【インターンと本選考の違いは?】インターンとの評価基準の違いや本選考に向けた対策を徹底解説

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

この記事では、本選考で重視される評価基準をお伝えします。

インターンとは一体何が違うかを徹底的に解説します。

インターンと本選考との違いを理解した上で、本選考対策を進め、これから迎える就活本番で成功を収めましょう。

【インターンと本選考の違いは?】インターン選考と本選考の位置づけの違い

就職活動を始めたばかりの皆さんにとって、インターンと本選考の関係性や違いは、まず理解しておきたい重要なポイントですよね。

企業がインターンシップを実施する目的は、単に学生に仕事体験をしてもらうことだけではありません。

インターンは、企業側にとっては学生のポテンシャルを見極める早期選考の場としての側面も持ち始めており、学生側にとっては企業や業界への理解を深める貴重な機会であると同時に、本選考への切符を手に入れるための第一歩となり得ます。

特にサマーインターンやウィンターインターンのうち、選考を伴うものは、早期に優秀な学生と接触し、囲い込みを図りたいという企業の戦略的な意図が強く反映されています。

そのため、インターン選考は、本選考と全くの別物と捉えるのではなく、採用プロセスの初期段階、あるいは一種のトライアル期間として位置づけられていると理解することが重要です。

この位置づけの違いを理解せずに就活を進めてしまうと、対策が後手に回り、志望企業への内定獲得が難しくなる可能性があります。

本選考へのプロセスを円滑に進めるためにも、まずはこの二つの選考が持つ意味合いを正しく把握しましょう。

【インターンと本選考の違いは?】インターン選考と本選考の評価基準の違い

インターン選考と本選考で違うのは、企業側の「評価基準」です。

インターンで評価されているのは、 「学生に基礎的な能力が備わっているか」ということ。

一方、本選考では 基礎能力は担保した上で「自社にマッチする人材であるか」が大きく問われます。

企業側の心理を考えると、インターンを開催する背景には 「多くの学生に自社の魅力を知ってもらいたい」という考えがあります。

そのためインターンでは、優秀な学生を呼び込もうと能力ベースで選抜を行なっています。

例えば、問題に対して質の高い解決策を出せる力があるか、他の学生・社員と適切なコミュニケーションがとれるかといった点が評価基準になります。

一方、本選考では 「自社で活躍できる人材を見極めたい」という基準で学生を評価しています。

企業との方向性の一致がより重視されます。

具体的には、「自社の事業やビジョンと親和性があるか」「自社で意欲的に仕事に取り組めそうか」「自社の企業文化に合うのか」といった点です。

インターンの選考では「基礎能力」一点が見られているのに対して、本選考では能力がある上に「企業との相性」を評価されるという違いがあることが分かりました。

それでは、企業の人事はどのように学生と企業の相性を判断しているのでしょうか。

インターンでの基準

インターン選考で企業が最も重視するのは、学生のポテンシャルと熱意です。

まだ具体的なスキルや実務経験が不足していることは承知の上で、将来的にどれだけ成長し、自社に貢献できる可能性があるのかを見ています。

具体的には、与えられた課題に対して積極的に取り組む姿勢、チーム内でのコミュニケーション能力、論理的な思考力、そして何よりもその企業や業界、仕事内容に対する純粋な興味関心や熱意が評価の対象となります。

たとえば、グループワークでは、完璧なアウトプットよりも、チームにどのような貢献をし、困難な状況でどのような行動をとったか、成長の伸びしろを示す行動が特に注目されます。

また、企業への理解度を深めようとする意欲や、インターンで何を学びたいのかという明確な目標意識を持っているかも重要な判断材料となります。

本選考での基準

一方、本選考では、入社後に企業で活躍できるかどうかの即戦力や適性がより厳しく問われます。

インターン選考で見られたポテンシャルに加え、具体的な経験に基づく論理的な思考力、問題解決能力、そして企業が求める価値観や社風とのマッチ度が詳細に評価されます。

これまでの学生生活で培ってきた経験やスキルが、入社後にどのように活かせるのかを具体的に示す必要があります。

自己分析を徹底し、企業が求める人物像と自分の強みがどのように結びつくのかを、具体的なエピソードを交えて説明できなければなりません。

また、なぜその企業でなければならないのかという志望動機の深さや、入社後のキャリアプランが明確であることも非常に重要です。

本選考では、企業理念や事業内容に対する深い理解に基づいた、説得力のある回答が求められます。

インターンでは選考突破したのに、本選考で失敗するのはなぜ?

就活生の間では必須となったインターンシップ。

複数の会社のインターンに参加する学生も多いのではないでしょうか。

しかし、インターンシップ後に陥りやすいのは「インターンではたくさんの企業に合格できたのに、本選考ではうまくいかなかった」というパターンです。

たとえ難関企業のインターンに参加していても、就活本番で必ずしも納得のいく内定を勝ち取れるとは限りません。

業界知識・将来のキャリアを問われているから

インターンでは、「学生時代に頑張ったことは?」「自分に強み・弱みは?」のようにオーソドックスな質問が多く、業界知識や会社の志望動機を問われることは少ないです。

インターンへの参加動機を聞かれた場合でも、 「多くの企業を比較して、就活の軸を定めたい」 「会社に興味があり、知りたいから」 という答えでも、インターンの選考には問題なく通過できるでしょう。

しかし、本選考ではそうはいきません。

「競合他社と比べて、なぜ当社が良いと思ったのか?」 「あなたは会社を働いて、どんなことをやりたいのか?」 という業界知識やあなたのキャリアプランを踏まえた質問がなされ、深く問われます。

企業担当者は、 質問を通じて「企業の方向性とあなたの将来がマッチしているか」を見極めようとしています。

そのため、本選考のES・面接で、業界知識や将来のキャリアビジョンを持たない曖昧な答えはNGです。

企業側から「 本当に自社で働きたいと思っているのか」と働くことへの熱意を疑われる可能性もあります。

本選考への準備では、自分の就活の軸を基に業界研究・企業研究を深めておきましょう。

会社が求める資質を問われているから

企業の人事は「自社で活躍できる資質を持った人材」を採用したいと考えています。

本選考では志望動機を含めて、自分がその会社で活躍できる人材であることをアピールしましょう。

一点注意したいのが、相手が求めていない自分の強みを全面に出してしまうことです。

例えば、総合商社の面接を受ける学生がいたとします。

<総合商社の面接の場合> 商社での仕事は、粘り強い交渉力とステークホルダーとの利害調整力が求められます。

 

それにも関わらず、あなたが「一人で黙々と仕事ができる集中力が強みです」と言っても、企業の人事には響きません。

 

本選考では、相手の求める人材のタイプを把握し、自分の中のその部分を切り出して伝える必要があります。

そのため、インターンに参加する中で自分の志望する業界・企業がある程度見えてきたら、 会社のHPを覗いて「会社の求める人材像」を調べておくのがおすすめです。

また、やりたいことが明確になってきたら、 今のうちに準備できることをできる限りやっておきましょう。

例えば、IT業界でプログラマーになりたいと考える学生がいたとします。

<IT業界でプログラマーになりたいと思う場合> 「プログラムを実際に書いて何かのサービスを作った経験」は求められます。

また、大手メーカーで将来は海外支社に勤務したいといえば、「最低限の英語力をつけるために勉強はしているのか?」と面接で問われるでしょう。

企業の人事が見ているのは、 現段階の実力ではなく、思いに対する本気度です。

就活の軸が定まり、会社でやりたいことが見えている就活生は、本選考までに少しでも動き始めておくのがベターです。

社風とのマッチ度を問われているから

学生の入社志望度が高く、適した資質をもつことを確認した上で、 最後の決め手となる基準が「自社の社風・企業文化と合っているか」です。

いくらその学生が優秀だからと判断しても、会社は組織で動くものです。

【社風とのマッチ度を見られるポイント】 ・大学時代のアルバイト経験を聞かれる ・学生時代に所属していた部活動を聞かれる ・仲の良い友人との関わり方を聞かれる ・趣味やプライベートの過ごし方を聞かれる

学生側は「何の変哲もない質問」だと考えていても、企業側は細かい質問部分までを判断材料にしています。

そして上記のポイントを聞かれた場合、「企業とのマッチ度を見られている」と思った方が良いでしょう。

社風とのマッチ度を採用において最も重視する理由は「会社を辞めないか」を気にしているからです。

企業において人を雇うということは、大きなリスクです。

それが新卒となれば、重要度はさらに上がります。

人材難といわれる中で必死にお金をかけてやっとの思いで採用にこぎつけたのに「社風が合わなかったから」と辞められてしまうと企業としての損失はとても大きいです。

例えば、IT企業の入社を考えている学生に対する面接官の質問を考えてみます。

【IT企業採用担当者の面接質問例】 ・最後まで仕事にコミットすることはできますか? →途中で投げ出さずにクライアントの無理難題に耐えられるか「ストレス耐性」を判断 ・自身の成長のためなら多少の残業は理解した上で仕事に取り組むことはできますか? →仕事に対する体力があるかを判断

ITベンチャー企業の場合、 仕事に重きをおく人とマッチします。

もしも仕事よりもプライベートに重きをおいている人であればマッチはしません。

社風や企業文化に肌が合わないと早期退職につながり、企業とあなたにとっても良い結果とはいえないので気をつけましょう。

【インターンと本選考の違いは?】本選考に向けた対策

インターン選考を通過することはもちろん重要ですが、最終的な目標は本選考での内定獲得です。

インターンでの経験も活かしつつ、本選考に向けて以下の対策を徹底的に行いましょう。

自己分析を徹底して就活の軸を固める

本選考では、あなたの働くことへの価値観が一貫しているかが重要になります。

そのため、自己分析を徹底的に行い、自分が仕事を通じて何を成し遂げたいのかどのような環境で働くことが自分にとって幸せなのかといった、譲れない就活の軸を固める必要があります。

過去の経験だけでなく、自身の強みや弱み、興味関心、モチベーションの源泉を深く掘り下げることで、企業選びや志望動機に説得力を持たせることができます。

この軸がブレてしまうと、面接官に対して入社意欲が低いあるいは企業を理解していないという印象を与えかねません。

自己理解を深めることが、本選考での自信と説得力に直結します

企業選びの軸を明確にする

自己分析で固めた就活の軸に基づき、具体的にどのような企業で働きたいのかという企業選びの軸を明確にしましょう。

業界、職種、企業規模、社風、事業内容、給与体系など、さまざまな要素の中から、自分にとって何が重要なのかを優先順位付けすることが大切です。

たとえば、成長スピードが速い環境を重視するのか、それともワークライフバランスを重視するのかなど、具体的な指標を持つことで、志望企業を絞り込む際に迷いがなくなります。

企業選びの軸が明確であるほど、面接で説得力のある志望動機を語ることができます

業界研究を深める

本選考では、なぜ競合他社ではなく、この企業なのかを明確に説明できるレベルの業界研究が求められます。

業界の現状や課題、将来性といったマクロな視点から、志望企業の業界内での立ち位置、強み、競合優位性といったミクロな視点まで、幅広く深く理解する必要があります。

業界研究を深めることは、企業への理解度を示すだけでなく、面接での質問にも的確に対応できるようになるため、内定獲得の可能性を大きく高めます

業界の専門誌やニュース、企業のIR情報などを活用し、多角的に情報を収集しましょう。

ES・面接対策の基礎を固める

インターン選考である程度ESや面接の経験を積んだとしても、本選考ではより高いレベルが求められます。

ESは、文章構成力と論理性を磨き、面接では、質問の意図を正確に理解し、結論から話すロジカルなコミュニケーションを徹底的に練習しましょう。

自己分析と業界研究で得られた情報を基に、各企業への志望動機や自己PRをカスタマイズし、説得力のある回答を準備することが重要です。

模擬面接を繰り返し行い、客観的なフィードバックを受けることで、本番で力を発揮できる基礎力を固めていきましょう。

【インターンと本選考の違いは?】エントリーしたい企業の選考を正確に把握する方法

就職活動を進める上で、志望企業の選考スケジュールやインターン経由の優遇情報など、正確な採用情報を掴むことは非常に重要です。

しかし、企業の採用ページを毎日チェックするのも大変ですし、公開されている情報だけでは実態が分からないことも多いです。

特に、インターンシップがどの程度本選考に影響するのか、早期選考の有無などは、公式情報だけでは見えてこない部分があります。

闇雲に情報を探すのではなく、効率的かつ多角的に情報を集めるための具体的な方法を実践しましょう。

情報の質と量が、就職活動の成功を左右すると言っても過言ではありません。

就活エージェントを利用する

最も効率的かつ正確な情報を得る方法の一つが、就活エージェントの活用です。

就活エージェントは、個別の学生に対してキャリア相談や企業紹介を行うプロフェッショナルですが、それだけでなく、企業から直接提供される最新の採用情報や非公開の選考ルートを持っていることが強みです。

特に、志望企業がインターン参加者への優遇措置を設けているかどうか、過去の選考情報に基づいた具体的な対策方法など、一般の就活生には知り得ない内部情報を提供してくれる可能性があります。

エージェントを利用する際は、志望業界や企業への理解が深い担当者を見つけることが、成功の鍵となります。

大学のキャリアセンターを利用する

大学のキャリアセンターは、皆さんが思っている以上に強力な情報源です。

キャリアセンターには、過去数年間にわたる、その大学の先輩たちの就職活動データが蓄積されています。

たとえば、〇〇社のインターンに参加した先輩のその後の選考状況や、過去のESの傾向など、志望企業に特化した貴重な情報を得られる可能性があります。

キャリアセンターの職員は、多くの学生を支援してきた経験から、企業の採用戦略や選考の特徴を熟知しているため、情報収集だけでなく、具体的な選考対策のアドバイスも積極的に活用すべきです。

志望企業・業界のOB/OG訪問

選考のリアルな実態を知る上で、最も価値のある情報源の一つがOB/OG訪問です。

実際にその企業で働いている先輩社員に直接話を聞くことで、採用ホームページには載っていないリアルな選考スケジュールや、インターン経由の早期選考の実態を知ることができます。

特に、インターン参加が本選考にどう影響するかという点は、人事ではなく現場社員の視点から聞くことで、より具体的な情報を引き出せる場合があります。

OB/OG訪問は、企業理解を深める場であると同時に、選考に役立つ生きた情報を得るための貴重な機会です。

【インターンと本選考の違いは?】インターン選考でうまくいかなかった場合の本選考はどうなる?

インターン選考に落ちてしまうと、もうこの企業の本選考には挑戦できないのではないかと不安に感じる就活生は少なくありません。

正直なところ、企業によって違いがあるのは事実ですが、多くはインターン選考と本選考は別であると考えて大丈夫です。

特に多くの学生を受け入れる大規模なインターンシップの場合、その選考結果が本選考に直接的に影響することは少ないとされています。

企業がインターン選考で不合格にした理由の多くは、単にインターン枠の定員に達したからという理由であることも珍しくありません。

インターン選考は、あくまで早期接触の機会であり、本選考は改めてあなたのポテンシャルと適性を総合的に評価する場です。

インターン選考の結果に一喜一憂せず、不合格の原因を自己分析の材料として活かすことが重要です。

まとめ

インターン選考と本選考では、企業が学生を評価する基準が変わります。

難関企業のインターンに受かったからといって、本選考も必ずうまくいくわけではありません。

本選考では、基礎能力に加えて「会社で何がしたいのか?」「なぜその会社なのか?」という面が見られることになります。

インターンはポテンシャルを買われて参加できたけれど、本選考では就活の軸がはっきりせず、うまくいかない事態を引き起こしかねません。

就活本番はこれからです。

サマーインターンに参加し、自分の志望業界・企業が定まってきたら、次は本選考に向けての対策を始めましょう。

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