
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
「友達が面接でいきなり英語で話しかけられたらしい」「もし自分がそうなったらどうしよう」と不安に思っていませんか?近年、グローバル展開を進める企業だけでなく、学生の対応力や度胸を見るために、予告なく英語面接を取り入れるケースが増えています。
しかし、過度に恐れる必要はありません。
面接官が見ているのは、完璧な英語力そのものよりも、予想外の事態に対する「姿勢」や「コミュニケーション意欲」であることが多いからです。
この記事では、英語でいきなり話してと言われた際の心構えから、今すぐできる具体的な対策、使えるフレーズまでを網羅的に解説します。
これを読めば、不意打ちの質問にも落ち着いて対応できる自信がつくはずです。
面接でいきなり英語で話すことはある?
結論から言うと、面接でいきなり英語で話すよう求められるケースは十分にあり得ます。
特に外資系企業や商社、航空業界はもちろん、海外進出を狙うメーカーやIT企業でも珍しくありません。
「自己紹介を英語でお願いします」や「最近気になったニュースについて英語で教えてください」といった質問が一般的です。
企業がこれを行う意図は、単なる語学力のチェックだけではありません。
「予期せぬ状況でパニックにならずに対応できるか」というストレス耐性や、「拙い英語でもなんとか伝えようとするか」という積極性を評価しているのです。
つまり、ネイティブのようにペラペラである必要はなく、沈黙せずにコミュニケーションを取ろうとする姿勢こそが、合否を分ける重要なポイントになります。
志望企業で求められる英語のレベルとは?
「英語面接」と聞くと、ビジネスレベルの高度な会話能力が必要だと思い込んでいませんか?実は、新卒採用の段階で企業が求めているレベルは、職種や企業によって大きく異なります。
いきなり英語で質問されたとしても、必ずしも完璧な文法や流暢な発音が求められているわけではありません。
ここでは、多くの企業が実際に基準としている英語力の目安と、面接の場で重視されるポイントについて解説します。
自分の現状と照らし合わせ、過度なプレッシャーを感じすぎないようにしましょう。
TOEICのスコア
多くの企業が書類選考の段階でTOEICのスコアを参考にしています。
一般的に、グローバル企業であれば700〜800点以上、日系企業でも海外赴任の可能性がある部署では600点以上が目安とされることが多いです。
しかし、面接でいきなり英語を話す場面では、このスコアと実際の会話力にギャップがないかを確認されています。
TOEICが高得点でも、簡単な挨拶すら口から出てこなければ、「実践では使えない」と判断されかねません。
逆にスコアが平均的でも、堂々とコミュニケーションが取れれば評価は上がります。
スコアはあくまで基礎能力の証明であり、面接では「点数に見合った、あるいはそれ以上のアウトプットができるか」が見られていると意識しましょう。
資格の点数よりも実際に使えるかが重要
面接官が最も重視するのは、知識としての英語力ではなく、「ツールとして英語を使えるか」という点です。
ビジネスの現場では、正しい文法で話すことよりも、相手の意図を汲み取り、こちらの意思を誤解なく伝えることの方が遥かに重要だからです。
いきなり英語で質問された際、多少の文法ミスがあっても、身振り手振りを交えて一生懸命に伝えようとする学生は、「入社後も成長し、現場で活躍できる人材」として高く評価されます。
逆に、完璧さを求めるあまり黙り込んでしまうのが一番のマイナスです。
テストの点数や資格の有無にとらわれすぎず、「相手と対話すること」を最優先に考えましょう。
面接でいきなり英語で話されても乗り切れるポイント7選
準備していなかった英語面接が始まると、頭が真っ白になってしまうかもしれません。
しかし、いくつかの重要なポイントさえ押さえておけば、どんなに不意打ちであっても大きな失敗を防ぐことができます。
ここでは、面接官に好印象を与えつつ、ピンチをチャンスに変えるための7つの対処法を紹介します。
これらは英語力そのものを向上させるテクニックというよりは、面接という場をコントロールするための「立ち振る舞い」の極意です。
これらを意識するだけで、評価は大きく変わります。
準備は入念にしておく
「いきなり」と言っても、想定される質問はある程度決まっています。
自己紹介、志望動機、学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)の3つは、最低限英語で言えるようにスクリプトを作って準備しておきましょう。
準備があるという事実だけで、心に余裕が生まれます。
また、丸暗記するだけでなく、キーワードとなる単語を覚えておくだけでも、とっさの時に言葉が出てきやすくなります。
「英語面接があるかもしれない」と想定して準備したこと自体が、企業への熱意のアピールにも繋がります。
もし準備していない質問が来ても、準備したフレーズを応用して答えることができます。
ゆっくり、わかりやすく話す
緊張すると早口になりがちですが、英語に自信がない時ほど、意識的にゆっくりと大きな声で話すことが大切です。
早口でボソボソと話すと、発音の粗が目立ち、相手に伝わりづらくなります。
一語一語を丁寧に発音し、相手が聞き取りやすいスピードを心がけましょう。
ゆっくり話すことで、次に言う単語を考える時間を稼ぐこともできます。
面接官も、あなたがネイティブではないことは理解しています。
流暢さよりも「伝わりやすさ」を優先し、落ち着いて堂々と話す姿勢を見せることが、コミュニケーション能力の評価につながります。
間違いを気にせずにコミュニケーションを取る
文法や単語の間違いを恐れてはいけません。
完璧な英語を話そうとして黙り込んでしまうのが、面接で最も避けるべき事態です。
「三単現のsが抜けた」「時制を間違えた」といった細かいミスは、面接の合否にそこまで大きく影響しません。
重要なのは、会話を成立させることです。
わからない単語があれば簡単な言葉に言い換えたり、知っている表現を組み合わせたりして、とにかく伝えようとする意欲を見せましょう。
その「なんとかして伝えようとする粘り強さ」こそが、ビジネスの現場で困難に直面した際に求められる能力でもあります。
間違いは気にせず、会話のキャッチボールを楽しんでください。
ポジティブを意識する
英語での回答に詰まったとしても、表情や態度は常にポジティブさを保ちましょう。
困った顔をして下を向いたり、「Sorry... I can't speak English well」とネガティブな発言を繰り返したりするのは逆効果です。
自信がなさそうに見えると、面接官も不安になります。
笑顔でアイコンタクトを取り、「I will try my best!(精一杯やってみます!)」と前向きな姿勢を示すことが重要です。
英語力そのものに自信がなくても、明るくハキハキとした態度は、「一緒に働きたい」と思わせる強力な武器になります。
困難な状況でも明るく振る舞えるメンタルの強さをアピールするチャンスだと捉えましょう。
身だしなみと言葉遣い
英語面接であっても、基本的なビジネスマナーは日本の面接と同じです。
清潔感のある身だしなみや、丁寧な態度は必須です。
英語を話すことに必死になるあまり、姿勢が悪くなったり、貧乏ゆすりをしたりしないよう注意してください。
また、英語にも丁寧語や失礼のない表現があります。
スラングやカジュアルすぎる表現(wanna, gonnaなど)は避け、ビジネスの場にふさわしい言葉遣いを心がけましょう。
言葉が出てこない時でも、誠実な態度で接していれば、面接官はあなたの意図を汲み取ろうとしてくれます。
非言語コミュニケーションも含めて「面接」であることを忘れないでください。
わからない英語は聞き返す
面接官の質問が聞き取れなかった場合、知ったかぶりをして適当に答えるのは絶対にNGです。
質問の意図とずれた回答をしてしまうと、「コミュニケーション能力に問題がある」と判断されてしまいます。
聞き取れなかった時は、素直に「Could you please say that again?(もう一度言っていただけますか?)」や「Could you speak a little more slowly?(もう少しゆっくり話していただけますか?)」と聞き返しましょう。
これは失礼なことではなく、正確に理解しようとする真摯な姿勢の表れです。
聞き返す勇気を持つことも、円滑なコミュニケーションには不可欠な要素です。
質問に的確に答える
英語で話す際は、日本語以上に「結論ファースト」を意識してください。
だらだらと長く話そうとすると、途中で文法が破綻したり、何を言いたいのか自分でもわからなくなったりするリスクがあります。
まず「Yes/No」や結論を述べ、その後に簡単な理由を一言二言添える、というシンプルな構成を心がけましょう。
短いセンテンスで区切って話すことで、相手にも伝わりやすくなり、自分自身も落ち着いて話すことができます。
難しい構文を使う必要はありません。
中学校レベルの文法で、簡潔かつ的確に答えることが、スマートな印象を与えるコツです。
英語面接に備えるための短期準備方法
面接までの時間が限られている場合でも、効率的な準備をすることで英語面接への対応力は飛躍的に向上します。
「時間がないから無理」と諦める前に、短期間で成果が出やすいポイントに絞って対策を行いましょう。
ここでは、面接直前でも効果的な3つの準備ステップを紹介します。
これらを実践することで、心の準備ができ、自信を持って本番に挑めるようになります。
英語でリサーチする
志望企業の公式ウェブサイトに英語版がある場合は、必ず目を通しておきましょう。
そこには、企業が世界に向けて発信したいメッセージや、業界特有の英単語(専門用語)が詰まっています。
特に「Mission(ミッション)」「Vision(ビジョン)」「Values(バリュー)」などの企業理念や、主力商品・サービスの英語名は要チェックです。
これらのキーワードを面接中に自然に盛り込むことができれば、「御社のことを英語でも深くリサーチしてきました」という強力な志望度アピールになります。
また、業界特有の言い回しを知っておくことで、面接官の質問を聞き取る際の助けにもなります。
英語面接の質問例を確認する
英語面接で聞かれる質問の多くは、実はパターン化されています。
「Tell me about yourself.(自己紹介をしてください)」「Why do you want to join us?(志望動機は何ですか?)」「What are your strengths and weaknesses?(あなたの長所と短所は何ですか?)」といった頻出質問への回答を作成しましょう。
ポイントは、日本語の回答をそのまま翻訳するのではなく、英語で話しやすいように内容を簡略化することです。
さらに、それらの回答を声に出して読み、自分の口に馴染ませておくことが大切です。
想定問答集を作っておくだけで、いきなり質問された時のパニックを防ぐことができます。
英語で模擬面接をする
作成した回答を、実際に誰かに聞いてもらう「模擬面接」は非常に効果的です。
英会話スクールの先生や、英語が得意な友人、あるいは大学のキャリアセンターの職員などに面接官役をお願いしてみましょう。
相手がいる状態で英語を話す緊張感に慣れておくことは、本番での度胸につながります。
もし練習相手が見つからない場合は、自分の回答をスマホで録音して聞き直すだけでも効果があります。
客観的に自分の英語を聞くことで、発音の癖や、詰まりやすい箇所、話すスピードなどを修正できます。
本番を想定したリハーサルを一度でも行っておくことが、大きな自信になります。
英語面接の頻出フレーズ一覧
いきなりの英語面接でも、これだけ覚えておけば会話がスムーズになる「使えるフレーズ」をまとめました。
これらを組み合わせることで、沈黙を避け、コミュニケーションを繋ぐことができます。
| シチュエーション | 英語フレーズ | 意味 |
|---|---|---|
| 聞き返す時 | Could you say that again, please? | もう一度言っていただけますか? |
| I'm sorry, I couldn't catch that. | すみません、聞き取れませんでした。 | |
| 考える時間が 欲しい時 |
Let me see... / Well... | ええと…/そうですね… |
| Let me think about it for a moment. | 少し考えさせてください。 | |
| 自己紹介・ 志望動機 |
Let me introduce myself briefly. | 簡単に自己紹介をさせてください。 |
| The reason why I applied for this company is... | 御社を志望した理由は…です。 | |
| 理解を確認する | Do you mean...? | ...という意味でしょうか? |
| 会話の 締めくくり |
Thank you for your time. | お時間をいただきありがとうございます。 |
まとめ
面接でいきなり英語で話してと言われたとしても、企業は「完璧な英語力」を求めているわけではありません。
重要なのは、予期せぬ状況でも逃げずにコミュニケーションを取ろうとする姿勢、そして自分の言葉で伝えようとする熱意です。
今回紹介した以下のポイントを心に留めておいてください。
- 文法ミスよりも「伝える意思」を優先する。
- 聞き取れない時は素直に聞き返す。
- 笑顔と大きな声で、堂々と振る舞う。
- 最低限の自己紹介と志望動機は準備しておく。
事前の準備は、あなたの自信という鎧になります。
「もし英語が来ても、こう返せば大丈夫」という引き出しを一つでも多く持っておくことで、本番の緊張は大きく和らぎます。
この記事で読んだことを参考に、ぜひ前向きな気持ちで面接に挑んでください。
あなたの熱意が伝わることを応援しています。