はじめに
エントリーシートにある「将来の夢」の欄にお悩みではありませんか?学生のころはミュージシャンになりたかったけど、それは無理そうだし…、そんな事を書くワケにもいかないし…。
もし「将来の夢」でお悩みであれば、何はともあれ本記事をチェックしてみてください。
将来の夢の考え方、そして伝わりやすくするためのポイントを例文を交えて解説しています。
さらには将来の夢のNG例についてもご紹介しているので、そちらも併せて参考にしてみてください。
将来の夢について、気になる情報がきっと見つかるはずです。
企業が将来の夢を聞く意図とは
そもそもなぜ「将来の夢」について、企業はエントリーシートで聞いてくるのだろうと考える方もいるかと思います。
企業が何を目的として学生に「将来の夢」を聞くのかについて解説していきます。
キャリアプランが定まっているか
将来どういったキャリアを歩みたいかがはっきり決まっている学生と決まってない学生では、入社後の成長速度に大きな速度があります。
企業側は学生にキャリアプランを聞くことで、入社後に活躍できそうかを見定めています。
また、その会社でのキャリアプランが定まっていることはより志望度が高いことの裏付けとしてアピールにもなります。
逆にキャリアプランが曖昧な学生は、企業側から会社への志望度が低いと判断されかねません。
就活の軸や志望動機と一貫性があるか
就活の軸や志望動機と一貫性があるかを企業側は見ています。
採用には大きなコストがかかっており、そのため採用後の離職率を下げたいというのが企業の本音です。
将来の夢を聞くことで学生の過去・現在・未来の一貫性を確認しています。
一貫性の確認を通して、自社と本当にマッチする学生なのかを見定めようとしています。
エントリーシートの将来の夢、いったい何を書くべき?
エントリーシートで聞かれた将来の夢、いったい何を書けばよいのでしょう?まずはそのポイントについてご紹介していきたいと思います。
基本的には仕事で叶えたい夢
エントリーシートに書く将来の夢は「仕事で叶えたい夢」です。
「結婚して幸せな家庭を築きたい」であったり「老後は地元に戻りたい」であったり、あるいは「宝くじを当てて仕事を辞めたい」なんてものではNGです。
エンジニアを目指すのであれば「これまでにない〇〇を開発したい」なのかもしれません。
IT業界を目指すのであれば「社内ベンチャーとして新しい事業を立ち上げたい」なのかもしれません。
海外志向が強い人であれば「ゆくゆくは海外支店で働きたい」なんて夢もあるはずです。
このようにエントリーシートに書く将来の夢は「仕事をしていく上で叶えられそう」なものを書くようにしてください。
決してプライベートで叶えたい夢ではありません。
当然ですが、エントリーシートに書く将来の夢はその企業で叶えられそうなものでなくてはなりません。
例えば食品メーカーへのエントリー時に「画期的なアプリを開発して、世の中をあっと言わせたい」なんて事が書かれていたらどうなるでしょう?当然ですが「ほかの会社に進んでください」と思われますし、おそらく書類選考で不採用となるはずです。
自分がどう成長したいのか、どんなキャリアを築きたいのか
仕事で叶えたい夢と言っても、特に無いしなぁ…なんて人もいるかと思います。
そんな時には何を書けばよいのでしょう?また何を基準に考えればよいのでしょう? そのポイントは「自分がどう成長したいのか、どんなキャリアを築きたいのか」です。
その職場で働いたとして5年後はどうなっていたいでしょう?10年後はどんな自分を目指したいですか?営業職であれば「新規顧客をバシバシと取れる人」なんて姿が浮かぶかもしれません。
新規顧客をバシバシと取るためには、これまでにない顧客候補を見つけ出す発想力が必要です。
顧客候補を本当の顧客にするためには協力なプレゼン力だって必要です。
だとすると、将来の夢は「新たな顧客を見つけ出せる柔軟な発想力を身に着けたい」であったり「顧客を確実に納得させるプレゼン力を身に着けたい」といったことになるはずです。
エントリーシートの将来の夢の書き方をチェック
続いてはエントリーシートの将来の夢について、おすすめの書き方をご紹介していきたいと思います。
もちろんここでご紹介する以外の書き方もありえますが、特にこだわりが無いのであれば、下記に従って書いてみてください。
まずは結論=将来の夢を書く
まずは結論であるところの「将来の夢」を書きましょう。
「私の夢は〇〇を生み出すことです」といった形になります。
結論から書きだす理由はシンプルで、相手に伝わりやすくなるからです。
人事担当者はものすごい数のエントリーシートに目を通さなくてはなりません。
ですから、わかりにくい文章というのは極力避けなくてはなりません。
だからこそ、最初に結論を書いて、伝わりやすくすることが求められます。
結論に至る理由=なぜその夢を描いたのかを書く
続いては 「なぜその夢を描いたのか」を書きましょう。
「私の将来の夢は海外支店で働くことです」とだけ言われても、面接官は「そうですか…」以外の感想をもてません。
それではちょっと不親切ですよね。
なぜ夢を描いたのか、その理由についてもしっかりと説明しておきましょう。
理由があるからこそ、納得しながら読むことが可能です。
結論=夢を叶えるために何をする予定なのかを書く
エントリーシートに書かれる将来の夢は「夢」とは言え、実現可能なものでなくてはなりません。
そして、実現可能なものであれば、その夢を叶えるための、プロセスについても書けるはずです。
例えば「海外支店で働きたい」というのであれば、英語の勉強も必要ですし、それ以上に海外の文化・商習慣を理解しなくてはなりません。
ですから「海外の文化・商習慣を理解するためには、海外とのやり取りに積極的に参加したい」といったことが書かれていなくてはなりません。
最後にもう一度結論=夢を書く
文章の締めで、もう一度結論を書いておきましょう。
人事担当者はサッと目を通すのみです。
ですから、最初に書いていた夢を忘れている可能性があります。
最後にもう一度記載しておくことで頭に残りやすくなりますし、構成として座りが良くなるからです。
例文をチェック|エントリーシートの将来の夢
例文1
親の仕事の関係で、中学校までを米国で過ごしました。
日本での生活で最初に驚いたのが、お菓子のおいしさです。
専門店で買うお菓子はもちろんなのですが、スーパーで普通に買うお菓子まであまりに美味しい事に控えめに言って衝撃を覚えました。
大学生になり、一人暮らしを始めたのですが、そこで始めて、日本で買える日用品のすばらしさに気付くことになります。
洗剤もそうですし、歯磨き粉もそうです。
アメリカで見ていたそれらは、かなりおおざっぱな作りでしたが、日本で買う商品はパッケージの開けやすさからまったく違います。
そういった経験を経て、日本の商品を海外に紹介する仕事にあこがれるようになりました。
まずは営業としてのスキルをしっかりと身に着けたいと考えています。
また商習慣の違う海外とのやり取りを成功させるため、交渉力を磨いていくつもりです。
貴社で国際的な営業マンになる夢を叶えることができれば幸いです。
例文2
学生時代所属していたサークルが自分の引退後も後輩たちが続いていけるよう、慢性的に抱えていた年会費の滞納問題と人数不足という課題の解決により組織の土台を作り直す経験をしました。
この経験から自身が発見した課題に対して対策を講じることにやりがいを感じ、コンサル業界に興味を持ちました。
コンサルタントは第三者視点から課題を見つけ顧客に新たな価値を提供する力が必要だと考えます。
そこでサークル幹部の経験から得たコミュニケーションの中から人の思いを感じ取り課題を発見する力が活かせると思います。
エントリーシートではNGな将来の夢とは?
続いてはエントリーシートではNGな将来の夢についてご紹介していきたいと思います。
それぞれNGな理由も記載していますので、自分が考えた将来の夢が下記に当てはまっていないか、ちゃんとチェックしておきましょう。
お金持ちになりたい
まずNGなのが「お金持ちになりたい」です。
確かに仕事をする理由の一つは給料をもらうことです。
ある種、働く最大の理由と言っても良いかもしれません。
けれど、それを将来の夢として全面に出すのは、余りにもイヤらしい感じがしてしまいます。
また、働いたら給料が出るというのは、すべての企業に共通していることです。
「お金持ちを目指すなら別にウチじゃなくても良くない?」と思われてしまいます。
これでは内定を得るのは困難です。
夢は「その企業だからこそ叶えられるもの」を考えましょう。
幸せな家庭を築きたい
幸せな家庭を築くためにはライフワークバランスが優れている必要もありますし、それなりのお金も必要でしょう。
それは仕事と関係している部分も確かにあります。
けれど、エントリーシートで書く将来の夢としてはNGです。
エントリーシートはプライベートな夢を語る場ではありません。
あくまでも仕事と自分との関係性を示す場であることをお忘れなく。
独立したい
いつかは起業・独立したいと考えている人もいるかもしれませんが、この夢も基本的にはNGです。
今どき転職は珍しくありませんが、企業側としては、なるべく長く働いてくれる人を求めています。
最初から「いつかは辞める予定です」なんて人を雇いたい企業は多くありません。
また、「独立したい」≒「その企業を踏み台にしたい」と捉えられる可能性もあります。
「社会人としての経験だけ積ませてください」なんて人、ちょっとイヤですよね。
独立したいという夢を語りたいのであれば「自分なりの企画を生み出したい」であったり「社内ベンチャーを立ち上げたい」といった表現をしておきましょう。
世界平和に貢献したい
この夢がNGな最大の理由が 「世界平和」というつかみどころがなく、大風呂敷な夢を語っていることです。
世界平和といった大風呂敷を広げてしまいますと、ただの「夢見がちな人」と思われてしまいます。
企業活動というのは、いかにシビアに現実を見るかにかかっています。
夢見がちな人を雇う余裕のある企業はそれほど多くはありません。
世界平和と言わずとも、仕事を通じて社会貢献がしたいという人もいるかと思います。
けれどそれとてエントリーシートの将来の夢としては適切ではありません。
企業はあくまでも企業です。
そのメインは収益を上げることに他なりません。
社会貢献をメインでしたいのであればNPOなりに所属するべきです。
面接官も当然同じことを思います。
それでは内定が遠のいてしまいますよね。
あくまでも企業活動をメインに据えた夢を考えてください。
まとめ:ポイントを押さえた将来の夢で内定を勝ち取ろう
将来の夢について、考え方のポイント、伝わりやすくするためのテクニック、例文、そしてNG例と見てきましたが、気になる情報は見つかりましたか? エントリーシートの「将来の夢」欄はあなたと仕事との関わり方を示す重要な要素です。
今回ご紹介したポイントを押さえて、自分なりの将来の夢を作り上げてください。
それはきっと素敵な未来へと繋がっていくはずです。