大学の学部が決まらない!理系学部の特徴や選び方などを徹底解説!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

大学進学を考えるとき、何を見据えて学部を決めるべきか迷ってしまい、なかなか決められないという人も多いですよね。

さらに大学進学だけでなく、その先の就職まで考えると大学の学部選びはとても重要です。

そこで、今回は理系大学における主な学部の紹介から学部選びのコツについて解説します。

また、学部紹介ではそれぞれの学部がどんな先行研究をして、どのような就職先に有利であるのかもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

理系の学部や卒業後の進路などについては、こちらの記事でご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

【理系学部はどうやって選ぶ?】理系の主な5学部を解説

理系の人が選ぶ主な学部は5つあります。

それは、工学部 ・理学部 ・農学部・理工学部・情報学部です。

いずれも理系の学部ですが、それぞれ身につける知識や研究内容がまったく異なります。

したがって、自分が今後知識を深めたい分野なのかどうかも判断基準になってくるでしょう。

工学部

工学部は日常で使っているモノのシステム基盤を作るために必要な技術や知識を身につけることができます。

たとえば、多くの人が使っているスマートフォンです。

スマートフォンは電話ができるだけでなく、さまざまなアプリケーションをインストールして自分好みのデザインにカスタマイズすることができます。

このような仕組みもすべて高度なプログラミング技術が使われています。

つまり、工学部では多くの人が便利かつ簡単にいろいろな機器が使えるようにプログラミングまたはデザインする技術と知識を学ぶことができるのです。

就職先

工学部の主な就職先は以下の通りです。

・自動車や輸送機械メーカー
企業例:トヨタ、ホンダ

・電気機械メーカー
企業例:パナソニック

・エネルギー技術関連
企業例:JFEホールディングス、日本製鉄

研究例

工学部における先行研究としては、半導体プロセスの研究と5Gネットワークの開発です。

特に半導体は、今やパソコンやスマートフォンをはじめさまざまなIT機器に使われています。

そのため、東京工業大学など工学部に力を入れている大学では、より最先端の研究が行われているのです。

また、ここ数年で普及し始めた5Gネットワークの開発および整備も工学部での知識が多く使われています。

さらに5Gネットワークは、自動運転やさまざまな技術を支えるためのシステム基盤でもあるので、これからもっと需要が出てくる分野とも言えるでしょう。

このように工学部で行われている先行研究は、より私たちの生活に密接したシステムを開発研究している点が特徴です。

どんな人が向いている?

工学部への進学は、物事を論理的に考えることが好きな人やシステムの設計や製図を行うことが得意な人が向いているでしょう。

先ほども述べたように工学部で学べる知識や技術は、人々の生活により密接したモノのシステム基盤を設計などで活用されます。

つまり、目先の知識や技術だけでなく実用的な方法に応用できる力も必要となってくるのです。

ちなみに、工学部で学んだことは知識や技術はどの理系学部と比べても実用的なことばかりなので、やりがいはとても感じられるでしょう。

理学部

理学部は、さまざまな自然現象を理論的に解明および証明し、自然科学について探究していく学部です。

先ほどご紹介した工学部では、人々が日常的に使う機器などにフォーカスしていましたが、理学部で学ぶ知識や研究は地球環境や宇宙などマクロな視点を重視します。

たとえば、薬を開発するときは対象となるウイルスの特性や性質を解明し、その結果に基づいて抗ウイルス薬を製造するのです。

このように自然界にある現象や物の性質を解明して、社会に貢献することの知識を学ぶことができます。

就職先

理学部の主な就職先は以下の通りです。

・研究開発職
・品質管理職
・教員

理学部で身につけられる知識や技術は、工学部や農学部などほかの理系学部と比べでもすぐに実用化できるものよりも、長い期間研究することを多いので研究職が向いています。

研究例

理学部における先行研究は、東京大学などで行われている「電子スピン」の研究です。

中学や高校の理科で習う電子の回転運動を科学的に証明することで、電子という自然界にあるものから新たなエネルギーを取り出せる可能性が研究されています。

このように一見エネルギー開発と関係なさそうな「電子」という物質に着目して、性質や原理を詳しく研究することによって、実用的な方法に応用できないかを考えるのが理学部における研究です。

イメージとしては、現象の原理や新しい視点によるアプローチ方法を解明および証明するのが理学部で、解明された原理やアプローチ方法を実用化できるようにシステムを構築するのが工学部での知識や技術ということになります。

どんな人が向いている?

先述の通り、理学部は工学部や農学部などの学部と比べると自然現象の解明など基礎研究と言われるものが多いです。

そのため、すべての現象に対して原理の段階から携わり、結果的にものづくりへ関わっていきたい人に向いているでしょう。

また、理学部での研究は現象の解明からスタートすることが多いので、必ずしもすべてが社会に直接貢献できるものばかりではありません。

つまり、根気強く研究できる探究心とさまざまな視点からアプローチする好奇心が必要となるのが特徴でもあります。

農学部

農学部は、微生物から植物、動物など自然界に存在する生物全般を研究対象とする学部です。

農学部と聞くと農業をイメージする人が多いですが、食に関する研究だけでなく微生物や動植物など人間に関わるすべての生物を研究するのが大きな特徴になります。

また、生物そのものの生態系や性質への理解を深めたうえで、分子レベルや材料レベルなどさらに細かい部分まで科学を応用していくことが求められる分野なのです。

就職先

農学部の主な就職先は以下の通りです。

・食品メーカー
・化粧品会社

農学部で身につける知識は、食品や化粧品など人々の健康に関わる仕事が向いています。

たとえば、食品メーカーでは冷凍食品の開発や調味料開発、加工食品開発などさまざまです。

また、バイオサイエンスなどの生物化学を学べば化粧品や製薬会社に就職することも可能でしょう。

特に健康志向が高まりつつある現在では、農学部で身につく知識や技術はとても重宝されるものになります。

研究例

農学部における主な先行研究は、食物の品種改良やメカニズムの解明が多いです。

たとえば、イネの遺伝子などを解析してメカニズムを解明する研究やカイコ遺伝子の解明などがあります。

このように身近に存在する植物や動物のメカニズムなどを解明することで、より効率的な食品開発や改良を行うことができるのです。

つまり、先ほどの述べたように農学部では動植物の生態やメカニズムを研究することで、私たち人間が関わる食や環境をより良くできないかを模索することが大きなテーマになります。

どんな人が向いている?

農学部で学べることは私たち人間も含めた生物すべてに関わる学問なので、生き物や環境に興味を持っている人はとても向いている学部でしょう。

特に農学部での知識や技術、倫理観などは社会に出てからも非常に重要なものばかりで、大学で研究していたテーマがそのまま活かせることも多々あります。

また、人々の生活をより豊かにするためにさまざまな方法を探ってみたい、たくさんの生物の生態を研究してみたいと思っている方にとっては、とてもやりがいのある学部です。

理工学部

理工学部はその名前の通り、理学と工学のどちらも学ぶことが可能です。

理学とは俗にいう理系の教科に関わる分野です。

数学や物理化学によって、自然界の事象を研究していきます。

工学とは理学と比べて応用的、実用的な研究を行うことが主です。

理工学部はそれらの知識を活かして、まず理学によって仮説を立てて研究し、それを工学的手法によって証明するのが主な目的です。

ただし、大学によっては学生が理学か工学のどちらかを選択し、集中的に学ぶパターンもあります。

講義の内容も理学に特化していたり、工学に特化していたり、さまざまな大学があるので、自分の学びたいことに合わせて選択するのが良いでしょう。

就職先

理工学部の就職先として多いのは、設計や開発・研究を行う職業です。

まず大学や企業の研究開発を行う職業、また理学研究や理数系教員などがあげられます。

そして自動車会社や飛行機の設計・開発などの職業に就くパターンも見受けられます。

理工学を専門的に学んだ人を積極的に採用する企業も多く、情報通信、製薬会社なども理工学部出身者が就職する選択肢の1つです。

大学で学んだ理学や工学を実際に仕事に活かせる職場では、専門的知識のある人材として優遇されるでしょう。

研究例

理工学部の研究例は、金属の材料強化を目的とした、新たな加工法の開発です。

理学によって得た基礎的な科学知識を用いて、工学として実用的な金属加工法を生み出します。

このような研究は、自動車会社や製鉄会社など、さまざまなところで活かされる可能性があります。

また実際に、大学側から研究例としてあげられているものから紹介できるのは、金属タンパク質構造と機能に関する生命科学的研究です。

これも理学の知識をベースに、科学の手法によって、その仕組みを解明するための研究をしています。

このような研究は、製薬会社や化粧品メーカーなどで活かされるパターンが多いです。

理工学は、生活のさまざまな場面で活かされていることがわかります。

どんな人が向いている?

理工学部に向いている人は、物事を深く追及してその原理の研究をするのが好きな人や、自然界の事象や科学的事象を証明したい人に向いていると言えます。

また数学や物理、化学を主として取り扱うので、理数系の科目が得意な方は向いているでしょう。

理工学部は先述した通り、理学は自然現象を研究し、その成り立ちを証明するのが目的です。

そして工学は、理学によって発見された理論を、人々の生活に実用的な利用法がないか研究し、そしてその技術者の育成を目的としています。

これらのポイントから理数系の勉学が得意で、物事を追求して原理の解明をするのが好きな人は向いていると言えます

情報学部

情報学部はその性質から、理系だけではなく文系の分野も取り扱います

社会の中で流れる情報の仕組みや流れ、その役割を学びます。

私たちの生活の中で取り扱う情報に関する領域は、すべて情報学です。

情報についてを主として取り扱う学部であるため、情報の始まりからそれの伝達、利用目的まで幅広い領域を取り扱います。

現代では情報のあり方が多様化しており、情報学部もそれに合わせて進化を続けています。

大学によって、学べる情報学の特徴が異なるため、進路を選択する際は自分に合った学部を探すよう心がけましょう。

就職先

就職先としては、やはりIT業界が主です。

社会の中で主に情報学を取り扱うのはIT業界ですが、それに関わったあらゆる業界も就職先として選ばれています。

プログラマーやシステムエンジニアをはじめとして、AIの開発者や新たなシステムを生み出す開発研究職に就く人もいます。

現代はインターネットが普及し、情報学を専門に取り扱う人材の需要も高まっているため、探せば探すほどさまざまな就職先が見つかるでしょう。

就活の際は情報学を学んでいるとアピールし、特に専門的なスキルや知識を持っているのであれば、それを活かさない手はありません。

研究例

情報学を取り扱う人は、情報を収集し、それをどのように社会に活かしていくかを研究します。

情報は無数に存在しますが、それをただ集めるだけではなんの役にも立ちません。

集めた情報を加工して、社会の役に立てます。

たとえば、町の人口のうち、年齢による比率を示したデータがあるとします。

現代では、高齢化が目立つデータである可能性は高いでしょう。

そのままではただのデータでしかありませんが、過去のデータや他の市町村のデータと比較したり、将来の動向を予測したりして対策を考えます。

このように、ただ情報を取り扱うのではなく、自身の発想でそのデータをどのように活かすのか考えたうえで分析し、社会の役に立てていくような研究を行っているのです。

【理系学部はどうやって選ぶ?】学部を決めるヒント

各学部における特徴や就職先がわかったところで、次は実際に理系学部を選ぶときに大切な考え方について解説します。

冒頭でも述べましたが、大学の学部を選ぶことは今後の就職先や将来を見据えるためにとても重要な分岐になるので十分に考慮したうえで決定しましょう。

名前のイメージだけで決めない

理系学部を選ぶうえでまず気をつけていただきたいのが、学部の名前やイメージだけで進学を決めないという点です。

よく大学進学した後に「思っていた内容と違う」や「まったく興味のない研究テーマばかり」と後悔する大学生がたくさんいます。

たとえば、農学部という名前から農業についての知識や技術だけを学べると考えるのはとても危険です。

もちろん農業についての知識も学ぶことができますが、環境や生物の生態系、これまでの進化の過程など幅広い分野を扱うことになります。

したがって、学部を選ぶときはより詳しくその学部学科について調べていくことが大切です。

研究内容から考える

ある程度、進学したい学部まで絞り込めているのであればそれぞれの学部で行っている研究内容から考えるのも良いでしょう。

なぜなら、学部名は同じでも大学によって扱っている研究テーマや設備が異なるからです。

たとえば、地方にある大学のキャンパスの場合、所有している敷地が広いため大学独自の研究機関や農地などが併設されていることもあります。

一方で、東京大学や京都大学のように最難関レベルの大学になると最先端の研究施設が整っていたりと、大学のレベルや取り巻く環境によって研究している内容が異なるということです。

つまり、各大学の学部で行っている研究内容と大学がある環境なども考慮することで、自分にあった学部学科を選ぶことができます。

逆算して考える

理系の学部はその専門性から、ある程度将来の進路が絞られているパターンも多いです。

医学系の研究を主としている理工学部の場合は、製薬会社などの就職先が多く、情報学部であればおよそIT系の進路になります。

そのような特徴を知っておき、自分が将来どのような仕事に就きたいのかを逆算して考えておきましょう。

学部を決める際は、今現在自分が学びたいと思っている学問を選ぶのはもちろんですが、将来の進路も逆算して考えておくことで、より良い選択ができるでしょう。

それによって、将来就職先を考える際にもそれほど悩まずに進路選択をできる可能性が高いです。

学部を決める際にはぜひ将来のビジョンについて逆算をし、学部選びのヒントにしてみましょう。

【理系学部はどうやって選ぶ?】それでも決まらない人は?

学部も研究したい内容も決まらないという人は、入学してから専攻を決められる大学を選ぶと良いでしょう。

もちろん受験する段階で、それなりに専攻する分野を決めることも重要ですがどうしても決まらない場合は、以下の大学を選択肢に入れてみてください。

東京大学

日本トップクラスの大学の一つである東京大学では、進振り制度というシステムがあります。

この進振り制度では、入学時に自分のやりたいことを絞るのではなく、3年生の時点で専攻を決めることができるのです。

つまり、1,2年生のときに幅広い分野を学習し、3年生になって専攻を決めるという流れになります。

北海道大学

北海道大学では、入試制度に「総合入試」という試験を導入しています。

そのため、他の大学では理学部や工学部、農学部のようにある程度絞りが必要ですが、北海道大学では文系・理系というもっと大きな括りで入学することが可能です。

したがって、1年間教養科目や基礎科目を学んだ後に本人の志望と成績に基づいて学部・学科に移行することができます。

筑波大学

筑波大学では、入学後にそれぞれの学問分野を俯瞰しながら専門を定め、自分のキャリアを主体的に決めることのできる総合選抜があります。

この総合選抜によって、学群や額類の枠を越えて自身のキャリアを見据えた勉強をすることが可能です。

まとめ

今回は理系学部の主な3学部における特徴と研究内容、就職先についてご紹介しました。

学部を決めるときは、名前やイメージだけで判断せず研究内容や大学のオープンキャンパスなどに参加してから決めるようにしましょう。

大学進学は、高校進学に比べて就職先など将来に直結する選択になります。

自分はどの学部に向いているかなど、十分に分析したうえで決めるようにしましょう。

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