HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
就活の場では、エントリーシートや面接の場で、長所/短所を問われます。
就活は、志望する企業から内定を獲得するための活動です。
そのため、日常の会話の中で長所や短所を尋ねられた時に答える内容とは、次元を別にして考えることがポイントです。
ナノテクノロジーを研究した人なら、研究を通して培われた点を長所に挙げ、入社後にその長所を仕事に活かせることをアピールしましょう。
短所もナノテクノロジーを研究した人ならではの点を伝え、短所も仕事にうまく活かせることを伝えられるとベストです。
その方法について学んでいきましょう。
ナノテクノロジーを研究した人の長所とは?
ナノテクノロジーを研究した人の長所とは、どんな点でしょうか。
長所は人それぞれですが、せっかくナノテクノロジーを研究してきたのですから、その成果や経験から得られた長所をアピールするのがオススメです。
新しいものを生み出す力がある
ナノテクノロジーは、あらゆる分野から注目を集めています。
ナノ化の技術は、医薬品や化粧品、洗剤や食品などの分野から、家電製品や機械、動力など、分野を問わず、応用の可能性があります。
大学時代にも教授を通じてさまざまな産業や企業から、研究開発への相談や打診などがあったのではないでしょうか。
さまざまな可能性を求めて、ナノテクノロジーの応用に取り組んできたはずです。
ナノレベルの世界は、20世紀までは知られていなかった概念で、すべてが新しい世界です。
そのため、ナノテクノロジーを研究した人は、どんなものが必要とされるかを考えて、新しいものを生み出す力を長所としてアピールできます。
精密機械を扱うことができる
ナノテクノロジーを研究した人は、研究や開発、応用の過程で、さまざまな精密機械を扱ってきたはずです。
原子間力顕微鏡など、非常に繊細な探針を使うことで、原子や分子を操作して、ナノレベルの構造物を作る経験をしているのではないでしょうか。
関連する仕事をしていく上で、原子間力顕微鏡など繊細な精密機械を扱うことができる技術や経験は、長所としてアピールできます。
単に「使えます」ではなく、どう使いこなしてきたか、エピソードを紹介しましょう。
長所の例文
では、どのように長所をアピールすればいいのか、構成例を踏まえて、例文を見ていきましょう。
具体的な経験を交えて課題を解決したエピソードを盛り込み、最後には入社後に長所を役立てることをアピールすることがポイントです。
新しいものを生み出す力がある
私は大学の研究室で、希少なレアメタルの代替物質を生み出す、研究に取り組んでいました。
たとえば、アルミニウムに日本で開発されたナノ原料であるカーボンナノチューブを少し混ぜることで、熱伝導率の高い素材である銅の2倍〜 2.5倍も熱をとおしやすくなることがわかりました。
軽量で放熱性に優れた材料や、軽量で高強度な構造材をはじめ、消費電力が低い電子回路用材料への応用が可能です。
もっとも、複合材料の開発にはカーボンナノチューブの分離精製技術がまだ確立できておらず、実用化までにはこぎつけられませんでした。
新しいものを生み出そうと試行錯誤してきた経験を入社後に活かして、新たな複合材料の開発の成功を目指したいです。
精密機械を扱うことができる
大学の研究室では、とくに原子間力顕微鏡をメインとした実験を行っていました。
原子間力顕微鏡は、導体、半導体、絶縁体の区別なく測定でき、ほぼ非破壊で測定できるのがメリットです。
原子分解能で、三次元の形状情報が得る研究に取り組んできました。
最初はうまく表面の形状を観察することができず苦労しましたが、先端を尖らせた針を膜の表面上で走査できるようになり、針が感じる原子間力を電気信号に変える際に電圧差をゼロになるよう操作できるようになったことで、精緻な観察ができるようになりました。
わずかな差を調整する技術では、研究室一と自負しております。
御社でも、原子間力顕微鏡を利用した研究開発に取り組まれているので、長所を活かして貢献したいです。
ナノテクノロジーを研究した人の短所とは?
ナノテクノロジーを研究した人の短所とは、どんな点でしょうか。
短所は内定にも影響を与えそうで、何を選べばいいか、迷う方も少なくありません。
ナノテクノロジーを研究して方ならではの点を短所として挙げれば、逆にほかの人にはないこだわりとして捉えてもらえます。
こだわりが強いことがある
ナノテクノロジーを研究した人にありがちな短所として、こだわりが強すぎる点が挙げられます。
ご自身に、人よりこだわりが強いと感じる点はないでしょうか。
こだわりが強いことは、決して悪いことではありません。
仕事にこだわって、精緻に最後まで成し遂げる長所にもつながります。
その反面、自分の理想のものを作るために他人の意見には耳を貸さないとか、納期があるのに意識せずに自分のこだわりを貫くのは問題です。
組織の中では素直さが必要となることもあるので、それをわきまえない場合には、短所となります。
研究内容をわかりやすく言い換えられないことがある
ナノテクノロジーを研究した人にとって、研究内容をわかりやすく伝えられない点も短所といえます。
研究者同士、学生同士で話しているならいいですが、仕事をはじめれば、研究とは無縁な方や、最小限の知識しかない同僚や取引先、一般顧客などに説明をしなくてはならないこともあります。
「そもそもナノって?」という点さえ、知らない方にはイメージができません。
「10億分の1の単位です」ではイメージがしにくいものです。
せっかくの研究内容を、あらゆる人に伝えられないのは残念なことであり、短所といえるでしょう。
短所の例文
では、短所を伝える際の例文を見ていきましょう。
短所によって問題や壁にぶつかった経験を紹介し、それをどう解決したか、その後、どのように取り組みを改善する努力をしているかを伝えられるとベストです。
こだわりが強いことがある
研究室で3名ずつチームを組み、5チームで教授から与えられた課題について研究を行って、発表を行う機会を与えられました。
発表の日は2週間後でしたので、それまでに成果をまとめなくてはなりません。
レポートの作成に入るべき時期になって、私のこだわりの強さから「想定していた結果と異なるから、条件設定からやり直そう」と提案しました。
2人も渋い顔をしたものの、自分が押し切る形になったのです。
その結果、研究は途中になり、私たちのチームだけ発表に至りませんでした。
2人に申し訳ないと思ったのですが、「こだわりが強いから仕方ないよ」と責めることはなく、こだわりの強さを誉められたようにさえ感じてしまったのです。
ですが、期限に間に合わず、発表の機会を逃したことは、与えられた使命をはたしていないと反省しました。
この経験を忘れることなく、入社後は与えられた役割や使命を、責任をもって、約束どおりに成し遂げる仕事をしていきたいです。
研究内容をわかりやすく言い換えられないことがある
大学2年次の冬休みに、理系に進みたいという中学生のいとこから「どんな研究をしているの?」と尋ねられました。
説明したものの、まったく理解できなかったようで、「そもそも、何度も出てくるナノって何?」と問われました。
それに対して「10億分の1。
1ミリの100万分の1だよ。
」と説明したものの、「イメージできない」と言われてしまったのです。
その後、子供でもわかる説明はないかと考え続け、「ナノの原子とリンゴを比べた大きさは、リンゴと地球を比べた時と同じくらい」と説明したところ、「すごい差だね」と納得してもらえたようです。
次世代に役立つ技術を研究しているのですから、誰にでもわかるように説明できるようになることが大切と実感しました。
仕事上も知識のない方に説明をする機会もあると思いますので、わかりやすい説明ができるよう心がけていきます。
長所短所を伝える時の注意点
長所や短所を伝える時の注意点をご紹介します。
長所の場合は、単に長所をアピールするにとどめず、入社後にどう活かすかを話すことが大切です。
短所の場合は言い換え話法により、短所であっても入社後に活かしていけることをアピールしましょう。
長所をどのように活かすかを伝える
就活の書類選考や面接の場は、企業があなたを採用するかどうかを決める場です。
単に長所をアピールされても、仕事にどう活かせるのかがイメージできないと、欲しい人材とは思ってもらえません。
そのため、長所を尋ねられた場合には、自分の長所を伝えるだけでは十分ではなく、それをどのように仕事に活かすかも伝えることが大切になります。
長所を伝え、具体的なエピソードなどを伝えて満足してしまわず、最後の締めとして、入社後にどう活かせるかを伝えましょう。
短所を言いかえる
短所を伝えると採用から遠ざかってしまいそう、内定をもらえないかもと心配してしまう方もいるのではないでしょうか。
その不安や心配を解消するには、短所を短所で終わらすのではなく、言いかえをして、短所も仕事に活かせるようにするか、改善の努力をしたことをアピールすることが大切です。
たとえば、「こだわりが強い」は「責任感をもって最後までやり遂げることができる」といった形にし、言いかえることで、短所であっても、入社後に活かしていけることをアピールしましょう。
まとめ
ナノテクノロジーを研究した人の長所は、「新しいものを生み出す力がある」、原子間力顕微鏡などをはじめ「精密機械を扱える知識や技術がある」ことです。
もっとも、長所を伝えるだけでは十分ではなく、長所をどのように仕事に活かすかもしっかりアピールするようにしましょう。
ナノテクノロジーを研究した人の短所には、「こだわりが強い」、「研究内容をわかりやすく言い換えられない」点が挙げられます。
短所は短所で終わらすのではなく、言い換えを行い、短所も仕事に活かせることを伝えましょう。