【理系の学部卒ってどうなの?】理系の学部卒・院卒での就活の違いは?それぞれの特徴を紹介

【理系の学部卒ってどうなの?】理系の学部卒・院卒での就活の違いは?それぞれの特徴を紹介

記事をお気に入り登録する

記事のお気に入りに登録

「記事のお気に入りに登録」のご利用にはログインが必要です。

会員登録がお済みでない方

無料会員登録
伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

【理系の学部卒ってどうなの?】はじめに

理系は大学院に行くのが当たり前、というイメージがまだまだ先行しているのも事実でしょう。

ただ実際には平成29年に文部科学省が行った大学院への進学調査結果によると、理学の学士課程修了者が進学する率は41.8%、つまり6割近くが学部卒で就職を選択していると言えます。

参考:文部科学省 学校基本統計
https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2017/07/24/1386653_05.pdf だからと言って、すべての理系学生が楽に就職を決めているわけではありません。

それでは理系学部卒者は就職をどう考えればよいのか、掘り下げてみましょう。

【理系の学部卒ってどうなの?】院卒と学部卒の違いは?

まずは理系大学の院卒と学部卒の違いをまとめておきましょう。

基本的に学生が行う就活の流れとしては、両者に大きな差はありません。

多くの学生が就職に向けて就活サイトを利用したり、セミナーや就活イベントに参加したりしながら情報を集め志望を絞っていきます。

応募時にはもちろんESも作成しますし、面接を受けたり試験を受けたりしながら、最終的に内定を獲得することになるでしょう。

違いが出るのは選考において企業が見る点、評価する点です。

学部卒

まず学部卒を企業が見る場合、どの点に着目しどう評価するかをまとめます。

もちろん企業ごとに細かい評価ポイントは変わりますし、年度や職種によっても大きく変わりますが、一般的に共通する部分を解説します。

伸びしろを見られる

理系大学でなくとも、企業人事が学部卒に見るのは伸びしろです。

簡単に言えばポテンシャルがあると感じられるかどうかですので、これからの伸びしろを重視するという意味では、現段階の能力をさほど気にしなくてもよいでしょう。

ただしやはり理系ですので、今専門的な知識がないことは構いませんが、求める分野に対する一定の知識や能力は必要とされます。

あくまで院卒に比べてのことですので、そこは勘違いのないようにしましょう。

厳しいようですが、いずれにせよ学部卒は企業の即戦力にはなりません。

そうではなく将来的に自社で活躍できるであろうポテンシャルが感じられれば、それを伸ばす価値があると企業は判断します。

自分には未来の期待がある、その点をアピールする工夫が必要だと言えるでしょう。

専門性は見られない

前述したとおり、学部卒に専門性は求めません

つまり自分がいかに成績優秀かを知らしめるために、大学で勉強したことをESや面接で披露してもあまり効果はないでしょう。

それよりも以下の点をアピールしてください。

  • 自分がこの先その企業で何を成し得たいか
  • どのようなキャリアプランを描いているか
  • その企業の理念や事業方針、求める人物像とマッチしていること

これらをアピールするためには、相手企業が将来的にどこを目指しているのか、どういった分野に力を入れているのかをしっかりリサーチし、業界研究を行うことが重要です。

企業にとっては同じ方向を向いて働いてくれる人材であることが、専門性よりも大切な注目点だと理解しましょう。

専門性が必要ない分野では重宝される

社会全体で見たときに、理系卒の学生は一定の評価を受けることができるのは事実です。

それは大学受験にあたって理系は文系よりハードルが高く、入学してからは更に大変で卒業するのはとても難しいからです。

そうしたいくつものハードルを10代の頃からずっと超えてきた実績は、社会に出てからも通用する確率が高いと判断できます。

そうした意味では必ずしも専門性が必要のない分野であっても、理系学部卒は企業から期待を持って注目されることが多いでしょう。

もちろん自分が進みたい道や築きたいキャリアなどがあれば別ですが、もし専門性を求めないのであれば、まったく違う分野の企業に挑戦してみるのもひとつの道です。

前述したとおり企業は専門性を見ませんので、方向性が会えば理想的なマッチングになるでしょう。

院卒

院卒に対して企業人事が求めるものは、学部卒とは大きく異なります。

そもそも理系大学院の経歴は就活に大変有利にはたらき、業界を問わず必要とする企業は多く存在します。

理系院卒は、どういった点が企業人事から注目されるのでしょうか。

専門性を見られる

院卒はポテンシャルはもちろん、すでにスキルや基礎力を持っていることが求められます。

つまり入社時から専門性を必要とされますので、その点が学部卒とは大きな違いと言えます。

当然ながら学部卒より2年多く学び研究しているわけですから、専門知識が培われているのは当然と考えられるでしょう。

求められるのも在学中に培った実験の成果、分析結果などの実績ですので、アピールできる具体的なスキルを準備することが重要です。

ただし企業ですので、一般社会人としてのビジネススキルも必要とされます。

例えばいかに専門性が養われていたとしても、限られた面接の時間内にわかりやすく説明できないようでは評価は不十分となるでしょう。

万人にとまでは言いませんが、相手にわかりやすく伝えるべきことを伝えられるスキルも重要です。

就職できる幅が広がる

一定規模を持つ企業の場合、院卒専用枠を設けていることが多くなります。

つまりほかの条件より多く採用ポストが用意されているわけですから、就職できる幅が広がると言えるでしょう。

院卒を条件に掲げる企業もありますので、全体的に就職できる企業の数が多くなります。

また専用枠でなくても、同じ偏差値であれば文系より理系を採るという企業も少なくありませんので、就活ではより有利になることは事実です。

ただし、そもそも理系大学院生が就活時間を確保するのは容易ではなく、卒業研究やゼミ、学会発表などに追われながらの就活になることは間違いありません。

学部卒より幅が広がるとは言え、研究と就活を両立させる難しさを考えれば、それでもトントンと言えるかもしれません。

キャリアステップが明確である

難しい院卒の就活ですが、専門性が高い職に就くことで、専門領域でのキャリアステップを考えやすいのが利点です。

一般的に、学生が企業に入ってからどう生きていくか、どんな将来を目指すべきかはなかなか難しい問題です。

その点、自分が培った専門知識を社会へ役立てる、成し遂げたいことを企業に場を変えて成し遂げるという目標を掲げやすい院生は、明確なビジョンを持って就活できるのが強みでしょう。

それを軸として就活できるため、企業側もマッチングの齟齬が出にくく、より理想的な採用活動ができます。

入社後にミスマッチで社員を失うリスクが低いので、企業人事としても歓迎すべき状況です。

2年間分、実務経験が少ない

学部卒より2年長く研究してきた、つまりそれは社会人2年分の実務経験と交換した期間です。

学部卒はその間、就職して早くキャリアを積んで実力をつけることができますので、その差を完全に埋めるだけの専門知識がなければそれはマイナスになります。

企業人事もそれは重々わかっていますので、最初から専門知識に注目し、厳しく評価しようとします

たとえば残念なことに明確な目的を持たずに大学院に進学し、なんとなく時間だけが無駄に過ぎてしまったという院卒には入社してもらいたくないからです。

研究職に就くのであれば確かに大学院で長く学ぶことは意義がありますが、専門外に回されてしまう場合はメリットを活かせなくなります。

そうなると2年の実務経験はかなり重い足かせになりますので、そこはあらかじめ熟考が必要です。

【理系の学部卒ってどうなの?】学部卒では専門職に就けない?

冒頭でも触れたとおり、理系学部卒で就職を目指す学生の割合が年々増加傾向にあります。

早く社会に出て収入を得ることは大切なことですが、どんな仕事でもよいわけではありませんので、一人ひとり自分の将来のビジョンを持って就活に望むことが重要です。

そこで問題になってくるのが、学部卒では専門職には就けないのかという疑問です。

せっかく培った学問は活かせないのか、学部卒にとっては大いに気になる点でしょう。

学部卒では専門職は難しい

結論からすれば、大手企業の技術職を学部卒が狙うことは難しいと言わざるを得ないでしょう。

技術職と研究職とで少々違いが出てきますが、特に研究職の採用枠は院卒が重視される傾向にあります。

ただもちろん学部卒で研究職になる新卒入社も存在しますし、絶対にない、有り得ないというわけではありません。

こちらは学生本人のポテンシャル、企業ごとの考え方や採用方針に関わりますので、一概に言えないというのが実情です。

大手になればなるほど研究職は院卒有利、技術職(エンジニア)は学部卒採用もありますが、やはり大手企業ほど難しくなります。

ゼロではないもののかなり狭き門であり、就職できても自身の専攻が関わってくることはほとんどないと言えるでしょう。

ただ企業規模にもよりますし、地方であれば問題なく就ける場合もあります。

院卒でも絶対いけるわけでもない

前項を見ると、院卒なら大企業の専門職も思いのままのように感じるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。

院卒専用の採用枠がある企業でも、院卒だからといって応募者が確実に技術職に就けるわけでもないため、そこは勘違いしないようにしましょう。

特に就活で失敗しやすい院生の特徴は、特定の分野や職種に強くこだわりすぎている点が挙げられます。

もちろん大学院に進学してまで培った専門があるのにそれを活かさないのは論外と感じるかもしれませんが、それが逆に就職を妨げてしまう場合があることも頭に入れておきましょう。

視野を狭めず、理想像を追い求めすぎないことが重要です。

【理系の学部卒ってどうなの?】院に進んだ方がいい?

ここまで読み進めて、結局理系学生は学部卒で就職すべきなのか、院に進んだ方がいいのかわからなくなったという学生もいるでしょう。

ただその答えには絶対的なものがあるわけではなく、一人ひとりが熟考して導き出さなければならないものです。

いずれにせよ自分の希望、やりたいこと、将来のありたいビジョンを明確にしたうえで、各選択のメリット・デメリットを正しく理解し、決断する必要があります。

さまざまなメリット・デメリットを自分で判断しよう

シンプルに考えれば、大学院に進学すれば専門の勉強や研究を行えるものの、社会人として2年のディスアドバンテージがあり、学費の問題も発生します。

ただ専門性を高めることで自分の目指したい分野に進んだり、理想のキャリアを形成できる期待が大きくなったりするのも事実でしょう。

逆に学部卒で就職すればそれだけ早く実務経験を積めますし、就活においても一定の専門知識に加え、若さとポテンシャルも武器にできます。

学部卒でも就職先は多いですし歓迎されやすいですが、専門性の高い職種に就ける確率は大手になればなるほど低くなります。

こうしたさまざまなメリット・デメリットをすべて並べたうえで、自分で判断しなければなりません。

【理系の学部卒ってどうなの?】まとめ

理系だからといって大学院へ進学しなければならないわけではありませんし、事実、多くの学生が学部卒で就職している現状があります。

自分の将来のビジョンを描き、どうすれば自分が納得できるのか、後悔のない選択をするしかありません。

ただしいずれの選択をするにしても、就活スケジュールを理解していないと就活のスタートが遅れ、大きなマイナスを招いてしまいます。

就活セミナーやイベントへの参加、インターンのチャンスなどを逃さないよう、常にアンテナは張り巡らせておくことが大切です。

この記事を友達におしえる!

LINEで送る ツイートする シェアする URLをコピーする

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます