HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
長期インターンは、正社員に混ざって実務を長期的に行うインターンシップ制度です。
短期インターンでは1日程度のオリエンテーションの場合もありますが、より実務を経験できる長期インターンの実績はライバルに差をつけられる自己PRになり得ます。
アルバイトも長期という意味では同じですが、仕事の内容や社員の接し方も変わる場合が多く、より主体性が問われる領域が広いのが特徴と言えるでしょう。
ただしその経験や内容を適格にアピールできなければ、採用担当者から業務体験とは言い難いと判断されてしまいかねません。
せっかく得た実績ですから、ぜひ魅力的な自己PRに変えましょう。
ここでは長期インターンの経験を自己PRでアピールすべきポイントを解説します。
長期インターンは自己PRに使える?
まず、「長期インターンの経験は本選考の自己PRに使えるのか?」という疑問があります。
結論から言えば、ズバリ、使えます。
インターン未経験者に比べて経験者のほうが評価されやすいのは当然のこと、インターン経験者の中でも短期ではなく、長期のほうが他者と差別化を図れるのが一般的です。
理由は社会人レベルの業務を経験しているからであり、一般の学生より社会や仕事を知っているという評価につながりやすいからです。
一言で長期インターンといっても、数か月から1年を超える期間にわたるものもあります。
こうしたインターンでは実際の職場で社員と同じ業務を行うのが一般的で、通常学生時代には経験できない貴重な体験です。
言ってみれば一足先に社会人として働いたという証であり、就活においては大きなアピールポイントとなることは間違いありません。
長期インターンのアピールすべきポイントは?
長期インターンの業務では、基本的に社員と同様に働き、「成果」を出すことが期待されます。
そのためインターン生には主体性が求められますし、自ら考えて粘り強く結果を出すことが求められます。
そのためには仕事における技術力も必要となりますし、物事の進め方を理解したり、対人関係を円滑に進めたりするスキルも必要です。
こうした経験から得た成果を、定量的にアピールすることが一番のポイントです。
定量的、つまり何らかの「数字」として成果を現すことは、採用担当者に能力ある人物だとイメージさせやすい武器になります。
できる限り精神論だけでなく、数字として実績をアピールできるようにしておくとよいでしょう。
長期インターンを「経験しただけ」はNG?
長期インターンは自己PRとして有効だと述べましたが、単に経験しただけでは不十分です。
近年、多くの学生がインターン制度を利用していますが、みんながやっているから、就活では当たり前だからという理由だけで参加する学生も一定数存在します。
採用担当者はそうした主体性のない学生をはじくため、目的意識を持って長期インターンに取り組んだのかどうかという点を非常に重視するようになっています。
つまり「この学生は参加しただけ」と判断されれば、いかに長期間インターンに参加しようと、評価を得られるアピールにはならないと言えるでしょう。
長期インターンを自己PRにする時の書き方
長期インターンの経験は、書き方によって自己PRに十分活用できます。
ただし魅力あるアピールにつなげるためには、相手に何を伝えるべきかを理解したうえで作成する必要があります。
どういったポイントに注意して書けばよいのでしょうか。
長期インターンをしようとした動機を説明
まず、なぜ長期インターンに参加しようと考えたのか、動機が重要です。
たとえば社会で働く経験をしたいだけならアルバイトでも十分可能ですし、わざわざ長期インターンの狭き門を選ぶ必要がありません。
実際には就活に有利だから、本選考に有利だからという理由かもしれませんが、それでは評価されにくいので、もっと本質的な動機を考えてください。
たとえば就活のためだとしても、業界研究や企業研究を重ねた結果、その企業で何か得たいもの、経験したいことが見つかったという理由もあるでしょう。
長期インターンなら一定レベルの実務は可能ですし、自分にもできる範囲で何か実現したいことがあったというなら、立派な動機になります。
長期インターンの目的を言語化する
動機の次に大事なのが、そこで何を目的としてインターンに臨んだかです。
その長期インターンで何を得ようと思ったのか、実際にやろうとしたことが100%達成できるはずもありませんが、目標があったかなかったかは雲泥の差です。
こうした目的意識を自己分析する際、自分の中になんとなくおぼろげな気持ちはあるものの、うまく説明できないという学生は少なくありません。
思いを他者にわかりやすく伝えるというのは簡単ではありませんが、ビジネスの場ではそうしたスキルが必須です。
就活においても採用担当者に明確にアピールしなければなりませんので、はっきりと言語化できるレベルにまで練り込みましょう。
長期インターンで得たものを伝える
動機と目的が定まったところで、実際に長期インターンでどんな経験をしたのか、どんなものを得たのかをまとめてください。
長期インターンは学生にとって、毎日答えのない課題を出され続けるかのような日々になるでしょう。
これはいかなる仕事においても同じことで、社会人になった後もそうした課題に取り組み続けることになります。
そんな中で解決策を模索し、自分なりに思考して成果を上げようとする経験からは、誰しもが何らかの成長を得るはずです。
思惑と外れて学んだこと、計画通りの結果が出せたことで学んだこと、成功からも失敗からも得るものはありますし、周りの先輩たちから受ける影響もあるでしょう。
自分なりに見つけた宝を、伝えられるようにしてください。
長期インターンで困難だったことを伝える
これは就活のテクニックにもなりますが、採用担当者の評価ポイントは「困難を乗り越えられる人材」かどうかです。
その人が困難をどう乗り越えたのか、どう考えてどう行動したのかを注意深く見ていますので、ぜひ長期インターンで困難だと感じたことを盛り込みましょう。
仕事において壁に突き当たることはいくらでもありますが、その都度逃げ回るような人物では困りますし、挫折して去られても困ります。
重要なのは困難の内容ではありませんので、自分が何を困難と感じたかよりも、それに対してどう対処したかをまとめるようにしてください。
ただし「負けずに頑張りました」では評価できませんので、ロジカルに対策を説明できるようにすることが重要です。
長期インターン経験をどう企業で活かしたいか
長期インターンで得た何らかのスキル、困難を乗り越えた経験、これらはとても貴重なものですが、それをその企業でどう活かせるのかを伝える必要があります。
できればインターンを選ぶ段階から自分のやりたい業種と合っているものを選び、習得したスキルの延長上に応募先企業があることが理想です。
ただ、営業や接客など汎用性の高いインターンであればどんな企業でも応用できますし、そこで得た経験から違った職種の適性が開花することもあります。
なるべく具体的に活かせる内容であることが望ましいですが、応募先企業とマッチする部分を見つけ、入社後に自分が活躍できる期待をアピールしてください。
どんなものでも長期インターン経験は、決して無駄になるものではありません。
回答例
それでは、長期インターンへの参加を本選考の自己PRでアピールするための回答例を紹介します。
ポイントは、より具体的に業務を描写すること、仕事で得たことを言語化することです。
たとえば、「~の仕事を経験し成長する機会になりました」とだけ述べても、採用担当者にとっては具体性がなく何もイメージできません。
長期インターンの経験を自己PRで使う強みは、実際のビジネスにどういった姿勢で臨むのか、人物像をつかみやすい状況を作れることです。
もちろんそれが応募先企業の求める人材像であれば非常に強みになりますし、響く自己PRになります。
テクニック的なことで言えば、自己PRは応募先企業の求める人物像に合わせてパターンを変えるべきです。
長期インターンでアピールできるポイントはひとつではないはずですから、マッチする内容を盛り込みましょう。
回答例①
それを仕事に発揮できたのが、インターンシップです。
私は大学3年の秋、自動車販売会社の長期インターンシップに参加し、社員の方と一緒に実際に自動車の販売を担当することになりました。
子供のころから車に興味があり、いつか好きな車に関わる仕事に就きたいと考えていたからです。
そのため車に関する知識には多少なりとも自信があり、それがビジネスでは到底通用しない知識量であったことを知った際には大変ショックを受けました。
そこからは商品知識を身につけるため毎日大量のカタログを読み込み、最初は社員の方まかせだった商品紹介も少しずつまかせてもらえるようになりました。
お客様のお話を伺うコミュニケーションスキルも向上し、最終的には3か月のインターン期間で合計4台の成約を得ることができました。
貴社においてもこのインターン経験を活かし、常に新しい知識を学ぶ努力を続けながら、お客様のご要望に添える営業として業務に貢献したいと考えております。
回答例②
私は大学2年から2年間、ITベンチャー企業で営業の長期インターンに取り組みました。
仕事として取り組むからには明確な目標があるべきと考え、当初20名いたインターン生の中でトップを獲得することを目標に据えました。
そのための戦略としては、成績優秀な社員の方をピックアップし、その方の話し方や立ち居振る舞いを徹底的に真似るというものです。
ライバルに勝つためには商談も数をこなし、毎日の行動スケジュールを自分で組んで、その成果を数字で分析することを続けました。
最初の半年は成果を出すことはできませんでしたが、その後の3か月で新規顧客の契約を1件獲得し、2年目に入ってからはコンスタンスに小口契約が取れるようになりました。
年間トップの座は1年目から獲得できていましたが、2年目も連続して獲得できたことは大きな自信となりました。
この経験で得た戦略的行動、成果を出せる分析力は、貴社においても十分発揮できると考えております。
まとめ
長期インターンで得た経験は、どんな企業においても強い自己PRにすることが可能です。
実際に社会人と同様に現場に出て実務に関わることは、学生にとっては得難い貴重な経験ですし、そこで得るものも大きいからです。
目的意識を持ち、主体性を持って取り組む姿勢が大切ですが、そこから社会人としてどのような活躍が期待できるかを採用担当者は見ています。
困難に対してどのように対処したか、目標を達成するためにどのような工夫をしたかをわかりやすく伝えることで、応募先企業の求める人物像であることをアピールできるでしょう。