HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
大学3年生になると、そろそろ配属される研究室を決める必要が出てきます。
ブラックな研究室や評判の悪い研究室ではなく、できるだけ就活に有利な研究室に入りたいと考えている方も多いのではないのでしょうか。
特に理系の学生は、研究内容が仕事に直結している場合が多くあります。
文系に比べると、より研究室と就活が結びついている可能性も高くなり、研究室選びがますます重要となってくるのです。
今回は、理系生の就活に研究室選びがどのように関わってくるのかについて、詳しく説明します。
【理系研究室と就職の関係は?】理系研究室で就職は有利になる!
理系の研究室に配属されれば、就職で有利に働くのは事実です。
なぜなら、研究や開発などの仕事は理系学部の卒業をエントリーの条件としているところも多いからです。
一方で、文系学生に人気の営業やコンサル、広告などの職種は全学生を対象にしており、理系の学生でもエントリーできます。
理系の研究室では、より専門的な知識や技能を学べ、それらを直接活かせる仕事が数多くあります。
将来の給与所得も、理系出身者と文系出身者を比べると理系出身者の方が平均年収も高い、というデータもあるほどです。
ここでは、実際の就活に関するデータを見ながらそれらをさらに詳しく解説します。
ES提出数は文系より平均5社少ない!
就活時に欠かせないエントリーシート(ES)ですが、このESを提出する数が文系より平均して5社少ないというデータがあります。
全学生平均のES提出数は10本程度といわれています。
そんな中、理系学生の提出数は7.5社が平均だというデータもあるのです。
その理由は学校推薦や教授推薦を利用して就活をする学生が多いこともあげられます。
ほかにも、自由応募でESを提出し、選考中に推薦状を提出する後付け推薦も行われています。
理系の専門的な知識をもつ学生へのニーズが高いことも理由の1つといえるでしょう。
一方で、文系学生のES提出数は平均12.6社です。
中でも私立文系の学生は平均14.2社にエントリーをしています。
このように、理系は文系よりもES提出数が少なく、より内定をもらいやすいという傾向にあることがわかります。
就職率は98%!
理系研究室を出た学生の就職率は98%と、非常に高い数字となっているのです。
この背景には、圧倒的な理系の人材不足があります。
ただでさえ少子化の影響ですべての職種で労働力不足が問題となっています。
特にIT業界では2030年には50万人以上もの人材不足という状態になると予測されているのです。
このように、IT分野が急速に発展している中、どの業界でも技術者が不足していることから、専門知識をもった理系研究室の学生へのニーズが高まっているのです。
【理系研究室と就職の関係は?】院卒の方が有利になる!
理系の場合であれば、大学院を卒業すると就活ではより有利になるといわれています。
なぜならより専門性を高めれば、市場価値が高まるからです。
大企業の研究開発職などでは、理系の院卒を条件として求人募集をしているところもあるほどです。
このように、大学院でより専門的な知識や技術を深めることで、自分の研究分野と関連の深い業界や企業への内定につながる可能性が高くなります。
そのことから、理系学生の大学院への進学率はとても高くなっているのが現状で、理学部・工学部の学生の約4割が大学院へ進学していいるのです。
一方で文系学生の大学院への進学率は5%程度となっており、その差は明らかです。
【理系研究室と就職の関係は?】なぜ理系研究室は就職に有利なの?
理系の学生は、文系の学生に比べると就職活動を有利に進められるいわれています。
たとえば、有名企業のメーカーの場合、理系から300人、文系50人などの割合で採用をしている場合もあるのです。
さらに、理系の学生は学生全体の2割程度しかいないため、そもそもの競争相手が少ないという特徴もあります。
ここでは、さらに詳しく理系が就職に有利といわれている理由について解説しましょう。
専門知識が身につくから
理系の研究室では、1年間特定分野の研究をするため、高い専門性が身につきます。
それらの知識に関する技術を取り扱っている企業にとってみれば、まさに即戦力となる人材であり市場価値が高まるのです。
また、研究内容が企業の取り扱う技術と直結していなくとも、ある程度周辺分野の知識をもっているのは大きなメリットとなります。
基礎的な数学や物理の知識をもっていることも、大きなアピールポイントになる場合が多いでしょう。
このように、理系の研究室では、そのまま仕事に結びつくような専門的知識を学べます。
そのまま仕事にしてもよいと思えるほど、自分に興味のある研究ができる研究室を選ぶことが大切だといえるでしょう。
人材が不足している
上記でも述べたように、理系生は圧倒的に数が少ないため、人材が不足しているという背景もあります。
特に、IT化が進む現在では、身の回りのあるありとあらゆるものがインターネットでつながっています。
そのため、どのような分野にも、それに関わるエンジニアが必要なのです。
経済産業省の調査では、特に人工知能に関する分野に関する求人の割合も大きく伸びていることがわかっています。
ほかにも、統計・オペレーションズ・リサーチ、Webコンピューティング、数学に関する求人数も増えている傾向にあります。
さらに、将来的に人材が不足するだろうと予想されているのは、機械工学、電力、通信・ネットワークに関する技術者です。
このように、IT化社会へ移り変わっていくと同時に、理系の知識をもった技術者不足が問題となっています。
論理的思考能力をもっている
理系の研究室は、文系の研究室に比べると負担が大きいことで知られています。
実験や研究、レポートに追われて忙しいという学生も多いのでないのでしょうか。
しかし実験を繰り返し、なぜダメなのかを考える過程で論理的思考力が伸び、それらが就活においても大きなアピールポイントになるのです。
また理系の研究室では、文献調査、分析、資料の作成、機器の操作、論文の作成・発表などの研究における基礎的なことを一通り学べます。
この経験は、研究職として就職したいという際に有利に働くことは間違いありません。
このように研究室での経験は、就活の自己アピールに必ず活かせます。
【理系研究室と就職の関係は?】就職に有利な研究室はあるの?
どんな分野の研究室であれ、基本的に理系生は就職しやすい状況にあります。
しかしそんな中でも、各大学の研究室によって就職のしやすさは変わってくるといえるでしょう。
また、学部卒で就職する場合には研究室に在籍する期間は1年間ですが、万が一博士課程まで進学した場合には6年間在籍することになる可能性もあります。
入ってから後悔をしないためにも、慎重に選ぶことが大切です。
ここでは、のために、2つのポイントを紹介します。
過去の就職実態を調べるべき
研究室の教授によって、就職しやすさが変わってくる傾向にあります。
というのも理系の研究室は、さまざまな企業と共同研究をしていることも多く、企業との直接のつながりがあるためです。
また教授が企業とつがっている場合にも、教授推薦を利用して就職できる可能性が考えられます。
教授推薦では面接なしで採用につながる場合もあります。
特に面接が極端に苦手で就活が心配だという学生は、このように企業とのつながりがある教授の研究室に進むのがおすすめです。
また各研究室では、OBの就活に関する情報が残されています。
中にはESや面接の質問集が残されている場合も多く、必ず就活の役に立つはずです。
このように、その研究室から先輩たちがどのような企業に就職しているのかを事前に調べておく必要があります。
研究室とは無関係な学校推薦もある
教授推薦のほかにも、学校推薦で就職するという方法もあります。
学校推薦とは、学校、もしくは学科や学部にきた求人の中から企業を選び、推薦状とともにエントリーするというシステムです。
自由応募と比べると、内定率が高いことで知られています。
しかし、人気の企業であれば学部や学科、研究室内での事前選考が行われるため、大学の成績は大きく関わってくる可能性があります。
これらの学校推薦を利用したいという場合は、大学の就職課や所属している研究室の教授に早くから確認しておくようにしましょう。
このように、研究室と無関係で、就活を有利に運べるのが学校推薦です。
所属した研究室の教授が、推薦枠をもっていない場合には、これらの学校推薦を利用するのも1つの方法です。
【理系研究室と就職の関係は?】研究室配属後の就職先の見つけ方
実際に研究室に配属されたのち、どのようにして就職先を見つけるのでしょうか。
ここでは、定番のOB訪問をする方法、学内に届いた求人から探す方法、さらに専門のエージェントを利用する方法という3つをご紹介します。
これらをうまく組み合わせて、自分の興味のある業界や向いている職種を選んでみましょう。
研究室のOB訪問
就職先の企業について情報を得るためには、研究室の先輩OB・OGにアポイントを取って話を聞いてみるのがよいでしょう。
同じようなテーマの研究をしていた先輩が、それらを活かしてどのような仕事をしているのかがわかります。
OB・OGならではの距離感から、会社の雰囲気や就活の際のアドバイスなども気軽に相談できるはずです。
また、理系の研究室であればリクルーター制度と呼ばれるシステムが活用できる可能性もあります。
これは、企業の担当者が大学の研究室を訪れ優秀な学生とコンタクトを取るシステムです。
リクルーターは、同じ研究室や学科の若手OBが担当することも多いため、そういった機会を利用するのも1つの方法です。
学校内、学科内の求人
学校内や学科内には、大学に直接企業から届いた求人が公開されている場合も多くあります。
特にレベルの高い大学や、専門性の高い学科であれば、関連企業からの求人が多く見つかることでしょう。
これらの求人は、大学のキャリアセンターで探せます。
一般的な外部の就活情報サイトなどには載っていないような限定求人もたくさんあるため、ぜひ1度目を通しておきましょう。
また、キャリアセンター主催の学内合同企業説明会を実施している場合も多く、より身近で企業の担当者やOBの話を聞く機会があります。
さらにキャリアセンターでは求人情報の紹介だけでなく、ESの添削や模擬面接などの支援をしているためぜひ有効活用してみましょう。
エージェントの利用
理系学生を専門としている就活エージェントを利用するのも、効率よく就職先を見つける方法の1つです。
就活のプロともいえるアドバイザーが、ヒアリングをもとに自分にあった企業を紹介してくれます。
さらに、面談アドバイスや面接対策などもしっかりサポートしてくれるため、安心して就活ができます。
また、内定後もしっかりとフォローをしてもらえ、入社まで心強いパートナーとなってくれることでしょう。
選考や研究室で研究している内容をもとに、どのような業界や職種の求人があるかどうか、キャリアパスはどういったものがあるのかなどを気軽に検索できます。
簡単に登録ができるため、プロのアドバイスを取り入れて就活を進めたいという方は、一度相談をしてみてはいかがでしょうか。
【理系研究室と就職の関係は?】まとめ
今回は、理系の研究室と就職の関係にスポットをあてて、その就職率や就職先の探し方などをご紹介しました。
理系の研究室は、大手企業やベンチャー企業などと共同で研究を行うことも多く、より専門的な研究ができます。
研究内容がその後の就活に直接影響を与える可能性も少なくないため、少しでも自分の興味のある分野や研究に近い研究室を選ぶことが大切です。
この記事を参考に、就活を見据えた研究室の選択をしてください。