HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
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はじめに
東京工業大学は日本の理工系大学の中ではトップクラスの大学です。
理系の学問を専門で学びたいと思っている学生が、第一志望に選ぶことも少なくありません。
最近では所属する教授がノーベル賞を取ったこともあって、さらなる注目を浴びてもいます。
今回はそんな東京工業学部について、そもそもどんな大学なのか、試験科目は何なのか、卒業したらどんな就職先に行けるのか、といったことを詳しく説明していきましょう。
【東京工業大学ってどんな場所?】東工大のメリット
東京工業大学は日本の中でも有数の大学ということは有名です。
とはいえ、具体的にどういうところが優れているのか、ということは知らない人も多いのではないでしょうか。
ここからは東工大に行くことで得られるメリットについて見ていきます。
大学院を見据えた勉強が1年時からできる
日本では一般的には大学で学業を一通り終え、卒業したらすぐに社会人になるという人が大半です。
普通の大学でも大学院に進んで学問を続けるという人はどちらかというと少数派でしょう。
一方で、東京工業大学の学生はほとんどが大学院に進みます。
というのも、東工大ではあらかじめ大学院に進むことを前提としたカリキュラムを組んでいます。
大学4年間を終えてもなお学びたい、という人のためのサポート体制がしっかりと整っているのです。
そのため、高校のときから大学院に進んで学業をしたい、というイメージを描いている人にとって、東工大はうってつけの大学と言えるでしょう。
キャンパスの立地
大学生にとってキャンパスの立地が良いかどうかは死活問題と言えるでしょう。
通学に時間がかかる場所にある大学より、すぐにでも大学に行って勉強できる環境が整っているほうが、学力は上がりやすいです。
そのため、アクセスが整っている大学の方が勉学には集中しやすいでしょう。
その点、東京工業大学はキャンパスの立地が他の大学に比べて優れています。
目黒にある大岡山キャンパスは大岡山駅から徒歩で通える場所ですし、バス網も発達しています。
また、東京に住んでいる人以外にも東京工業大学はおすすめです。
なぜかといえば、すずかげ台キャンパスが横浜にあるからです。
こちらもすずかけ台駅から徒歩で通える立地ですので、通学に苦労することはないでしょう。
研究のレベルは日本トップレベル
東京工業大学は日本でも屈指の教授陣をそろえていることで有名です。
2016年にノーベル生理学賞を受賞した大隅良典さんは東京工業大学の名誉教授として現在も活動しています。
もちろんそれ以外にも優秀な教授が在籍しており、そのおかげで多くの優秀な学生が排出されているのです。
卒業生には世界で活躍する人材も多数おり、管直人元総理や2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹さんはいずれも東京工業大学を卒業しています。
こうした要因もあって、世界の大学ランキングでは東京大学や京都大学についで日本で3番目に優れている大学として評価されました。
研究に打ち込むための環境も整っており、東京工業大学に在籍する教授によって新たな発明が生まれた、というニュースが流れることも珍しくありません。
学科から系への変化
一般的な日本の大学では、いくつかの専門学部に分かれ、その下にさらに学科がある、といった体制が採用されています。
一方で、東京工業大学では学科や学部といった分け方を採用していません。
受験生はまず自分が進みたい「学院」を志望します。
実は東京工業大学は大学と大学院を混ぜ合わせたような指導体制を採用しているので、このような呼び方がなされているのです。
一般的な大学では、大学から大学院に進むと指導する教授が変わるということも珍しくありません。
一方で東京工業大学は指導体制を統一することで、大学生が混乱することの内容配慮されているのです。
そしていざ入学してから大学2年生になると、「系」というものを選ばなくてはいけません。
これを選ぶことで自分がどんな学問を学びたいかを決めるのです。
クオーター制
通常の大学では前期と後期の2学期制にもとづいて授業が行われていきます。
それに対して東京工業大学はクオーター制という、4学期に分けた制度を採用しているのです。
前期後期の場合は4ヶ月から5ヶ月程度かけて一通りの授業を行っていきます。
一方でクオーター制は2ヶ月程度で授業を終えなくてはいけません。
クオーター制のメリットは、集中して授業に取り組めるということがあります。
また、2学期制に比べてより多くの授業を選択できるので幅広い知識を得られるというメリットもあるのです。
自分は長い時間をかけて勉強するよりも、短い間集中して勉強するほうが肌があっている、という人にとって東工大のシステムは最適と言えるでしょう。
【東京工業大学ってどんな場所?】進路について
大学に進学するにあたって気になるのは、その大学に入ることでどんな進路を選べるか、ということでしょう。
東京工業大学ではどのような進路を選ぶ学生が多いのでしょうか。
大学院進学率
先程も話したように、東京工業大学では大学卒業後大学院に進む学生がほとんどです。
その進学率はなんと約90%にも及びます。
そもそも東工大ではあらゆる学院で大学院に進むことありきで授業を組み立てています。
長年かけて研究しなければ成果が出ないような研究を取り扱っているのです。
そのため、東工大に進学する際には大学院に進むものだ、と認識しておいたほうが良いでしょう。
就職先
では、大学院を卒業した後はどこに就職することが多いのでしょうか。
そもそも東京工業大学は日本でも有数の就職に強い大学として知られています。
優秀な学生が多いので、企業が欲しがる人材が集まっているのです。
主な就職先としては、理工系の経歴を活かして家電メーカーや自動車業界に進む学生が多いです。
トヨタやソニーといった世界を席巻する企業から、外資系の企業まで幅広く東工大の学生は活躍しています。
【東京工業大学ってどんな場所?】勉強方法
ここまでの説明を見て、東京工業大学に進学したい、となおさら強く思った方は多いでしょう。
ここからは東京工業大学に入学するためにはどういった勉強をすれば良いか、ということを説明していきます。
英語
東京工業大学の英語は長文問題を2問読んでいかなければいけません。
文字数はおよそ1,000語から2,000語で、制限時間は90分です。
理工系の大学らしく理系の論文が問題に採用される傾向がありますから、そのあたりの単語をしっかりと復習しておくことをおすすめします。
冷静に取り組めば決して解けない問題ではありません。
勉強としては、やはり英語長文に普段から親しんでおくほうがいいでしょう。
長文問題においては和訳や内容一致といった問題が出されますが、そもそも長い英語の文章に慣れていなければなりません。
2,000語程度の英文ならすらすら読める、というレベルであれば文章の概略をつかむスピードは速くなります。
そういったスピードを身につけるためには、結局多くの英語長文を読んでおくのが一番です。
とはいえ、速読だけでは長文問題は解けません。
文章の勘所を見極める能力も合わせて身につけるように勉強していきましょう。
数学
日本で最もレベルの高い理系大学の試験だけあって、数学は難問が出題されることが多いです。
近年の過去問を見てみると、微積分や複素数平面を題材にした問題が出される傾向にあります。
東工大といえば微積分、というのは受験生の間では有名ですから、普段から重点的に取り組んでおいたほうが良いでしょう。
微積分や複素数平面は高校3年生から習う科目ですから、実質1年しか勉強する時間が与えられていません。
自分は東工大を受験するのだ、と決断している人は、高校2年の段階からそうした科目に取り組んでおいたほうが良いでしょう。
試験時間は180分と長めに取られていますが、問題はすべて記述式です。
まずは1問目の比較的簡単な問題を確実に解くようにしましょう。
記述式ですからその場で解くスキルが要求されます。
問題を見て解き方が思い浮かばなかったら、思い切ってほかの問題に取り組むようにしましょう。
問題を解きながら他の問題を解くためにはどうしたら良いか、と考える技術も重要になってきます。
物理
数学同様、東京工業大学に合格するためには物理の知識もしっかりと固めておく必要があります。
とはいえ、数学に比べればやや難易度は低い傾向にあるのです。
最も一般的な大学の物理の試験に比べればやや高い難易度の問題が出されますから、普段からしっかりと勉強しておくことをおすすめします。
物理は数学と同様応用問題が重要、と思われがちですが、応用問題を解くにしてもやはり基本的な知識は欠かせません。
この公式はどのように使うのか、この法則はどのように応用するのか、といったことをあらかじめ学んでおきましょう。
演習問題を解くのはそれからでも遅くはありません。
多くの問題を解いて、どんな問題にでも対応できる能力を身につけていきましょう。
試験時間は120分で、その時間内に大問3つを解かなくてはいけません。
とはいえ、難易度にそこまで差はないので、1問40分を目安に解いていくのが良いでしょう。
化学
化学の試験は大問3つに試験時間は120分と物理と変わりありません。
とはいえ、知識を問う問題が出やすい傾向にあるので、教科書の知識をしっかりとインプットしておけば得点を稼ぎやすい科目とも言えます。
問題数はすべてを合わせて15問しかありません。
その分1問1問の配点数が高く、1問でもミスしてしまったら命取りになりかねないのです。
逆にいえば、すべての問題をしっかりと答えられればその分だけ合格の確率も高まっていきます。
加えて、問題の聞き方もやや独特で、何のことを聞いているのか、と首をかしげてしまうような出題が出されることも少なくありません。
文章に惑わされず、自分の持っている知識と照らし合わせながら問題を解いていく能力が欠かせなくなるでしょう。
まとめ
東京工業大学は日本の大学の中でも偏差値が高い大学として知られています。
その分だけ試験も難しく、いざ大学に入学してもハードスケジュールで授業についていかなくてはいけません。
とはいえクオリティの高い授業を受けることもできますし、向上意欲の高い学生に対しては積極的にサポートしてくれる環境も整っています。
学生としての能力を高めていくためにはこれ以上ない大学と言えるでしょう。
ぜひ勉学に励んで、東工大入学を目指してみてください。