HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
通らないエントリーシートは、書き方が雑で空欄や誤字脱字があるケースが見られます。
曖昧な志望動機や具体性に欠ける内容もマイナス評価です。
結論から述べて真実味を持たせるエピソードを添えることで、選考クリアの文章に近づきます。
PREP法を用いることで読み手が理解しやすく要点を押さえた文章になります。
選考を通るためには、書き方も内容も丁寧なエントリーシートに仕上げることがポイントです。
はじめに
エントリーシートは、選考に関係する重要なチェック項目です。
きちんと書いたつもりでも、書き方や内容によってはマイナス評価につながるケースもあります。
選考に通らないエントリーシートは、どのような問題点があるのでしょうか。
心がけるべきポイントを知っておくことで、人事担当者に好印象を持ってもらえる可能性が高くなります。
ここでは通らないエントリーシートの特徴と、通るためのポイントについて見ていきましょう。
【通らないエントリーシートの特徴は?】エントリーシートとは?
エントリーシートは履歴書とはまた異なります。
履歴書は市販の書類ですが、エントリーシートは企業側が聞きたい項目を考えて作成した書類です。
企業が求める人間性や能力を見極めるための判断材料となります。
エントリーシートがない企業もありますが、記入すべき書類がある場合は選考書類の一つなので気を抜けません。
空欄なく内容の濃いエントリーシートに仕上げることが重要です。
【通らないエントリーシートの特徴は?】通らないエントリーシートの特徴~共通~
エントリーシートの段階で落ちてしまうのは悔しいものです。
しかしながら簡単な質問であっても通らない人がいることは否めません。
空白が多くいい加減な書き方であれば論外ですが、それ以外にも落選の原因はいくつかあります。
通らないエントリーシートは、志望動機の内容や回答の書き方に問題がある場合がよく見られます。
そのほか、読みづらくて人事担当者にストレスを感じさせていないかも要注意です。
落選しやすいエントリーシートの特徴を具体的に紹介します。
読みづらい・誤字脱字が多い
読みづらいエントリーシートは基本的に通ることがありません。
なぜなら、採用担当者はいくつもの就活生のエントリーシートを見なくてはいけないからです。
読みづらくなる原因として、誤字脱字が多い文章が挙げられます。
また句読点がなく段落も開けていない長文も、読み手は読みづらいです。
あまりにも小さな字で枠にぎっしり書かれてあるものも、目が疲れてしまうでしょう。
字が汚く雑なエントリーシートは、志望の意欲がないとみなされても仕方ありません。
読みやすい文章にすることは、相手の気持ちを考える配慮ができている証拠でもあり働きたい意欲のアピールでもあるのです。
空欄がある
エントリーシートの項目内に空欄があると、志望意欲が低いと判断されても仕方がありません。
書きにくい回答もあるかもしれませんが、必ず何かを書いて埋めるようにしましょう。
時には「何か聞きたいことはありますか?」などの逆質問の欄が設けられていることもあります。
その際も「とくになし」や空欄ではなく、何か考えて回答したいものです。
時にはうっかり見落として、空欄があるまま提出してしまうケースもあります。
書き上げたエントリーシートは、今一度見直すことが大切です。
とくに緊張しやすい人は、書き忘れに要注意です。
また、エントリーシートをインターネット上で出すときに文字数の制限がよくあります。
制限がある場合は9割以上の文字数を目指しましょう。
要点を踏まえていない
「この人はきちんと質問を読んでいるのだろうか」と、人事担当者が疑問に感じてしまう回答もNGです。
質問を読んでいないわけではないものの、質問に対してちぐはぐな回答を書いてしまう人も見られます。
思い込みで回答したり、自分が言いたいことばかりを主張してしまったりすると、こうしたミスにつながります。
質問は読み返して意図を理解した上で、質問に合った回答をすることが必要です。
これができていない人は、コミュニケーション力がないとみなされる可能性もあります。
要点を踏まえていない例
質問「学生時代に頑張ったことについての体験談を教えてください」
回答「私は子どものときからずっとピアノを習っています。
ピアノは母のすすめで3歳から始めましたが、厳しい先生で何度も嫌になりました。
練習するのも面倒ですし間違えて先生に注意されることも多くて、その度に辞めようと思いましたが頑張って継続しました。
その結果、コンクールで入賞した経験もあります。
ピアノを習い続けたおかげで、努力する姿勢と継続する大切さが身に付いたと思います。
その力を貴社の仕事でも生かして頑張りたいです。」
この回答では、「学生時代に頑張ったこと」を知りたいという質問の答えに合っていません。
能力はアピールできていますが、学生時代とは関係のない話です。
人事担当者は「きちんと質問を読めていない」として、早とちりやミスが多い性格とみなす可能性があります。
質問はよく読まなければ、マイナス評価につながる恐れがあるので気を付けましょう。
抽象的すぎる
自己PR欄などでよく見られる問題ですが、抽象的すぎる回答も評価が低くなります。
せっかくの長所であっても、具体的に書かなければ人事担当者にアピールできません。
一般的に性格を表す言葉は、それだけでは非常に抽象的です。
「私は行動的な性格です」と一言書かれてあっても、一体どんなふうに行動的なのか分かりませんし、それが本当なのかどうかリアリティーにも欠けます。
エントリーシートを書くにあたっては、できるだけ具体的で理論的な文章を作成しましょう。
数字を用いたり、言いたいことを証拠付けるエピソードを添えたりすることで内容が一気に具体化します。
抽象的すぎる例
「私は、家族や友人から優しい性格だとよく言われます。
優しいと言ってもらえると嬉しいですが、自分でもどういうところが優しいのかあまり分かりません。
貴社ではチームで協力し合って販売促進する仕事だと聞きました。
たくさんのメンバーで一緒に働くためには、優しさが必要な気がします。
チームのみんなと働く中で、優しい性格を生かすことができれば良いと思います。」
この例文では、何がどのように優しいのかがまったく分かりません。
「優しいと言われた」というエピソードも抽象的ですので、さらに具体的にどういう状況でどんなふうに行動したことで優しいと言われたのかをきちんと説明する必要があります。
優しさをアピールしたいのであれば、読み手がイメージしやすいようにキャッチフレーズなどを考えるのも一つの方法です。
エントリーシートに一貫性がない
エントリーシートに一貫性がないことも通らない要因になります。
では、一貫性がないエントリーシートとはどのようなものでしょうか?
例えばエントリーシートの項目に志望動機・自己PR・ガクチカの3つがあるとします。
志望動機の中で「自分の強みである課題解決力を生かして〜。」と書き、自己PRでは「私の強みは行動力です。」、ガクチカでは「この経験から全体を俯瞰し、冷静に状況を確認する大切さを学んだ。」と書きました。
このエントリーシートを見て、採用担当者はどう思うでしょうか?
おそらく採用担当者は「この就活生、何をアピールしたいのだろう」という印象を持つでしょう。
このようにエントリーシートに一貫性がないと採用担当の記憶には残らない、薄っぺらいエントリーシートになるでしょう。
企業が求める人材とマッチしていない
企業が求める人材とマッチしていないことも書類選考を突破できない要因です。
古くからの手法やビジネスで業績が安定している保守的な企業に対して、新たな領域にチャレンジする行動力など、革新的な思考を持つ人材は求められているでしょうか?
おそらく、そのような人材が入社したとしても革新的なアイディアは会議で通りにくく、モチベーションの低下や早期退職に繋がってしまいます。
このように自社の社風や求める人材に合致するとは思えないエントリーシートは書類選考で落とされてしまいます。
【通らないエントリーシートの特徴は?】通らないエントリーシートの原因~項目別~
ここまでは通らないエントリーシート全体に共通した特徴を説明しました。
次に志望動機・自己PR・ガクチカそれぞれの特徴について解説していきます。
これらの項目はエントリーシートでもよく聞かれるのでチェックしましょう。
志望動機
まずはじめに通らない志望動機の原因を解説します。
志望動機が通らない原因は単純に志望度が伝わっていない、もしくは志望度が低いという印象を与えてしまっているからです。
採用担当者に志望度が伝わっていないと考えられる場合は、突破率を上げるためのポイントを後述するので確認してください。
志望度が低いと印象を与えている場合は、志望動機がありきたりなことが原因と考えられます。
ありきたりな志望動機の例
ありきたりになってしまう志望動機は、どの会社でも言えることを書いてあるケースが多く見受けられます。
また給与面や休日日数に関することを志望動機にしているものも、良い印象は持たれません。
以下のような志望動機にならないように注意しましょう。
①私は一人暮らしなので、たくさん稼げる仕事に就きたいです。
貴社の給与システムは頑張った分だけ額が増えるとのことで、非常に魅力的です。
やる気はありますので、給与面で納得のできる会社で働きたいと考えており、貴社を志望しました。
どんな仕事でも、高い給与をもらえると思えば頑張ることができます。
②私は、人と接する仕事がしたいと思い貴社を志望しました。
スーパーでもアパレル小売店でも飲食業でもジャンルは問いません。
どんな職場でも良いので、とにかく接客業がしたかったのです。
貴社の店舗は自宅から近くて通いやすいのも気に入っております。
楽しくお客様と接することができれば何よりです
自己PR
次に通らない自己PRの原因を説明します。
通らない自己PRの原因は、自己PRを使い回している、もしくは人柄が伝えられていない文章だからです。
自己PRを使い回している場合は、企業が求める人材を無視して提出していることが原因です。
既に説明した通り、企業が求める人材とマッチしていないと書類選考で落とされてしまいます。
そのため、企業研究を行って求める人材を把握するところから始めましょう。
人柄が伝えられていない場合は構成などが原因の可能性があるので、後述するポイントをチェックしましょう。
ガクチカ
最後に通らないガクチカの原因について解説します。
通らないガクチカの原因は、事実の羅列で終わっている、もしくは単なる自慢話になっているからです。
採用担当者はガクチカから学んだことや価値観を知りたいと考えています。
事実の羅列で終わっているガクチカでは、学んだことや価値観を知ることができません。
自慢話で終わっている場合に関しては、単純に一緒に働きたくないなという印象を与えてしまいます。
【通らないエントリーシートの特徴は?】書類選考の突破率を上げるためのポイント
たくさんのエントリーシートの中で、「これはいける!」と人事担当者に思ってもらえることが何より重要です。
選考に通るエントリーシートとは、どのような特徴があるのでしょうか。
ポイントとしては、分かりやすく印象深いもの、深い内容であるかどうかが見極め点になりそうです。
通るポイントを押さえながら、書き方も内容も丁寧にエントリーシートを仕上げたいものです。
結論から書くPREP法もぜひ取り入れましょう。
結論が先に書いてある
読み手が理解しやすく簡潔で説得力のある文章にするためには、結論から書くことがコツです。
エントリーシートを書くときにはPREP法が役立ちます。
PREP法とは、Point(結論)→Reason(理由)→Example(事例・エピソード)→Point(結論・まとめ)という順序での文章構成です。
結論から述べて言いたいことを印象づけて、それを裏付ける理由とエピソードを説明します。
理論的な文章に仕上がり要点を押さえることができるので、限られたスペース内に言いたいことをまとめるのに適しています。
一文を短くする
一文を60〜80文字で区切り、短くすることもポイントとなります。
なぜ一文を短くすることが大切なのでしょうか?
それは構成がはっきりするからです。
読みやすいエントリーシートは構成が整っていて、内容が縦に落ちていくイメージです。
しかし、一文が長くなるほど構成がわかりにくく、話が横に広がってしまいます。
そのため、一文を短くすることがポイントになります。
順接は一文に2回まで、主語は1つ、主語と述語の距離を近づけることがポイントになります。
具体的なエピソードがある
人事担当者に良いように思われたいための格好の良い回答は、いくらでも作ることができます。
しかしながら面接官はプロですので、上辺だけの作られた回答はすぐに噓が暴かれます。
本当の回答であっても、書き方によっては信憑性に欠けてしまうので要注意です。
大切なのは、回答に真実味を持たせることです。
そのためには、話の裏付けとなるエピソードを書くことが欠かせません。
できるだけ具体的で自分らしさや強みが伝わるエピソードを書きましょう。
具体的なエピソードの例
「私の強みは、壁にぶつかったときほど燃える情熱と精神面のタフさです。
高校時代は陸上部に所属していましたが、捻挫したのをきっかけに駅伝のレギュラーメンバーから外れてしまいました。
悔しくて凹みましたが、「諦めるのはまだ早い、これをきっかけにもっと強くなってやる」と自身を追い込み特別メニューを組みました。
怪我をするのは足が弱いのだと、平日は神社の階段を往復ダッシュし休日は砂浜を3km走る特訓をしたのです。
その結果以前よりも怪我も減り、走力も付いて見事翌年には駅伝メンバーに選ばれました。
貴社のチーム営業も、断られてうまくいかないときは多いと思います。
そんなときこそ自身の精神力とパワーを発揮し、周りにも元気を与えながら頑張りたいです。」
どのような精神力があるのかが、陸上部時代のエピソードから伝わってきます。
体験談の中で走った距離などを数値で表すことで、さらに内容を具体化できています。
結論から述べていますし、仕事でどのように生かしたいのかを書いて締めくくっているのも良いでしょう。
構成が分かりやすい
文章構成がしっかりしていると、読み手にストレスを与えないですし、考え方がしっかりしていると捉えてもらえます。
そのためには、前にも述べたPREP法を活用して、結論→理由→エピソード→再結論の書き方を実践しましょう。
最後にもう一度結論を述べるときに、将来のビジョンや目標を添えて締めくくるのもおすすめの書き方です。
さらに分かりやすい構成にするためには、内容をうまくまとめてきちんと段落を空けることも心がけたいものです。
段落のない文章は、だらだらと続くばかりで最も言いたいことが伝わりにくいです。
分かりやすい構成の文章は、イコール読みやすい文章でもあるのです。
常に「なぜ?」と自分に問いかけながら文章を書くことも、理論的で分かりやすい文章になります。
まとめ
通らないエントリーシートには、それなりの理由があることが分かりました。
読み手の気持ちになることで、読みやすい丁寧な書き方ができるはずです。
文章構成においては結論から書くことと具体的なエピソードが重要です。
そして質問の意図を理解し、志望動機や自己アピールをしっかり述べましょう。
この点を押さえることで、選考をクリアできる確率が高まります。
エントリーシートの時点での落選が続く人は、今一度書き方や内容を見直すことが大切です。