HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
理系の学部がある大学といっても、日本国内にはさまざまな選択肢があります。
学習院大学もその1つですが、学習院大学の理系学部とは、どのようなところなのでしょうか。
この記事では、学習院大学の理系学部について、含まれる学科や環境、ほかの大学との違いなどについて解説しています。
また、入試の際によく出る範囲についても紹介しているため、試験対策に役立てることも可能です。
学習院大学への進学を検討している人は、ぜひ読んで参考にしてください。
【学習院大学の理系ってどうなの?】学部
学習院大学は、1847年に開講された「学習院」を源流とする歴史ある大学です。
現在は、東京に籍を置く私立大学の1つとして学生の教育に力を注いでおり、単独のキャンパス内に5学部17学科が存在し、そのうち理系の学部は理学部1つだけです。
理学部は、さらに物理学科・数学科・化学科・生命科学科の4学科によって構成されています。
各学部の人数も少数に抑えられているため、集中して学習に取り組める環境が魅力です。
理学部全体を始めとして、それぞれの学科の特色について見ていきましょう。
理学部
理学部は「勉強から創造へ」をモットーに実践的な学習に取り組んでいる、学習院大学唯一の理系学部です。
1学年の定員は210名で、教員は教授と助教授をあわせて65名になります。
科学技術の基礎を支える物事の根本への理解を深めつつ、研究や実践的な学習を中心に、単なる教科書のおさらい以上に、応用が利く学習を目指している学部です。
所属している教員は各分野のエキスパートであり、それぞれの研究について間近で学ぶため、質の高い学習ができます。
物理学科
物理学科は、原子や素粒子・物質や分子といったミクロの世界や、それによって構成されている宇宙に関する内容までの幅広い分野の研究を行っている学科です。
同規模の私立大学の中では、学習院大学における物理学分野の研究は抜きん出て盛んに行われています。
そのため、その分野をリードする研究者と共に学びを深めることが可能です。
「物理のプロとして世界に接する態度を学ぶ」というキャッチコピーのもとに、ただ与えられた問題に対して、公式を使って解くだけに留まったり教科書通りの実験で済ませたりすることなく、その一歩先の学習を行います。
物理学の視点から自分自身の力で世界を見てみる、研究を行ってみるというプログラムになっており、より理解を深められるのが特徴です。
数学科
数学について基礎からしっかり学び、研究に取り組むのが学習院大学の数学科です。
さらには、単なる計算技術の獲得では終わらせず、現代的かつ創造的な理論の構築と研究の推進を目指しています。
1・2年次の間に基礎を学んだうえで、3年次からは豊富な選択科目の中から学びたい分野を選ぶことが可能です。
また、変数を計算に組み込んだ数式処理ソフトを用いての研究が行われています。
このソフトは学習院大学キャンパス内のコンピュータであればどこでも利用できるため、手軽に数学について考えることができるほか、数学科の学生であれば自宅でも同じソフトを使用でき、大変便利です。
物質的な研究対象がある学問ではない分、研究者間の対話を大切にしており、それが学生にも適用されています。
したがって、学生同士の共同研究も盛んに行われており、海外とも活発に提携している学科です。
化学科
自然界に存在する現象をはじめ、暮らしの中に用いられている技術など、幅広い分野について化学的見地から研究するのが化学科です。
基礎から応用に至るまで、最先端の研究を行っています。
一口に化学と言っても、その内容はさまざまです。
分子の構造や性質・新素材の開発・地球や環境への影響など、興味深い分野は尽きません。
化学科には、それらの各分野におけるエキスパートが教員として在籍しています。
また、1学年50名という少数の学生に対し、教員は18名と数が多いです。
そのため、少人数体制で手厚い学びのサポートが得られ、じっくりと学習を深められます。
海外との共同研究を行っている研究室も多く、国際色が豊かなのも特徴の1つです。
生命科学科
分子から個体、微生物から動植物に至るまで、幅広い生命の本質的な部分から、医薬や創薬などへ貢献する生命科学に関する研究を行うのが生命科学科です。
その社会的な役割の可能性から、関心と期待が高まっている分野でもあります。
研究室の数は7つと規模は小さいながら、最新の研究施設を備えている点は魅力的です。
発生・再生・遺伝・進化・老化・蛋白質構造・神経など、生命科学におけるさまざまな謎の解明を目指しています。
それぞれの分野において、世界で活躍するトップレベルの教授たちが在籍しており、動物科学・植物科学・免疫生物学といったさまざまな学問を学ぶことが可能です。
実践主体の学びであり、他学部生との議論を交えながら最先端の研究施設を使って研究を行います。
【学習院大学の理系ってどうなの?】キャンパス
学習院大学のキャンパスは1つだけです。
東京都豊島区にある目白キャンパスに、5つの学部がすべて組み込まれています。
研究施設などの兼ね合いもあり、ほかの大学においては理系と文系の学生が同じキャンパスに通うのは珍しいです。
大学図書館や、コンピュータを利用できる計算機センターといった学習のための施設はもちろん、トレーニングルームや学生食堂・書店・売店に至るまで、学生生活を充実させるために十分な設備が整えられています。
また、アクセス面でも大変通いやすいのが特徴です。
JR山手線の沿線にあり、目白駅から徒歩で約30秒という近場にあります。
池袋駅まで1駅、新宿駅まで3駅と、交通面でかなり利便性が高いというのも魅力の1つでしょう。
【学習院大学の理系ってどうなの?】大学院進学率
大学に入ったあとの将来設計において、大学院への進学を考えている人も少なくはないでしょう。
特定の分野における学びをさらに深めて研究者としての道を志すために、あるいは就職活動においてより有利な条件を引き出すために、大学院への進学は重要です。
学習院大学理学部の公式サイトによると、過去3年間で大学院へ進学した学部生の割合は、数学科で9%・物理学科で38%・化学科で54%・生命科学科で37%となっています。
これは、MARCHの理系と比べても高い数値です。
少数体制でじっくり学習に取り組むことで、専門性の高い知識を身につけた意欲の高い学生が育つからこその実績であるとも言えるでしょう。
学習院大学の理学部は、大学院に進学しやすい学部であると考えられます。
【学習院大学の理系ってどうなの?】主な就職先
大学選びの際は、卒業生の主な就職先も気になるところです。
学習院大学理学部の卒業生は、どのような進路を歩んでいるのでしょうか。
どの企業に卒業生がいるのかわかれば、自分の就職活動の際にOB・OG訪問などでその情報を活用することもできます。
また、進路に合わせて学生生活の中でどのようなことに重点を置いて学んだら良いか、想像しやすくなるはずです。
学習院大学理学部の卒業生が、主にどのようなところへ就職しているのかを見ていきましょう。
情報・通信
主な就職先の1つとしてあげられるのが、情報・通信産業に関わる企業です。
学習院大学理学部の公式サイトによると、過去3年間で情報・通信分野の企業に就職した学生は、以下の通りです。
・数学科:31%・
物理学科:28%
・化学科:12%
・生命科学科:22%
情報処理や通信技術の発展のために、理系分野の知識が不可欠であることも少なからず関係しているでしょう。
また、生命科学の分野も人が使いやすい端末の開発などには、大きく寄与していると考えられます。
ITソリューションズやNTTドコモ・NTTデータといった有名な一流企業に就職している人も多いです。
情報・通信産業にどのような形で関わっていきたいかによって、進学する学部を検討してみましょう。
メーカー
次にあげられる就職先として、食料品や電子機器といったさまざまな業界のメーカーがあります。
学習院大学理学部公式サイトによると過去3年間に関連分野の企業に就職した学生は次の通りです。
・数学科:メーカーや建設で6%
・物理学科:メーカー・エレクトロニクスで14%
・化学科:科学・材料・医薬・食品と電気・機械とを合わせて16%
・生命科学科:メーカーと食品とを合わせて14%
こういった、さまざまなモノの開発・生産や流通には、多くの面で理系の知識が必要とされます。
学生生活の中で学んだことを活用しやすい分野であると言えるでしょう。
味の素冷凍食品・富士通・サントリーホールディングスといった、世間的にも有名な企業に就職している卒業生も多いです。
サービス
ほかにあげられる就職先としては、サービス産業があります。
学習院大学理学部の公式サイトによると、過去3年間にサービス関連の企業に就職した学生は以下の割合です。
・数学科:16%
・物理学科:8%
・科学科:16%
・生命科学科:10%
このサービス業の中には、金融業やインフラ関係が含まれる場合もあります。
理学部で培われる論理的な思考や、学生間で交わされるディスカッションの能力が活かされる業界だと言えるでしょう。
マイナビやアクセンチュアなどの有名企業に就職している人も多いです。
人と関わることが好きで、コミュニケーションを取りながら理学部で学んだことを活用したい人にとっては、最適な就職先となります。
将来的にどの業界に進みたいかによって、目指す学部を検討すると良いでしょう。
【学習院大学の理系ってどうなの?】他大学と比べての魅力
学習院大学の理学部が、研究において並々ならぬ熱意を注いでいることはわかりました。
それでは、ほかの大学と比べたときにどのような魅力があるのでしょうか。
学習院大学の魅力は、大きく分けて「私生活の充実」「整った学習環境」「手厚い就活サポート」の3つです。
これらは、入学から卒業までの4年間、そして大学院へ進学したあとも、学生生活を送るうえで大きく役に立ちます。
ほかの大学と比べ、学習院大学にどのような魅力があるのかそれぞれ見ていきましょう。
私生活が充実
学習院大学の魅力は、充実した私生活を送りやすいところです。
多くの場合、研究設備の兼ね合いや、学生の人数の関係で理系のキャンパスは文系とは別に設けられます。
学習院大学の場合、理系と文系が通うのは同じ目白キャンパスです。
そのため、授業やサークル活動などで文系の学部生と同じ環境で過ごせ、他学部の友達を作りやすいというメリットがあります。
また、交通の便が良いところにあるため、遊ぶ手段も豊富です。
サークル活動もさまざまな種類があるため、自分の興味のある分野に参加できます。
理学部の場合、課題は文系の学部よりは多いものの、多すぎるというほどでもありません。
メリハリのある生活ができるため、私生活の面でも楽しく過ごせるでしょう。
学習環境が整っている
学習院大学における魅力は、整った学習環境にもあります。
1学年ごとに限られた人数の学生しかいないため、少数での授業が多いです。
そのため、1年生のときから研究室での実験や研究に参加できます。
多くの場合、入学して1・2年は基礎的な教養の習得に当てられることが多いため、1年生から実践的な学習ができるという大学は少ないでしょう。
また、学生の人数が少ない分、他大学と比べて教授との距離が近いというのもメリットです。
各分野のエキスパートである教授に気軽に質問でき、ときに意見を交わすこともできる環境が整っています。
学生同士の共同研究や意見交換も盛んであるため、異なる学問分野の情報が手に入りやすいのも利点でしょう。
就活サポートが充実
学習院大学の魅力には、充実した就活サポートもあげられます。
理学部の学生の多くは大学院に進学しますが、そうでない学生ももちろん多いです。
そのため、学部や学科ごとの就活対策会のようなものも数回開かれ、大学として学生の就職活動をサポートしてくれます。
また共通のキャンパスであるため、理学部と比べて就職する学生の多い文系学部の学生とも交流でき、意見を交換することが可能です。
就職活動に関する情報交換も十分に行えるため、大学院に進学しない場合も過ごしやすく、就職活動がしやすい環境にあります。
生活面でも学習面でも、そして就職活動など将来設計の面でも大きなメリットを享受できるため、充実した学生生活を送れるでしょう。
入試
学習院大学の理学部への進学を検討するうえで、気になるのが入試の方法や受験科目とその範囲です。
学習院大学の一般選抜は、コア試験とプラス試験の2つに分かれています。
コア試験とは、一般選抜のメイン試験です。
全学部全学科で実施されており、基本的に3科目を受験します。
プラス試験は、他学部のコア試験と同じ日にそのコア試験と同じ問題で選抜を受けられ、メインに対する保険のような形で入試を受けることが可能です。
理学部の場合は、どちらの入試においても英語・数学・物理・化学・生物といった科目が重視されます。
数学科であれば、コア試験では英語と数学を受け、プラス試験であれば英語と数学が必須でほかに物理と化学のどちらかを受ける選択制です。
物理学科であれば、コア試験とプラス試験共に英語・数学・物理の3科目を受験します。
化学科はコア入試のみの実施です。
科目は英語、数学が必須となっており、ほかに物理または化学を選択して受験します。
生物科学科は、コア試験とプラス試験どちらも英語・数学が必須です。
そのほかに、物理、化学、生物の3科目から1つ選んで受験します。
それでは、次に出題範囲について見ていきましょう。
英語
学習院大学の理学部を受けるうえで、基本的にどの学科でも必須なのが英語です。
受験における英語の難易度自体はそこまで高くありません。
しかし、海外との交流や提携が多い学科も多いため、基礎的な英語力が問われる試験になっています。
また、入学後に海外の論文などを読む際は英文が基本です。
そのため、基本的な単語や文法に加え、学科に関わる専門用語なども押さえておいたほうが良いでしょう。
長文の文章題は、毎年3題ほど出題されます。
そのうち、自然科学系の文章は必ず1題出題される傾向が強いです。
また、文法に関わる問題も豊富に出題されます。
基礎的な単語や専門用語の暗記・文法の理解・長文読解の練習など、幅広い分野の基礎をしっかり固めておきましょう。
数学
理学部を受けるにあたって、英語と同じく必須なのが数学です。
微分・積分を中心に、三角関数や確率など幅広い分野が問われます。
証明の問題もあるため、解答の見やすさやわかりやすさを工夫することが重要です。
数学を専門とする学科でも行われる試験である分、難易度は教科書の章末問題と同程度であるため、そこまで難しくはありません。
しかし、平易な出題が多い分、問題数も多いです。
一方で時間は限られているため、ゆっくり解いていると簡単に時間切れとなってしまいます。
そのため、素早く正確に解く力が試される科目です。
問題集を繰り返し解くなどして、なるべく早く解答する訓練をしておくのが良いでしょう。
基本的に理学部の学科の基礎となる分野であるため、この機会にしっかり理解しておくのが無難です。
物理
学習院大学理学部の入試における物理は、物理学科では必須であり、ほかの3学科では選択によって受ける科目です。
頻出なのは力学・電磁気・波動になります。
マークシート式の解答のみならず、計算や図を描く、論述の問題も出題されるのが特徴です。
大問は3題あり、上述の3分野に加えて熱力学が出題されることもあります。
例年出題される分野が類似している傾向にあるため、過去問をしっかり把握するのが重要です。
難易度もそこまで高くはないため、まずは教科書をしっかり読み込んで、基礎的な理解を深めましょう。
また、思考力が問われる問題も存在するため、多角的な視点から考えるくせをつけておくのがおすすめです。
応用問題も出されるため、基本の問題が解けるようになったら上の段階にもしっかり取り組んでおきましょう。
化学
学習院大学の理学部において、化学が必須の学科はありませんが、少なくとも化学科を受けるのであればこの科目で点数を取りたいところです。
範囲としては、理論・無機・有機の分野全般から出題されます。
記述問題や計算問題も出題されるうえ、大問に対し小問題が多いため限られた時間で、なるべく満遍なく解く練習が大切です。
基本問題を中心としていますが、出題範囲が幅広いため、化学分野の内容はヤマを張らずに、全体的にしっかり理解する必要があります。
化学式や化学反応式も頻出であるため、これらを正しく書けるようにしておくのも重要です。
公式を暗記する際に間違えて覚えてしまうと命取りになるため、正確に覚えているか、定期的に確認しながら学習を進めましょう。
生物
学習院大学の理学部において、受験で生物を受ける可能性があるのは生命科学科のみになります。
範囲としては、遺伝及び遺伝情報の分野が頻出です。
学科の内容に直結する分野であり、入試の内容が入学後に扱う範囲と近いこともあり、難易度は比較的高めに設定されています。
基礎的な知識はもちろん、応用や発展的な問題も出される傾向が高いです。
そのため、基礎をもとに発展的に考える練習をすることが大切になります。
生物の基礎的な範囲はしっかり読み込んで身につけ、そのうえで、過去問でどのような出題のされ方をしているのか確認するのが良いでしょう。
発展的な考え方というものがどういったものなのか、過去に出された例題を解くことで理解できるはずです。
まとめ
ここまで、学習院大学の理系学部である理学部について、学科の種類や特徴・キャンパスの位置や魅力・入試の範囲などについて解説してきました。
理学部は、大学院に進学する人も多く、専門的な知識を身につけ実践的な学問に挑戦するには最適な学部です。
就職先も有名な企業が多く、将来的に有望な学部でもあります。
他学部とも頻繁に交流ができるため、私生活の面でも充実した学生生活を送ることが可能です。
学習院大学理学部の特徴や魅力について理解し、入試に向けた準備をしましょう。