HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
自分のアピールポイントが見つからずに悩んでいる方も、アピールポイントはあっても、どのように自己PRを作成すれば良いのか迷っている方も、この記事を読むことで選考を突破できる自己PRが書けるようになります。
すでに書類選考や面接を受け、自己PRがうまくいかなかったから落ちたのかもと考えている方も、この記事を読むことで、次から失敗しない自己PRが書けるようになるはずです。
自己PRとはなんのか
自己PRというと、自分のアピールポイントを次々に並べれば良い、自分の話をすれば良いと思う方が少なくありません。
ですが、就活の選考は自社に合う人物であるか、入社後に活躍してくれる人物かを見極めるプロセスです。
そのためには、人事担当者や面接官など選考者が知りたいと思っていることをアピールする必要があります。
この記事では、自己PRとは相手の求めていることを、自分の経験と感情を通して伝えることと定義して話を進めていきます。
企業の選考者は自己PRを通じて、あなたの人となり、どのような行動ができる人物かを知りたいと思っているので、具体的な経験を紹介しイメージを持ちやすくしながら、アピールするのがポイントです。
失敗している自己PRの特徴
客観的な事実が少ない
自己PRというと、自分のことをアピールするのだからと、自分は自分はと主観で語る方が少なくありません。
ですが、主観で語られた場合、話を聞いている面接官としては違和感を感じることや本当にそうなのかと疑問が多くなってしまいます。
成功する自己PRは客観的事実を挙げて、自分の強みを客観的にアピールしなければなりません。
そのためには実際に経験した事実を示して、どうして、それが自分の強みだと思っているのかを伝える必要があります。
直面した問題や困難を、アピールポイントを通じて乗り越えた経験など、事実に基づく話をすることで、確かに強みだな、そんな経験を乗り越えてきた人物なのだなと納得しやすくなります。
相手のニーズに応えられていない
自己PRは単にあなたの強みや魅力をアピールすれば良いわけではありません。
あくまでも就活で、特定の企業から内定を得ることを目的にアピールすることになります。
となれば、その企業がどんな人物を求めているか、その企業の業務内容や職種、仕事のスタイルに応じた強みをアピールするのがベストな選択となります。
たとえば、チームで働くのが基本の職種において、私は何でも一人でやりきることができますとアピールしても、うちの企業には合わないと思われるだけです。
自分の強みやアピールできることは、たった一つではありません。
人にはいろいろな側面があるので、その企業に即した強みを見出して、その強みを発揮できたエピソードを具体的な事実に基づき紹介するようにしましょう。
結論をしっかり伝えられてない
自己PRと言われると、自分のことをひたすら主張して終わりになる方も多いです。
アピールが中途半端に終わってしまい、結果として、ご自分のアピールポイントをその企業でどう活かしたいのか、どう活かせるのかを伝えないまま、話が終わってしまう人がいます。
就活における自己PRは、あくまでも企業から自社にほしい人材だと思われて内定を得ることです。
自分の強みを客観的な事実に基づくエピソードを紹介しながらアピールしたら、最後に必ず結論を述べましょう。
その経験を通じて何を得て、何を学び、就職後にどう活かせるかを伝えます。
結論がないと相手が評価することも難しくなりますので、小さなことでも、失敗した経験でも良いので結論を述べましょう。
よくある失敗している自己PRの例の紹介
例文
私は小学校の頃から大学までバスケットボール部に所属していたので、チームプレーが得意です。
バスケットボールはわずか5人の競技なので、チームワークがないと得点につながりません。
私は小学校6年で160cmの長身があったので、ずっとレギュラーに選ばれ、センターを務めてきました。
機敏な動きは得意ですし、持久力にも自信がありますし、体力にも自信があります。
小学校から大学まで10年以上にわたって同じ競技に取り組み続けてきたことに自負があり、根性もあり、継続力も高いと思います。
御社の営業職を志望していますが、営業職は体力も根性も必要だと思いますし、チームワークもあったほうが良いと思うので、自分の強みを活かして頑張りたいと思います。
解説と改善点
解説
陥りがちな自己PRの失敗例を読んでみて、どう思われたでしょうか。
自分の強みや自慢できるポイントを次々に挙げただけで、いったい何をアピールしたいのかがわかりにくくなっています。
最初に自分の強みはチームプレーだと言いながら、それについての説明がほぼなされていません。
つまり、「客観的な事実が少ない」のが失敗例の一つのNGポイントです。
面接官としては、あなたのアピールポイントをどう活かしてきたのか、具体的な経験談を聞きたいのに、客観的な事実が示されないため、バスケットボール部で頑張ってきたことさえ本当なのかと疑問に持たざるを得ず、聞きたいことに答えられていません。
つまり、「相手のニーズに応えられなてない」のです。
最後の結論においても、営業職は体力も根性もチームワークも必要と勝手な主観を展開し、それに自分が見合うと主観で結論づけており、客観的な根拠に基づく「結論をしっかり伝えられてない」終わり方になっています。
改善点
自己PRという言葉の響きから、とにかく自分の良いところをどんどん伝えようと考える人も少なくありません。
私にはこんな良いところも、こんな良いところもあるので、どんなことにも対応できると主張したほうが、企業に必要とされるのではと考える方もいることでしょう。
ですが、それでは話がブレてしまい、あなたがどんな人物なのかもぼやけてしまいます。
この失敗例でも、一番にアピールしたいのはチームプレーができることと述べながら、その話が具体的に語られていません。
機敏な動きが得意、持久力、体力、根性と継続力もあると、自分の自慢できるところを羅列して終わってしまっています。
改善すべきは、最初に述べたチームプレーについて、自分の経験談に基づいて具体的に説明することです。
成功している自己PRの例
例文
私のアピールポイントはチームプレーが得意なことです。
私は小学校の4年生からバスケットボールをはじめ、大学3年までずっと部活動を続けてきました。
バスケットボールは5名の競技で、チームワークが発揮できないと得点につながりません。
高校時代に2年生で構成されたレギュラーメンバーの1人がケガで試合に出られなくなり、急遽、1年生を入れたことがありました。
ほかのメンバーは1年生の動きが遅い、求めるところにパスを出さないと不満を持ち、チームプレーに乱れが生じたのです。
私は1年生が動けないのは能力がないからではなく、チームに入ったばかりで馴染めないことが原因だと考えました。
そこで、これまでの5名でのプレースタイルや達成しようとしている点を、図を描きながら説明するとともに、新たな5名でじっくり打ち解け合う時間を作ったのです。
その結果、1年生の動きがにわかに変わり、試合でも4回戦突破の快進撃を成し遂げました。
2年生チームでは3回戦敗退が最高でしたので、快挙を遂げたことになります。
この経験を通じてチームプレーを行うためには、互いを理解し合い、信頼関係を築くことが欠かせないと感じました。
御社の営業チームに所属するうえで、相手を理解することに努め、お互いを尊重し合いながらチームに貢献できるよう、馴染んでいきたいです。
ポイントをどう押さえているか
チームプレーができることについて、過去の経験談に基づき、具体的に述べられています。
なぜ、チームプレーをアピールポイントに選んだのかを、事実に基づく経験を紹介して説明しているため、面接官に伝わりやすい内容となっています。
チームプレーが得意だと単に主観で主張するのとは異なり、客観的な事実を述べることで、確かにチームプレーをしてきた経験があるのだと理解してもらうのがポイントです。
面接官は自己PRを通じて、あなたの人となりやアピールポイントをどう発揮できるのかを知りたいと考えていますが、問題が生じたときに考えたことと出た行動を具体的に伝えたことで、相手が求めるニーズに応えられています。
経験に基づき何を得て、それを入社後の仕事にどう活かそうと考えているのか、結論でしっかり伝えられているのも成功ポイントです。
より良く書くポイント
自己PRを成功させるために、より良く書くにはどのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか。
第一により具体的に書くこと、第二により相手のニーズを捉えることが重要なポイントになります。
失敗例のように自分の主張をつらつらと並べるだけ、表面的な表現に終始し、具体性に欠けるのでは、相手に伝わりません。
初めて会う面接官に、自分の強みを理解してもらうには、具体的なエピソードを挙げて納得してもらうことが大切です。
そして、就活での目的は内定を得ることにある以上、企業側のニーズを捉えた内容と構成で話すことも不可欠です。
自分は1人だから自己PRはどの企業も同じではなく、その企業が求めている人物像や仕事のスタイルなどをしっかり研究したうえで、企業に合った自分の強みを見出し、具体的なエピソードを紹介して、その企業で活躍できることをアピールしましょう。
まとめ
自己PRの失敗例と成功例を挙げながら、選考を突破して内定獲得につながる自己PRには何が必要なのかを見てきました。
ポイントは「客観的な事実を示して具体的に書くこと」、「相手のニーズに応えること」、そして、企業に合わせ「結論をしっかり伝えること」です。