HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
就職活動において、資格をアピールポイントにしたいと考えている学生は少なくありません。
しかし、世の中にはさまざまな資格があり、それぞれ就職活動における有用性や効果的なアピールの仕方が異なります。
取得の難しさと就職活動における効果の大きさが一致するとも限らないので、場合によっては手間や時間をかけた割に就職活動に活かせない、といった事例も発生するでしょう。
この記事では、数ある資格のなかで秘書検定をアピールしたいと考えている方に向けて、その強みやセットで取得すると効果的な資格について解説します。
はじめに
秘書検定を就職活動に活かすためには、秘書検定の概要や難易度、具体的に身につくスキル、適切なアピール方法などをしっかり把握しておかなければいけません。
取得のための勉強にも一定の時間を割かなければいけないので、資格取得に動く前に本当に秘書検定が自身の志望する企業への就職に役立つのかをしっかり考えることが大切です。
資格取得を決めた後も、就職活動の時期と資格取得までロードマップを明確にしたうえで、無理のないペースで実行できるように早い時期から準備を進めておきましょう。
【就活で秘書検定を活用】秘書検定とは
秘書検定とは、会社の役員を補佐する秘書として働くために必要なスキルを所有していることを示す資格であり、筆記と面接で審査されます。
また、秘書は社会人として振る舞いも高い水準で求められるので、秘書検定取得の勉強はマナーを身につけるための勉強としても活用可能です。
合格率は級によって差があり、高校生の初めての資格取得にもおすすめな3級は、75%と高めの数値になっています。
一方、社会人としてのマナーを身につけるために適切な2級は60%、大手企業秘書並みのスキルが求められる1級は25%程度です。
秘書検定取得は珍しい?
秘書検定を取得したこと自体がガクチカのアピールポイントになると勘違いしてしまう方は、秘書検定を取得するのはすごいこと、素晴らしいことだと思われているかもしれません。
確かに資格を取得するために知識やスキルを学ぼうとする意識や意欲、その取り組みは評価に値し、それによってビジネスに必要なマナーや知識、スキルを身につけたことは一定の価値があります。
ですが、秘書検定は難しい資格ではなく、社会人としての素養を身につけるための定番の資格です。
就活をする上でも人気の資格であり、大学生だけでなく、高卒や短大卒、専門卒の方でも普通に取得できる資格であるため、希少性もなければ、他の就活生と大きな差別化が図れる資格ではありません。
そのため、資格を取得した実績そのものではなく、なぜ、秘書検定を取得しようと思ったのか目的と身に着けたこと、それを入社後にいかに生かそうとしているかが重要になります。
秘書検定は役に立つの?
基本的に、秘書検定を持っていなければ就けない仕事は存在しません。
ただし、秘書検定の勉強は社会人としてのマナーや、事務的な業務のスキルを身につけるために役立ちます。
マナーやスキルを身につけていることを客観的に示せるので、多くの業種の選考において、秘書検定を取得していることはプラスに働くでしょう。
秘書業務のスキルを直接的に活かしやすい事務職を志望する際は、とくに大きな効果を発揮します。
秘書検定は文部科学省も後援しているビジネス検定なので、持っておいて損はありません。
【就活で秘書検定を活用】秘書検定はどこでアピールできる?
ガクチカで秘書検定を取得したことをアピール材料にしたい場合、そもそもどのような点がアピールポイントになるのでしょうか。
勘違いしたくないのは秘書検定を取得したという結果は、アピール材料にはならないことです。
検定に受かった、検定に受かるために勉強を頑張ったといったことはアピール材料にはなりません。
秘書検定を取得したことをガクチカでアピール材料にするとすれば、秘書検定を取得したことで身についた知識やスキルです。
秘書検定においては社会人としての礼儀や常識をはじめ、ビジネスパーソンとしてのマナーや電話の受け方や書類の書き方や送り方、メールの書き方や送り方、来客対応、上司への報連相の仕方、急なトラブルへの対応の仕方などビジネスの基本ノウハウを学ぶことができます。
新入社員研修などで学ぶ基本的な事項を既に習得しており、秘書として必要な最低限の対応の仕方を学んでいることがアピールポイントにできます。
【就活で秘書検定を活用】秘書検定とセットで取得するとアピールしやすい資格は?
取っておいて損はない秘書検定ですが、先述のとおり級によってはそこまで合格率が低くありません。
そのため、秘書検定だけを取得していても、あまり大きなアピールポイントにならない可能性もあるでしょう。
高い級であればアピールポイントとして活用しやすくなりますが、合格するのは相応に難しくなります。
そこでおすすめなのが、秘書検定のほかに事務職で活かせる資格を複数取得しておくことです。
今回は、セットで取得するのがおすすめの資格を3つピックアップしました。
MOS(Microsoft Office Specialist)
MOSは、 Word、Excel、PowerPointといったMicrosoft社が提供している各種アプリケーションを活用できることを証明する資格です。
これらのアプリケーションは多くの企業で用いられているため、そのスキルはどの業界を目指す場合でも必須といって良いでしょう。
各種アプリケーションの使用方法だけでなく、基礎的なパソコンスキルについても客観的に証明できるので、事務作業やコンピュータに関する資格の取得を目指すのであればとくにおすすめの資格です。
マイナンバー実務検定
マイナンバー実務検定は、その名称のとおりマイナンバー制度への理解と、マイナンバーを取り扱った実務のスキルを証明する資格です。
現在は税金や保険料などさまざまな書類でマイナンバーの記載が必須となったので、企業においてもマイナンバーを扱える人材の重要性が再認識されつつあります。
また、プライバシー保護の観点から、特定個人情報の取り扱いに関する意識も高まっています。
今後もマイナンバーは活用機会が増えていくと考えられるので、この資格を取得しておけば多くの企業で重宝されるでしょう。
衛生管理者
衛生管理者は、快適な職場環境を維持するための知識を持っていることを示す資格です。
職場の環境維持は労災防止のためにも重要であり、50人以上の従業員がいる会社では、必ず1人以上の衛生管理者を配置することが義務付けられています。
資格を持っていないと衛生管理者として働くことはできないので、取得しておけばほかの事務職よりワンランク上の地位につける可能性もあります。
衛生管理者の資格には働ける業種が異なる第一種と第二種があり、双方とも合格率は40〜50%程度です。
【就活で秘書検定を活用】秘書検定取得でガクチカは書ける?
では、秘書検定を取得したという結果そのもので、選考に通るガクチカを書けるでしょうか。
ガクチカは学生時代に何に力を入れたかを紹介するもので、その学生の興味や関心を知り、どのような努力ができる学生なのか、どのような点でモチベーションが高まるかを企業はチェックする材料にしています。
そのため、単に過去のエピソードや実績を伝えるだけでは足りず、ガクチカを入社後にどう生かせるかまでアピールできなくてはなりません。
秘書検定取得がそれに当てはまるかが問題となります。
それだけでは無理!?
秘書検定取得という結果だけでは、ガクチカのアピール材料にはなりません。
検定に受かった、検定に受かるために勉強時間がとれるように時間をうまく作ったといった事実だけでは無理があります。
なぜかといえば、ガクチカは学生時代のエピソードや実績を伝えるだけでなく、実績を通して自分を知ってもらうことが目的だからです。
秘書検定を取得したことでどのような成長を遂げ、入社後にどのように役立てるようになったかをアピールすることが求められます。
秘書検定取得のためにどのような努力をしたのか、努力の仕方を紹介して自分を知ってもらうとともに、その努力を通じて何を得て、入社後にどう生かせるかをアピールする必要があります。
「なぜ」取得したのかをきちんと述べよう
秘書検定取得でアピールできるガクチカを書くためには、なぜ取得したのか理由を明確にすることも大切です。
ビジネススキルとして最低限必要だから、みんなが取得しているから、チャレンジしやすそうだったからではなく、入社後に活用できることを意識して取得したことがより具体的になる理由が求められます。
さらに志望する企業や職種、実際に携わりたい業務をあらかじめイメージし、そのために必要な知識やスキルが身につくから取得を目指すことにしたなど、入社後の自分の姿をイメージし、それに向けて具体的な計画を立て、目標を達成するための計画の一環として秘書検定にチャレンジしたことをアピールできるとベストです。
【就活で秘書検定を活用】秘書検定を生かしたガクチカ例文
では、どのように秘書検定取得をガクチカでアピールすればいいのか、具体的な例文をみていきましょう。
秘書検定取得をアピールする上では、次の点を踏まえることがポイントです。
困難な課題を乗り越えたり、目標達成に向けて継続力があることをアピールすること、成果にこだわって目標を達成できることをアピールすること、入社後に必要なスキルがあることをアピールすることです。
こうした点を盛り込みながら、他の就活生と差別化できるガクチカを書いていきましょう。
例文
将来、どのような仕事がしたいか考え、企業の業績アップを支える営業事務の仕事に興味をもちました。
営業事務として即戦力となるために、必要となるマナーや対応力が身につくと考え、秘書検定の勉強をすることにしたのです。
1級取得に向けて計画を立て、3級のテキストを読み込んだあと、2級の勉強を始め、大学1年時に3級を飛ばして2級を取得しました。
大学2年時に準1級を取得し、3年時に1級合格を果たしました。
準1級からは筆記試験に加えて面接試験もあり、実践的な対応力が求められます。
面接対策ではそれで受からないと指摘を受けました。
報告と応対の二つの課題を解決することばかりに集中してしまい、当然に求められる面接室での態度や振る舞いができていないと指摘されたのです。
テキストで学んだ知識を応用するだけでなく、社会人として求められる立ち居振る舞いや配慮を実践的に学び直し、面接に臨みました。
その結果、秘書検定に合格しただけでなく、成績優秀者として日本秘書クラブ会長賞をいただくことができたのです。
資格取得の過程で学んだことを活かし、御社で誰に対しても恥ずかしくない対応をとり、営業職を支える力になりたいと思っています。
まとめ
秘書検定は多くの就活生がチャレンジする人気の資格であり、資格取得をしたことだけではガクチカとしてのアピール材料としては弱いです。
なぜ、秘書検定を目指すことにしたのかを、将来やりたい仕事や入社後にいかに役立てられるかと結びつけた理由を明確にすることが必要です。
その目的を達成するためにどのような努力をし、どのような困難を乗り越え、結果を出すに至ったのかのエピソードを紹介するとともに、その経験やスキルを入社後にどう生かせるかをアピールしましょう。