HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
理系を目指している受験生の中には、いよいよ具体的に進路先を決めるにあたって迷っていることがあるかもしれません。
一度は理系の大学に進もうと考えたものの、今のところどんな分野に興味があるのか自分で見出せず、卒業した後にどのような仕事に就きたいのかイメージできていないこともあるでしょう。
さらには、金銭的な問題などにより短大を視野に入れているケースもあるはずで、ここからは短大に進むメリットやデメリットについて見ていくことにしましょう。
【関東圏で理系の短期大学ってあるの?】理系の短期大学はそもそも少ない
特に関東に在住の受験生の場合には選択肢が幅広いこともあり、四年制にこだわらず短大を視野に入れている人も少なくないかもしれません。
そもそも経済的な理由により志望する場合には、実家から通える範囲でなければ都合が悪いはずで、関東圏に絞って探していることもあるでしょう。
しかし、現状を見ると、2000年以降は短期大学は四年制の大学へ転換する動きが進んだため、理系だけではなく文系においても数が大きく減らされ募集も多くはありません。
【関東圏で理系の短期大学ってあるの?】短期大学に行くメリット
金銭的な事情のほかにも、大学への進学にそれほど熱心ではなく、勉強に苦手意識があるなどして消極的な理由で短大を志している人がいるかもしれません。
嫌いなことを続けるよりは早く社会に出たいと思っているものの、就職することを考えれば高卒よりは有利そうだと考えている人もいるでしょう。
それらが果たして本当なのか、入学してから甘かったと後悔することがないように、ここからは短期大学で学ぶメリットについてひとまず確認しておきましょう。
短期間で卒業できる
四年制と比べて明らかな違いとして挙げられるのは、学校によって違いはあるものの、卒業するまでに2年または3年しかかからないということでしょう。
期間が短いとはいっても大学と同じように専門的な分野を深く研究し、特に理系の場合には専門的な職業に就くうえで、必要となる知識や能力が身につくことには変わりありません。
こうした当たり前に思える違いについては、できるだけ早く社会に出て自分の力で家計を助けたいと思っている人にとっては魅力的に思えるかもしれません。
そうであればなおさら、2年あるいは3年で卒業できるため4大と比較してはるかに学費が安く済むわけで、進路を変えることにより場合によっては負担が半額になることもメリットに感じられるでしょう。
就職率が良い
一般的な教養から学術的な専門分野まで幅広く学べる大学において、特に理系の短期大学ではより実践的な技術が身につけられることに大きな特徴があります。
実務に必要となる知識はもちろんのこと、専門職として即戦力となり得るスキルを短期間のカリキュラムを通じて磨いていけるのです。
分野によっては在学中に専門的な資格を取得することもあるはずで、それを活かせる職種を志望すれば採用に有利になるケースも少なくありません。
つまり、社会に早く出られるというだけではなく、収入や待遇面などにおいて恵まれた条件で就職できる可能性があるのです。
そうしたチャンスが広がり将来性が期待できることは、学費を抑えられるということ以上にメリットに感じられるでしょう。
【関東圏で理系の短期大学ってあるの?】短期大学に行くデメリット
ここまでは短期大学に進むことのメリットとして、四年制よりも早く卒業できて社会に出られること、在学中に専門的な知識を身につければ就職に有利なことなどを見てきました。
これらだけでも、もうすでに志望先を決めている人にとっては大きなメリットに思えるかもしれません。
しかし、それだけでは魅力を感じられずまだ考えを固められない人もいるはずで、ここからは短大に進んだ場合に四年制より不利になることなどデメリットについても詳しく見ていきましょう。
給与に差が出る可能性がある
短期間のうちに専門的な技術力が身について就職に有利になることをメリットとして取り上げましたが、給与だけについて比較すると大卒に見劣りするケースも少なくありません。
なぜならば、同じようなスキルがあったとしても、企業によっては短大卒と大卒の初任給に差をつけているからです。
つまり、1年や2年先に働き始めて四年生の大学生より収入を得ていると思っていても、自分のほうが経験があっても手取りの金額が劣る場合も十分に考えられるのです。
もちろん、企業の規模などにより一概には言えないものの、初年度だけではなく生涯賃金を比べると、やや不利に感じてしまうことはデメリットでしょう。
ただし、それらを覚悟のうえでスキルを磨いていけば、能力を評価されて収入を上げられる可能性がないわけではありません。
採用に影響が出る可能性がある
より実践的な技術を学んで実務に欠かせない資格を取得していることは大きなメリットであるものの、短大卒という肩書きにより不利になる面も否めません。
短期大学を卒業した場合には短期大学士という学位を取得できますが、採用の際には大学を卒業した場合の学士と区別されるケースがあるからです。
意図的に排除されることはなかったとしても、学位の違いによる影響は少なくないと言わざるを得ません。
また、フラットな条件であったとしても、ライバルとなるのは高校時代の同級生世代ではないことも認識しておかなければなりません。
同級生と比較すれば短期間で知識を得ていたとしても、同じ分野を四年間かけてじっくり学んだ大学生と限られた採用枠を争わなければならないのです。
忙しくなってしまいがち
ここまで見てきたように、短期大学というのは四年制に見劣りするような浅い知識を得る場ではなく、同等かそれ以上に実践的な技術力を磨く場でもあります。
ということは、普通なら4年をかけて学ぶことを2年ないし3年で吸収しなければならないわけで、学業で忙しくなることは間違いありません。
ですから、サークル活動と両立させて学生生活を謳歌したいと考えていたり、アルバイトにも精を出して学費を捻出したいと思っていたりする人にはデメリットしかありません。
しかしその反面、学業に集中できる環境が整っていると考えれば、学生生活が充実すると言い換えることもできるでしょう。
つまり、進学の目的がはっきりしていれば、実習などに追われて忙しくなりがちな点はむしろメリットに感じられるかもしれません。
【関東圏で理系の短期大学ってあるの?】関東圏の理系短大を紹介
短期大学へ進学することのメリットとデメリットを確認したうえで、やはり四年制に進学できるようもう少し勉強を頑張ろうと思った人もいるかもしれません。
その一方で、良い大学があれば短大でも構わないと関心が高まってきた人もいるでしょう。
そこで、ここから先は関東圏に絞って、具体的にどのような短期大学があるのかを確認していきましょう。
もしかしたらその中に自分に合っていて、目指してみようと前向きに思えるところがあるかもしれません。
埼玉医科大学短期大学
将来の目標として医療や看護などに携わりたいと考えているなら、看護学科が設置されているため適していると言えるでしょう。
設立されてからの歴史はそれほど長くはないものの、実習を通じて医療技術者としての基礎を学べて医療技術者となるための育成には定評があります。
学生数についてもそれほど多くはなく、少数精鋭で育成を目指すカリキュラムには、近隣の施設と連携した実習が多く組み込まれているため、実践的なスキルが身につきます。
それらの大学病院や医療センターなど関連する施設が多くあることも特徴で、就職先に困らないというメリットは魅力に感じられるでしょう。
将来の心配をすることなく学業に専念できる環境があるため、高度な技術をじっくり学べるに違いありません。
日本大学短期大学部
理系学部に限ってみても、建築やインテリアのデザインからエンジニアリングまで学べる建築・生活デザイン学科、専門分野を深く学べるものづくり・サイエンス総合学科があり、四年制と遜色のない充実ぶり。
まだ学んでみたい専攻分野が決まっていなくても、この中から探せば興味を持そうなものがきっと見つかることでしょう。
ものづくり・サイエンス総合学科においては特に、物理や数学など最先端の科学技術を支える基礎的な学問から電気電子工学や機械工学など、理系を志しているなら目にしたことがある分野がひと通り揃っています。
さらに、プログラミングやデータサイエンスまで、入学した後自分の適正に応じて専攻分野を決められるため、どうしても決めあぐねている人にも向いているかもしれません。
湘北短期大学
世界的にも有名な名門企業や歴史的にも著名な実業家が、業界のさらなる発展や人材の育成を目的として学校を設立することは珍しくありません。
その中の一つがこちらで、運営しているのが学校法人ソニー学園と聞けばピンとくる人が多いのではないでしょうか。
幅広い領域を学べる総合短期大学とも言えるほどの規模を誇る中で、理系学部にあたるのは総合ビジネス・情報学科です。
しかし、具体的に見るとほかとは学べる分野がやや異なり、一般的な理学部や工学部にあるような専攻コースはほとんど見当たりません。
それよりも、ビジネスにおける基本的な知識や事務処理能力が身につくなど、就職を見据えてマナーやコミュニケーション力まで学べることが大きな特徴として挙げられます。
【関東圏で理系の短期大学ってあるの?】理系短期大学卒業後の進路
ここまで取り上げてきた短大を見ても、医療系など専門性の高いところから理系全般を幅広くカバーするところまでさまざまです。
しかし、概ね言えることは、就職を前提としたカリキュラムが組まれていることで、実際にその割合は低くありません。
データによれば就職率は81.4%であり、卒業生の大多数が目標を叶えているのです。
さらに、四年制と比べて大きな特徴と言えるのが、地元企業へ就職するケースが目立ち、自県への就職率は高い傾向にあります。
大学により事情は異なるものの、短大に入学してしっかりと成績を残せば四年制への編入の道も拓けていることから、就職を選択しないものの中には同じ大学や系列などでそのまま学び続ける学生も少なくはありません。
まとめ
ここまで、短期大学に進学した場合のメリットやデメリット、卒業した後の進路についてみてきましたがいかがでしたでしょうか。
中には漠然と、勉強したくないから四年制より短大を選びたい、高卒よりは就職に有利になりそうだから短大を志望する人も少なくなかったかもしれません。
それでも、より具体的に短大に進学するとどんな学生生活が待ち受けているのかを知ることによって、再考するきっかけになったこともあるでしょうから、もう少しやりたいことが見つかるまで進路先を検討してみてはいかがでしょうか。