体的なエピソードや成果をもとにして伝えることが大切です。
以下に、実際のガクチカ例文を3つ紹介します。
例文1. 塾講師経験のガクチカ
大学1年から中学生を対象に塾講師として英語と数学を指導してきました。
担当生徒は成績が低迷していて、特に勉強に対する苦手意識が強く、学習意欲の低さが課題でした。
生徒が自分で学ぶ意欲を持ち、苦手科目にも前向きに取り組む姿勢を育むことを目指し、指導方法を工夫することに力を注ぎました。
生徒一人ひとりの理解度を丁寧に確認し、苦手分野を重点的にサポートするために、授業の内容を基礎から見直し、例え話や日常的な話題も交えながら指導を行いました。
3か月後には英語の成績が20点以上向上し、生徒が「勉強が楽しい」と話してくれるようになりました。
こうした経験から、個別の理解度に合わせた指導の重要性を学び、常に学び続ける姿勢が成長につながると実感しました。
この経験を活かし、エンジニアとしても、日々成長しながら最適な解決策を見つけ出す力を発揮したいと考えています。
例文2. 飲食店バイトのガクチカ
高校時代から続けている飲食店でのアルバイトでは、特に繁忙期に注文ミスや提供の遅れが目立ち、顧客にご迷惑をかけてしまうことが度々ありました。
チーム内でも対応が遅れることが多く、業務の流れを改善して、円滑に業務を進めるための工夫が必要だと感じました。
そこで、まず業務を「注文」「調理」「提供」「片付け」に分け、それぞれの流れを見直して分析しました。
特に、注文を正確に取り、迅速に提供するために、スタッフ間で情報を共有する新しいメモの取り方を取り入れました。
これらの工夫により、注文ミスが30%減少し、待ち時間も5分以上短縮できたことで、お客様から「対応が迅速でよかった」との声をいただく機会も増えました。
問題を段階ごとに分解し、効率的に解決策を見つけることで成果を上げる力を学びました。
エンジニアとしても、論理的に課題に向き合い、改善策を実行できるよう尽力していきたいと考えています。
例文3. ボランティアサークルのガクチカ
大学で所属していたボランティアサークルでは、地域の子どもたちと一緒に楽しむイベントの企画を担当しましたが、メンバーの意見が分かれ、準備がなかなか進まない状況に直面しました。
そこで、メンバー全員が発言できる場を設け、どのようなイベントにしたいのかを話し合う機会を作りました。
各自の意見を尊重しつつ、共通のゴールに向けて意見をまとめることで、企画内容の統一を図り、準備の役割分担も決定しました。
こうした取り組みを通じて、メンバー間の信頼関係が深まり、イベントの進行もスムーズになりました。
イベント当日には、子どもたちから「また参加したい!」と好評を得られ、メンバーからも「みんなで成功できてよかった」との感想を聞くことができました。
チームで協力することの重要性や意見をまとめる力を学んだことで、エンジニアとしても連携を大切にし、積極的にコミュニケーションを図りながら業務に貢献したいと考えています。
【エンジニアのガクチカ】まとめ
エンジニアとしてのガクチカでは、専門的なスキルや経験をもとに、論理的に構成されたエピソードを効果的に伝えることが大切です。
また、具体的な数字や学びを盛り込むことで、エピソードが一層説得力を持ちます。
さらに、チームでの経験や成長意欲をアピールし、面接官に自分の価値を理解してもらうことが求められます。
エンジニアを目指す皆さんが、このガクチカを通して自分の強みを最大限にアピールし、採用に繋げられることを願っています。