HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
大学生のなかには、アメリカの大学院進学に興味のある人もいるのではないでしょうか。
日本で大学院に進学するよりも費用は高いイメージがあり、現実的に行けるのかどうか気になる人も多いかと思います。
アメリカの大学院の種類や、それぞれ必要な学費、アメリカの学生生活にどのくらい費用がかかるのかという疑問点について具体的に解説します。
情報を手に入れる方法なども紹介しますので、アメリカで大学院進学を目指す際の参考にしてみてください。
アメリカの大学の実態とは?
アメリカの大学は日本の大学と何が違うのか、具体的によくわかっていない人も多いかと思います。
日本の大学院は、修士2年、博士3年というように分かれています。
アメリカの大学院でも、修士号(Master)、博士号(Ph.D.)といったことは同じです。
しかし、アメリカの場合、大学院によって豊富なプログラムがあります。
いきなり博士から入る飛び級をできたり、博士を前提とした博士号のプログラムがあったりという点に違いがあるのです。
まずは、アメリカの大学院の修士、博士の特徴について解説しましょう。
Master(修士号)
日本でいう修士課程のことで、通常1-2年で博士号を与えられます。
博士課程が修了したあとに博士号に進むプログラム、修士のみで終了するプログラム、博士と修士がセットになったプログラムといったように種類があります。
修士のあとに博士課程に入学するプログラムは日本でも同じパターンです。
日本の大学院にはない特徴として、博士と修士がセットになったプログラムがあるということです。
博士課程に進むことを前提として、Ph.D.の一部にMasterが設けられていることもあります。
アメリカの大学院にいって修士号だけ取りたいのか、博士号まで取りたいのかというところでも選択すべきプログラムは違ってきます。
大学院や研究室によってさまざまな仕組みがあるので、自分の目標に合ったプログラムを選択する必要があるのです。
Ph.D.(博士号)
Ph.D.は日本でいう博士号のことで、取得するには5~8年ほどかかります。
大学で優秀な成績をおさめている、適正能力テストの成績をクリアするなどといった入学条件は大学院ごとにあります。
実は、修士を飛ばして博士課程に選考を出願することもできるのです。
日本で博士号を得るには、修士を含めると基本的に5年です。
しかし、アメリカの大学院では修士を含めて5~8年ほどかかるため、修了までの期間が長くなる人も出てきます。
博士課程では、博士論文を書いて試験に通らないと修了できないことも多く、博士号を得るまで10年かかることも珍しくありません。
しかし、学問に打ち込みたい人、Ph.D.の取得を目指す人にとって、アメリカの博士課程はよい環境が整っているため魅力的ではあります。
大学院進学にはどれくらいかかるの?
アメリカの大学院には私立大学と州立大学が存在し、それぞれかかる学費に差があります。
州立大学は、日本でいう国立や公立の大学のような分類で、私立大学よりも学費は安くおさまります。
一方、私立大学はハーバード大学やスタンフォード大学といった名門校をはじめ、学費の高いことが特徴です。
アメリカの大学院へ留学する学生は、奨学金制度などを利用して金銭的な負担を軽減させることもできます。
州立大学と私立大学の学費がどのぐらいかかるのか解説しましょう。
私立大学
アメリカの私立大学院の学費は、最低でも年間300万円かかります。
州立大学院は200万円ほどであるため、私立大学のほうが高めです。
郊外か都市部かによっても差があり、都会の私立大学は割高になる傾向です。
名門校であれば、プログラムを修了するまでに高額な学費がかかることは覚悟したほうがよいでしょう。
有名大学院を避け、田舎の私立大学か州立大学を選択すれば学費を抑えられます。
州立大学と比較すると、私立大学は学費が高いです。
しかし、少人数制のクラスできめ細かい対応や、何かあったときのサポート体制もしっかりしているところが利点です。
Masterにかかる費用は?
アメリカの私立大学院で理系の修士課程(Master)を受ける場合の費用について説明します。
アメリカの大学で1年間学ぶために必要な学費は、一般的に50万~250万ほどです。
理系だとここからさらに高くなると考えておいたほうがよいでしょう。
もちろん大学によって、学費の差はあります。
行きたい大学をある程度絞り出せたら、学費を調べて比較してみてください。
私立大学院は奨学金制度が充実しているので、経済面で厳しい場合は奨学金の利用を検討するのもよいでしょう。
奨学金はあとから返す必要があるイメージもあるかと思いますが、返済の要らない給付型の奨学金も存在します。
成績が優秀であれば、返済不要の奨学金を利用できる可能性もあります。
さまざまな奨学金の制度があり、内容や応募条件がそれぞれ違うため、正しい情報を確認することが大切です。
Ph.D.にかかる費用は?
アメリカの私立大学院で、博士号(Ph.D.)課程を修了するまでのあいだ、学費はいくらかかるか気になる人も多いかと思います。
修士では毎年300万円くらいの学費を必要としますが、博士では基本的に学費は免除されます。
理系の私立大学院は少なく見積もっても、年間300万以上必要な学費が免除になるので、経済面のメリットは大きいでしょう。
私立大学院は特に、手厚いサポート体制が整っていることも多いです。
博士課程を修了するまで、5-8年かかることを考えると、お金の心配をせずに大学院へ通えるのは魅力的で、ハードルも下がったのではないでしょうか。
人気の私立大学となると入学するのは難しいといわれますが、あきらめずにチャレンジしてみるのもよいでしょう。
州立大学
州立大学は、日本の国立大学や公立大学と同じ位置付けで、州の税金で運営されています。
州外出身の留学生は、州民と比べて、倍の学費を払うことになります。
しかしそれでも、私立大学院へ入学するよりも学費を安く抑えられる点では魅力です。
州立大学といってもさまざまです。
高レベルで人気の大学院だと、私立大学院と変わらないくらいの学費が必要なところもあるので注意してください。
また、州立大学は学生数が多いため、私立大学のようにきめ細かなサポート体制は期待できません。
しかし、教育水準が低くなるわけではないので安心して学べます。
Masterにかかる費用は?
アメリカの州立大学で理系の修士課程(Master)を取得する場合の費用について説明しましょう。
州立の修士課程で1年間に必要な学費は、一般的に250万-450万ほどといわれています。
学位取得までの年数は大学や学位によって異なりますが、私立大学の高額な学費と比較すると、州立大学のほうが割安になる場合も多いです。
州立大学は、州税で運営されていることもあって、州の財政状況でも授業料に差があります。
大学の財政判断によって、授業料が変動する場合もあるので最新の学費情報には注意してください。
また、奨学金に関しては大学によって違いがあります。
奨学金の利用を検討している人は、留学生も対象になる奨学金制度があるかどうかをよく確認しておきましょう。
Ph.D.にかかる費用は?
州立大学のPh.D.も、基本的には学費を免除されるので、お金をもらいながら研究を進められます。
研究室の教授が学生を雇うといったケースが多く、生活費を支給され、授業料も免除になるのです。
そのかわり、成果を出す必要はもちろんあります。
実績を求められます。
評価や成績次第では退学(クビ)になることがあるので卒業まで気を引き締めていなければなりません。
そして、支給されるお金は最低限の額ですので、決して贅沢をできるわけではありません。
金銭的に厳しい場合は、家賃を抑える、学生寮に入るなどして生活費を抑える工夫も必要になります。
しかし、アメリカの大学院を卒業するまでの期間、生活費の面倒を見てもらえるだけでも魅力的であるかと思います。
生活費はどれくらいかかるの?
都会の大学か、田舎の大学かといったように、地域によって物価に差があるため生活費はどこで暮らすかによって変わります。
1年間生活するのに100~300万円ほどが必要と考えられます。
生活費としては家賃、食費、飛行機代、保険料、教科書代などさまざまな費用がかかるのです。
都会で一人暮らしをする場合は、ワンルームの物件でも月20万円かかる場合もあります。
学生寮に入って家賃を安く抑えている学生も多いです。
アメリカの大学院に留学する人は保険に入る必要があり、この保険料も月に2万円くらいかかるため生活費は高くなってしまいます。
授業料と生活費を考えるとハードルが高くなってしまうかもしれません。
そんなときは、奨学金や学費免除の制度を利用するとよいでしょう。
Ph.D.の場合は生活費を支給されることがあります。
往復旅費、生活費、学費などが全額、もしくは一部支給される奨学金制度が存在するため、申請を検討してみてもよいでしょう。
アメリカの大学院進学に関する情報はどうやって手に入れる?
アメリカの大学院進学について、さらに詳しく知りたい場合は、どうやって情報を手に入れたらいいのかなと思った人はいませんか。
大学のWebサイトやネットの情報だけでは知りたい情報が出てこなかったり、正しい内容かどうかも不安になったりすることもあるかと思います。
ここからはアメリカの大学院進学に関する情報を手に入れる方法について、2点を紹介します。
アメリカの大学院進学を視野に入れている方は、ぜひ早いうちから情報を手に入れておきましょう。
SNSを通して手に入れる
SNSをチェックすると、よりリアルな情報を入手できるため、参考になることも多いかと思います。
実際にアメリカの大学院に留学した人や、アメリカの大学院生として現在活躍している人などとたくさんの人がSNSを利用しています。
興味がある大学院などで検索して、発信している人とコンタクトを取ってみましょう。
留学するために必要な準備、学位取得までのプロセス、お金の事情などを経験者に話を聞くことで、不安が解消されるかもしれません。
大学院留学の経験者による、アメリカの大学院を目指す人に向けたセミナーなどもおこなわれているため、参加してみるのもおすすめです。
アメリカの大学院進学に興味がある人は、SNSを有効活用して情報収集をしてみてください。
学校の相談室を使う
アメリカの大学院へ留学するための情報収集の方法として2つ目におすすめなのは、現在通っている大学の相談室を活用する方法です。
大学ではほぼ確実に、大学院進学へ向けた相談室などが設置されています。
専任の教員が個別で進学相談に応じてくれるので、利用したことがない人は一度足を運んでみましょう。
アメリカの大学院進学に興味があるけれど不安がある、大学院選びで迷っていて決めかねているといった相談にも乗ってくれるはずです。
ネットやSNSで情報収集するだけでは解決しないこともたくさん出てくるかと思います。
そんなときは学校の相談室に手伝ってもらうことで疑問が解決できるかもしれません。
学校の相談室を使いながら、自分に合った留学の方法を見つけてください。
まとめ
今回は、アメリカの大学院に進学するときにかかる費用について解説しました。
アメリカの大学院は、理系の分野では特に奨学金の種類が充実しているため、経済面で心配な場合もチャレンジしやすいかと思います。
奨学金の申し込みが早い時期に締め切られることもあります。
もし、アメリカの大学院を進路にしようと考えているのであれば、早めにチェックしておきましょう。
詳しい情報は大学のWebサイトで、最新の情報をよく確認しておくことが大切です。
学問の本場がアメリカの大学院にあるのなら、ぜひチャレンジしてみてください。