
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
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はじめに
就職先を探している学生の中には、研究職になりたいと考えている人もいるでしょう。
しかし、研究職は成果主義できびしく、年収も低いというイメージがある場合も少なくありません。
実際、研究職に就いている人の年収は低いのでしょうか。
この記事では、研究職の年収について徹底的に考察します!
【研究職の年収は低いのか?】研究職とは
そもそも、研究職とはどのような職種なのでしょうか。
研究職とは、広く言えば製品やそれに関わる技術などの研究や、開発に取り組む仕事です。
研究と開発とで職種を分ける考え方もあります。
基本的な研究のみならず、すでにあるものに追加で試験や有用性の鑑定なども行い、まったく新しい製品の開発から既存品の改良までさまざまなことを手がける職種です。
主な仕事場は、民間企業に設置された研究部署や大学に置かれた研究室であり、より公益性の高い研究をする場として国や公的機関の研究所もあげられます。
また、これらの機関が共同で研究を行う場合も多いです。
研究する範囲や製品化・実用化までの段階に応じて、基礎研究や応用研究といった種類に分けられています。
【研究職の年収は低いのか?】研究職の種類
研究職は、その研究の目的や、製品・技術・サービスの実用化に至るまでのどの段階を研究しているかなどによって、基礎研究と応用研究の2種類に分けられます。
これらは研究の着地点が異なるため、どれだけ先を見据えての研究であるかといったスパンも違う存在です。
どちらの研究も、対象の性質をより深く理解して社会に役立てるためには欠かせません。
それぞれの研究の目的や特徴、違いなどを理解して、やってみたい仕事を考えてみましょう。
基礎研究
基礎研究とは、その後の研究開発すべての土台となる研究です。
知っていること、わかっていることといった知識の枠組みを広げるための研究であるため、それ自体の特別な応用や専用の用途は考慮されていません。
現時点でわかっていることから仮説や理論を形成し、それがどこまで正しいのかを検証する学問的な研究です。
また、新しい知識を得るための実験的な試みも意欲的に行われています。
基礎研究で重視されるのは、課題や問題の解決ではなく、知識の探求と解明です。
そのため「○○のために△△する方法を研究する」というよりは「△△について研究したら○○のためになることが判明した」という形になりやすいと言えます。
そして、そこから見つかった新しい知識を広げて、特定の目的のために研究するのが次にあげる応用研究の役割です。
応用研究
応用研究は、基礎研究で発見された知識を、具体的に社会の役に立たせるために行われる研究です。
課題や問題の解決のために知識がどう利用できるかを考え、特定の目的や目標を定めて実験や実証を繰り返し、実用化の可能性を確かめます。
また、すでに実用化されている手法をより効率良く実行できるような改善方法や、新たな応用方法を見出して検証する研究でもあります。
応用研究で重視されるのは単なる知識の獲得ではなく、実践的な問題の解決です。
そのため、結果が出せるか否かがより重要な研究であるとも言えます。
特定分野の課題解決を目的とするため、適用範囲が狭く、専門性が高いのも特徴です。
企業の多くは製品開発や社内での課題解決のため、応用研究を好みます。
【研究職の年収は低いのか?】研究職の年収
研究職は目的により種類は分かれていますが、気になるのはその年収でしょう。
基本的に、研究職の年収は約500万円が相場だといわれています。
日本人の平均年収は約436万円だとされているため、60万円程高いです。
研究職の給与の中心となるのは、他の職種と同じく年齢や学歴によって決まっている基本給となります。
そこに、研究で成果を出していれば能力給と呼ばれるものが加わり、この2つが合わさって固定の給与となるのです。
固定の給与は、勤続年数に応じて上がっていくという企業が多いでしょう。
また、これらに賞与や各種の手当が乗ることで全体的な年収になります。
初任給での比較
日本人の平均年収よりも60万円ほど高いと言われている研究職の初任給はどれ程でしょうか。
人事院の調査によると学部卒の初任給は平均20万6700円(推定年収:299万7150円)になりますが、学部卒の研究職の初任給は平均で21万1336円(推定年収:306万4372円)と約4500円程高くなっています。
また、修士卒の初任給は平均23万8700円(推定年収:346万1150円)になりますが、修士卒の研究職の初任給は平均で23万2418円(推定年収:337万円)と平均より若干低いですが平均並の初任給です。
参考: https://www.jinji.go.jp/kyuuyo/minn/minnhp/minR03_index.html
海外の研究職の年収は?
日本で働く研究者の年収は平均よりも少し高いことがわかりました。
研究者が重宝され、待遇が良いと言われる海外での年収はどれくらいでしょうか?
ここでは海外の一例としてアメリカでの年収について解説します。
アメリカの学部卒の研究者の年収は約400万、修士卒で約400万〜約800万円と言われています。
しかし、博士卒では年収は大きく上昇し、初年度から約800万〜約1200万円になります。
アメリカではその人自身の能力や交渉によって年収が大きく変動します。また、年功序列ではないため昇給することは少なく、一度金額が決まると給料は一定のことが多いです。
参考: https://www.hamiltonproject.org/charts/career_earnings_by_college_major/
【研究職の年収は低いのか?】年収を決める要素
ここまで研究職の年収や初任給について解説してきました。
紹介した年収はあくまでも平均であるため実際には個人でばらつきがあります。
次に年収を決める要素について解説します。
年収を決定する要素は勤め先だけではありません。
以下の4つが研究職の年収を決める要素になります。
・職位
・専門分野
・最終学歴
・実績
職位
年収を決める要素の1つ目は「職位」になります。
一般的に研究職として企業に入ると研究員・研究主任・課長・部長の順に職位が上がっていきます。
新卒で入社するとまずは研究員になります。
研究員は先輩社員のアドバイスを元に製品の改良や新製品の開発を行います。
研究職の中でも一番職位が低い研究員の年収は約300〜約400万円と言われています。
研究員として経験を積むと研究主任に職位が上がります。
研究主任の年収は約400〜約500万円になります。
研究主任として研究を続け、30代後半から40代にかけて課長の役職に就任する人が増えます。
研究の第一線から離れ、研究プロジェクトの進捗や研究チームの管理を行うようになります。
課長の年収は約500〜約600万円になります。
そして、40代以降は課長から部長に昇進し、マネージャー職としての役割を与えられます。
部長の年収は約700万円から場合によっては1000万円を超えることもあります。
専門分野
年収を決める要素の2つ目は「専門分野」になります。
研究職と言っても食品系やIT系、化学系や生物系など幅広くあります。
特にこれからの需要が見込まれるIoTや人工知能、製薬などを専攻とする研究者は非常に重宝され、高い年収を期待できます。
最終学歴
年収を決める要素の3つ目は「最終学歴」になります。
最終学歴と言っても〇〇大卒ということではなく、学部卒か修士卒か博士卒かということになります。
前述した通り、最終学歴によって初任給が異なります。
しかし、既存技術の組み合わせた商品開発が主力である食品メーカーや日用品メーカでは修士卒と博士卒の区別が無く、一律で採用される場合があるので注意が必要です。
実績
年収を決める要素の4つ目は「実績」になります。
その理由は、企業は実績のある優秀な人材を他社に流出させたくないからです。
分野での権威を持つ研究者や企業との共同研究に取り組んだ人材が当てはまります。
また、語学力や他国の知見を有しているという理由から海外企業の勤務歴のある人材も重宝されます。
【研究職の年収は低いのか?】企業別研究職の年収ランキングTOP5
理系学生が就職活動を進める中で、研究職は利益に直結しにくいため年収が低いのではないかと不安を抱く方は少なくありません。
しかし結論からお伝えすると、所属する企業や業界の収益構造によって待遇は大きく変わります。
研究開発に大規模な投資を行い、そこから高付加価値な製品を生み出している大手企業であれば、文系職種と比較しても遜色のない高水準な給与を得ることが可能です。
ここでは、就活生に人気が高く、研究職でも高収入な企業のランキングトップ5を具体的な事業領域とともに紹介します。
企業選びの際は、単に研究内容だけでなく、その企業がどの事業で利益を上げているかを企業研究で必ず確認するようにしてください。
1位 富士フィルム
堂々の1位は平均年収が約1124万円に達する富士フィルムです。
同社はかつての写真フィルム事業から大胆な事業転換を遂げ、現在ではヘルスケア、高機能材料、イメージングなどを主要な事業領域として展開しています。
特に医療機器やバイオ医薬品などのヘルスケア分野における研究開発が、企業の屋台骨を支える高い収益性を生み出しているのが最大の特徴です。
就職活動で同社の研究職を目指す場合は、大学での専門分野が直接的に一致しているかどうかに加えて、新しい領域へ挑戦する柔軟性が非常に高く評価されます。
エントリーシートや面接の対策としては、自身の研究プロセスにおいて困難をどのように乗り越え、未知の課題をどう解決したかを具体的に言語化しておくことが必須のステップになります。
既存の学問の枠組みにとらわれず、自らの専門性を異分野の製品開発にどう応用できるかを論理的にアピールできるように事前の準備を徹底してください。
2位 ソニーグループ
第2位には平均年収が約1118万円となるソニーグループがランクインしています。
同社の主な事業領域は、ゲームや音楽などのエンターテインメント分野から、イメージセンサーを中心とした半導体、さらには人工知能や金融まで多岐にわたります。
研究開発においては、世界トップクラスの最先端技術を追求しており、個人の専門性と実力を高く評価するジョブグレード制度を導入していることが大きな特徴です。
このため、同社の研究職選考を突破するには、圧倒的な技術的探究心を示す必要があります。
選考に向けては、学会発表の経験や論文の実績をまとめるだけでなく、自分の技術が将来の社会やエンターテインメントにどう貢献できるかを明確に語れるようにしておくことが重要です。
また、グローバルな環境で働く機会も多いため、日常的な研究活動から英語の文献に触れておくことなど、実践的な語学力向上にも早期から取り組んでおいてください。
3位 日立製作所
第3位は、平均年収が約961万円の日立製作所です。
同社は国内最大級の総合電機メーカーであり、IT、エネルギー、インダストリー、モビリティなど、社会インフラを支える幅広い事業領域を持っています。
近年は独自のデジタル技術を活用したソリューション事業に注力しており、物理的な製品とデジタルの融合によって社会課題を解決する研究開発を推進しているのが特徴です。
日立製作所の研究職を志望する就活生は、単なる技術的な興味関心にとどまらず、その技術が社会にどう実装されるかという視点を強く持つ必要があります。
面接の場では、自らの研究テーマが現代のどのような社会課題の解決に結びつくのかを、ビジネスの視点を交えて説明できるように準備してください。
また、多様なバックグラウンドを持つ専門家と協働する機会が多いため、専門外の人にも自分の研究内容を分かりやすく伝える練習を重ねておくことが確実な内定へと繋がります。
4位 住友化学
第4位には平均年収が約818万円の住友化学が入ります。
日本を代表する総合化学メーカーとして、エッセンシャルケミカルズ、エネルギーや機能材料、情報電子化学、さらには健康や農業関連事業まで、人々の生活基盤を支える多種多様な事業を展開しています。
同社の研究開発は、基礎研究から製品化に向けた応用研究まで一貫して行われており、グローバル市場を見据えたスケールの大きな技術開発に携わることができるのが魅力です。
化学メーカーの研究職選考では、基礎的な学力の高さに加えて、研究に対する粘り強さが厳しく見られます。
就職活動の準備としては、実験が思い通りに進まなかった際にどのような仮説を立てて軌道修正したかというプロセスを、具体的なエピソードとして語れるように整理しておいてください。
同時に、自身の専攻分野が同社のどの製品群に応用できそうかをOB・OG訪問などを通じてリサーチしておくことで、志望動機に強い説得力を持たせることができます。
5位 花王
第5位は、平均年収が約810万円の花王です。
主な事業領域は、日用品や化粧品などのコンシューマープロダクツ事業と、産業界向けに素材を提供するケミカル事業の大きく二つに分かれています。
同社の最大の特徴は、本質研究と呼ばれる基礎科学への深い探求と、マトリックス運営と呼ばれる部門横断型の研究開発体制にあります。
ひとつの製品に対して様々な分野の研究者が知見を持ち寄るため、高度な専門性だけでなく、チームで成果を生み出す協調性が強く求められます。
選考を有利に進めるためには、日頃から異なる研究室や専攻の学生と議論を交わし、多角的な視点を取り入れる姿勢をアピールすることが効果的です。
さらに、日用品という身近な商材を扱うからこそ、消費者の悩みを技術でどう解決したいのかという生活者起点の思いを自己PRに盛り込むことで、面接官の強い共感を呼ぶ魅力的なアピールになります。
【研究職の年収は低いのか?】年収以外の収入は?
企業ごとの規定にもよりますが研究者は年収に加えて副業で稼ぐこともできます。
専門分野に精通していることを利用して、研究に関する本の執筆や監修、セミナーの開催やメディア出演で収入を上げることもできます。
「日本人の平均所得と比較して研究職の年収はあまり高くないな」と感じた人もいると思いますが、研究職は能力次第ではいくらでも稼ぐことができます。
【研究職の年収は低いのか?】好きな研究をしながら稼ぐには?
ここまで研究職の年収について詳しく解説してきました。
自分の知的好奇心を掻き立てるような研究を行いつつも、稼いで豊かな暮らしをしたいと考える人も多いと思います。
ここでは好きな研究をしながら高収入を得るための具体的な行動について解説していきます。
待遇の良い企業を選ぶ
好きな研究をして高収入を得るためにはシンプルに「待遇の良い企業を選ぶ」ことが大切です。
日本は研究に対して資金を投じることはなく、待遇が悪いというイメージを持っている人が多いのかもしれません。
しかし、その風潮は改善しつつあります。
SonyではAI分野などで優秀な社員に高いグレードを付与し、新入社員でも年収730万円に届くこともあります。
また、NECは研究職を対象に新卒年収が1000万円を超える給与を支給すると発表しました。
このように企業が中心となって給与を増やし、優秀な研究者を獲得しようという動きが増えています。
そのような企業を調べ、待遇の良い企業に就職することで高年収を期待できるでしょう。
海外企業に就職
待遇の良い企業に就職するということで、高待遇の日系企業ではなく海外企業で研究職として就職するという道もあります。
前述した通り、海外では日本と比較して研究者に対する待遇が手厚いです。
繰り返しになりますが、アメリカの学部卒の研究者の年収は約400万、修士卒で約400万〜約800万円、博士卒では年収は大きく上昇し、初年度から約800万〜約1200万円になります。
海外企業への就職の近道は海外の大学院に進学することです。
修士課程では授業料がかかってしまうものの、アメリカの博士過程は授業料免除に加えて在学中に給料をもらえます。
大学の教授のコネクションを利用することも可能である他、海外で研究経験を積んだ後日本に戻り就職しても実績が評価されることから、海外の大学院に進学することもおすすめです。
海外の大学院に関する情報は以下の記事にまとめているので、少しでも気になる方はクリックしてみてください。
https://digmee.jp/article/310272
【研究職の年収は低いのか?】研究職のメリット
理系学生を中心に高い人気を誇る研究職ですが、利益に直結しにくいイメージから年収面で不安を抱く方も多いはずです。
しかし実際のところ、大手企業を中心に他職種と同等あるいはそれ以上の待遇を用意しているケースが多く、極端に給与水準が低いわけではありません。
むしろお金以外の面で得られる対価が非常に大きい職業です。
就職活動を進めるうえでは、年収という表面的な条件だけでなく日々の業務で得られる充実感にも目を向ける必要があります。
ここでは、多くの研究者が仕事の原動力としている代表的なメリットについて詳しく解説していきます。
自分の好きなことを仕事にできる
学生時代から情熱を注いできた専門分野をそのまま職業にできることは、研究職を選ぶ最大の魅力です。
大学や大学院で培った知識や実験のスキルを活かし、最先端の技術開発に没頭できる環境は、知的好奇心が旺盛な理系学生にとって理想的な職場環境になります。
日々の業務そのものが自分の興味関心と直結しているため、自発的に学習を続けやすく、長期的に専門性を高めていける好循環が生まれます。
就職活動においてこのメリットを最大限に享受するためには、自身の専門領域と企業の事業領域がどれだけ合致しているかを見極める作業が欠かせません。
企業研究の段階で、志望企業が今後どの技術分野に注力していくのかをIR情報などで入念に確認することをおすすめします。
入社後のミスマッチを防ぐためにも、自分が本当に探求し続けたいテーマと企業の方向性をすり合わせる準備を早期から進めておいてください。
やりがいを感じる
自分の携わった研究成果が新しい製品やサービスとして世の中に送り出され、社会の役に立っていると実感できることは、研究者にとって計り知れないやりがいになります。
数年あるいは数十年がかりの長期プロジェクトに挑むことも珍しくなく、困難な課題を乗り越えて画期的な技術を確立した瞬間の達成感は他の職種ではなかなか味わえません。
社会課題の解決に直接アプローチできる立場であるため、大きな使命感を持って仕事に取り組むことができます。
選考を通過するためには、このやりがいを単なる憧れで終わらせず、説得力のある志望動機に昇華させるプロセスが必要です。
面接の場では、自分の生み出したい技術がどのような社会課題を解決し誰の生活を豊かにするのかを論理的に説明できるようにしておいてください。
OB・OG訪問を通じて、現場の社員がどのような瞬間に喜びを感じているのかを直接ヒアリングしておくことも自己分析を深める有効な手段になります。
【研究職の年収は低いのか?】研究職のデメリット
魅力的な側面が多い一方で、専門性の高さゆえに生じる特有の難しさや厳しさも存在します。
就職活動ではプラスの面ばかりに気を取られがちですが、入社後のギャップをなくすためにはマイナスの側面も正しく理解しておくことが不可欠です。
あらかじめ厳しい現実を知っておくことで、面接官に対しても覚悟を持って志望している姿勢を伝えることができます。
ここでは、キャリア形成や日々の業務において壁となりやすいデメリットを解説しますので、ご自身のキャリアプランや適性と照らし合わせながら確認してみてください。
転職しにくい
ひとつの専門領域を極めるという職務の特性上、他業種や異なる職種へのキャリアチェンジに対するハードルが高くなりやすい傾向があります。
特定の企業でしか通用しないニッチな技術や独自の社内システムに特化しすぎてしまうと、いざ転職を考えた際に市場価値を適切に評価されにくくなるリスクを伴います。
事業の撤退や方向転換によって自分の専門部署が縮小された場合、社内での異動先が限られてしまうことも想定されます。
就職活動の段階からこのリスクに備えるためには、狭い領域に固執しすぎず、周辺領域にも応用できる汎用性の高いスキルを意識して身につける姿勢が重要です。
面接でも、ひとつの技術だけでなく幅広い分野に対して柔軟に学び続ける意欲をアピールするようにしてください。
また、入社後も学会への参加や論文執筆などを通じて社外でも通用する実績を作ることを視野に入れ、企業の教育支援制度を確認しておくことをおすすめします。
成果が求められる
企業における研究開発は大学での学術研究とは異なり、最終的に利益を生み出すビジネスとしての厳しい結果が要求されます。
莫大な予算と時間が投資される以上、定められた期限内に実用化や製品化に繋がる明確な成果を出さなければならないというプレッシャーは想像以上に大きいものです。
どれだけ長時間実験室にこもって努力を重ねても、想定通りのデータが得られなければ評価に直結しないというシビアな現実があります。
このような環境に適応できる人物であることを選考で証明するためには、これまでの研究活動における失敗経験を前向きに伝える工夫が必要です。
面接官に対して、仮説が崩れた際にどのように原因を分析して次のアクションへ繋げたのかという具体的なプロセスを論理的に説明できるように準備してください。
結果が出ない期間のストレスに耐え抜く精神的なタフさや、周囲を巻き込んで課題を解決に導いたエピソードを言語化しておくことが内定への近道となります。
【研究職の年収は低いのか?】研究職に向いている人
理系学生であれば誰でも研究者として活躍できるわけではなく、日々の業務を通じて成果を出し続けるためには特定の適性が求められます。
自己分析を進める中で、自分自身が企業の研究開発という厳しい環境に適応できる素養を持っているかを客観的に見極めることは非常に重要です。
性格的な強みを正しく把握していれば、選考において説得力のある自己PRを作成することにも繋がります。
ここでは、採用担当者が選考の場で特に注目している適性について具体的に解説しますので、ご自身の過去の経験や強みと結びつけながら読み進めてください。
探究心が強い
未知の事象に対する純粋な好奇心を持ち、なぜそのような結果になったのかを根本から解き明かそうとする強い探求心は、研究開発に携わるうえで欠かせない素養です。
表面的なデータだけで満足せず、本質的なメカニズムを理解するまで粘り強く考え抜く姿勢が、他社には真似できない画期的なイノベーションを生み出す源泉となります。
日々の実験で生じる些細な違和感を見逃さず、そこから新しい仮説を立てて検証を繰り返す知的体力が求められます。
就職活動の面接では、与えられたテーマをこなしただけの受け身の姿勢ではなく、自ら疑問を持って主体的に深掘りした経験をアピールすることが重要です。
自己PRを作成する際は、誰も気づかなかった視点から問題を設定し、独自の仮説を立てて検証に取り組んだエピソードを盛り込んでください。
面接官の深掘り質問に対しても、専門用語を適切に噛み砕きながら論理的な思考プロセスを堂々と説明できる状態に仕上げておく必要があります。
失敗を恐れない
新しい技術を生み出す過程において、最初からすべてが思い通りに進むことは皆無であり、日々の業務の大半は失敗と試行錯誤の連続になります。
そのため、実験がうまくいかなかった時に深く落ち込んで立ち止まるのではなく、その失敗を貴重なデータとして前向きに捉えるレジリエンスの高さが必要不可欠です。
想定外のネガティブな結果が出た時こそ新しい発見のチャンスであると認識し、速やかに思考を切り替えて次の実験計画を練り上げる精神的な強さが求められます。
エントリーシートや面接の準備では、過去の成功体験だけを綺麗に並べるのではなく、大きな挫折からどう這い上がったかに焦点を当てたエピソードを用意してください。
失敗そのものを隠すのではなく、壁に直面した際の感情のコントロール方法や具体的な軌道修正のアプローチをありのままに語ることが評価に繋がります。
失敗を恐れずに新しい手法を積極的に取り入れた挑戦的な行動を示すことで、入社後の活躍を強く印象付けることができます。
円滑にコミュニケーションが取れる
一人で実験室にこもって黙々と作業を進めるイメージを持たれがちですが、企業での研究開発は多くの関係者を巻き込むチームプレーです。
同じ部署のメンバーはもちろんのこと、製品化に向けては企画、製造、営業など異なるバックグラウンドを持つ他部署の社員とも密接に連携しながらプロジェクトを進める必要があります。
そのため、専門分野が異なる相手に対しても自分の考えを論理的かつ分かりやすく伝える力や、相手の意見を柔軟に受け入れて最適解を見出す対人スキルが非常に重要になります。
選考を突破するための対策として、日頃から自分の専攻外の人に研究内容を説明し、フィードバックをもらう練習を繰り返すことをおすすめします。
面接の場では、専門用語を羅列するのではなく、文系の面接官にも一聴して理解できる平易な言葉選びを徹底してください。
また、部活動やアルバイトなどで多様な価値観を持つ人たちと協力してひとつの目標を達成した経験を語ることも有効なアピールになります。
【研究職の年収は低いのか?】研究職になるために必要なこと
高い専門性と適性が求められる職種であるため、思い立ったその日から簡単に内定を獲得できるほど甘い世界ではありません。
早い段階から目的意識を持ち、戦略的に学生生活を過ごしながら就職活動に向けた地盤を固めていく必要があります。
特に理系学生は研究活動と就職活動の両立という厳しいスケジュールを乗り切らなければならないため、効率的な事前準備が勝敗を分けます。
ここでは、将来的に企業の中核を担う研究者として採用されるために、今のうちから取り組んでおくべき具体的なアクションについて解説します。
自身の現状と照らし合わせながら不足している部分を洗い出し、今日からの行動計画に落とし込んでください。
専門性をより深く磨ける環境や進路を検討する
企業の研究開発部門に配属されるためには、大学院の修士課程や博士課程への進学を条件としているケースが非常に多く見られます。
学部卒でも応募可能な企業は存在しますが、より高度な基礎知識と研究手法を身につけた大学院生と比較されるため、選考のハードルは必然的に高くなります。
したがって、学部生の段階から自身のキャリアを見据え、より深い専門性を身につけられる研究室選びや大学院への進学を真剣に検討することが第一歩となります。
研究室を選ぶ際は、単に興味のあるテーマを扱っているかだけでなく、その研究室が志望業界の企業と共同研究を行っているか、あるいは先輩たちがどのような企業へ就職しているかという実績にも着目してください。
もし現在の環境で希望する専門性が十分に磨けないと感じる場合は、他大学の大学院を受験するなど、より設備の整った環境へ自ら環境を変える選択肢も視野に入れて行動することが将来の可能性を大きく広げます。
卒業研究に取り組み「研究の基礎」を固める
企業の採用担当者は、学生に対して最初からノーベル賞級の素晴らしい研究成果を求めているわけではありません。
それよりも重視されているのは、問題設定から仮説構築、検証、そして考察に至るまでの正しい研究プロセスをしっかりと身につけているかどうかという点です。
日々の卒業研究や修士論文に向けた取り組みを通じて、この論理的なアプローチ方法を体に染み込ませることが何よりも確実な就活対策となります。
実験を行う際は、ただ指導教員の指示に従うのではなく、常になぜその手法を選ぶのかを自分自身の頭で考え抜く習慣をつけてください。
就職活動が本格化した際に困らないよう、うまくいかなかった実験の条件やその時の考察を日頃から研究ノートに詳細に記録しておくことを強く推奨します。
面接ではこの過程こそが最も深く質問されるため、日々の地道な検証作業を振り返り、自分の言葉で論理的に説明できる状態にしておくことが評価を分ける決定的な要素になります。
企業の採用動向や必須条件をリサーチする
自身の専門性を磨くことと並行して、志望する業界や企業がどのようなスキルを持った人材を求めているのかを早期に把握する情報収集能力も不可欠です。
近年では、特定の専攻分野の知識に加えて、データ解析のためのプログラミングスキルや、海外拠点の研究者と議論するための実践的な英語力を必須条件として掲げる企業が増加しています。
志望企業の採用ホームページやナビサイトを定期的に確認し、応募要件に満たないスキルがあれば今のうちから計画的に習得に向けて動き出す必要があります。
具体的なアクションとして、修士課程の1年次や学部3年次の夏に開催される企業の長期インターンシップへ積極的に参加することをおすすめします。
現場のリアルな空気に触れることで必要なスキルレベルを肌で感じ取れるだけでなく、社員との繋がりを構築して人事には公開されない現場の生の声を引き出すことができ、本選考において圧倒的に有利な材料を揃えることができます。
まとめ
ここまで、研究職とは年収は低いのかについて考察してきました。
研究職は、仕事の内容が社会貢献に直結するようなやりがいのある仕事です。
自分の好きなことについて深く関われるというのも大きな魅力でしょう。
日本人の平均的な年収よりも多くの収入を得られる可能性が高く、能力次第で稼げる職であるという点もあります。
研究職を目指すのであれば、学生のうちからできるだけ明確なビジョンをもって行動しましょう。