HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
機械工学では4力が基礎であり、現在から未来へ続くあらゆる産業の基幹を支える学問と言えます。
材料力学は重工業をはじめ、航空機や鉄道、船舶といった大型輸送機や設備分野に応用され、実に多くの活躍の場を持っていると言えるでしょう。
就活にあたっては機械製造業界だけでなく、 より広い範囲の企業を個別にしっかり研究しましょう。
材料力学を研究した方におすすめの職種を紹介します。
おすすめの職種
冒頭でも触れた通り、非常に多くの産業界に通じる基礎知識です。
選択肢が多くなりすぎるとなかなか的を絞りにくいため、ここでは各部門ならびにメーカーに分けておすすめの職種を紹介します。
設計部門
設計部門はあらゆる企業に存在しますが、いかなる製品であっても設計する際には、強度計算などで材料力学はマストな学問と言えます。
基本的に規模は問いませんが、より 大型な製品であればあるほど材料力学は活きてきます。
大型設備、大型輸送機などを作る業界の設計部門は、まさに狙いめと言えるでしょう。
また将来的に大きく発展が見込まれる産業用ロボット分野にも可能性があります。
先行開発
あらゆるものの開発にあたっては、材料力学が必要となってくるケースは非常に多いです。
特に先行開発に関しては 未知を切り開く開拓者としての設計力が必要とされ、課題解決力や情報収集力、分析力などが必要とされます。
特許出願などもメイン業務となるため、先行開発においてはルーチンワークスキルだけではなく、柔軟で幅広い対応力が求められるのです。
それを支えるのは確かな基礎知識であり、材料力学の学びはここで活きてきます。
素材メーカー
商品の元となる素材を開発し他の産業に供給しているため、非常に広く産業界へ貢献することができます。
素材メーカーの中には長い歴史と実績を持つ名だたる企業が多く存在するため、経済を支える大きな使命感を感じながら働くことができるでしょう。
製品自体が注目されることは少ないものの、すべての製造分野を成り立たせている存在です。
新製品の開発や既存製品の改良など、現在では1つの軸が素材関連となっていますので、 材料力学は材料選定などで能力が輝く期待があります。
メーカー全般
材料力学はさまざまな機械に応用できるため、製造を行うメーカーであればどこでも適している専門知識と言えます。
もちろん学校で学んだ知識が即座に現場で使えるわけではありませんが、特におすすめするメーカーを紹介しましょう。
自動車メーカー
自動車メーカーへの就職を目指して、この分野を学んだ人も少なくないのではないでしょうか。
自動車の組み立てや販売を行うメーカーであり、世界でもシェアを争う大企業が名を連ねます。
自動車産業は素材メーカーから金融産業まで実にさまざまな業種にも関連し、グローバルな事業展開を行っています。
世界経済にも大きく影響を及ぼす産業ですので、ぜひ注目したい分野です。
有名企業例
自動車メーカーで有名な企業といえば、誰もがすぐにいくつかの大手企業名を挙げるでしょう。
それだけ生活に密着する産業であり、日本が世界に誇る製品も数多く存在します。
ここでは特におすすめの大企業について紹介しましょう。
トヨタ
トヨタ自動車は、誰もが知る国内最大の自動車メーカーであり、カローラやクラウン、プリウスといった誰もが知る車種を製造販売しています。
また人と車と自然が共生する社会を目指すとして、「CO2ゼロ」などSDGsに取り組んでいます。
日産
日産自動車は、従業員数20,000人を超える大手企業であり、スカイラインやフェアレディZなどを製造販売しています。
環境を考慮し、資源の無駄やCO2排出量の削減などを目指し、ハイブリッド車や電気自動車など環境負荷の少ない車の研究開発を進めています。
自動運転技術の開発など、安心安全で環境に優しい車を作り出すために積極的に技術開発を行っている点が特徴です。
自動車部品、タイヤメーカー
自動車部品、タイヤメーカーは、自動車に使う部品を生産し、自動車メーカーに納品する事業を行っています。
自動車は自動車メーカーだけで造れるわけではなく、そこには自動車を製造する際に必要とされるさまざまな部品を作り供給する企業が必要不可欠です。
自動車1台を作るのに約2万~3万もの部品が必要であり、その 一つひとつに専門技術や設備が必要とされます。
まさに自動車産業を支えるため、なくてはならない専門会社と言えます。
有名企業例
タイヤメーカーは比較的よく知られていますが、自動車部品メーカーに関してはなかなかその名を聞くことはないかもしれません。
実際にはエンジンやブレーキなどのほか、ネジやボルトに至るまで非常に多くの優良企業が存在していますので紹介しましょう。
デンソー
デンソーは、国内の自動車部品製造メーカーの中でトップを誇る企業です。
トヨタ自動車から分離独立した企業であり、主要顧客はトヨタ自動車です。
また近年では自動車部品以外にも事業を展開しており、産業用ロボットや住宅用全館空調、人工知能(AI)の開発なども広く行っています。
身近な存在の製品や技術において、新しい技術開拓に積極的に取り組んでいることが特徴です。
アイシン精機
アイシン精機株式会社は、ブレーキシステムや大容量トランスミッション、エンジン関連など幅広く自動車部品を供給する会社です。
特にオートマチックトランスミッションは世界でも高いレベルと評価され、トヨタグループの製品に導入されています。
自動車部品のほかにもGHPや家庭用燃料電池などのエネルギー分野など広範囲にわたる事業を展開しています。
重機メーカー
重機メーカーはショベルカーや農業用機械の開発製造を行っている会社です。
重機とは主に土木、建設、運搬作業などに用いられる大型機械を指しますが、建設現場には欠かせない機械であることから「建機」とも呼ばれます。
用途や役割により実に多彩な種類がありますが、ここにも材料力学が活かせるチャンスがあります。
特に 設計業務においては材料力学を含む4力を使いこなせないと業務になりませんので、まさに適材適所と言えるでしょう。
有名企業例
ほかの機器にはできない役割を果たす重機には独特の魅力があり、工学部卒業者からも人気の高い有名企業が少なくありません。
中でもおすすめの企業を紹介しましょう。
コマツ
株式会社小松製作所は、建設・鉱山機械、ユーティリティ(小型機械)、林業機械、産業機械などの事業を展開しています。
グローバルシェアが高く、世界市場においても品質と信頼性を追求し、企業価値を最大化することを目指しています。
中国、中南米、アジア、オセアニア、アフリカ、中近東などを戦略市場とし、建設鉱山機械を主戦力としている点が特徴的です。
クボタ
株式会社クボタは、コマツと建設機械業界でシェアトップ争いをする大手企業です。
「グローバル・メジャー・ブランド・クボタ」の実現を長期目標に掲げており、畑作用農業機械市場をメイン戦略としている点が特徴です。
アジアにおいて水・環境事業等に注力し、北米における機械事業も展開している点が特筆できます。
電機メーカー
電機メーカーは家電などさまざまな種類の電気機器の製造を行うことで、一般生活においてもとても身近な存在です。
ただ大手は重電機器と軽電機器(家電等)を製造しており、B2CだけでなくB2B事業も積極的に展開しています。
各企業ともそれぞれ得意分野が異なりますが、狭いマーケットである家電分野では各社とも厳しい競争を続けています。
新規性や独自性が強く求められますので、新しいことにチャレンジしたい人には特におすすめです。
有名企業例
電機メーカーは誰もがよく知る大企業が多く、家の中を見回してみても非常に数多くの製品を見つけることができるでしょう。
そうした身近な製品から社会インフラに関わる大規模な製品まで手がけるメーカーがおすすめです。
日立製作所
株式会社日立製作所は、冷蔵庫やエアコンなどとても身近な電化製品で有名な会社です。
国内最大の総合電機メーカーであり、実際には家電は事業のほんの一部であり、ITやエネルギー事業、建機や金属など実にさまざまな事業を手がけています。
化成などもあるので、材料力学が応用できる部門も多く見つかるでしょう。
中長期的にはIoTの基盤技術を重視しており、デジタルソリューション事業の展開に力を入れています。
パナソニック
パナソニック株式会社は、家電を中心とした事業展開から少々離れ、2020年現在では自動車分野や住宅分野、太陽光発電システムなどで業績を伸ばしています。
特に車載リチウム電池は、世界的なEV化により最も注力していく事業とされ、材料力学を学んだ人にとっては興味深い事業展開と言えるでしょう。
また、新事業「現場マルチネットワークサービス」を開始しており、無線ネットワークシステムのサービス提供にも取り組んでいます。
医療機器メーカー
医療機器メーカーはその名の通り医療機器の開発、製造を行う企業ですが、一般的にはあまり知られていない分野でしょう。
ただしその名を聞くと誰もが知る大手企業の名が挙がり、実は非常に優れた技術で医療現場を支えてきたことに驚く人も少なくありません。
材料力学は新しい技術開発や機器の設計に大いに役立ちます。
社会に確実に必要とされる仕事であり、使命感とやりがいを感じられる職場と言えます。
有名企業例
医療機器にもさまざまあり、家庭でよく使われる体温計などの機器もあれば、難しい手術に必須となる精密な機器や大がかりな装置などもあります。
最先端技術の塊である医療機器の開発メーカーを紹介しましょう。
オリンパス
オリンパス株式会社は光学機器・電子機器メーカーであり、現在は医療事業・科学事業・映像事業の3分野で活躍しています。
デジタルカメラのメーカーと認識している人も少なくありませんが、1950年に世界初の実用的な胃カメラを開発し、消化器内視鏡分野では世界をリードするネームバリューです。
消化器内視鏡は世界シェア70%と圧倒的な数値を誇り、今後も全世界で存在感を誇る医療機器業界のリーディングカンパニーと言えるでしょう。
新経営戦略としては、医療機器業界のグローバルリーダーとして、医療事業にさらに注力するとしています。
テルモ
テルモ株式会社は、医療機器の製造販売のほかに医薬品製造も行っている会社です。
家庭にある体温計のメーカーとしてよく知られますが、北里柴三郎ら医学者が発起人となり、体温計を作るために設立した会社が大元です。
現在はカテーテルや人工心肺装置などの医療用機器製造を手がけ、国内では一部ジャンルでトップシェアを誇ります。
中長期の展開としては、グローバルで高い競争力を持ち、今後も成長が 期待できる重点分野の積極的な強化を図るとしています。
まとめ
材料力学の研究はさまざまな産業分野で活かすことができます。
いずれの分野を目指すにしろ、将来を見据えて活躍するためにはグローバル市場で戦っていける能力を身につけることがとても重要でしょう。
各業界の方向や事業展開を知り、興味が湧いた企業に関してはじっくり研究してみてください。
企業において自分に何ができるのか、自分は社会で何をしたいのかを考え、意欲を燃やせる仕事に就けることを目指してぜひチャレンジしてください。