HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
就職浪人は採用担当者からの印象が悪いだけでなく、新卒というカードを手放すことによって就職活動にデメリットが生じてしまうケースがほとんどです。
また、留年ならば新卒としての就職活動が可能ですが、それでも印象がよくないことには変わりありません。
就職浪人を選択するのであれば、内定を勝ち取るために新卒時とは違ったアプローチが必要となってきます。
ここで紹介した就活のポイントを踏まえた上で内定獲得を目指しましょう。
【就職浪人は不利になる?】はじめに
「就職活動を行ったにもかかわらずめぼしい企業から内定を獲得することができなかった」 「どうしても進みたい業界への就職をあきらめきれない」 といった理由から、就職浪人しようかと考えている学生も少なからずいるでしょう。
では、実際に就職浪人という道を選んだときにはどのような将来が待ち受けているのでしょうか。
ここでは、就職浪人を選ぶ際に知っておきたいメリットやデメリットについて詳しく見ていきたいと思います。
【就職浪人は不利になる?】就職浪人は不利になる
就職浪人を考えている人が一番気になるのは「就職浪人をしたことで就職活動が新卒時よりも不利になることはないのか?」という点ではないでしょうか。
就職浪人という大きくて難しい決断を下したにもかかわらず就職活動で不利になってしまうのでは、希望する企業から内定をもらうことはさらに難しくなってしまうからです。
では、果たして就職浪人という道を選択することは有益な方法かといえば、残念ながら一般的にはあまりメリットがあるとは言えません。
もちろん悪いことばかりではないので、やり方次第では新卒時よりも大きなメリットを手にすることは可能です。
しかし、そのためにはしっかりとした心構えと対策が必要となることを覚悟しておきましょう。
【就職浪人は不利になる?】どうして不利になるの?
就職浪人をしてしまうと就職活動で不利になることが多いと言いましたが、なぜ就職浪人は不利になってしまうのでしょうか。
その大きな理由は日本の企業に根付いている一種の「新卒信仰」によるものです。
近年は通年採用や第二新卒採用を行う企業も増えてきましたが、まだまだほんの一部だけです。
新卒一括採用が一般的な日本では年齢が重視される傾向が強いので、浪人してしまうとどうしても不利になってしまいます。
では、どのような点で不利になるのかを具体的に見ていきましょう。
新卒枠ではなくなるから
就活浪人の一番大きなデメリットは「新卒」扱いではなく「既卒」扱いになってしまうという点です。
先程も触れたように、日本のほとんどの企業は新卒一括採用を行っているため新卒採用枠は大きいですが、既卒者向けの採用枠はかなり小さくなってしまいます。
中には既卒者の採用自体行っていないという企業もあるので、「自分の希望する企業が既卒者の採用を行っているか」、「応募枠に年齢制限がないか」といったことを事前に確認しておく必要があるでしょう。
また、就職浪人をするということは大学からのサポートを受けられないということを意味します。
大学が実施するセミナーや企業説明会などへの出席もできないため、情報収集やスキルアップなどをすべて自分で行っていかなければなりません。
面接官からマイナスな印象を抱かれてしまう
新卒一括採用が一般的な日本においては就職浪人は決して印象のいいものではありません。
通常であれば新卒で就職するのが当たり前なのに就職できなかったということは、そこに人柄の悪さや能力の不足など、なんらかの理由が隠されていると採用担当者から思われてしまうからです。
内定を勝ち取るためには、このような不信感や疑問をエントリーシートの記入内容や面接での受け答えの中で払拭していかなければならないわけですが、実際には非常に難しく、結局は書類審査や一次面接などの早い段階でふるいにかけられてしまうことになります。
このようなイメージの悪さも、就職浪人が就活で不利になってしまう大きな要因の一つとなっているのです。
【就職浪人は不利になる?】不利にしないために
ここまで見てきたように就職浪人の道は決して平坦なものではなく、一般的には険しく厳しいものとなります。
しかし、就職浪人しながらも内定をもらったケースもないわけではありません。
ここでは、デメリットが多いと言われる就職浪人を選択しながらも、希望する企業からの内定を勝ちった人たちがどのように就活な心持ちで就活を行っていたのかを紹介します。
就職浪人をするならば、これらのポイントをしっかりと押さえた上で就職活動を行いましょう。
一年間自己投資をして成長する
就職浪人をプラスに考えるならば、就職活動に専念できる時間が学生よりも多く確保できるということになるでしょう。
学生であればゼミのレポートに追われたり、サークル活動・部活動に時間を奪われてしまいがちですが、就職浪人であれば自由に時間を使うことができます。
この時間をどのように有効に活用するかが、就職活動を成功させるための重要なポイントになります。
インターンに参加することで仕事に必要なスキルや知識を身につけ、OB訪問を積極的に行うことで人脈作りに励むことで、現役の学生に差をつけることもできるでしょう。
現役時代と違って就活を一緒に行う仲間もいないので怠けてしまいがちですが、自分を律して自己投資を行うことで、現役時代よりも成長しているところをアピールするのが大切です。
「なぜ就活浪人をしたのか」の理由をしっかり話せるようにしておく
就職浪人として面接に臨めば、「なぜ就活浪人を選択したのか」ということについて必ず質問されます。
このような質問を受けた時のためにも、自分の中であらかじめ回答を考えておくようにするといいでしょう。
この時に注意すべきポイントは「現役時の失敗を客観的に分析して、その理由を説明する」ということに加えて、「その失敗を就職浪人中にどうやって克服しようとしたのかを説明する」ということです。
浪人した理由だけを答えるとどうしてもネガティブなものになりがちですが、就活浪人時代にどのような努力をしたのかを伝えることでポジティブな印象を与えることができます。
ただし、いい印象を与えたいからといって嘘をつくのはやめましょう。
【就職浪人は不利になる?】就職のためなら留年も視野に入れよう
就職活動がうまくいかなかった場合には、「就職浪人」ではなく「就職留年」をするという選択肢もあります。
留年というと必要な単位が不足して進級や卒業ができなくなるというのが一般的なケースですが、たとえ必要な単位を取得していても特例措置として留年を認めてくれることがあるので、就職留年を希望するのであれば大学に相談してみましょう。
ただし、留年するのであれば浪人と違って大学の授業料を支払う必要があるので、金銭的な負担は覚悟しなければなりません。
就職において「留年」の方が「浪人」よりも高評価
就職浪人と就職留年は一見すると同じように思えますが、就職活動で新卒扱いとなるか、それとも既卒扱いとなるかという点で大きな違いがあります。
これまでも説明してきたように、就職浪人の場合は既卒者としての扱いとなるため新卒者採用枠に応募することができません。
新卒一括採用が一般的な日本では、これは大きなデメリットになります。
一方、就職留年であれば浪人と同様に1年の空白期間はあるものの、新卒扱いとして就職活動に臨むことができます。
また、採用担当者からの印象的にも就職留年は就職浪人よりも悪くはないため、やむを得ず浪人か留年のどちらかを選ばなければならないのであれば、留年を選んだほうがベターなケースがほとんどです。
どうしようもない現実に耐える覚悟をもつ
就職留年は就職浪人よりも幾分かはましだと言いましたが、一般的な新卒学生と比較すればどちらも印象がよくありません。
海外留学などが理由の留年であればそれほど気にする必要はありませんが、就職を理由とした留年についてはネガティブに捉える企業が多いのも現実です。
どちらを選ぶにしてもデメリットがあることを覚悟しましょう。
特に、第一志望の企業にリベンジするための留年や浪人には注意が必要です。
というのも、同じ企業を受ける場合は昨年の採用データが残されているため、その印象が大きく影響してしまうからです。
もしもリベンジを果たしたいと考えるなら、資格のキャリアの習得など目に見える成長をアピールする必要があるでしょう。
【就職浪人は不利になる?】まとめ
近年は第二新卒者の採用を積極的に行う企業も増えてきていますが、学生に人気のある大企業のほとんどでは依然として新卒のメリットが大きく、就職浪人や就職留年としての就職活動を行うことには多少なりとも不利が付きまとうのが現実です。
このような現実を乗り越えて内定を勝ち取ることはとても難しく、大企業にこだわらずに中小企業やベンチャー企業まで視野を広げるなどの妥協も必要となるでしょう。