修士とは?学士や博士との違いや学位が就活に与える影響を徹底解説!

修士とは?学士や博士との違いや学位が就活に与える影響を徹底解説!

記事をお気に入り登録する

記事のお気に入りに登録

「記事のお気に入りに登録」のご利用にはログインが必要です。

会員登録がお済みでない方

無料会員登録
伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

【用語解説】はじめに

pixta_55193636_M-1

今やほとんどの高校生が大学受験を考える時代です。

しかし、皆が行っているからといって大学に進んだものの、この先どうするか悩んでいる人は多いでしょう。

ここでは、大学院や就職活動について調べ始めた人がまず疑問に思う、「学位」の違いについて解説していきます。

そもそも学位とはなんなのか、メリットやデメリットを正しく知ることで、自分の進みたい方向がわかってくるはずです。

すでに目標をもっているという人も、その思いを確信に変えることができるでしょう。

【用語解説】修士とは何か

日本の高等教育課程を修了すると、学位を得られます。

学位とは、教育上の功績に基づいて授与される称号のことです。

その歴史は古く、平安時代に大学寮の文章生に授けた称号が始まりといわれています。

今のような制度になったのは明治時代で、当時は「学制」と呼ばれていました。

また、学位を授与した第一号の教育機関は、「少年よ大志を抱け」との言葉で有名なクラークが開校した札幌農学校、現在の北海道大学です。

大学を卒業することで得られる学位としては、「学士」「修士」「博士」などがあります。

修士とは?

修士は、大学院の修士課程を修了した者に授けると日本の学校教育法にて定められています。

この修士課程は2年間あります。

当然学士よりも長く勉学に励まないと取得できません。

さらなる上位である博士号を得るための基礎的な要件の1つでもあります。

また、製薬や理工系の分野での需要がとても高く、国際公務員の資格へ応募するには最低限修士号を求められる場合もあります。

多くの人が大学に進学している状況から察するに、今後はこの修士号を取得する人口も次第に増えていくでしょう。

これにより日本の知的レベルがますます上昇すると考えられ、経済の発展にも期待ができます。

教育水準に比例して幸福度は高まるといわれています。

それに対して犯罪率は下がるという傾向がありますので、大変喜ばしいことであると考えて間違いありません。

学士との違い

学士とは、大学を卒業した人に与えられる学位のことです。

卒業のために必要な単位を履修し、卒業論文や試験に合格する必要があります。

そう聞くとなんだか難しいもののように感じますが、真面目に大学へ通っていれば、大学卒業と同時に得られるものです。

学位のなかでは、比較的取得が容易なものであるといえるでしょう。

大学進学率が相当に低かった戦前から明治時代においては、学士というのは大変権威性のあるものでした。

しかし、高学歴化が進んだ今日では、決して珍しいものでありません。

また、複数学士号という制度が徐々に浸透してきています。

これは単位を履修するなどの条件をクリアすることで、所属大学が提携しているほかの大学からも学士を取得できるものです。

博士との違い

博士は、学位のなかでも最高の称号です。

これを得るためには、修士課程卒業に加えて、6年にも及ぶ時間をかけなくてはなりません。

日本だけではなくほかの多くの国でも、この博士を最高学位としているところがほとんどです。

ちなみに「はかせ」ではなく、「はくし」と読みます。

英語圏では「ドクター」ですが、これは医師と違うものです。

90年ごろまでは医学博士・政治学博士というように、博士の前に専門分野を表記していましたが、それ以降は博士のあとに括弧書きで記載するようになりました。

何年も勉強や研究に勤しむ必要があるにもかかわらず、日本での就職という面において評価は難しいのが実情です。

その豊かな知識が活かせる職場をさらに増やすことが、これからの課題ともいえるでしょう。

【用語解説】修士に進むメリットは?

大学院に進学して修士取得を目指すメリットとしては、より専門的な職業に就けるということが第一です。

特に理系では、技術職や研究職で修士以上の学位を必要とされる場面が多いことから、進学は必要不可欠といってよいでしょう。

それ以外は、好きな研究に費やす時間を増やせるという利点があります。

就職際の選択肢が増える

大学に進むのが普通になってきた昨今、誰でも持っている学士では勝負が難しくなっています。

大学院で修士号を取得すれば、学士と差をつけられ、就職する際の選択肢が増えるでしょう。

その専門性を買われ、自分の好きな分野での就職を目指すことができるのはもちろん、論理的な思考能力が評価されやすく就職の難易度は下がります。

特に理系の大企業に応募したい場合、修士は最低でも必要な称号といえます。

また、文系であれば経営学修士を取得することで、コンサルティング会社など高度な知識を要する企業への就職がかなうでしょう。

研究に没頭できる

修士課程では学士より2年間多く勉学に励む必要があると紹介しました。

これは言い換えると、時間をかけて好きな分野の知識をさらなる深められるということになります。

自分がやりたい研究に没頭して多くの時間を費やしたとしても、誰かに怒られることはありませんし、むしろ讃えられるべきことです。

社会に出てから何かを学びたいと思っても、その環境がないという場面もあります。

そう考えると、知識を授けてくれる教授や必要な道具などがそろった大学院という環境は、最高の研究場所であるといえます。

ある分野の深い知識を得ることができる

大学の学部でもある程度の専門性はあります。

ただ修士課程に比べれば、やや広く浅くといった印象です。

大学院では2年間も研究に費やすことができます。

当然そこで得られる知識は質も量も、大学とは比べ物になりません。

ちまたにあふれている学士とは、圧倒的な知識の差があるといっても過言ではないでしょう。

また、好きなことに熱意をもって取り組むという点から考えても、ただなんとなく通っているだけの人とは知識の吸収量は大きく異なります。

【用語解説】修士に進むデメリットは?

修士に進むデメリットとしては、やはり2年間という決して短くない時間を費やす都合上、どうしてもお金がかかるということがあります。

また、学士に比べると社会に出る時期が遅れます。

就職した企業に同じ年齢の人がいても、社会経験に差がついてしまっているといえるでしょう。

お金がかかる

4年制大学でも、およそ500万から1200万円程度かかるといわれています。

それが修士課程のため、さらなる2年間大学院に通うとなると、安くはない費用が発生するのは当然です。

具体的には、国立で100万、私立であれば200万円ほど必要になります。

親はまだまだ働いている世代であるとは考えられますが、共働きでも余裕がないという家庭が多い現代で、この学費はとても大きな痛手です。

学生本人がアルバイトをすることもありますが、それでは肝心の勉学が十分でなくなる可能性もあり、本末転倒といえます。

社会に出る時期が遅れる

より長い期間を学生として過ごすということは、社会人になるのが遅れると言い換えることもできるでしょう。

実際の経験は、ときに知識よりも物を言う場合があります。

知識を詰め込んで頭でっかちになってしまい、「あいつは応用がきかない」と陰口を叩かれる人すらいるようです。

また、同じ年齢であっても、先にその企業に入社した人が先輩です。

上下関係を気にするような性格ならば、自分でも知らないあいだに気まずい雰囲気を作り出してしまうかもしれません。

就活が不利になる場合も

修士は学士と比較して求人数が限られる傾向にあります。

修士を採用している就職先は、専門的な知識やスキルを求めている場合が多いからです。

修士課程の学習内容は、ある特定の分野に対しする研究活動が主です。

つまり、ポテンシャルで採用される学士と違い、修士は特定の分野のスペシャリストとして採用されるため求人数が限られます。

特に文系の修士は企業が求めている研究を経験していない人が多く、就活時に専門性を活かせない場合があるため、注意が必要です。

そのため、修士へ進む前にどのような就職先があるかを調べてから判断しましょう

また、就活時に魅力的なアピールができるよう、活動的に学業へいそしむことが大切です。

修士の採用基準は専門性の高さです。

そのため、研究分野の即戦力として採用されるよう、学業にいそしみましょう。

【用語解説】学士・博士のメリットとデメリットを紹介!

では、修士から見て下位レベルの学士と、上位レベルである博士には、それぞれどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

学士のメリットは、大卒ということで高卒よりも賃金が高い企業に就職できる可能性が高まることです。

もはや大学に進むことはまったく珍しくない時代なのです。

逆にデメリットは、特筆できる武器とはならない点と考えるべきでしょう。

詳しくは「学士」の記事をご覧ください。

博士のメリットとしては、意外にも必修科目が少ないために、より一層研究に時間を割ける点があります。

逆にデメリットには、日本で就職を考えている場合には、なかなかその場所もないことがあげられます。

詳しくは「博士」の記事をご覧ください。

【用語解説】修士という学位が就活に与える影響

修士という学位が就活に与える影響はさまざまです。

給与などの待遇面や職種を選ぶ際のメリットがある一方で、就活の難易度や選択肢などのデメリットもあります。

人によっては修士へ進むことでメリットだけを得られる場合もあります。

しかし、反対に修士へ進んだために、就活で失敗してしまう可能性もあるということです。

以下で修士号を取得した場合における就活の特徴や、学士号・博士号の就活との違いについてもくわしく説明しているので、ぜひご覧ください。

修士号の就活

一般的に修士号の就活は大企業の求人が多く、学士より高い給与を望めます。

なぜなら、専門的な知識やスキルが求められる開発職や研究職に進むのが一般的だからです。

また、自ら大学院に行き学習を進めたという点が、熱心な人材だと評価されることもあります。

さらに、修士課程の研究活動では常に論理的な思考を求められるため、就活時の面接などでも活かせる能力が身につきます。

ただし先ほど述べたように、学士よりも求人数が少なくなる点を理解しておきましょう。

学士号との違い

学士の場合、修士課程で求められる専門性よりもポテンシャルが求められます。

企業は学士卒を即戦力ではなく、入社後に育成する前提で採用しているからです。

仮に学業などで大きな功績を残していないとしても、良い人間性をアピールできれば大企業に就職できる可能性もあります。

また、学んだ学問とは関係のない、未経験の仕事に就くことも考えられるでしょう。

たとえばスポーツ系の学部を卒業したのに、自動車メーカーやIT系の会社に勤めることも可能です。

そのため学士号は修士と比較して就職先の選択肢は多いです。

博士号との違い

博士号の就職先は、博士でしかなれない、大学教員や公的機関の研究員などを目指す人も数多くいます。

ただし、一般企業では求人数が少ないのも実情です。

なぜなら、博士課程は修士よりも修了まで最低3年長くかかるため、企業側としては育成を考えるとリスクが大きいからです。

また、研究職は高い賃金を望むのは難しいでしょう。

大学の教授や准教授になれば高い給与を望めますが、それまでには長い時間がかかります。

それでも研究を続けたい、活躍したい人は海外に目を向けるのがおすすめです。

博士号は世界でも評価されるため、海外の研究施設で働けるチャンスがあります。

博士号を取得するまで研究にのめり込める人はなかなかいないため、自分の可能性にどんどん挑戦していきましょう。

【用語解説】修士に進む際のポイント

修士に進む際のポイントは、理系か文系かで就活が大きく変わるというのを理解して決めることです。

まず理系の場合は、より専門的な知識を身につけることで、専門職に就ける可能性が広がります。

機械や電気などの理系分野の専門職は、専門的な知識やスキルが必要なため、未経験の人を採用することはほとんどありません。

そのため、学士で理系分野を専攻している人は、より専門性を高めて就活を有利にすすめるため、修士や博士への進学がおすすめです。

一方で文系の場合は、専門性を活かせる職業が少ないため、就活で有利になる機会は少ないでしょう。

ただし、英語などの語学力や法律の知識などを深めた場合、企業に評価されることもあるため、文系であっても専門性を高めることが重要です。

つまり、理系にせよ文系にせよ、目的意識をもつことが大切です。

「なんとなく修士のほうが就活に有利だ」と考えた、または学士で就活に失敗したという理由だけで進学するのは、あまりおすすめできません。

【用語解説】まとめ

進学するか就職するか迷った際に判断基準とすることが多い「学位」のなかでも、特に「修士」について重点的な解説をしました。

自分が勉強したいものは何か、なりたいものは何かという点をしっかり見つめ直すことで、目指すべき道がわかるはずです。

決してやってはいけないことは、就職先がないから進学してみる、ということです。

どの道に進むとしても、明確な目標をもって、できるだけ時間とお金を無駄にしないよう、慎重に考えていきましょう。

この記事を友達におしえる!

LINEで送る ツイートする シェアする URLをコピーする

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます