HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「理系と文系、何を決め手に学部を選んだらいいのだろう」
「将来的に就職を考えた時は、理系と文系、どっちがいい?」
このように理系と文系、どちらに進路を決めるか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、理系と文系のそれぞれの特徴や、どちらを選んだらいいか迷った時のポイントなどについて紹介していきます。理系と文系を進んだ後のメリットについても取り上げているため、利点の内容で比較したい方にもおすすめの内容になっています。
この記事を読むことで、理系と文系、それぞれの学問に対して知識が深まり、大学の学部決めなど、自分の進路や方向性についても考えやすくなるでしょう。
理系と文系で迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
理系と文系に分けているのは日本だけ?
欧米諸国でも文系と理系とを分けている国はありますが、もう少し細かく区分けされていることが多いとされています。日本は、海外と比較して理系と文系の区分けがはっきりしていると言われています。
アメリカの大学の場合は、人間としてバランスが取れることを重要視しているところから、幅広い知識を得るために、理系や文系、芸術、体育系などを分けない傾向にあります。
理系の特徴
理系では、モノが研究対象であり、科学や文明の発展や未来を学んでいくという学問的特徴があります。実習や実験など行うため、分析や解析力が鍛えられ、論理的思考も身についていくでしょう。
また、大学レベルになると研究で知識を取り入れる際に海外の論文を読むため、理系でも英語を求められる可能性があります。研究発表を英語で行うこともあるでしょう。
このように理系は、理科と数学だけできればいいというわけではないため、注意してください。
文系の特徴
文系は、文学や歴史学、哲学など人や人間活動を研究対象にしていくという特徴があります。人間が、文化や思想をどう発展させてきたのか、これまで行ってきた過去を重点的に学ぶことで、現在や未来について考えていく学問です。
大学レベルでは、人だけでなくものについて研究することもあるため、調査でデータを取ることがあれば、数字を扱うケースもあるでしょう。
理系に進むメリット
次は、理系に進むメリットについて紹介します。メリットの内容によって理系と文系を迷う人も多いのではないでしょうか。
一般的に理系は、具体的に役立つ知識や技術が身についたり、就職先が選びやすかったりするメリットがあると言われています。
具体的に役立つ知識や技術が身につく
理系に進むメリットとして大きいのが、具体的に役立つ知識や技術が身につくことです。大学で選考した分野が、社会に出た後も活用していく技術や知識として役立てられるケースが多いでしょう。
たとえば、医師を目指す場合、医師国家試験の受験資格には医学部での正規課程を修める必要があるため、医学部への進学が必須です。
また、製造業に進みたい方は、モノづくりのための実践的な知識や技術を学ぶため、工学部がいいでしょう。メーカーでの研究開発に携わりたい方は理科や数学をさらに深く学ぶため、理学部がおすすめです。
出典:医師国家試験の施行について|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/ishi/
就職先が選びやすい
理系は専門分野がはっきりしており、卒業後に役立つ技術や知識が身につくため、就職先が選びやすいというメリットもあります。
たとえば、理学部の場合は、化学系メーカーや保険・金融業界、工学部の場合は、半導体やIT、機械、自動車業界などの就職先で、持っている知識や技術を活かしやすいでしょう。
文系に進むメリット
理系に進むメリットがわかったところで、次は文系に進むメリットを把握していきましょう。理系にも文系にも、どちらにもメリットはあります。両方のメリットを知り、どちらの方が自分にとって利点があると感じたかが重要です。
文系に進むメリットには、専攻によって就職先が限定されにくいことや、実験や研究室に縛られないことが挙げられます。
専攻によって就職先が限定されにくい
文系のメリットとして、専攻によって就職先が限定されにくいということがあります。中には、大学に進学してから、さまざまな経験をして将来やりたい内容が変わる人もいるでしょう。
そのため、「まだ将来のことまで考えられていない、幅広く学びたい」「今後の経験によっては夢が変わってしまう可能性もある」「どんな仕事に就きたいかは在学中に考えていこう、今は自分の学びたい学問を選びたい」という方に、文系はおすすめです。
実験や研究室に縛られない
文系では、実験や研究室に縛られないため、自由時間が取りやすいことも大きなメリットでしょう。実験は長時間になる内容もあるため、帰宅が夜遅くになってしまう可能性もあります。
ただ、文系の場合は研究室の代わりにゼミという形式の実習科目は存在しています。ゼミとは、教授と学生が集まり、学生主体で研究を行う場です。
ゼミでは、共同研究として合宿を行うケースもありますが授業単位で行うことが多いため、拘束時間は少ないことが多いでしょう。
文系の方が学費が安い?
文系と理系、どちらがいいか悩んだ場合、学費が少ない方を選ぼうと考える方もいるのではないでしょうか。
文部科学省が発表している「平成30年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額の調査結果について」によると、文系の大学は理系よりも学費は少ないことがわかります。
私立文系は、授業料と施設設備費の合計が936,925円、入学料229,997円、私立理系は授業料と施設設備費の合計が1,290,654円、入学料254,309円という結果が発表されています。
4年間で試算すると、私立文系は約398万円、私立理系は約542万円になり、約144万円の差があります。ただ、上記の金額は学部に関係なく平均したものであり、あくまでも目安です。
また、文系の場合は大学で留学をする人も多く、留学費用や留学先の滞在費用などが別にかかる場合もあります。学費だけではなく、総合的にかかる費用で比較することが大切です。
出典:平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について|文部科学省
参照:https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_sigakujo-000003337_1.pdf
大学の学部にある文理融合系とは?
「理系も文系もどちらも興味はあって、どちらがいいか選びにくい」「好きなのは理系だけど点数を取れるのは文系」など、理系と文系の間で悩んでいる人もいるでしょう。
そのような人にとって、おすすめなのが分離融合系の学部です。分離融合系の学部では、文系と理系を両方学んでいきます。
分離融合系の学部は、大学によって学ぶ内容、研究テーマ、目指すところなどが異なるため、志望する場合は、その学部が自分の興味のある内容か学部概要をしっかり確認しましょう。
考え方の「文系脳」や「理系脳」は後天的要素の影響が一番大きい
一般的に「文系脳」と「理系脳」は、後天的要素の影響、主に幼少期の学習経験によるものが大きいと言われています。
後天的要素とは、生まれた時から持っている先天的要素と違い、本人の経験などによって後から身についてくる要素です。
学部決定など進路を考える際に、「自分は文系脳か理系脳か」で考える人もいるでしょう。しかし、自分の思い込みで文系脳か理系脳か判断してしまうこともあるため、それだけで進路を考えることは危険です。
どっちがいいか迷った際のポイント
理系か文系か、どちらがいいか迷ってしまった時は、得意不得意から選択する方法や学びたい学問から選択する方法、将来就きたい職業から選択する方法などがあります。自分の特徴や気持ちに向き合って、理系か文系か考えていきましょう。
1:得意不得意で選択する
理系と文系で、どちらがいいか迷った際は、得意不得意で選択する方法があります。理系は、数学・理科、文系は、国語・社会です。
得意な場合は、試験などで悪い点数を取りにくいため、単位を落としにくいメリットがあります。しかし、不得意の場合、理解に時間がかかったり、人一倍勉強しなければならない状況に陥ったり、苦労する可能性が高いでしょう。
2:学びたい学問から選択する
高校時代に勉強していた教科で「もっと深く学びたい」と感じた教科がある場合、学びたい学問から理系と文系を選択する方法もあります。
たとえば、文学に法律、経済などについて研究したい場合は文系、自然科学やモノづくりの技術を学びたい場合は理系となります。
強い興味を持ち、学びたいという情熱がはっきりしている学問を選ぶことで、授業でも集中力を保ちやすいでしょう。
3:将来就きたい職業から選択する
将来就きたい職業から、文系か理系を選択するというのも一つの手です。たとえば、司法書士やカウンセラー、マスコミ、出版、広告代理店などであれば文系、自動車メーカーや食品メーカー、製薬会社などに就職したい場合は理系です。
まだ将来について考えられていないという方も、理系と文系の選択で、将来就きたい職業を考えてみるのもいいでしょう。
注意点として、研究職には理系寄りのものもありますが、大学教員や公的機関の研究職など、文系寄りのものも存在しています。
研究職になりたいと思っている方は、どのような研究を対象にする仕事に就きたいのかを考えて、理系か文系かを選ぶようにしましょう。
理系と文系それぞれの特徴や将来の職業の可能性も考慮して選択をしよう
理系か文系か、どちらに進むかによってその後の人生が左右されてしまうことがあります。それぞれの特徴や将来の職業の可能性も考慮して、どちらの道に進むかを選択していきましょう。
悩んだ結果、どちらも決められない場合は、文理融合系の学部を視野に入れてみることをおすすめします。