SEの適性検査の出題傾向と対策方法を紹介|「CAB」「玉手箱」についても解説

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

「SEを目指しているけど、適性検査に不安がある」 「就職活動でSEに興味を持ったが、自分が向いているのかわからない」 「適性検査の問題構成を知っておきたい」 このようにSE(システムエンジニア)として就職したいと考えている方には、多くの不安や疑問があるのではないでしょうか。

本記事では、SEの選考で行われる適性検査の概要と、対策方法について説明します。また、SEに向いている人の特徴も紹介します。

この記事を読むことで、SEの採用選考における適性検査について理解が深められ、適切な対策を行えるでしょう。さらに、自分がSEとしてマッチするのかも確認できます。

SEを目指して就職活動を行っている方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

SEの採用選考で適性検査を行う目的や内容は?

企業は、志望者にSEの適性があるか、社風に合うかを客観的に測るために適性検査を行います。

内容は能力検査と性格検査の2つです。能力検査では国語や数学を用いる検査、性格検査では質問文に対して当てはまっているかを回答する検査が行われます。性格検査は、思考力や知識を測る能力検査と異なり、パーソナリティを知るためのもので、事前の対策は必要ありません。

SEの適性検査の代表的な2形式とは

上記で適性検査を実施する目的について説明しました。

では実際にどのような形式のテストがあるのでしょうか。以下で2つの方式を紹介します。

また、SE職の採用過程で適性検査を行っている企業にも触れていきます。

Web方式の適性検査

Web方式の適性検査は、玉手箱やC-GAB、Web-CABなどがあります。

玉手箱は自宅で受検できるWebテストで、総合職の適性を測る検査です。C-GABは玉手箱形式の検査を、テストセンターで受検する検査を指します。また、Web-CABは、自宅で受検する適性検査で、SEやプログラマー等コンピューターを扱う職種の適性を測る検査です。

後述しますが、Web-CABは他の適性検査とは異なり、出題形式が独特なため、対策方法を確認しておく必要があるでしょう。

マークシート方式の適性検査

マークシート方式の適性検査は、CABやGAB、IMAGESなどです。

CABは、SEやプログラマーの適性を測ります。先述したWeb-CABと問題される科目は同じですが、Web方式の方が検査時間が短く、難易度が高いです。

GABは玉手箱と似たタイプの適性検査で、総合職の選考で用いられることが多いですが、SE職でも実施されることがあります。科目は言語理解、計数理解、パーソナリティの3つです。

IMAGESもGABと同様、玉手箱と似たタイプですが、基礎的な知識を短時間で発揮することが求められます。

SE職で適性検査を採用している企業を紹介

就職活動で適性検査と聞くとSPIが思い浮かびますが、CABや玉手箱を導入している企業は多くあります。

SPI以外の適性検査を導入している企業の一部を以下で紹介します。

・あおぞら銀行 ・オムロン ・旭化成、 ・アサヒビール ・味の素 ・アマゾンジャパン ・NTTコミュニケーションズ ・オリックス ・トランスコスモス ・富士通アドバンスエンジニアリング

SE適性検査の「CAB」とは

上記でWebで行う適性検査とマークシート方式で行う適性検査について説明しました。

以下では、「CAB」という適性検査について概要を紹介します。実際にどのような問題が出題されるのか把握しましょう。

問題構成と解答時間

上記で触れたように、CABはマークシート形式の「CAB」とWeb形式の「Web-CAB」に分かれています。一般的に、実施時間はマークシート形式が95分、Web方式が72分となっています。

また、マークシート形式の「CAB」では、暗算と法則性、命令票、暗号の問題が出題されます。一方、Web形式の「Web-CAB」では、「CAB」における暗算に代わって、四則演算が出題され、難易度が高いです。しかし「Web-CAB」を行う際は、電卓の使用が許可されています。

四則計算問題の特徴

四則計算問題は、難易度はあまり高くないものの、各問題に充てられる時間が非常に短いのが特徴です。

マークシート形式の「CAB」では暗算の問題が出題されます。回答方法は選択式です。そのため、問題式の数字を四捨五入して計算し、計算結果に一番近い数字を選ぶという解き方もあるでしょう。

一方、「Web-CAB」は四則逆算の問題が出題されます。電卓を使っていい分、難易度は高く、計算方法のひらめく力が重要です。1問あたりに充てられる時間は約10秒しかないため、処理方法を瞬時にひらめくことが求められます。

処理方法を思いつくようになるまで対策を行い、問題のパターンに慣れておく必要があるでしょう。

法則性問題の特徴

法則性問題は、5つの図形の中から法則性を見つけ、空欄に当てはまる図形を選択肢から選ぶ問題です。前半は簡単な問題が出題されるものの、後半になるにつれて、難易度が高くなります。よって、前半の問題に時間をかけずに解き進められることが重要でしょう。

法則性問題を初見で解くのは非常に難しいため、多くの問題に触れておく必要があります。

命令表問題の特徴

命令表問題は、命令記号の命令定義に従い図形を変化させていき、最終形態の図形を選択肢から選ぶ問題です。命令記号は10種類あり、混乱しやすいため、事前の対策が必須でしょう。

マークシート形式の場合、基本的に20分で50問を解かなければいけないので、1問あたり24秒しか充てられません。しかし、法則性問題と同様に、前半の問題は易しく、後半になるにつれて難しい問題が出題されます。

よって、前半の問題を24秒以内で解き、後半の問題に時間の余裕を残しておくことがポイントでしょう。

暗号問題の特徴

暗号問題は、複数の図形が矢印で結ばれている図の中で、各暗号の定義を読解していく問題です。命令の定義を解き明かしていくという、上記の命令表問題の逆の処理を行います。

暗号の内容は、図形の大きさや色、上下の向きなどを変える内容です。

初見では問題の意味すら理解できない可能性があるため、慣れるまで対策が必要でしょう。

Web方式の適性検査「玉手箱」とは

上記で「CAB」という適性検査について説明しました。

以下ではWeb方式で行われる「玉手箱」という適性検査を紹介します。問題形式と対策方法を知り、効率よく勉強しましょう。

問題構成と解答時間

出題されるのは、言語、計数、英語の3科目です。言語科目と計数科目は3種類に、英語科目は2科目に分かれています。

言語科目は、論理的読解15分、趣旨判定10分、趣旨把握12分とされています。計数科目は四則逆算20分、図表の読み取り15分、表の空欄の推測20分で行われます。また、英語科目は論理的読解10分、長文読解10分です。

こちらの制限時間と問題数は一例ですが、参考にしてみてください。

上記の問題がすべて出題されるわけではなく、出題される組み合わせは企業ごとに異なります。志望している企業がどの組み合わせで実施しているのか調べることも重要でしょう。

計数科目は先述した「Web-CAB」と同様に、電卓の使用が許可されています。

「玉手箱」特有の問題形式と対策

言語科目では、日本語の長文を読んで正誤を選択する問題や、長文の趣旨を選択する問題などが出題されます。いずれも長文を読む過程を経なければいけないため、素早く長文の全体像を掴める力が重要です。

計数科目では、四則逆算や、図表を用いた計算、表の法則性を用いた空欄補充が課されます。すべての問題において、計算量が多いため、処理方法を瞬時に思いつき、少しでも多くの時間を計算に割けるようにすることが重要でしょう。

英語科目における論理的読解問題は、長文を読んで正誤を判断する問題です。すべての指示文が英語で書かれています。また、長文読解では、一般的な英語長文読解の問題と同じような問題です。

全体を通して時間が限られているため、解けなそうな問題はなにかの選択肢を選び、次の問題に進むという決断も必要でしょう。

SEに向いている性格とは?適性がある人の特徴

これまでSE職の採用過程で実施されている2つの適性検査について説明しました。

では、SEに向いている人の特徴にはどのようなものが挙げられるのでしょうか。以下では、SEに適性がある人の特徴を5点紹介します。

論理的思考力がある人

設計作業の場面では、論理的に考え、設計しなければいけません。また、その仕様になった理由を言語化して説明できる力が求められます。

さらに、入力したコードでエラーが起きた時には、エラーが起きている原因と処理方法を論理立てながら考えられることが重要です。

SEは設計したシステムを納品するクライアントと接する機会もあるでしょう。どのような設計なのかを論理的に説明できなければ、プロジェクトがうまく進められなくなってしまいます。

コミュニケーション能力がある人

SEは個人で地道に作業を行う仕事と考えられがちですが、そのイメージは誤っています。システム開発はチームで行うものであり、チームメンバー同士で意思疎通がされていることが重要です。

仮にチーム内で連携が取れていないと、無駄な作業を行ったり、方向性の異なるシステムを開発してしまったりする可能性もあります。

また、クライアントの要望をヒヤリングする点においても、コミュニケーション能力は必須でしょう。

クライアントの要望をうまく聞き出し、チームに共有し、納期までにシステムを構築することがSEの業務において重要です。

ITに関する知識と興味がある人

IT業界は変化し続けています。だからこそ、新たな情報をインプットし続けようとするモチベーションは重要です。

しかし、学び続ける意欲も、ITに関する基礎的な知識と興味がなければ、徐々に減ってしまうでしょう。そのため、ITの基礎知識と興味がある人は、SEへの適性があるといえます。

正確性がある人

システムを設計したり、設計書を作成したりする際に、正確性は必須です。さらに、SEの業務における各工程で、正確性が欠けてもいい部分はないため、正確性がある人でなければ、SEは務まらないでしょう。

また、クライアントが抱えている課題や要望を、正確にヒヤリングすることも重要です。クライアントによってはITに知見がない人もいるため、そのようなクライアントからも正確に要望を聞き出さなければいけません。

よって、コミュニケーションの場でも、正確性は常に求められるでしょう。

体力がある人

SEの業務範囲や企業によって、忙しさの程度は若干異なるでしょう。しかし、急なシステムのトラブルや複数のプロジェクトの納期によって、忙しい時期が必ずあります。また、クライアントからの要望が途中で変更されても、納期までに間に合わせなければいけません。

急なトラブルや納期に対応するために、休日出勤や深夜残業が求められる場合もあるでしょう。

不規則でゆっくり休む時間がない生活でも体調を崩さずに、プロジェクトをやり遂げられる体力が必要です。

SEに向いていないかも?適性がない人の特徴

では反対に、SEに向いていない人の特徴はどのようなものなのでしょうか。

以下では、SEに向いていない人の特徴を3点紹介します。SEに興味があったり、SEを目指して就職活動を行っていたりする人は、以下の3点を確認してみましょう。当てはまる場合は、再度自己分析を行い、目標を見直してみましょう。

ものづくりに関心がない人

SEはシステムやアプリケーションの開発を行う仕事で、ものづくりを行う業務です。そのため、ものづくりに関心がないと、チームメンバーのものづくりに対する意欲との間に差が生まれてしまいます。

またものづくりに関心が薄いと、クライアントの要望をよりよいものにしようという気持ちが芽生えづらいでしょう。さらに、成果物が出来上がった時にも、達成感を感じづらく、モチベーションの維持が難しくなる可能性があります。

細かな作業が苦手な人

上記で触れたように、SEの仕事には正確性が求められます。よって、細かい作業が苦手な人はSEへの適性が低い可能性があるでしょう。

正確性が求められる場面として、システム設計や設計書の作成が挙げられます。システムに誤りがあると、正常に作動しない事態に陥るでしょう。また、設計書にミスがあると、誤りを認識するまでの作業が無駄になってしまいます。

SEは、妥協が許されない業務が多いため、細かな作業が苦手だったり、大雑把な性格という自覚があったりする方は、適性が低いでしょう。

集中力がない人

システムのテストを何度も繰り返して細かい修正を行うSEの業務において、集中力は欠かせません。地道な作業にも前向きに取り組める集中力が必要不可欠でしょう。

また、SEの仕事でシステム設計や設計書作成は大きな業務の1つです。集中力がないと、それらを行う過程でミスをしてしまい、その後の作業に大きな影響を与えてしまいます。

システム開発はチームで行うため、一点集中型で、視野を広げられない人はSEに不向きですが、集中力がなさすぎる人もチーム全体のミスに繋がるため、適性が低いといえるでしょう。

「事前に何度か解いておくこと」が最も重要

SEの選考過程で行われる適性検査に対策なしで挑むと、解法がわからなかったり、解き方を思いつくまでに時間がかかったりしてしまいます。事前に参考書を2,3周しておくことが重要でしょう。

対策方法としては、対策本や適性検査を受けられるサイトを活用する方法があります。いずれの対策方法においても、目的は、対策本やサイトの問題に正答することではなく、解法を身に付けることです。対策する目的をはき違えないよう注意しましょう。

また、適性検査の出題パターンは大学入試よりも少ないことがわかっています。そのため、対策本を1周するだけで、見たことのある問題パターンに出会う確率は上がるでしょう。

時間に制限がある適性検査を突破するためには、見覚えのある問題パターンを増やして、瞬時に解法を思いつけるようにしておくことが大切です。

SEの適性検査の対策をして就活を成功させよう

本記事では、SEの採用過程で適性検査を行う目的や、各適性検査の詳細、対策方法を紹介しました。

採用ステップの序盤で適性検査が課されることも多いため、しっかり対策をして、自分の魅力をアピールできる面接等のステップまで通過できるよう対策をしましょう。

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