HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
1927年公開の『メトロポリス』やスティーブン・スピルバーグによる『A.I.』など、ロボットが登場する映画は数多く作られており、人類がいかにロボットに対して関心を示しているかが伺い知れます。
ロボットに対する人間の探究心は尽きることなく、現在でも各地の大学にてロボット工学(ロボット工学)研究は進められています。
今回はそのロボット工学に夢を見出し、研究へ励まれてきた方々を対象に、ロボット工学研究がいかに就活時の自己PRに活用できるかを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
自己PRの作り方
「就活は巡り合わせだ」と言われることはありますが、とはいえ運命的な縁へ完全に任せるわけにはいきません。
自分はどういった人物であり、どのような長所があるかをアピールして初めて、企業とつながることができます。
自己PRのセオリーにはいくつかありますが、その中でも今回ご紹介したいのが PREP法です。
PREPはそれぞれ 結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論(Point)、の頭文字であり、この順版に話を展開していけば相手へ効果的に訴えかけられるという文章構造のことです。
PREP法ではまず結論、自分はどういった人物かの紹介を行います。
はじめに結論、話の要点を伝えれば、何を話したいのかが明確になり、聞き手も理解しやすくなります。
また、順序だって伝えるより話の説得力が上がることもPREP法のメリットだと言えるでしょう。
ロボット工学の研究で強調できる特徴
非常に効果があるPREP法ですが、これはあくまでフレームワークであり、中身つまり訴えたいことが伴って初めて完成します。
ではロボット工学研究を経てきた方々がPRできることとは一体なんなのか、以下にまとめました。
課題解決能力がある
ロボットという言葉が生まれたのは1920年、そこから数えた場合ロボットの歴史は100年を経過したばかりです。
近年の発展は著しいとはいえど、ほかの分野と比べるとロボット工学研究はまだまだ新しく、まだわからないことに溢れています。
そのため、研究中にトラブルが発生することも日常茶飯事でしょう。
日々起こるトラブルの原因はどこにあるのか、そしてそれを改善するにはどうすれば良いかを考え続けてきたロボット工学研究者は 課題解決能力が高い傾向があります。
これまでロボットに対して行使してきたこの能力をビジネスに適応できることを的確に示せれば、絶対に獲得したい人材として採用担当者の目に映るでしょう。
チャレンジ精神がある
ロボット工学の歴史はまだまだ浅く、これまで常識とされてきたことが次の日にはひっくり返ってしまうことも珍しくありません。
ゆえにロボット工学研究者はさまざまなことにチャレンジし、試行錯誤を繰り返すことが求められます。
分野は違えど、刷新が日々繰り返されるのはビジネスシーンも同じことです。
今は栄華を誇っている業界や企業が未来もその地位を維持できるとは限らず、一方で、今はアパートの一室で細々と営まれている事業が世界を変える大きな存在になる可能性は誰にも否定できません。
安泰の地はなく、 企業は永遠の探求者である必要があります。
その企業とともに立ち、溢れるチャレンジ精神を持って新しいものへ挑んでいくことをPRできれば、採用までの道が拓かれるはずです。
論理的な考え方ができる
2020年度よりプログラミングが小学校の必修科目になりました。
世界のIT化に対応するためのものと思われがちですが、この改定はプログラミングを通して論理的思考力を養うためです。
既知の通り、プログラミングとは想定している結果を目指して命令を積み重ねていく行為です。
ゴールを的確に把握し、ではそこへ辿り着くにはどういった道程を辿れば良いかを明確にする能力がプログラミングには求められます。
ロボット工学研究において、プログラミングは切り離すことができない存在です。
非常に高度なプログラミングをこなしてきたことは、それだけでも高い論理的思考力の証明になるでしょう。
こと現代はビジネスにおいて関わる相手の人数が増え、情に訴えかけるのではなく以下に論理性を持って事業を展開していくかを問われています。
そういった状況の中、ロボット工学研究の中で培われた論理的思考力は大いに活用できるでしょう。
知的好奇心がある
ロボット工学に限らず、研究は基本的に未知の探究です。
すでにあるもので満足せず、まだ見ぬものに出会いたいという思いがあらゆる研究の原動力になっています。
その 知的好奇心はビジネスの場でも求められる能力なので、自己PRでしっかりと示しましょう。
たとえば新しいシステムが開発されたとき、それを導入するかどうかの判断こそ論理的思考力で行いますが、知的好奇心によってそのシステムを認識し関心を寄せていなければそもそも判断にも至れません。
また、ビジネスの場では一定の業務ばかり担い続けるとは限らず、それまでとはまったく畑が異なる分野へ挑まざるを得ない状況も起こりますが、そういった場合にも知的好奇心は味方になるでしょう。
自己PR作成の注意点
どれだけ画期的な商品だったとしても、宣伝が下手だったらその魅力は消費者に伝わりません。
それと同じように、せっかくの長所もPR方法によっては伝わらず、かえってマイナス要素になってしまうこともあるのでくれぐれもご注意ください。
専門用語は使わない
多くの方々にとってロボットのイメージは手塚治虫の『鉄腕アトム』や藤子・F・不二雄の『ドラえもん』などとニアイコールです。
そのためロボットという存在自体には肯定的な印象を漠然と持っているが、詳しいことまでは知らないというケースが珍しくありません。
そういった相手に対して専門用語を駆使してロボット工学研究を説明しても理解には至らず、自己PRも芳しくない結果で終わってしまうでしょう。
物事を的確に伝えるためには、時にあえて詳しく語らず、 かみ砕いて話すことも重要です。
専門用語は誰にでもわかるような言葉に言い換え、ロボット工学研究に聡くない面接官でも理解できるように調整しましょう。
エピソードを述べる
前述のPREP法では結論と理由の後に具体例を述べます。
これは 結論と理由を踏まえていれば具体例に説得力が増すからです。
また、PREP法のこの構造は分野外の人には内容がわかりにくいロボット工学研究の説明において非常に有効です。
その分野を深く知る方にとっては大きな事件だとしても、外にいる方にしてみればそのすごさがわからない、抽象的すぎて理解できないということは少なくありません。
この事態を避けるためにも、自己PRにわかりやすいエピソードを盛り込むことをおすすめします。
面接官にとって自らの経験と照らし合わせやすいエピソードを出せれば、自己PRの成功率はぐっと上がるでしょう。
どのように貢献するかを述べる
企業は営利団体なので、行動が利益につながらなくてはなりません。
よって就活においても、自分の長所をもってどう企業に貢献できるか、どのように利益へつながるかを示さなくてはなりません。
自己PRはいくら内容が素晴らしかったとしても、最終的なゴールつまり貢献の仕方がおぼろげな場合には、面接官の印象に残りにくいのです。
一方、自らの長所とそれの活用方法が両立された自己PRであれば採用後のビジョンを面接官は想像しやすく、採用のハードルも低くなります。
自己PR文
論文やレポートとはまた違った技術が求められるため、自己PR文を書くには慣れが求められます。
以下にロボット工学研究者向けの例文を記したので、ぜひ参考にしてください。
例文①
それはロボット工学研究に携わる日々の中でさまざまな問題に直面し、そしてそれの改善に努めてきた実績があるからです。
私は大学にて介護用ロボットの研究に携わってきました。
介護用ロボットがほかのロボットと異なる点は、第一に「やさしさ」が求められる点です。
介護用ロボットは人と直接触れ合うため、その方が安心して身を任せられるデザインや機能を持っていなくてはなりません。
私が所属した研究室で開発した介護用ロボットを試験的に老人ホームで導入していただいたとき、機能的には問題がなかったのですが、利用される高齢者の方々からの反応は芳しくありませんでした。
最初は原因がわからず、利用された方々の気まぐれだろうとまで言う者も研究室内にはいましたが、分析に分析を重ねた結果、ベッドに寝たとき顔のところにちょうどロボットの突起が近づくことがわかりました。
もちろん突起は高齢者の方々に当たってはいませんが、近づいたときの圧迫感が低評価につながったわけです。
このことに気付くために、私は最終的にロボットの利用状況と同じシチュエーションの部屋を用意してシミュレーションしました。
問題には必ず原因がある、このことに気付いた私は入社後も決して問題から目を背けず、培った能力を活用していく次第です。
例文②
たとえば、所属していた研究室では私の代で初めてNHK学生ロボコンに出場しました。
NHK学生ロボコンは長年出場しているチームが多くおり、その中に新参者として加わるのは得策ではないという意見はありました。
しかし当時の研究室はこれといった目標を持たずにただ研究を続けており、メリハリがなく終わりも見えないその日々で空気がよどんでいたのも事実です。
そういった状態を打開すべく、私はあえてNHK学生ロボコンへの出場を推し進めました。
すでに20年以上の歴史を持ち、特に2002年以降はABUロボコンの日本予選も兼ねているNHK学生ロボコンは強豪揃いであり、ノウハウを持たない私の研究室は大きな成果は出せませんでした、 しかし研究室内の空気は一新され、それだけでも良かったと私は感じております。
チャレンジすれば必ずや道は拓けることを私は身を以て学んだので、その意識を就業後も持ち続け、チャレンジし続けようと考えています。
例文③
論理的思考力を養うために、私が所属していた研究室ではディベート会を定期的に催していました。
一般的な議論または口げんかとディベートの違いは、前者は感情による押し通しが善し悪しは別にしてまかり通ってしまうのに対し、ディベートではそれが通用せず、論理を持って戦わなくてはいけないところです。
ディベートではまず相手の主張をしっかりと聞き、どういった根拠にて主張しているのか、その根拠には穴がないかをつぶさに分析します。
はじめは勝手を掴めず、言い淀んでしまうことも多かったですが、徐々にコツがわかり、最終的には素早く分析できるようになりました。
研究室でのディベート会で培った論理的思考力は貴社でも役に立つと自負しております。
例文④
学生時代はロボットの研究はもちろんのこと、昆虫採集にも精を出していました。
これは、昆虫の構造をロボットの設計に反映させるためです。
自然は非常に偉大で、人間では考えつかない画期的な構造を昆虫や魚、あるいは爬虫類などに与えています。
ロボットは自然課員未存在しないものですが、それを成り立たせる過程では自然のものを大いに活用することが可能です。
このことを私の担当教授に教えていただいたとき、昆虫に対する好奇心が燃え上がるのを私は感じました。
好奇心には素直に従うのが自然だろうと、私は心の向かうままに野山を駆けまわり、昆虫の手足の美しさ、そして機能性に見とれました。
もちろん昆虫採集で得た知識は後にロボットの設計に反映しています。
好奇心はただ自らを豊かにするだけでなく、しっかりと実利をもたらします。
御社に勤める際もこの知的好奇心を絶やさず、あらゆるものに関心を示し、そして御社の利益へ還元していく次第です。
まとめ
完全にフィクションであった時代はもはや昔、人々のたゆまぬ探求によってロボット工学(ロボット工学)は日々進められており、夢の実現も間近です。
もちろん大学でもロボット工学研究は大いに行われており、青春時代を研究に費やし、充実した日々を送られた方は少なくありません。
そういった方々が就活の場でも活躍できるよう、今回はロボット工学研究者向けの自己PRを解説しました。
今回の記事を参考にしつつ、ぜひ思い通りの就活を遂げてください。