【例文あり】刺さるガクチカを作成するためにフレームワークを活用しよう!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

ガクチカはエントリーシートや面接の場で質問されることが多い、学生時代に力を入れたことは何かという問いです。

皆さんはガクチカをどのように作成しているでしょうか。

部活動やアルバイトなどに取り組んだことを述べるだけの方もいれば、志望している職種や企業における仕事の仕方などに結びつけようと工夫している方もいるかもしれません。

ガクチカを作成する際は内容面の充実にとどまらず、フレームワークを利用することで、より伝わりやすくなります。

【ガクチカのフレームワーク】ガクチカとは

ガクチカを作成する前に、そもそもガクチカとはどのような言葉なのかについて考えていきましょう。

ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略で、就活用語です。

自己PRと混同されることも多いですが、全く異なるものなので注意しておきましょう。

自己PRは強みなどの能力面を聞いている一方で、ガクチカは学生時代に力を入れた「経験」を主に聞いているのです。

【ガクチカのフレームワーク】企業がガクチカを聞く理由

ではここからは企業がガクチカを聞く理由についても考えていきましょう。

企業は就活生に対して「学生時代に力を入れたことは何ですか」という質問を通して、何を知りたいと思っているのでしょうか。

学生時代にどんなことを経験してきたのか

まずはじめに、学生時代にどのような経験をしてきたのかを単純に知りたいと考えていることが多いです。

よって、アルバイトやゼミなどのありきたりなガクチカでも、問題はありません。

最も重要なのは、「どのように取り組んできたか」です。

経験してきたエピソードの内容によって、人事に与えられるインパクトがある程度異なることもありますが、必ずしも壮大なエピソードである必要はありません。

しかし、複数話せるものがあるならば、「なるべく仕事に活かせそうなもの」を選んだ方が魅力的に映るでしょう。

例えば、アルバイト経験よりも長期インターンの経験を紹介する方が「目的を持って行動できそうだ」と判断されます。

よって、無理に経験を捏造したり、エピソードを誇張する必要はありませんが、実体験の中で最も仕事に直結しそうなものを紹介できると良いでしょう。

モチベーションの源泉や人柄を知りたい

モチベーションの源泉や人柄を知りたいというのも、ガクチカを質問してくる理由の一つと言えるでしょう。

学生時代に力を入れたことにはその人について知るための情報が多く含まれていることが多いです。

特に人事が注目しているのは、その就活生のモチベーションの源泉と人柄です。

つまり、どのようなことに対してやる気を持って取り組むことができるのかということ、そして企業に合う人柄であるかどうかです。

モチベーションの源泉を知ることでその学生がどのような時にやる気を出し、頑張ってくれるのかを見極めることができます。

また、人柄について知ることで、その学生が自社の雰囲気に合う人材なのかどうかを確かめているというのもポイントの一つです。

どんな学びを得て自身の糧に出来ているか

どのような学びを得て、それを自身の糧にしているかということも、多くの企業が就活生に対してガクチカを聞く理由の一つであると言えるでしょう。

経験を通じて、自分の学びとして昇華できない人の将来性はあまり期待できません。

一方で、どのような経験に対しても自分の成長のための糧であると考え、乗り越え、自分のために必要な経験であったと考えることができる人物はどの企業においても重宝されることでしょう。

「自分はこれまでの経験を活かして、就職後も熱心に業務に取り組む」という考えを伝えることができれば、よりあなたの特徴が魅力的に映ることでしょう。

【ガクチカのフレームワーク】ガクチカのフレームワークは2つある

ガクチカをさらに魅力的にするフレームワークには、2つの方法があります。

PREP法とSTAR法と呼ばれる方法です。

いずれの方法もビジネスの場でもよく使われており、プレゼンや会議などで発言をする際、商談で相手を説得したいときなどにも用いられる方法です。

企業の現場で日々利用される相手に主張が伝わりやすく、説得力を高めるフレームワークですので、就活でもこのいずれかのフレームワークに当てはめて構成すると、より魅力的に伝わります。

PREP法

PREP法とはPoint(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論)の各頭文字を取り、この順序で話していくフレームワークです。

たとえば、「私が学生時代に力を入れてきたのは英会話力をつけることです。

なぜなら、商社マンとして世界各地で活躍したい夢があるからです。

英会話力の強化のため、外国人留学生が暮らすシェアハウスに引越しをして、日本語を使わないで生活する目標を自分に課しました。

1年続けた結果、TOEICのスコアが660点から810点へとアップさせることができました。

この経験をもとに御社でも他国の方との交渉で活躍できればと考えております。」といった形です。

P(Point 結論)

PREP法では、まず最初に結論を述べます。

結論とは問われたことや出された課題に対する答えです。

ガクチカを問われたのであれば、まず最初に、学生時代に力を入れたことは何かを簡潔に述べるということです。

最初に結論を述べることで、問いにダイレクトに答えることになり、そこから続く話が見えやすくなります。

これに対して、結論が最後にきた場合、いったい何の話をしているのだろうと理解に苦しむことが少なくありません。

PREP法なら、読み手や聞き手は結論が最初に頭に入るので、話を聞く準備が整い、内容が理解しやすくなります。

R(Reason 理由)

結論に続いて理由を述べましょう。

なぜ、その結論に至ったかを伝えます。

ガクチカであれば、学生時代に力を入れたこととして〇〇を選んだのはなぜかを説明します。

理由は主観ではなく、具体的な経験や根拠、つまり、客観的な事実に紐づけることがポイントです。

知り合いからそう見られているとか、自分でそう思い込んでいるではなく、こうした経験や根拠に基づき、〇〇に力を入れたのだという理由を挙げましょう。

E(Example 例)

次に結論を根拠づけるために、具体的な例を挙げます。

学生時代に力を入れた内容を具体的にイメージしてもらうための例として、実際に経験したエピソードを紹介しましょう。

もっとも、単に「〇〇をしました。

」といった思い出話や昔話に終始せず、力を入れたことがわかる内容にすることがポイントです。

例を挙げる際にはその中で起承転結のストーリー付けをするのがおすすめです。

なんらかの問題や苦難に直面し、それを自らの力で乗り越え、こういう結果がもたらされたとストーリー化することで、最初の結論の説得力が増す具体例となります。

P(Point 結論)

PREP法では最後にもう一度、結論を述べます。

もっとも、ガクチカでの結論は、再び、「私の学生時代に力を入れたのは〇〇でした。

」と最初と同じことを繰り返すのではありません。

これまでの話をまとめて結びに替えるイメージです。

ガクチカを述べる機会というのは、就活で選考を突破し、内定を得るという目的がありますので、その目的に沿ったまとめが必要です。

1つ前のステップで紹介したエピソードをもとに、「学生時代に取り組んだ〇〇の経験を活かして、御社でも××で貢献したいです」という流れで結論を結びます。

STAR法

STAR法も頭文字を取ったもので、Situation(状況)→Target&Task(目標・任務)→Action(行動・実行)→Result(結果)という流れで説明していくフレームワークです。

たとえば、「私が私が学生時代に力を入れてきたのは英会話力をつけることです。

私には将来は商社マンとして世界各地で活躍したい夢があります。

そこで、TOEICスコアで800点以上を目指そうと目標を掲げました。

英会話力の強化のため、外国人留学生が暮らすシェアハウスに引っ越し、日本語を使わない生活を1年間続けたのです。

その結果、TOEICのスコアが620点から810点へとアップさせることができました。

」といった形です。

S(Situation 状況)

STAR法では自分が置かれている状況を説明するところからスタートします。

ガクチカを述べる際は、まずは、学生時代に力を入れたことを述べたうえで、置かれている状況を述べましょう。

先の例で言えば、商社マンになりたい夢を抱いていたというのが、置かれていた状況にあたります。

T(Target&Task 目標・任務)

次に置かれている状況から抜け出すためや置かれている状況を変化させるために、自分に課した目標や任務について説明します。

先の例であれば、TOEICで800点のスコアを目指す目標を掲げたというものです。

このフレームワークでは、自分が置かれている状況を変えるために、どうやって克服を目指そうとするのかを相手に伝えることができます。

就活の面接であれば、ビジネスで困難に直面した際や課題を課せられた際、どのように克服しようとするのかを面接官がイメージしやすくなるということです。

A(Action 行動・実行)

次に掲げた目標を達成するためや課せられた任務を遂行するためにどのような行動に出たのかを具体的に説明します。

先の例であれば、外国人留学生が暮らすシェアハウスに引っ越して日本語を使わない生活に取り組むという部分です。

目標を掲げただけにとどまらず、実際に目標に向かって行動に出られることを示すことができます。

有言実行の人物だと印象づけるとともに、ビジネスの現場でも自ら行動を起こせる人という印象を与えることができます。

R(result 結果)

最後に行動に出た結果、どうなったのかを述べます。

ビジネスの現場では掲げた目標の高さや、それを達成しようと努力したプロセスだけでなく、結果を出すことが求められます。

そのため、ガクチカを話すうえでもSTAまでで終わってしまってはいけません。

行動に出た結果、どうなったのかを具体的に伝えましょう。

しっかり結果が出せていれば、最初に述べた学生時代に力を入れたことが、本当に真剣に取り組んでいたことだとアピールすることができ、かつ、目標に向かって結果を出そうと取り組める人物だとアピールすることができます。

【ガクチカのフレームワーク】魅力的にするために

ガクチカを魅力的にするには、PREP法またはSTAR法のフレームワークに当てはめて構成することがポイントだとわかりました。

もっとも、両者は異なるようで似ている部分もあるほか、自分のガクチカはいずれの方法でまとめれば良いか、迷っている方もいるかもしれません。

より魅力的なガクチカを作成するためには、常に「気づき→仮説→実行」を意識することが大切です。

気づき→仮説→実行を意識しよう

「気づき→仮説→実行」を意識することは、就職後に仕事をしていくうえで、常に意識したいことでもあります。

ビジネスの現場に出て、1人前になり、持続的な成長を遂げていくために、「気づき→仮説→実行」は欠かせない繰り返しのプロセスです。

現状に満足せず、常に目の前にあることや周囲にきめ細やかに気を払い、問題点や疑問点を発見します。

これが気づきです。

気づいた問題がなぜ発生しており、それを解決するにはどうすれば良いかの仮説を立てます。

そして、自分が導き出した仮説に基づき、それを実行し気づいた問題点の解決や改善を図るというプロセスです。

実際に具体例を挙げながら、見ていきましょう。

気づき

たとえば、就活生の中には飲食店でアルバイトをしている方も多いかもしれません。

おしゃれな雰囲気のお店で味も悪くなのに、近隣のお店に比べて客入りが良くない状態だったとします。

そのままスルーせず、そういえば、新しいお客さんは来るけれど、リピーターになってくれる人がいない、周辺のお店は女性客で賑わっているのに、なぜか男性客ばかりだななどと、何かおかしいなという点に気づくのがスタート地点です。

お客さんはなぜリピーターになってくれないのだろうか、どうして男性客が多く、女性客はあまりこないのだろうかと、日々の業務をしていく中で、変化やほかとの違いに気づくことがポイントです。

仮説

そのうえで、リピーターがつかない、男性客ばかりなのはなぜなのか、原因を自分なりに考えます。

もちろん主観ではなく、お店での日々の業務や人の流れを振り返って、原因を探り出すことが大切です。

お店の雰囲気は悪くない、味も悪くないとなると、サービスが悪いのか、スタッフの対応が悪いのか、それとも料金が高いのかと考えるとともに、口コミサイトをチェックすることや実際にお客様にレジで「今日はいかがでしたか」などとさりげなく尋ねて感想を聞く、お客様の様子を観察するなどして原因を予想します。

その結果、ランチタイムのコーヒーサービスやデザートがないのが原因ではないかと仮説を立てるのです。

実行

仮説として導き出した原因を取り除き、解決にいたるには何をすべきかを考えて実行に移します。

ランチの価格は変えずに、ランチタイムはコーヒー1杯サービス、プチデザートがついた女性向けのランチプレートを開発して提供するといったことです。

これによって実際にリピーターが増え、女性客も増えたのであれば、仮説は合っていたことになります。

仮説に基づき行った行動では気づいた問題が解決されなかった場合には、再び気づきを増やして仮説を立て直し、改善のための行動を実行するというプロセスを繰り返しながら、根本的な解決を図っていくことができるのです。

 

【ガクチカのフレームワーク】フレームワーク別の例文

ここからはフレームワーク別にガクチカの例文を紹介していきます。

先ほど紹介した2つのフレームワークで作成した例文を1つずつ紹介するので、あなたが採用しようと思っている構成の方を中心に参考にしてみてください。

PREP法

私が学生時代に力を入れたことは、プログラミングサークルの仲間とプログラミング大会に出場したことです。

サークル内で切磋琢磨し合い、最後はその仲間と共に何か形として残る作品を一つ作りたいと考えていました。

そこでゲームを作ることになったのですが、どのようなゲームを作るのかで意見が割れ、なかなか開発工程に移すことができませんでした。

そこで、仲間全員が作りたいものを作ることを最優先に考え、1つのプラットフォームの中にたくさんのミニゲームを作成することを提案し、皆も納得してくれました。

開発工数は当初の予定よりも1.5倍ほどかかってしまいましたが、全員の希望通りとなり、モチベーション高く取り組めたので、想定よりも早く完成出来ました。

大会の結果としては、残念ながら入賞することはできませんでした。

しかし、仲間と一緒に何かを作ることの楽しさを再認識すると共に、時に意見をぶつけ合うことも大切だと感じることができました。

この経験を活かし、貴社に入社した暁にも、目的のために積極的に意見交換をする姿勢を大切にし、貴社のプロジェクトの円滑な進行に貢献する所存です。

STAR法

私は学生時代、プログラミングサークルに所属していました。

これまでサークル内だけで切磋琢磨し合ってきたので、最後に何か一つ一緒に作品を作り上げたいと考えていました。

そこで、サークル全体でプログラミング大会に応募しました。

しかし、どんなゲームを作るのかで意見が割れ、なかなか開発工程に移すことができませんでした。

そこで、仲間全員が作りたいものを作ることを最優先に考え、1つのプラットフォームの中にたくさんのミニゲームを用意することで、みんなが納得してくれました。

開発工数は当初の予定よりも1.5倍ほどかかってしまいましたが、工夫して作り切ることができました。

大会の結果としては入賞することはできませんでした。

しかし、仲間と一緒に何かを作ることの楽しさを再認識すると共に、時に意見をぶつけ合うことも大切だと感じることができました。

この学びを活かし、貴社の業務においても、必要な場面では積極的に意見を交換する姿勢で、プロジェクトの進行に貢献する所存です。

【ガクチカのフレームワーク】ガクチカを作成出来たら行うこと

続いて、ガクチカを作成できた際に何を行うべきなのかについても大まかに知っておくと良いでしょう。

下記の2つを徹底することでよりあなたのガクチカを魅力的なものにすることができます。

想定問答集を作成しておく

想定問題集を作成しておくというのは、ガクチカを作成できた後にぜひ取り組んでおいてほしいものです。

面接では作成したガクチカに対して必ず深掘りの質問をされます。

突っ込んだ内容を聞かれるので、それに対してきちんと答えられるようにしておくことが大切なのです。

このメディアの記事で調べるのはもちろんのこと、OBやOG訪問などで「どのような質問がされるのか」を聞いておくのも良いでしょう。

あらかじめ聞かれることを想定しておくことで、本番も焦らずに、落ち着いて答えることができるはずです。

本番で焦ってしまうと、それ以降の質問にもうまく答えられなくなる可能性があります。

想定外の質問でペースを乱されないためにも、しっかりと対策しておきましょう。

エピソードごとに作成しておく

ガクチカを作成するにあたって、エピソードは一つで十分です。

むしろ複数のエピソードを盛り込んでしまうと、文字数が足りなくなってしまいます。

しかし、あなたが受ける全ての企業に対して同じエピソードを紹介できるとは限りません。

業界が違うこともありますし、重視しているポイントが異なる企業もあります。

そうなると、エピソードごとにガクチカを作成することが非常に重要になってきます。

ベンチャー企業の場合は部活でコミュニケーション能力を磨いたことを話す一方で、大企業を受ける際は長期インターンで実践経験を身につけたことを紹介するなどといった使い分けが非常に重要になってくるのです。

また、メディアによっては「複数のエピソードを同時に紹介すべし」と主張するものもありますが、完全な間違いなので、参考にしないようにしましょう。

まとめ

ガクチカを構成するうえでも、「気づき→仮説→実行」を意識すると、書類選考者や面接官により伝わりやすくなります。

エピソードの部分において、学生時代に力を入れたことにいかに取り組んできたかを紹介するにあたり、問題点や課題に気づき、問題を引き起こしている原因や阻んでいるものは何かを考えて仮説を立て、それを解決するために行動を起こしたという流れにすると、説得力が高まり、魅力あるガクチカをアピールすることができます。

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