HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
「設計」は、英語にすると「design デザイン」です。
日本でデザインと聞くと絵を描く仕事のイメージが強いようですが、実際にはデザイナーは市場にあるあらゆるものの設計者であり、人の作る製品には必ず存在します。
就活で設計職を目指す場合、何をデザインしたいのかによって進むべき道は変わります。
果たしてどのような将来のビジョンが描けるのか、詳しく見ていきましょう。
【設計職ってどんな仕事?】そもそも設計職とは?
冒頭で述べたように、設計職はあらゆる分野で設計・製図を行うのが仕事です。
最もイメージされやすいのが建築系や機械系ですが、そのほかの業界にも設計職は存在し、ありとあらゆるものをデザインしています。
理系学部生が就職しやすい現場であり、CADなどのソフトウェアスキルを持つ学生を優先的に採用する企業も多いです。
特に社会インフラに関係する製品の設計職には高い専門性が求められ、就職は狭き門と言えます。
ちなみに、開発職と設計職とが混同されがちですが、双方は異なる職種です。
企業によって細かな線引きが違う場合もありますが、ざっくり言えば設計職が作成した設計図をもとに、実物を製作するのが開発職だと理解すれば良いでしょう。
【設計職ってどんな仕事?】設計職の仕事内容
設計職の仕事内容は、もちろん何を設計するかによって詳細は大きく異なります。
ただ、総じて言えば、アイディアを具現化し、最終的に販売できる製品にするための設計図を作成するのが仕事内容です。
たとえば、自動車メーカーの設計職はイメージしやすいですが、まったく新しい自動車の企画アイディアが出された場合、それを実際に製作できるよう図面に落とし込むのが設計職の仕事となっています。
アイディアは、たとえ、いかに素晴らしく思えてもそのままでは単なる空論です。
製品にするためには具現化するための詳細な情報が必要となり、設計者がそれらの情報をすべて正しく設定することで、初めて実現への道が拓けます。
優秀な開発者が揃っていても、設計者がいなければモノづくりはできません。
それだけ重要な職種であり、具体性も緻密性も求められる職種と言えます。
仕事内容は多岐にわたる
設計職と一言でまとめても、仕事内容は多岐にわたります。
ざっと身の回りを見渡してみても、社会インフラを想像してみても、人の作った製品は数多くあり、そのひとつひとつにすべて設計者が存在します。
また、たった一つの家電であっても、実にたくさんの設計者が関わらなければ製品が成り立ちません。
たとえば、電子レンジ一つ取ってみても、マシンの本体機構部品を担当する機械設計もいれば、内部構造の電気電子部分を担う電子設計もいます。
また、組み上がった電子レンジを動かすためには、ソフトウェアを設計する制御設計がいなければなりません。
これらの設計職が協働し、作られた設計図に基づいて実際に開発部隊が開発し、ようやく一つの電子レンジの試作が完成するのです。
いかなる製品であっても設計の仕事内容は実に幅広く、なくてはならない存在です。
【設計職ってどんな仕事?】設計職に就職するためには?
設計職を目指すのは理系学生がほとんどですが、設計職に就職するためにどうしても必要な資格は特に存在するわけではありません。
ただし、最低限の専門知識がなければどんな企業でも採用されるのは厳しいでしょう。
もちろん目指す部門によって必要とされる専門知識は異なり、機械設計や電気設計なら工学系の知識、制御するソフトウェア設計では情報処理系の知識が求められます。
それらのスキルを持つことをアピールしやすいのは、やはりその専門の資格を持つことです。
たとえば、機械設計に関する資格には「機械設計技術者」(1~3級)がありますが、2級以上は実務経験が必要になるため、3級の取得を学生時代に目指すのは一つの方法です。
設計職につくのは基本理系学生
理系生の機械学科や電気電子学科、情報学科の生徒がそれらの分野におけるメーカーの設計職につくことはとても多いです。
もともとそうした分野に興味があって進学していることでしょうし、適正があればそれを活かして設計職に就くのは自然な流れと言えます。
特に、自身が設計したものをたくさんの人に使ってもらいたい、社会に役立てたいという夢を抱く理系学生はとても多いです。
メーカーにとっては中枢にあたりますし、やりがいのある仕事を求めて応募する就活生も例年たくさんいます。
実際に同じ学校から就職した先輩も多いでしょうから、いざ就活となってもOB訪問などがしやすい環境で情報が入りやすいことも利点でしょう。
院に行くと就職の選択肢が広がる
実は理系学生が悩むポイントが、大学卒業後の進路です。
設計職には就きたいけれど、だからこそ院に進んでもっと深く研究を重ねてからのほうが良いのではないかと考える学生が多いからです。
事実、大手メーカーの設計職や開発部門には理系大学の院生が多く、院生が中心で事業を回していると言っても過言ではありません。
世界に名の通るような大手メーカーへの就職を目指すなら、院へ進学し、専門性を磨いてからのほうがより望む設計職に就くのに有利であることは確かです。
ただし、設計のため院に行くことを選択する場合は、どのような仕事に携わりたいのか、きちんと分野や領域、具体的な製品をイメージしたうえで行くことが重要となります。
やみくもに院に行ってもただ単に人生の時間を費やすだけになってしまいますので、しっかりキャリアビジョンを定め、かつ綿密に企業のリサーチをすることが大切です。
【設計職ってどんな仕事?】設計職のメリットとデメリット
それでは設計職に就くメリットとデメリットについてまとめてみましょう。
希望を燃やす就活生にとっては、果たしてデメリットなどあるのかと疑問に感じるかもしれません。
もちろん、ここに挙げるデメリットは必ずしもデメリットではない可能性もあります。
設計職のメリット
まず設計職に就くメリットをまとめます。
希望する職種ですので、もちろんめでたく希望する企業に就職できればさまざまなメリットがあるでしょう。
ここでは一般的な設計職について、期待できるメリットを挙げておきます。
製品開発の根幹を担うことができる
先ほどもメーカーにとっては設計職は中枢だと書きましたが、製品開発工程において流れを見ると、設計職は上流工程であり、その後の製品の行方を大きく左右する重職であることがわかります。
実際には最終的に市場に出るまでには実に長い期間を要し、何度も壁に突き当たっては設計をやり直す日々になることがほとんどです。
場合によっては途中でプロジェクトが頓挫し、結局日の目を見ずに終わってしまうことも少なくありません。
ただそうして苦労して自分が設計したものが市場で売られている光景を目にすると、心の底から嬉しさとやりがいを感じられるのが最大のメリットです。
「この製品は自分が設計したのだ」と多くの人に胸を張って言える仕事は、やはり何にも代えがたい喜びを運んでくれるでしょう。
大手では英語力が必要になることもある
あえてメリットに挙げますが、特に大手メーカーは事業がグローバル化しており、日々の仕事にも英語力が必要とされるシチュエーションが急増しました。
たとえば、設計は国内の本社で行い、実際の開発や製造は自社の海外拠点や提携する現地法人が担うスタイルも、もはや珍しくはありません。
設計者は最後まで製品に責任を持つ立場ですから、場合によっては海外へ出張し、現地で詳細なやりとりを行ったり、営業に同行してセール活動をサポートしたりすることもあります。
こうした幅広い業務に携わり、英語スキルを身につけたりグローバルビジネスのノウハウを身につけたりできることは、とても貴重で有意義な経験と言えるでしょう。
もともと英語が得意なら有利ですし、のちに独立起業したり転職したりする時の大きなプラスになります。
設計職のデメリット
それでは設計職にはどのようなデメリットが考えられるのでしょうか。
もちろんここで挙げる内容は、人によってはまったくデメリットにはならない場合もあります。
ただ設計職には技術スキルのほかにも向き不向きがありますので、その点はあらかじめ理解しておくことをおすすめします。
職場環境に結果が左右される
先ほど一つの製品にも多数の設計者が関わることを述べましたが、設計職はチームで動くことが多いため、チームビルディングにおいて大きく職場環境が変わることが懸念材料です。
日本企業においてもプロジェクトの在り方が大きく変わり始めており、チームの形も年々変化し続けています。
従来は一人のリーダーが一方的にメンバーに指示する形の組織体制でしたが、現在はメンバーが互いに関係性を築くことで最大のパフォーマンスを発揮することが求められるのです。
もちろんこれはプラスに働けば強いチーム力を得られますが、齟齬があればそれがそのまま思わしくない結果につながってしまうことを意味します。
自分のスキルに関係なく職場環境で結果が左右されることは、しっかり認識したうえで仕事に取り組む必要があるでしょう。
仕事に対する責任が重い
どんな仕事にも責任があり、それは決して軽いものではないことはもちろんです。
ただし、設計職は事業の中枢であるがゆえに、その責任の重大さは想像以上に重く感じられることは否めません。
上流に位置する以上、その後のあらゆる事業活動に大きな影響を及ぼすため、設計の仕事は大きなやりがいと責任が裏腹なのは事実です。
いかなる製品も安全性を最大限考慮して作られる必要があり、設計者一人の責任は重大なものになります。
自動車や航空機などの設計の安全性はすぐにイメージできますが、小さな家電一つ取っても、万が一の時には甚大な被害を及ぼすリスクがあるのです。
こうしたリスクはゼロにできない以上、設計者は常にその責任と向き合い、真摯に仕事に打ち込む姿勢が重要だと言えます。
【設計職ってどんな仕事?】まとめ
設計職はあらゆる製品開発に存在し、実に多岐にわたる業務で人の生活を支えています。
自身が設計したものが市場で販売される光景を目にすれば、大きな喜びと達成感を感じられることでしょう。
ただ、そのやりがいと同時に大きな責任も生まれ、間違いのない仕事を収めるための努力が必要とされる職種でもあります。
設計職に就くのは理系学生がほとんどですが、大手メーカーでは院生が中心となる場合もあります。
必須の資格は原則ありませんが、狭き門を制するためには自身の専門知識のアピールが必要です。
専攻に関係する資格の取得を狙うのも一つの手段でしょう。