准教授とは?年収や仕事内容や目指し方を徹底解説!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

大学で授業を受けていると、准教授という役職を目にすることが多くあります。

研究室に所属した場合はレポートの指導を受けるなど、直接やり取りをすることも増えてくるでしょう。

しかし、准教授がどのような立場で、教授とどう違うのかはあまり認知されていないかもしれません。

そこで今回は准教授がどんな仕事をしているのか年収はどのぐらいかそして准教授を目指すにはどうすればいいのかを解説していきます。

大学卒業後も研究を続けたいという方、教授を目指している方などはぜひ参考にしてみてください。

そもそも准教授とは?

准教授は大学をはじめとする、教育機関における職階の1つです。

その名前の通り、教授に次ぐ立場の教員と理解しておけば問題はないでしょう。

大学で担う仕事は教授と同程度のものが多く、学生の立場からすると両者の違いは少しわかりづらいこともあるかもしれません。

准教授の具体的な仕事内容については、後ほど具体的に紹介します。

しかし仕事内容以上に重要なポイントとして、准教授は教授を目指す際に避けては通れないステップの1つということです。

こちらもあとで詳しく述べますが、教授になることを目標とするのであれば、まずは准教授を目指す必要があります。

そのため准教授は学生にとってはあまり意識する機会の少ない職階です。

その一方で、大学の関係者や教員を目指す人にとっては、重要な立場といえるかもしれません。

准教授の仕事内容は?

それでは准教授の具体的な仕事内容を見ていきましょう。

先程軽く紹介したように、その仕事内容は大部分は教授がおこなう仕事と同程度のものです。

見方を変えれば、教授の仕事や研究室の文化によって、准教授の役割も変わってくるといえるでしょう。

教授と准教授のおこなう業務がはっきり分かれている研究室もあれば、准教授は教授を補佐する役割が強い研究室もあります。

そのため准教授の正確な仕事内容を知るには、その研究室や教授のことをよく知ることも必要になってくるでしょう。

講義をおこなう

1つ目は、学生や院生を対象とした講義をすることです。

これは学生にとっても、馴染み深い仕事内容の1つでしょう。

講義の規模やスタイルは学校やカリキュラムによって異なります。

そのため、准教授には通常の教員と同様に勉強を教え、学生を指導するスキルも必要になります。

また、講義に伴って事前の資料準備やレポートの確認、成績判断といった業務も必要です。

これは教授にもいえることですが、准教授は研究職であると同時に教師でもあります。

双方にバランスよく取り組むことが重要になってくるでしょう。

学生にとって准教授は講義中に目にする機会がもっとも多いかもしれません。

しかし、それだけではすべての業務内容はわかりません。

もし准教授の仕事の配分が気になるのであれば、直接たずねてみることをおすすめします。

研究活動

准教授が担うもう1つの仕事は研究活動です。

講義をしながら自身が専門とする分野の研究をし、研究室内では生徒の研究も指導することになるでしょう。

研究内容によっては現地調査やフィールドワークが必要になるので、長期間大学を空けるケースも存在します。

研究活動や調査をし、なんらかの成果をあげることは、教授へのステップアップにも必要不可欠な仕事です。

そのため、講義をはじめとするほかの仕事の対処をしながら、どのように自身の研究を進めるかが重要になってくるでしょう。

一方で、研究をするには予算も必要になってきます。

自身の研究の必要性や成果をアピールしていかに予算を獲得するか、そういった試行錯誤も教授や准教授が頭を悩ませる部分でしょう。

准教授になったからといって、ただ無心に研究できるわけではないのです。

本やテレビの出演

研究が一定の成果をあげた場合、それを論文やレポートではなく、本の形式で出版することもあります

本の種類は研究内容によって一般向けのものであったり、専門的なものであったりさまざまです。

もしかしたら、授業で教授や准教授が執筆した教科書を使っているケースも多いかもしれません。

また、本人や研究室がなんらかの分野でプロフェッショナルとして認知されている場合、テレビ番組による取材や出演のオファーを受ける場合もあります。

もちろんこれらのオファーを受けるかどうかは個人の自由です。

ただ、大学や研究室の知名度を上げるために役立つ場合もあるでしょう。

本の出版やテレビの出演といった仕事の比率は個人によって大きく変わってきますが、講義や研究の負担が減るわけではない点に注意が必要です。

なぜ准教授になる必要があるの?

ここまで准教授の立ち位置や仕事について確認してきました。

その大部分は教授とよく似ています。

一見すると教授とあまり変わりがないように見えるかもしれません。

では、なぜわざわざ准教授になる必要があるのでしょうか。

そこには教授になるための手順が関係しています

教授になる過程はいくつかの段階に分かれています。

准教授になることはその必要な手順の1つです。

つまり准教授はそれ自体を目指すのではなく、教授を目指すための通過点といえるでしょう。

しかし通過点とはいえ、准教授になることも決して簡単ではありません。

その仕事内容や待遇についてしっかり学び、早いうちから対策を考えることは重要です。

准教授になるために、その方法や必要な心構えを事前に把握しておく必要があるでしょう。

教授に必要なステップは?

それでは教授になるための必要なステップを具体的に確認してみましょう。

最初のステップは助手です。

助手の主な仕事は教授や准教授の補佐です。

授業のサポート役として学生の質問に答えることもあります。

研究分野でも教授や准教授の補佐がメインとなります。

自身のテーマで研究をしたい場合は、つぎの助教まで進まなければいけません。

つぎのステップは助教です。

助教は若い研究者が大学で最初に就く役職の1つであり、講義と研究をおこないます。

なお、あとで解説する「助教授」とは定義が異なるので注意しましょう。

そのつぎのステップは講師です。

講師も講義や研究をする立場であり准教授の前段階である一方、実業家や著名人など教員以外が非常勤講師として招かれるケースもあります。

そしてつぎに准教授、そこから教授へと進むことになります。

より詳細な解説については、以下の記事も参考にしてみてください。

准教授の給料や平均年齢は?

つぎは准教授の待遇や、年齢層などを見ていきましょう。

准教授の年収は平均して850万円程度といわれています。

助教の年収が560万円程度、講師は待遇に幅もありますが常勤講師で600万円から800万円程度とされています。

そのことを考えると、待遇は順当に向上しているといえるでしょう。

そして准教授の年齢の平均は45歳から50歳程度です。

日本における40代の平均年収は600万円程度です。

平均よりは多くの収入を得られるでしょう。

このように比較的年収は高めの准教授ですが、実際の待遇は働く大学によって異なります。

私立大学、公立大学、国立大学、さらにそれぞれの大学によっても差があります。

准教授を目指すのであれば、大学が公表しているデータから年収を確認しておくとよいでしょう。

30代でも准教授になれる?

准教授の平均年齢が40代ということは、先程解説した通りです。

それでは、より若い30代でも准教授になれるのでしょうか。

結論から述べると、30代でも准教授になることは可能です。

たとえ年齢が若くとも、研究の成果や指導実績が認められれば、30代で准教授になることも可能なのです。

しかし現実的にいえば30代の准教授は少なく、それを達成するのは至難の業でしょう。

准教授の前段階である助教になるためにも、立候補や推薦状が必要であり、常に助教の枠が空いている、推薦を得られるとは限りません。

多くの場合は学士や博士号を取得したあとに研究を続けながら、長い時間をかけて助教への就職をかなえることになります。

30代で准教授になるには自身の実力だけでなく、人脈や時の運も必要になってくるでしょう。

助教授と准教授の違いは?

准教授と似たような言葉で「助教授」があります。

これは実質的に同じものを指します。

より正確にいうならば、2007年の学校教育法改正により助教授という名称は廃止され、准教授に置き換えられたのです。

この変更は助教授という言葉のイメージが実際の職務と離れていること、英訳した際の「assistant professer」が国際的に適切ではなかったことが理由とされています。

これに伴い、かつての「助手」も2つの段階に分けられました。

主に教授や准教授の補助をする「助手」のほかに、自身の研究も可能な役職「助教」が新設されました。

まとめると、現在使われている准教授は以前使われていた助教授と同じ役職であり、現在の助教とかつての助教授は別の役職なのです。

教授や准教授になるには?

ここまで准教授の仕事や待遇など、さまざまなデータを紹介してきました。

つぎは准教授になるための具体的な手順を確認していきましょう。

准教授、そしてさらにその先の教授を目指すためには、しっかりと計画を立てて長いスパンで行動する必要があります。

また、准教授になるためにはいくつかステップを踏まなければいけません。

どの段階のために、何をするべきかステージごとに課題を把握しておくことも必要です。

今できることと将来的にやるべきことを明確にしたうえで、チャンスを逃さないように態勢を整えておきましょう。

博士号を取得する

准教授への道筋を考えた際、まず必要になるのは博士号です。

まず大学卒業後は大学院に進学し、修士課程を修めましょう。

2年の修士課程を終えたあとは、修士論文を執筆します。

合格判定を受けたあとは、博士課程に進むことになります。

そして博士論文が認められたあとに、やっと博士号を取得できるのです。

准教授に限らず大学で教員として働くためには、原則的にこの過程が必要になります。

大学院は必ずしも卒業した大学のものを選ぶ必要はありません。

博士号の取得を念頭に置いたうえで、研究環境や指導者から適切なところを選ぶといいでしょう。

また、将来的に准教授や教授になるためには、研究の成果を示すことが必要です。

大学院で学ぶ自身の研究テーマや研究プランについて、明確なビジョンを描くように意識してみてください。

各大学の募集要項から申請する

博士号を取得したあとは、大学の教員になることがつぎの目標です。

具体的には各大学で募集している助手や助教の求人を確認し、自身の条件に合うものへ応募していくことになるでしょう。

なお、大学によっては大学院後期の時点で助手を任されるケースも存在します。

その場合は、比較的早い段階から指導や研究補助の経験を積むことが可能です。

しかし、自身が学んだ分野に関連した助手や助教の求人が、常に出ているとは限りません。

辛抱強く求人を確認し、チャンスを逃さないように備えつつ、人脈も活用して情報収集することが必要になるでしょう。

そして助教として勤務を開始したあとは、講義を担当しつつ、自身の研究も進めていくことになります。

そこから論文の執筆や学会で発表をして研究の成果を示すことで、准教授や教授へのステップアップが可能になるのです。

まとめ

准教授は大学における教員の一種であり、教授を目指すうえで通過しなければいけない職階の1つです。

その仕事は教授と同程度のものが多く、講義や研究、書籍の出版などさまざまな業務をおこなう必要があります。

年収は職場によっても異なりますが、850万円ほどです。

准教授の平均年齢である40代中盤としては高い水準です。

准教授になるには博士号を取得したあとに助手や助教を経験し、講師を務めるなどキャリアを重ねる必要があります。

研究の成果や実績が認められればステップアップにつながるため、助教や准教授は学生の指導をしつつ、同時に自身の研究も進めることを求められます。

もし教授や准教授を目指すのであれば、今のうちから自身が取り組む研究テーマやキャリアプランについて考えてみてください。

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