研究計画書はなぜ必要なのか?基本的な書き方と順序やコツを解説

研究計画書はなぜ必要なのか?基本的な書き方と順序やコツを解説

記事をお気に入り登録する

記事のお気に入りに登録

「記事のお気に入りに登録」のご利用にはログインが必要です。

会員登録がお済みでない方

無料会員登録

はじめに

「そもそも研究計画書って何?」 「研究計画書を書きたいけれど、何から始めればよいかわからない」 このように、研究計画書の書き方がわからなくて不安や疑問を感じていませんか。

本記事では、研究計画書の概要や必要な理由、基本的な書き方や提出する前にやるべきことについて解説しています。併せて、大学院から敬遠される研究計画書についてもまとめました。

本記事を読むことで、研究計画書の概要や必要性、具体的な作成方法を理解できるでしょう。それらの知識があれば、適切な研究計画書を作成できるため、大学院入試に不安を感じている人もスムーズに取り組むことが可能です。

研究計画書に対する不安を解消したいと思っている人は、ぜひ本記事をチェックしてください。

研究計画書とは?

研究計画書とは、大学院進学後に取り組みたい研究内容や具体的な研究方法をまとめた書類のことです。

研究計画書は大学院入試で提出される出願書類の1つで、合否に大きく関係すると言われています。大学院入試に合格するためには、研究計画書をしっかり仕上げることが大切です。

大学院入試の面接試験では、研究計画書の内容を質問される可能性があります。研究計画書を作成するときは時間を掛けてじっくり取り組んでください。

研究計画書は「研究内容」と「研究計画」の2つから構成されています。各構成について詳しく解説しましょう。

研究内容

研究内容には、研究テーマを選んだ背景や理由、研究目的を記載してください。

ただし、研究内容を書く前にしっかり準備することが大切です。具体的には、研究テーマを選んだ理由を考えたり、研究目的を明確にしたりするための作業をしましょう。

研究テーマを選んだ理由や背景を掘り下げることで問題意識に気づき、研究目的の明確化につながります。

研究計画

研究計画には、どのような手順や方法で研究をおこなうのか具体的に書いてください。

たとえば、自身の研究を実現するためには、どのゼミに所属し、どのようなことを学ぶ必要があるのか具体的に考えましょう。

また、先行研究への理解や限界、1次資料や2次資料の把握なども大切です。いわば、研究計画は研究をおこなうための戦略と言えるでしょう。

研究計画書はなぜ必要なのか?

なぜ、研究計画書は必要なのでしょうか。研究計画書は「自身の研究テーマが大学院にとって価値があるかどうか判断する」ことを目的としているからです。また、大学院にとってふさわしい人物かどうかチェックする側面もあります。

研究計画書を作成するときは、詩人の研究や資質が大学院にとって如何に有用で期待できるかを上手く伝えることがポイントです。大学院の試験監督者から興味や関心を持ってもらえるような研究計画書を作成しましょう。

研究計画書の基本的な書き方

研究計画書の基本的な書き方について解説しましょう。基本的には「何を(研究目的)」「なぜ(研究の背景や理由)」「どうやって(研究方法)」の3つをわかりやすく説明することを意識して書いてください。

「何を」の部分では、研究目的がはっきり理解してもらえるよう心掛けましょう。「なぜ」の部分では、この研究テーマを選んだ背景や理由を書いてください。研究を通じて解明したいことや研究に至った経緯などをわかりやすく記載することがポイントです。

「どうやって」の箇所では、具体的な研究方法を説明してください。研究対象にどのような調査をおこない、どのようにアプローチするのか記載しましょう。

研究計画書の基本的な構成順やコツ

研究計画書の基本的な構成順やコツを紹介しましょう。基本的には下記の構成順で進めてください。

ただし、大学院によっては既定のフォーマットがあったり、志望動機を書かせたりするケースがあります。研究計画書を作成する前に確認するようにしましょう。

本章では、研究計画書の一般的な構成順や内容についてまとめました。研究計画書を書くときの参考にしてください。

  • キャッチコピーとなるタイトルを書く
  • 研究の目的を書く
  • 研究の背景を書く
  • 研究の方法について書く
  • 予想できる結果を書く
  • 研究の特色について書く
  • 引用や参考文献について書く

1:キャッチコピーとなるタイトルを書く

研究計画書を書くときは、「研究のタイトル」を最初につけましょう。タイトルをつけるときは何を大切にすればよいのでしょうか。タイトルは研究の顔になるため、研究内容をわかりやすく伝えることを大切にしてください。

キャッチコピーのように短く、印象に残るようなタイトルがおすすめです。できる限り多くの人から興味や関心を持ってもらえるタイトル作りを心掛けましょう。

もし、必要ならばサブタイトルを添えて、どのような研究か具体的に伝わるよう工夫してください。

2:研究の目的を書く

「研究の目的」では何を書けばよいのでしょうか。自身の研究が何を目的としているのか具体的にわかりやすく書いてください。

もし、研究目的が曖昧に書かれていれば、自身の研究が大学院にしっかりと伝わらない可能性があります。

研究目的を正しく伝えるために、研究で何を解決したいのか、研究でどのようなメリットを得られるのか、といったことを心掛けながら書いてください。

3:研究の背景を書く

研究の背景を書くときは「社会的背景」と「学術的背景」の2つの側面からアプローチしましょう。

「社会的背景」では、研究の理由や重要性に関連する統計データや事例を取り上げながら説明してください。

一方「学術的背景」では、この研究が学術的にどのような背景を持つのか説明しましょう。具体的には、先行研究と本研究との関係、研究の意義などを伝えます。

4:研究の方法について書く

「研究の方法」は研究計画書の中でも大切な箇所です。研究方法がしっかりと書かれているかどうかで、研究の良否が判断される可能性もあります。

研究方法では、「研究場所」「調査対象」「時期」「研究手法」といった項目をしっかり踏まえながら書き進めてください。

「研究場所」と「調査対象」では「何を調査対象とするか」具体的に考えます。もし、具体的に挙げることが難しければ、現時点で想定している範囲内で考えましょう。

「時期」では「研究期間がどれくらいになるのか」「修士課程あるいは博士課程の期間中に完了する研究なのか」といった見通しを記載してください。

「研究手法」を書くときは、実現可能な研究かどうか考えることが大切です。研究施設内に必要な実験器具や装置があるのか、実験材料や試料が入手できるのかどうかも含めて記載しましょう。

5:予想できる結果を書く

研究計画書には、どのような結果を得られるか予想を書いておきましょう。研究を進める上で、どのような成果を得られるのか示すことは大切です。

ただし、予想できる結果はあくまでも予想になるため、必ずしも確約は求められないでしょう。

6:研究の特色について書く

研究の特色では、自身の研究がどの程度独自性があるか、先行研究とどう違うのかといった特徴をしっかり主張しましょう。

研究を実施するメリットや意義、社会的な影響やインパクト、先行研究との共通点や相違点など、大学院にアピールすることが大切です。

7:引用や参考文献について書く

研究計画書の最後に引用や参考文献を記載しましょう。たとえば、引用文献の場合、著者名・出版年月日・論文名・雑誌名・巻数・号数あるいは通巻・該当ページを書いてください。

なお、大学院によってはフォーマットを指定される場合があるため注意が必要です。

研究計画書ができたら提出する前にやっておくべきこと

研究計画書が完成したら、誰かに第三者目線でチェックしてもらいましょう。

できれば、専門外の人や身近な人に読んでもらってください。研究分野に詳しくない人でも理解できるかどうか、興味を持ってもらえるかどうかがチェックできるでしょう。併せて、誤字や脱字がないか、構成に矛盾がないかどうかも確認してください。

第三者目線で確認してもらえれば僅かなミスを防げます。チェック後に必要があれば、研究計画書を修正しましょう。当然ですが、自身でも研究計画書を確認してください。

大学院に敬遠されがちな研究計画書の特徴

大学院が敬遠する研究計画書にはどのような特徴があるのでしょうか。おもな特徴は下記の通りとなるため、参考にしてください。

研究計画書の中には、具体的な研究方法が書かれていなかったり、わざわざ大学院で研究する必要がなかったりするようなものがあります。大学院から指摘を受けないよう「敬遠されがちな研究計画書の特徴」を理解しておきましょう。

  • 研究内容に具体性がない
  • 調査方法や研究内容について具体的に書かれていない

研究内容に具体性がない

研究内容に具体性がない研究計画書は、大学院から敬遠されるでしょう。たとえば「持続可能な社会作りに関心がある」といった曖昧なビジョンを掲げた研究計画書が挙げられます。

あるいは、実社会の課題解決を掲げる研究計画書も敬遠されます。なぜなら、大学院で研究するよりも企業や自治体で働きながら解決することが望ましいからです。

大学院はあくまでも教育と研究をおこなう場所です。そのことを念頭に置きながら研究計画書を作成しましょう。

調査方法や研究内容について具体的に書かれていない

具体的な調査方法や研究内容が書かれていない研究計画書も大学院から避けられるでしょう。単に「調査する」あるいは「研究する」と書かれているだけでは、どのようなプロセスで研究しようとしているのかが理解できません。

面接で「具体的にどのような方法で研究するのですか」と質問されて答えられなければ、大学院に合格することはかなり厳しいでしょう。

研究計画書を作成するときは、具体的な調査方法や研究内容を示しているかどうか注意してください。

研究計画書の書き方を理解しよう

研究計画書を書く前に、基本的な書き方を理解しておきましょう。ただし、大学院によって既定のフォーマットが用意されている場合もあるため、確認してください。

研究計画書は単なる知識の羅列ではなく、自身が取り組みたい研究テーマや目的、研究方法などをアピールする応募書類です。簡単に作成できるものではなく、しっかりと準備した上で論理的に書くことが大切です。

合格に近づける研究計画書を作成するためにも、研究内容や目的、研究方法を明確にし、基本的な書き方をマスターする必要があります。専門家や指導教官のアドバイスや指導、第三者の意見なども参考にしながら取り組みましょう。

この記事を友達におしえる!

LINEで送る ツイートする シェアする URLをコピーする

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます