HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
大学でロボット工学を専攻した方や研究してきた学生さんが、就活でガクチカをアピールする場合、どのようなテーマや内容のエピソードにすべきでしょうか。
この点、ガクチカというのは学生時代に力を入れたことなので、アルバイトの話でもサークルやボランティア活動などのエピソードでもかまいません。
ですが、理系の学生さんがエンジニアなどとして就活するうえでは、 研究してきたロボット工学を題材にしたエピソードがおすすめです。
その理由や書き方について見ていきましょう。
ガクチカの書き方
ガクチカの書き方の基本フレームワークは次のようになります。
「どんな経験をしたか」→「キッカケ」→「生じた課題」→「解決法」→「結果」→「経験を通してどのような強みができたか」→「どう活かしていくか」 順にどのような書き方をすべきか、確認していきましょう。
「どんな経験をしたか」 まずは、何について話すのか、学生時代に力を入れたことを明確にします。
「キッカケ」 なぜ、それに取り組むことになったのか、キッカケを説明しましょう。
「生じた課題」 経験の中で生じた課題について紹介します。
課題を乗り越えて成長したことをアピールしたいためです。
逆に言えば、何事も起こらず、平穏だったエピソードや楽しかっただけの思い出話はエピソードとして選んではいけないということです。
「解決法」 課題をどのように解決したのか、自分の能力をアピールしましょう。
「結果」 解決した結果どうなったのか、ビフォー、アフターを具体的に示します。
「経験を通してどのような強みができたか」 その経験を通じて習得した強みや成長できたことをアピールしましょう。
「どう活かしていくか」 最後の〆として、入社後にその経験をどう活かせるかをアピールします。
アピールしたいエピソード例
ロボット工学研究を行ってきた学生さんが、アピールしたいエピソード例はロボット工学研究に関連することがベストです。
数々のエピソードの中でも、大手企業との共同研究や自分で設計したものを使っての実験のエピソードが紹介できると、企業にほしい人材だなと考えてもらえます。
大手企業との共同研究
大学内での研究にとどまらず、名だたる大手企業との共同研究した経験は強みになります。
もちろん、1人選ばれたわけではなく、ゼミの教授の力や専門性、知名度があって、企業からオファーされたのかもしれません。
複数のメンバーの中の1人でしかないかもしれません。
ですが、何かしら自分が果たした役割があるはずですし、共同研究のプロセスの中で学んだことは数多いはずです。
また、共同研究の中では課題も山積していたはずです。
ガクチカのエピソードを構成するうえでは、十分な条件が揃っています。
逆に課題がありすぎて、どれを取り上げるか迷うかもしれません。
ただそういった場合、複数挙げるのではなく、 1つに的を絞りましょう。
自分が最も活躍できたことや成長の糧になったことを選ぶのがおすすめです。
自分で設計したものを使っての実験
大手企業との共同研究なんて、なかなか機会は訪れないと不安を持った方でも、自らロボット制作に取り組んだ経験ならあるのではないでしょうか。
ほかの学生や教授などの提案や企画した設計に基づき、制作に携わっただけよりは、自らが設計から実験まですべてを行ったエピソードは強みになります。
もちろん一人きりで行ったのではなく、チームでの経験でもかまいません。
チームリーダーとなって設計の基本を担い、メンバーを率いて制作や実験に取り組んだエピソードなどを紹介しましょう。
大学対抗のロボットコンテストに出場した際のエピソードなど、課題を乗り越えながら取り組んだ経験がないか振り返り、そのときの記憶を呼び戻しましょう。
ロボット工学研究から得られる強み
ガクチカとしてロボット工学研究の取り組みを紹介することで、どのような強みをアピールできるでしょうか。
ロボット工学研究をした学生さんが志望する就活先は、業種もさまざまかもしれません。
ですが、ロボット工学に直接関係なさそうな業種でも、ロボット工学研究から得られる強みをアピールできます。
ロボット工学をほかの機械に応用できる
ロボット工学の知識は産業用ロボットや人型ロボットなどの制作に携わる業種だけでなく、幅広く機械全般に使える知識や技術、ノウハウが身についているはずです。
今の時代、そして、これからの時代はあらゆる分野でロボット工学やオートメーションの技術が必要になります。
洗濯機一つとっても、入れた衣類の質に合わせて回転法をコントロールすることや乾燥まで自動で行い、アイロンがけをしなくてもシワにならないなど、 細やかな制御技術が役立てられているのです。
ハードウェアとソフトウェアの両方を実施
ロボット工学においてはロボットを制御するソフトウェアの技術とロボットの外装や機能を組み立てるハードウェアの両方の知識や技術、ノウハウが身についています。
ハードウェアだけ、ソフトウェアだけよりも、ハードウェアとソフトウェアの両方の経験があることは、いずれの分野に進んでも役立てることができます。
クライアントへの提案でも開発や設計でも、 1つの側面だけでなく次につながる部分を知っていることは多いなる武器になるからです。
設計から実地試験までを実施
ロボット工学研究ではロボットの設計から開発、制作、実験までのすべての工程を経験するとともに、PDCAサイクルに基づき、実験で出せなった結果を分析し、改善して再び実験するというプロセスも、何度も経験していることでしょう。
PDCAサイクルを回して、業務効率を高めることや製品やサービスの質を向上していくことは、どの業界でもどの業種でも、どんな職種でも不可欠なことです。
入社して経験を積んでもできない人は多いので、強みになります。
不具合が起こったときの修正や改善の能力がある
ロボット工学研究をして設計から携わっても、たった一度ですべてがうまく動作することはなかったことでしょう。
それどころか、順調に動作していると安堵した途端に、動かなくなることや想定外の動きをすることもあります。
トラブルが起これば、大きな損害や被害が引き起こされることもあり、すぐに修正や改善が求められます。
何より、自分が想定する通りに動かしたいとモチベーションも上がるはずです。
こうした経験と課題解決能力、解決に向けて集中的に取り組める姿勢は、どの業種でも役立つ強みになります。
課題解決能力のアピールは、ガクチカで研究以外のエピソードを紹介する際にも欠かせません。
ぜひ、自信を持って強みをアピールしましょう。
詳しくはこちらをご確認ください。
https://docs.google.com/sPReadsheets/d/1OJH-E6gIq3MO9UCxreFAFtzvkbZJoHZ9CYmIH12OJWY/edit#gid=1151108463
ガクチカ例文
では実際に、どのように書いていけば良いのか、大手企業との共同研究や自分で設計したものを使っての実験のエピソードを例に、ガクチカ例を見ていきましょう。
例文①
研究室の教授が研究中の☓☓技術に〇〇社が注目したのがキッカケです。
人手不足の時代に少人数のスタッフでも店舗が回せる、自動天ぷら揚げロボを開発する取り組みでした。
冷凍の天ぷらを揚げるのが動作のポイントでしたが、事前に人が用意した天ぷらを揚げていくと、時間が経つにつれ解凍されて、サクッと仕上がらない課題が生じました。
そこで、考えたうえで提案を行い、冷凍庫を設置し、ロボットが冷凍庫を開けて、そこから1枚ずつ、必要な数だけを取り出して揚げていく仕組みを作り出したのです。
冷凍庫を開けて取り出し、冷凍庫を閉めるという動作がプラスされることになりましたが、企業の研究者のサポートもあり、互いの研究の成果が実りました。
見事、開発に成功し、飲食店向けメーカーのエキスポでは注目を集めることができたのです。
この経験で学んだのは、単にロボットをあるべき姿に動かすだけでなく、現場の状況を把握して、現場が求めることを形にすることです。
この経験を活かし、貴社に入社した際もクライアントの状況や現場の状況を自ら分析把握し、抱えている課題の解決に努めたいと考えています。
例文②
カフェでアルバイトをしていましたが人手不足が問題となっていたため、それを解決するロボットを開発しようと考えたのがキッカケでした。
オーダーを取って厨房へ戻り、スタッフが乗せたドリンクやケーキを乗せて、注文者のテーブルへと運ぶというロボットです。
回路の設計から、お客さんにもスタッフにも受け入れられやすく、扱いやすい形や動きの工夫、フロア内でつまづかないことを目指しました。
設計通りに動くのに、移動中にドリンクがこぼれるという課題にぶつかったのです。
トレーの安定性を高め、動くスピードとバランスを制御することで解決することができました。
研究室で実験を繰り返した後、実際にアルバイト先のカフェで実証実験をしていただける機会を得ました。
友人に顧客役になってもらって実証したところ、アイスカフェラテとクリームたっぷりのケーキを無事に運ぶことに成功したのです。
この経験で現場に即した性能を持たせることの大切さを学びました。
現場を知ることの大切さや現場に寄り添った仕事を行うことの大切さを、入社後に活かしたいと考えています。
まとめ
ロボット工学研究に取り組んできた学生さんがガクチカでアピールするエピソードとして、大手企業との共同研究や自分で設計したものを使っての実験の経験は大きな強みになります。
ロボット工学を他の機械に応用できること、ハードウェアとソフトウェアの両方の経験を役立てること、不具合が起こったときの修正や改善の能力があることをアピールできるためです。