論文の正しい書き方を解説!構成や注意しなければいけないことを解説!

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

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一般的に、研究者は自分の研究の成果を論文という形で世の中に発表します。

大学生になると、特に理系の学生はこのような論文を書く機会も増えるのではないでしょうか。

ただ、いきなり「論文を書け」と言われても、ほとんどの人が何を書いたらいいかわからないと思います。

そこで今回は、基本的な論文の構成や書き方のコツ、注意点について詳しく解説していきます。

いくつか重要なポイントを押さえておけば、誰でも論文を書けるようになるはずです。

ぜひ参考にしてみてください。

【論文ってどうやって書くの?】論文の構成は?

まずは、論文がどのような構成になっているのかをしっかりと把握しましょう。

論文において構成は非常に重要です。

構成を考えずに闇雲に書きはじめると、途中で何を書いているかわからなくなってしまいます。

そうなってしまうと、また最初から書き直しをすることにもなりかねません。

逆に構成がしっかりしていれば、そのあとの執筆作業は比較的スムーズに進められるはずです。

そこで、ここからは論文の構成について詳しく紹介していくのでしっかりチェックしておきましょう。

構成を紹介!

・題名
論文のタイトルです。
・要旨
研究内容および、論文の概要を簡潔にまとめた文章です。
・目次
各章、各項の見出しをまとめて、一覧にします。
・序論
導入部分にあたり、研究の背景や目的、当該分野における先行研究について記載します。
・方法
研究をおこなうためにした準備、実験の方法について、詳細に述べる部分です。
・結果
実験や計算の結果を客観的に記載します。
・考察
結果からわかったことや、問題点などを指摘し、論じます。
・謝辞
支援を受けた団体や個人の名前を記載し、感謝の言葉を添えましょう。
・参考文献
論文で参照したり、引用したりした参考文献(論文、著書、新聞記事、インターネットWebサイト名)をリストにして記載します。

【論文ってどうやって書くの?】論文を書くときのコツ

構成がわかったら、いよいよ論文を書き始めましょう。

しかし、まだまだ論文を書くことに抵抗がある人もいるかと思います。

「何から書き始めていいのかわからない」、「書く内容に不安がある」、といった人も多いはずです。

しかし、いくつかコツを押さえておけば、論文は格段に書きやすくなります。

そこで、ここからはスムーズに論文が書けるように、論文を書くときのコツをいくつか紹介していきます。

ぜひ参考にしてみてください。

書く順番に気をつける

論文を書くときは、書く順番に気をつけましょう。

必ずしも上にあげた構成の順番の通りに書く必要はありません。

自分が書きやすいと思ったところから書いていくようにしましょう。

そのほうが、執筆はスムーズに進むはずです。

おすすめの順番は、謝辞→方法→結果→要旨→考察→結論→参考文献、です。

謝辞や方法は比較的書きやすいので、何から始めていいかわからない人はここから書き始めてみるとよいでしょう。

要旨は実験全体の内容をまとめた部分です。

ここは最初に書くよりも、方法や結果を書いてからのほうが全体を把握できて書きやすいはずです。

このように、書く順番を工夫すると、より論文は書きやすくなるでしょう。

自分なりに書きやすいと思う順番を考えて書く、というのがポイントです。

過去の論文を参考にする

論文を書くときは、まず構成から考えるのが鉄則です。

しかし、構成を考えるのも一苦労かもしれません。

そんなときは過去の論文を参考にしてみるとよいでしょう。

自分の研究分野における過去の論文をたくさん読めば、論文の構成や傾向についてなんとなくつかめると思います。

また、世界的に評価されているような論文を読んでみるのもよいかもしれません。

もちろん研究内容は真似してはいけませんが、そのほかの参考になる部分は積極的に取り入れることをおすすめします。

大学生であれば、図書館や研究室に行けば過去の論文を読むことができます。

さらに今ではインターネットで誰でも簡単に論文を読めるので、ぜひたくさん読んで、自分の論文に活かしてみてください。

書けないところは人に聞く

論文を書いているうちに、「どうしても1人では書けずに行き詰まってしまう」という部分が出てくるかと思います。

そういうときは、自分だけで抱え込まずに、誰かに相談しましょう。

研究室に所属しているのであれば、同じ研究室の先輩に聞くのもいいですし、教授に質問してみるのもよいでしょう。

大切なのはわからないところをそのままにせず、素直に質問することです。

他人に聞くことで、自分が理解できていない部分をよりはっきりさせられます。

また、新たな視点からの意見を得ることができ、自分だけでは気づけなかった点にも気づけるでしょう。

周りにアドバイスを求めることは、恥ずかしいことでないのです。

わからないところがあったら、積極的に質問するようにしましょう。

執筆効率を上げるためのツール活用術

論文作成を効率的に進めるには、便利なツールを積極的に活用することが欠かせません。

文献管理ソフトを利用すると、膨大な参考文献を整理できるだけでなく、引用リストを自動で生成できるため、手作業で整える負担が大幅に減ります。

さらに、文法チェックや表現の修正をサポートするツールを導入すれば、誤字脱字や文章の不自然さを早い段階で修正でき、完成度を高められます。

加えて、図表作成ソフトを用いて実験結果を整理すると、読み手にとって理解しやすい論文になります。

文章だけでなく、視覚的に分かりやすい資料を作ることは、論文の説得力を高める大切な要素です。

こうしたツールを積極的に取り入れることで、執筆の負担が軽減され、研究内容を本質的に伝えることに集中できるようになります。

効果的な時間管理と執筆計画の立て方

論文執筆は一度に完成させようとすると大きな負担になり、締め切りが近づくほど焦りが増します。

そのため、最初に取り組むべきは締め切りから逆算したスケジュール作成です。

序論、方法、結果、考察といった章ごとに期限を決めることで、進行状況を把握しやすくなります。

例えば、今週は実験データを整理し、翌週は結果の図表を完成させるといった具体的な目標を設定することが効果的です。

また、毎日短時間でも執筆に取り組む習慣を持つことで、文章に対する抵抗感が減り、自然と進捗が積み上がります。

小さな達成を積み重ねることは、モチベーションの維持にもつながります。

計画的に時間を管理すれば、質を保ちながら余裕を持って仕上げることができるのです。

【論文ってどうやって書くの?】理系生が論文を書く際の注意点

論文を書くときには、いくつか注意しなければならない点があります。

論文で一番重要なのは内容ですが、そのほかの部分もないがしろにしてはいけません。

せっかくよい内容であっても、形式が間違っていたり、ルールに則っていなかったりすると、論文自体の評価は下がってしまいます。

それだけではなく、場合によっては盗作といわれてしまうこともあります。

そこで、ここからは論文を書くときの注意点について紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。

しっかりとルールを守って、正しく論文を書けるようにしましょう。

図やグラフには番号をつける

理系生は特に、論文のなかで図やグラフを使う機会も多いと思います。

図やグラフがあると、結果が一目でわかったり、変化がわかりやすくなったりといいことがたくさんあります。

ただし、注意しなければならないのは、図やグラフには必ず番号をつける、ということです。

論文では、どの図やグラフが文章中のどの部分に対応しているのかをわかりやすくする必要があります。

読み手の立場になって、出来るだけ見やすいように番号をつけましょう。

番号だけでなく、図や表が何をあらわしているかの簡単な説明も加えられると、より丁寧でわかりやすくなります。

図やグラフは理系の論文には欠かせない要素の1つです。

しっかりと表記の仕方を覚えておきましょう。

コピー&ペーストは禁止

論文を書く際に、コピー&ペーストは厳禁です。

最近では文章中のコピー&ペーストを発見するソフトが開発される程、世の中でも大きな問題となっています。

論文はあくまで自分の考えを書くものです。 他人の意見をそのまま書いても意味がありません。

コピー&ペーストをした論文は盗作とみなされ、場合によっては著作権侵害に該当します。

そうなると大学で単位は出ないでしょうし、それだけでは済まず、刑事罰もしくは損害賠償責任を問われる可能性もあるのです。

自分の将来を棒に振ってしまうことにもなってしまいます。

決して他人の論文などをコピー&ペーストしてはいけません。

もしも他人の論文の内容を取り入れたい場合は、きちんとしたルールに則って引用しましょう。

倫理規定と著作権の遵守

論文を書く際に最も大切なのは、研究者としての倫理を守ることです。

データの捏造や改ざん、他人の研究成果を盗用することは絶対に許されません。

一度不正が発覚すれば、その研究だけでなく研究者としての信頼も大きく失われ、将来にまで悪影響を及ぼすことになります。

また、著作権についても十分に理解しておく必要があります。

他人が作成した図表や画像をそのまま使う場合は、著作権者の許可を得るか、引用のルールに則ることが求められます。

引用の際には出典を明確に記載し、研究の正当性を保つことが大切です。

自分の研究を正しく評価してもらうためにも、他人の成果を尊重しながら執筆する姿勢が欠かせません。

研究の誠実さを守ることは、学術界全体の信頼を支える土台であることを常に意識しましょう。

研究データの正確な扱い方

研究の価値は、再現性によって支えられています。

そのため、研究データは正確に取り扱い、論文に詳細を明記することが欠かせません。

測定条件や実験環境を省略してしまうと、読者は追試ができず、研究成果の信頼性が疑われることになります。

論文では、なぜその方法を用いたのか、どのような条件で測定を行ったのかを丁寧に説明することが必要です。

また、統計処理やデータの加工を行う場合には、その手順を正確に示すことで透明性を高めることができます。

仮に不都合なデータが出ても隠さず、正直に記録し解釈する姿勢が研究者としての信頼につながります。

研究データは単なる数値の集まりではなく、自分の研究を裏付ける重要な証拠です。

そのため、正確に扱い、誰が見ても理解できる形で提示することが、質の高い論文執筆への第一歩になります。

【論文ってどうやって書くの?】表現力と論理構成の磨き方

論文執筆において重要なのは、専門知識の多さだけではありません。

どれほど優れた研究成果を得ても、伝える文章に説得力や読みやすさが欠けていれば、その価値は十分に評価されません。

論文は研究の内容を客観的に伝えるだけでなく、読者を納得させる力が求められます。

ここでは、表現力を高め、論理構成を整えるための具体的なポイントを解説していきます。

説得力のあるある文章を書くには

説得力のある文章とは、主張と根拠が明確に結びついている文章です。

まず最初に結論を提示し、その結論を支える理由を述べ、最後に具体的なデータや事例を示す流れを意識すると、読者は論理を理解しやすくなります。

このような順序を守ることで、内容が単なる意見に留まらず、裏付けのある主張として伝わります。

また、数字や比較データを効果的に用いると、説得力が一層高まります。

重要なのは、感覚的な表現ではなく客観的な根拠を示すことです。

結論から話し始める習慣を身につけると、短い文章の中でも論理の筋が通りやすくなり、読者の信頼を得られる文章が書けるようになります。

読みやすい文章の書き方

論文の読者は必ずしも専門分野に詳しい人ばかりではありません。

そのため、一文を長くせず、短く簡潔にまとめることが重要です。

難しい専門用語を用いる場合には、注釈や定義を添えることで、読者の理解を助けることができます。

さらに、一つの段落では一つのテーマだけを扱い、複数の論点を詰め込み過ぎないようにすることも大切です。

段落ごとに明確な区切りをつけると、読者は文章の流れを追いやすくなります。

また、主語と述語の関係を明確にし、曖昧な表現を避けることで、伝えたい内容がより正確に伝わります。

相手の立場に立ち、読みやすさを常に意識することが、良い論文を書く基本となります。

論理の飛躍をなくすには

論理の飛躍は、文章を読んでいる人がつまずく大きな要因になります。

結論に至るまでの道筋を段階的に示し、それぞれのステップを事実やデータで支えることが欠かせません。

この結果からこう言える、その理由はこれである、というように、一歩ずつ論を積み重ねていくことで、読者が納得できる文章になります。

感覚や直感に頼った飛躍した主張は、信頼性を損ないます。

逆に、結論に至る根拠を丁寧に説明すると、読者は論理を追いやすくなり、あなたの主張に信頼を寄せるようになります。

論理展開の過程を省かず、説明責任をしっかりと果たすことが、飛躍をなくすための最大のポイントです。

接続詞を効果的に使う

文章を論理的に展開するには、接続詞の活用が欠かせません。

しかし、使いすぎると文章がくどくなり、逆に伝わりにくくなることがあります。

重要なのは、適切な接続詞を適切な位置に配置し、文章のつながりを明確にすることです。

逆接の時は「しかし」、理由を述べる時は「なぜなら」、追加の情報を加えるときは「さらに」、といった具合に、役割を意識して使い分けましょう。

接続詞を正しく使うことで、読者は文章の流れをスムーズに理解できます。

また、同じ接続詞を繰り返し使わず、バリエーションを持たせることも読みやすさにつながります。

接続詞は文章全体の論理構造を支える接着剤のような役割を果たしてくれます。

【論文ってどうやって書くの?】理系の論文は考察が大事!

理系の論文では、実験や解析の結果をただ並べるだけでは十分ではありません。

その結果から何を導き出し、どのような意味を持つのかを深く掘り下げることが求められます。

研究者にとって重要なのは、単なる事実の提示ではなく、その事実を解釈し、新しい知見として位置づける力です。

考察は研究の価値を高める部分であり、読み手に研究の意義を伝えるための重要な役割を担っています。

考察で書くべきこと

考察では、まず実験や解析で得られた結果からどのようなことが明らかになったのかを示すことが必要です。

単なる数値やグラフの説明に留まらず、そこから読み取れる意味や傾向を具体的に言葉で整理しましょう。

次に、そのような結果が得られた理由を掘り下げていきます。

外部要因や実験条件の影響を検討したり、既存の理論や先行研究と比較したりすることで、研究全体の位置づけが明確になります。

また、自分の研究が持つ新規性や学術的な貢献も強調する必要があります。

例えば、従来の研究では明らかになっていなかった視点を提示できたのであれば、それを積極的に示すことが効果的です。

さらに、得られた結果を実社会や応用研究の場面にどのようにつなげられるのかも述べることで、研究の意義を広くアピールできます。

考察は、単に結果をまとめる作業ではなく、研究の価値を際立たせるための最重要部分だと言えます。

考察の深め方

考察を深めるためには、結果を表面的に並べるだけでは不十分です。

実験で得られたデータの背後にある仕組みや原理を掘り下げ、その意味を論理的に説明していくことが必要です。

複数の結果がある場合には、それぞれを独立して扱うのではなく、関連性を見出しながら全体像を構築していきましょう。

例えば、一見ばらばらに見えるデータでも、条件を変えて比較することで共通のメカニズムが浮かび上がることがあります。

また、先行研究との比較を通じて、自分の研究がどのような位置づけにあるのかを確認することも大切です。

一致点や相違点を整理し、そこから新しい仮説を提示できれば、研究の価値は一段と高まります。

さらに、実験の限界や不確定要素についても正直に触れることが重要です。

弱点を隠さず、その上で今後どのように改善できるのかを提示すると、研究全体に信頼性と説得力が生まれます。

考察と結論の違い

考察と結論は混同されがちですが、それぞれ役割が異なります。

考察は、実験や解析の結果をもとに、なぜそのような現象が見られたのかを論理的に検証し、可能な解釈を提示する部分です。

一方、結論は研究全体を通して最終的に何が明らかになったのかを端的にまとめ、研究の成果や社会的意義を提示する部分です。

考察では複数の可能性や背景要因を含めて議論するのに対し、結論ではそれを整理して最も重要なメッセージを明確にします。

研究の位置づけや新規性を結論で簡潔に示すことで、読者に強い印象を与えることができます。

また、結論は将来への展望や今後の課題を述べる場でもあります。

研究全体を俯瞰し、次にどのような挑戦が可能かを示すことで、研究者としての姿勢を伝えることができます。

【論文ってどうやって書くの?】まとめ

論文の書き方について理解できたのではないでしょうか。

理系の学生であれば特に、論文は避けては通れない道なのです。

苦手意識のある人も多いかもしれませんが、今回紹介した正しい構成や書き方のコツ、注意点をしっかり押さえておけば、よい論文を書けるはずです。

社会人になってからも、文章を書くスキルは必要になってきます。

論文がきちんと書ければ将来にも役立つので、この機会にしっかりと書き方をマスターしておきましょう。

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