塾講師アルバイトのコツ どんな指導をすればいいのかわからないあなたへ

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はじめに

塾講師のアルバイトをしていて、「やる気のない生徒をどうすれば勉強に向かわせられるか…」、「生徒の反応が小さく、本当にわかっているのか確認しにくい…」。

このように自分の指導方法に不安がある人もいるでしょう。

この記事では指導方法に不安がある講師に向けて、塾講師アルバイトのコツを紹介します。

【塾講師アルバイトのコツ】上手な教え方とは

職場の他の講師の授業スタイルを観察してみると、講師それぞれによってスタイルが違うことがわかります。

逆に授業スタイルが多すぎて、どんな授業スタイルがいいのか見当がつきません。

そんな人に向けて、指導が上手い塾講師に共通している部分をコツとして紹介します。

コツ1:生徒との信頼関係を築く
コツ2:伝えたい内容が生徒に芯から伝わる話し方
コツ3:抽象と具体を使いこなす
コツ4:生徒が理解しているのか逐一確認する
コツ5:質問に対する回答をあらかじめ考えておく

コツ1:生徒との信頼関係を築く

生徒を指導するにあたって、生徒が講師の指導を受け止めてくれるようになるには生徒と講師の間の信頼関係を築く必要があります。

信頼関係がない中で生徒を叱ったり指導したりすると、生徒は授業が嫌になってしまいます。

そうならないためにもある程度の信頼関係を築くことを一番最初に達成できるようにしましょう。

コツ2:伝えたい内容が生徒に芯から伝わる話し方をする 

問題がある生徒に対して叱るときを考えてみましょう。

「これもできていない」「あれもできていない」と叱ることを中心にしてしまうと、生徒は次回の授業が嫌になってしまいます。

コツ1で紹介した信頼関係が十分に構築できていなかったとしたらなおさらです。

生徒を叱るときには、「叱る前に褒める」「褒める内容:叱る内容=9:1の比率にする」ことを意識してみてください。

たくさん褒めることによって、あとで問題点を指摘する時のためのクッションになります。

そして褒める比率が9で叱る比率が1であることによって、問題点が相対的にくっきりと見えるようになります。

コツ3:抽象と具体を使いこなす

教科書や参考書に書かれている内容は基本的に一般化・抽象化されたものが中心です。

これを教科書の内容のまま伝えても生徒は理解することができません。

例えば主格の関係代名詞について教える状況を考えてみましょう。

主格の関係代名詞は以下のように表されます。

主格の関係代名詞①

先行詞+関係代名詞+動詞+…

教科書にはこのように書かれていることがありますが、これをそのまま黒板に書いても生徒たちはポカーンとなるだけです。

これを順番に具体的にすることを考えましょう。

主格の関係代名詞②

先行詞(関係代名詞節内の主語)+関係代名詞+動詞(先行詞がする動作)+…

②は①を比較すると、先行詞、関係代名詞、動詞という専門用語の意味が加えられたことによってより具体的になりました。

②をより具体的にしましょう。

主格の関係代名詞③

I have a friend who lives in America.

先行詞がfriendで、関係代名詞節内の動詞がliveであり、先行詞friendと動詞liveには能動の関係にある

③のような説明をすると②よりも具体的になりますね。

こちらの方が生徒は理解がしやすいと思います。

ここまで説明した後は、生徒本人が独力で具体例から抽象的・一般的な公式を導出できるようになる訓練をしましょう。

③→②→①を自力でできるようになれればこの分野がわかったことになりますね。

コツ4:生徒が理解しているのか逐一確認する

教え方が下手な講師の授業では、生徒が理解できていないのにも関わらず授業を続けてしまって、授業終わりの生徒がポカーンとしてしまっているような状況が見受けられます。

積み上げ型の教科において特にみられる現象ですね。数学の授業を例にとって考えてみましょう。

数学の授業の一例

①三角形の面積を求める公式は「底辺×高さ×1/2」である
②三角柱の面積を求めてみる

もし①の段階で理解ができていないのであれば、授業で②を扱うときに生徒のペンを持つ手は止まってしまいますね。

なぜなら円柱や三角柱の体積は「底面積×高さ」で求められ、三角柱の底面積を求めるには三角形の面積を求める方法がわからなければならないからです。

このようなことが起きないようにするには、授業の要所要所で理解できているかどうかの確認を取ることが必要です。

個別指導の時には生徒が一人ですから、理解できているのか確認することは簡単ですが、集団授業の時には理解できていない生徒が理解できていないことを発言することを億劫に感じてしまうことがあるかと思います。

生徒が自主的に発言しやすい環境を作れるようにするのも塾講師の腕の見せどころですね。

コツ5:質問に対する回答をあらかじめ考えておく

塾講師としてアルバイトを重ねていくと生徒からの質問の内容がある程度重複することが多いことがわかります。

そのような「よくある質問」に対する回答を事前に考えておくとスムーズに授業を進めることができます。

例として下記によくある質問を紹介します。

よくある質問

質問1:勉強の集中力が保てない時はどうすればいいですか?
回答:勉強している科目や教科を変えてみましょう。
   10分程度休みをとりましょう。

質問2:英単語帳の暗記の方法がわかりません。どうすればいいですか?
回答:まずは知っている英単語と知らない英単語に分けましょう。
   その後に知らない英単語のみ周回して覚えていきましょう。

他にもよくある質問はたくさんあるでしょう。

これを事前に準備しておけば生徒対応をよりスムーズに行えるし、スムーズに対応できる姿を見せることで生徒からの信頼感も得ることができますね。

【塾講師アルバイトのコツ】逆に下手な教え方ってどんなの?

上記では上手な教え方とコツについて紹介してきましたが、逆に教え方が下手な講師の特徴について紹介します。

これらに当てはまると生徒からの信頼は得られず、成績の伸びが小さくなるあるいは逆に成績が下がり、生徒の保護者からのクレームがきてしまうことに繋がります。

自分に当てはまるかどうか確認してみてください。

ケース1:難しい言葉で説明してしまう
ケース2:生徒と自分自身とのレベルを合わせることができていない
ケース3:生徒に自分を投影してしまっている
ケース4:生徒に応じて自分のキャラクターを演じ分けられていない
ケース5:自分を卑下するような発言、自信がないような発言をする
ケース6:生徒のわからないが理解できない

ケース1:難しい言葉で説明してしまう

よくあるケースとして教科書に書かれている内容をそのまま伝えてしまい、結果として抽象的で難しい説明になってしまうということが挙げられます。

コツ3でも取り上げた主格の関係代名詞を例にとって考えてみましょう。

ケース1の例1

主格の関係代名詞は、不完全文である関係代名詞節内の主語が先行詞と一致する

これだけ言われても理解できません。塾講師として働き始めたアルバイトの学生に多いケースです。

これをより理解できる形にするために以下のことを意識してみましょう。

1:説明に含まれる専門用語を知らない人にもわかるように言い換える

専門用語をそのまま伝えられても意味がわかりませんね、意味が理解できるレベルにまで噛み砕いて説明しましょう。

この例では主格、関係代名詞、完全文、不完全文、主語…などが挙げられますね。

2:具体例、図やイラスト、身の回りの事象に置き換えて説明する

口頭や文章だけで説明しても伝わりにくいですね。

黒板・ホワイトボードに図やイラストを書いたりするといいでしょう。

または身の回りの現象で例をあげてみることもいいでしょう。

これは特に自然科学(物理、化学、生物、地学)などに有効です。

ケース1の例2

熱力学第二法則(エントロピー増大則)

この法則はエントロピーが大きくなる方向にしか物理現象は進行しないということを示す法則です。 これをよりわかりやすく説明する方法を考えましょう。

専門用語を言い換える

エントロピーとは簡単にいうと「乱雑さ」です。

つまりこの法則は秩序だった状態から乱雑な状態になる方向にしか現象は進まないということを示していますね。

具体例を示す

インスタントコーヒーでコーヒーを淹れる状況を考えます。

インスタントコーヒーにお湯をいれる前の状態を状態1、いれてコーヒーが出来上がった状態を状態2としましょう。

状態1ではコーヒーの粉とお湯が別々に存在していますね。

状態2ではコーヒーの粉がお湯に拡散しているはずです。

つまりコーヒーの粉という秩序だった状態からお湯全体に拡散してしまった乱雑な状態に進んだということです。

逆にこの法則が成り立たない状況を考えましょう。

もし法則が成り立たなければ、お湯を入れてもコーヒーの粉はお湯に溶けずに、塊のまま存在することになりますね。

身の回りの現象としてあり得ないことがわかるはずです。

このように具体例を示したり、身の回りの現象に当てはめたりするとより理解しやすいと思います。

ケース2:生徒と自分自身とのレベルを合わせることができていない

当たり前ですが、生徒と講師は年齢や勉強への習熟度が違います

ですから今までの勉強の経験値が違うので、講師が当たり前と思う知識レベルと実際の生徒の知識レベルには大きな隔たりがあります

次の例を考えてみましょう。

ケース2の例

問題:99×101を計算しなさい

この問題を小学生〜中学生を対象として考える時には、99×101の筆算を考えるように指導しなくてはなりません。

しかしこの問題を高校生に教える状況を考えるとどうでしょうか。

解法の一例

問題:99×101を計算しなさい

 99×101
=(100-1)×(100+1)
=100^2-1^2
=10000-1
=9999

高校では因数分解や展開を勉強しているはずです。であればこのような解法を考えるようにするべきですね。

しかしこの解法は小学生〜中学生には理解できません。

このような解法で解いていないことを指摘してはいけないし、このように解けないことを指摘することもよくないです。

アルバイトの範囲ではどの学年でどの分野を勉強しているのか把握していないことがあると思いますが、このようなことが起きないようにするためにも学校の授業進度や勉強内容を把握しておくようにしましょう。

ケース3:生徒に自分を投影してしまっている

自分が学生時代にできていたことが当然生徒もできるというふうに勘違いしてしまっているケースがとても多いです。

例えば、英単語を覚える時に英単語帳を3回周回すれば覚えられた経験を生徒にも押し付けてしまい、生徒が劣等感を感じてしまうというようなことが挙げられます。

特に暗記する能力は個人差が激しく、さらに生来の能力なので、生徒が10回周回しても単語を覚えられなかったとしたら、とても落ち込んでしまうでしょう。

そうならないためにも自分の当たり前を人に押し付けないように意識をしましょう。

ケース4:生徒に応じて自分のキャラクターを演じ分けられていない

人には色々な個性があります。

それに応じてどんな人を好意的に思うのか、嫌意的に思うのかも異なります。

もちろん講師本人にも個性があり、どのようなタイプの人を好ましく思い、嫌いに思うかが違います。

ときには自分と性格的に相性が合わない生徒の担当になることがあるでしょう。

どんな状況であっても生徒が講師を好意的に思えるように振る舞うことを意識しましょう。

具体的には、熱血指導が好きな生徒には熱い気持ちで指導する方がいいでしょう。

逆に熱血指導が嫌いな生徒にはロジカルで冷静な指導がいいでしょう。

問題点を指摘された時に深く落ち込んでしまう生徒にはなるべく褒める部分を大きくする必要がありますし、逆に打たれ強い生徒には踏み込んで指導した方が良いでしょう。

生徒がどんな人間性を持っているのかを見極めて、それに応じた”先生としての像”を演じましょう。

ケース5:自分を卑下するような発言、自信がないような発言をする

生徒の質問対応を受ける状況を考えてみましょう。

ケース5の例

生徒「この問題についてこの部分がわからないので教えてください。」
講師「あーこの分野ね。この分野苦手なんだよね。」

このように講師が発言したら生徒はどんなふうに思うでしょうか。

生徒は講師に対しての信頼感を無くし、今後は質問したくないなと思うでしょう。

実際に苦手な分野について質問されたとしたら、教科書や参考書をみながら一緒に考えたり、他の講師を紹介したりするといいでしょう。

一緒に考えた上でわからなかった場合は「次の授業の時までの先生の宿題にしておくので、来週まで待っていてください」と伝えてもいいでしょう。

【塾講師アルバイトのコツ】個別指導のコツは?

これまでは塾講師アルバイト全体について紹介してきましたが、生徒への指導をよりいいものにするにあたって、指導形式による指導方法を考えましょう。

コツ1:勉強以外も相談にのる
コツ2:生徒オリジナルの計画を立てる

コツ1:勉強以外の相談にも乗る

個別指導は集団授業よりも生徒との関係が密になります。

よって、生徒の勉強以外の指導も必要になる場面が多々あります。

特に生徒のモチベーションに関して指導する場面が多いでしょう。

イメージとしては個別指導は「生徒といっしょに並走する」というふうな立ち位置だといいでしょう。

あるいは「頼れるお兄さん・お姉さん」のようなイメージもいいでしょう。

今生徒が直面している問題を一緒に考えて、一緒に乗り越えるように生徒に寄り添って指導していきましょう。

コツ2:生徒オリジナルの計画を立てる

集団授業は授業進度が一定で、計画が決まっていますが、個別指導はフレキシブルな授業を展開できます。

これが個別指導の最大の利点です。

さらに個別指導は一人に生徒に向けての授業を展開できますから、その生徒に合わせたオリジナルの授業計画、年間計画を立てることができます。

例えば英語が得意で数学が苦手な生徒には、英語の授業進度は早めで、数学の授業進度は遅くすることができます。

さらに生徒それぞれの能力に応じて勉強方法の指導を変えることができたりします。

個別指導では生徒オリジナルの授業・年間計画を作れるようになりましょう。

【塾講師アルバイトのコツ】集団授業のコツは?

上記までは個別指導についてのコツを紹介しましたが、ここでは集団授業でのコツを紹介します。

一般に個別指導よりも集団授業の方が難易度が高いので、以下のコツを意識しながら授業を展開するとよりスムーズに授業が進められると思います。

コツ1:授業計画を作る
コツ2:双方向の授業を作る

コツ1:授業計画を作る

今まで個別指導をしていた塾講師が集団授業を初めて担当するときにありがちなこととして、授業計画を立てずに授業を進めてしまうことが挙げられます。

今日指導する内容は教材の何ページから何ページで、それぞれの内容にどれくらいの時間を割いて説明するのか、問題演習の時間をどれくらい取るのか…。

これをクラスの習熟度レベルや生徒それぞれのレベルを総合的に判断しながら計画しなければなりません。

かなり難しいですが、経験を積んでいくうちにこの判断がしやすくなります。

まだ判断が難しい場合には先輩や社員にアドバイスを求めてみましょう。

コツ2:双方向の授業を作る

よくある下手な集団授業として、講師から生徒へと一方向な授業展開になってしまっていることが挙げられます。

集団授業ではそれぞれの生徒と講師との関係性だけでなく、生徒間との関係性もとても重要な観点です。

生徒がみんなで一緒に成長していけるようにするために、生徒同士での意見を交換する時間を作ったり、教えあう時間を取るといいでしょう。また、講師→生徒だけでなく生徒→講師の発言が多くなるような授業を展開できるとより良い授業になります。

生徒にこの問題についてどう思うのかを聞いてみたり、生徒同士で考えさせるように指示してみたりしましょう。

【塾講師アルバイトのコツ】まとめ

この記事では塾講師アルバイトのコツや、下手な授業展開について紹介しました。

ここで紹介したことは塾講師という職業以外でも誰かに教えるという場面全体に有効です。

さらには仕事以外のプライベートでも誰かに何かを伝える時に有効なコツが含まれます。

人に伝える時にこのコツを意識してみてください。
 

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