【業界研究】半導体業界ってどんな業界?半導体業界の仕事内容や将来性などを徹底解説!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

半導体というものを見たことはなくても、聞いたことがあるという人は多いでしょう。

新型コロナウイルスの影響で、一時期は世界的に半導体が不足していました。

パソコンのグラフィックボードの値段が高騰したり、自動車の生産が追いつかず納期が1年待ちになったりと、私たちの生活にも少なくない影響が出ていたことは記憶にも新しいでしょう。

今回は、そんな社会に欠かせないものとなっている半導体業界について、詳しい仕事内容や将来性などを解説していきます。

【業界研究:半導体編】半導体業界とは

半導体とは、データの保存に使われるトランジスタや、電流を制御するものなどさまざまな役割を持っています。

スマホやパソコンはもちろん、データを格納するサーバや冷蔵庫などの家電にも使われ、もはや半導体なしでは生活できないほど暮らしに欠かせない部品なのです。

半導体業界では、この半導体を開発したり、製造・販売を行ったりしています。

また、CPUコアの設計回路や画像処理回路などのIP(知的財産)を独自で開発している企業もあるのです。

半導体業界の担い手

身の回りのいたるところで半導体が活躍し、私たちの生活基盤の一部として機能していることが分かりました。

半導体業界は、ソフトウェアなどほかの業界と比べて、特別大きい市場ではありません。

しかし、それだけこの業界を牽引している人たちの存在が重要なのです。

次は、半導体業界を支えている人たちを紹介します。

現在や将来、この業界で働きたいと思っている人は、どういった立場で活躍していきたいかを考えてみましょう。

ほかの業界と比べ、どのような特徴があるかに注目して見ていってください。

メーカー

世界的な半導体メーカーのインテルやサムスンといった企業を、一度は耳にしたことのある人も多いでしょう。

メーカーは、半導体の製造を行います。

半導体そのものを作るメーカーと、半導体を作る際に部品を作るメーカーに分けられるでしょう。

このほかにも、さらに部品を細分化して開発している企業も増え、半導体業界では分業化が進んでいるのです。

半導体メモリや自動車に特化した半導体の製造など、各企業がそれぞれの強みや領域で利益を生み出しているのです。

商社

メーカーから半導体を買い付け、電子部品や精密機械など半導体が必要なメーカーに販売します。

現代では技術発展が著しく、それに伴って社会のニーズも激しく移り変わっていきます。

そんな目まぐるしい変化が起きている中で、何に着目すれば良いか、どのように立ち回れば生き残れるかを模索するのが重要なのです。

変化する時代を先読みしたり、日本や世界の情勢をいち早く掴んだりといったことが半導体商社には求められるでしょう。

半導体業界の理系におすすめな職種

半導体を製造するメーカー、それを世の中に流通させる商社によって、この業界は成り立っていることが理解できたでしょう。

半導体業界では、電子機器やテクノロジーに精通している分野なので、とくに理系の人に向いている業界と言えるでしょう。

そこで次は、半導業界の中で理系におすすめな職種をその特徴とあわせて3つほど紹介します。

どれも理系であることが強みになるものなので、職種選びに困っている人はぜひ参考にしてみてください。

研究開発

研究開発は、理系に特化した職種の一つです。

電気や電子、物理、機械などを専攻していると、その知識を活かしやすいでしょう。

技術系総合職として募集されることが多く、理系卒の学部生や修士、博士出身者などが主に採用されています。

最新の技術を取り入れ、トレンドを押さえながら新たな半導体の設計や開発を行います。

自身の携わっている研究が技術的な革新につながる場合もあるので、夢があってやりがいを感じられる職種です。

評価・検証

評価・検証では、製品に不具合がないかの確認などを行います。

製品の品質を高め、安全に使用できるようにするために重要な職種なのです。

回路設計は適切か、正常に動作するか、熱や衝撃の負荷テストなどを行います。

製品に対して、さまざまな角度から検証を行っていかなければならないので、半導体に対して深い知識が要求されるでしょう。

また、次々と移り変わる技術に対応していけるように、柔軟な姿勢や取り組みも求められます。

資材調達

半導体の製造には、それに見合った材料を用いらなければいけません。

資材調達では、メーカーなどが半導体を作るための資材を調達する役割があります。

これは理系だけでなく、文系の人も比較的参入しやすい職種でしょう。

コストや品質を考慮しながら、目的に合ったベストな資材を選ぶことが求められるのです。

また、国内で手に入れられないものは海外から取り寄せる必要があるので、グローバルに活躍できる人材も重宝されるでしょう。

【業界研究:半導体編】半導体業界の規模・年収

理系の人におすすめな、半導体業界の職種について理解できたでしょう。

就活するにあたってやはり気になるのは、その業界がどのくらいの市場規模かということでしょう。

業界全体がどのような規模かを知ることは、現在や今後の需要を測るために大切なことです。

次では、半導体業界の規模や年収について解説します。

これを理解することで、業界研究にもなり、飛び込もうか迷っている人の判断材料にもなるのでぜひ参考にしてみてください。

市場規模

日本の半導体業界の市場規模は、約4兆円です。

新型コロナウイルスの影響で減少傾向にありましたが、2021年を境に現在まで上昇しており、このまま徐々に回復する見通しです。

テレワークが増加していることを受け、PCやタブレットなどに使われる半導体の売上が増加するなど、追い風状態にあることが分かります。

売上トップの企業には、NAND型フラッシュメモリの製造を主に行うキオクシアHDや、自動車関連の半導体を生産するルネサスエレクトロニクスがあります。

年収

半導体業界の平均年収は、約750万円です。

日本の平均年収か400万円ほどなので、比べると高めであることが分かるでしょう。

ソニーグループ、アクセル、メガチップスがそれぞれ900万円〜1000万円と、日本の半導体企業の中でトップになっています。

ここ数年で増減を繰り返しているものの、全体としては増加傾向にあるので、今後もわずかな変化は予想されますが安定していると言えるでしょう。

世界の情勢や動きに左右されやすい業界でもあるので、今後の動きには十分に注目する必要があります。

【業界研究:半導体編】半導体業界の課題

半導体業界の市場規模や年収は、ほかの業界と比べても高いことが理解できたでしょう。

しかし、さまざまな課題を抱えている業界であるというのも事実です。

次では、半導体業界の課題を3つに分けて解説します。

世界の動きに左右されやすいという特性上、このような課題は避けては通れない問題なのです。

今後は、このような課題を解決に向けて提案したり、広く俯瞰した視野を持っていたりする人材が求められるので、自己PRや志望動機などに役立ててみてください。

半導体不足

先述した通り、新型コロナウイルスによる社会のリモートワーク化により、半導体の需要は加速しています。

しかし、需要の増加に供給が追いつかず、米中貿易の摩擦なども重なり半導体不足に陥りました。

2022年の後半からは回復傾向にあるものの、今後もこのような半導体不足の問題は起こる可能性があるでしょう。

そのため、工場を増やしたりなど生産性の向上が必要になっており、ニーズに応えられるよう長期的な改善が求められています。

スマホ需要の飽和化

スマホ需要の飽和化も、現在半導体業界が抱えている課題の一つです。

スマートフォンなどの端末機器にも半導体は使われており、普及に伴い半導体業界は著しく成長することができました。

しかし、スマホの需要も現在では落ち着きを見せており、スマホ自体の市場も減少傾向にあります。

一人に1台のスマホが行きわたると、それ以上の購入を求める人は少ないため、今までのような爆発的な利益が見込めなくなってしまったのです。

そのため、半導体業界のスマホ市場では、今後の需要拡大が課題となるでしょう。

日本の半導体のシェアの縮小

1990年代までは、日本は半導体のシェアが世界の半数を占めていました。

しかし、現在の半導体業界はアメリカがもっとも巨大な市場となっており、さらに韓国や台湾などの参入などで、現在のシェア率は10%ほどとなっています。

このままいくと、日本の半導体シェアは下がり続け、国内での供給が難しくなるのではと危惧されているのです。

国内では、市場の縮小により企業同士の合併が進んでいます。

また、海外の半導体の生産工場と手を組み、共同開発・生産で供給力の向上を図っているのです。

【業界研究:半導体編】半導体業界の動向

日本の半導体業界における現状や、これからの課題について理解できたでしょう。

次は、これらを踏まえた半導体業界の今後の動向について解説していきます。

日本の各企業ではさまざまな課題の中、シェア率回復や生き残りのためにいろいろな試作を行っているのです。

これから先の動向を理解することで、半導体業界を志望している人はどんな人材が必要とされているかを知ることが可能でしょう。

潮目が変わりやすい半導体業界で、今後どのような動向が予想とされるかは非常に重要な項目となります。

自動車への応用

半導体の自動車への応用は、今後の半導体市場の中でも注目される業界の一つでしょう。

とくに、半導体を用いることで手放しで運転ができる、完全自動運転の実現が着目されています。

実際に現在も「CASE」の導入など、さまざまな技術革新が起こり続けている分野でもあるのです。

今後もさらなる技術が生まれ、開発が進むことが予想されるため、自動車への応用には期待が高まっています。

完全運転が実現し普及すると、半導体業界の中でも大きな売上が見込めて巨大な産業となるでしょう。

遠隔医療の実現

半導体の導入により、医師が遠隔で患者の診断をすることができるようになりました。

最近では新型コロナウイルスの影響もあり、遠隔医療の注目度がここ数年でかなり高まってきているのです。

とくに地方では、少子化高齢化などの影響で、都市との医療サービスの格差が問題になっています。

今後も遠隔治療を導入する病院なども増えてくると予想されるため、診断の効率や正確性の課題と共に、ますます半導体の需要が高まってくるでしょう。

AIへの活用

半導体はAIのディープラーニング(深層学習)にも使用されており、今後も注目される分野です。

とくに、このような技術は画像の認識などにも応用され、監視カメラや異常検知システムなど、最近でも徐々に実用化されており日常生活に浸透してきています。

AI技術は技術の進歩が著しい業界であり、今後も発展していくと予想されるので、AIへの活用は半導体業界を支える産業の一つとなるでしょう。

AIへの活用は、さまざまな分野に応用できる技術なので、半導体の需要は今後も拡大する見通しです。

【業界研究:半導体編】半導体業界に向いている人の特長

半導体業界の動向が理解できたでしょう。

このほかにも注目されている分野も多くあり、半導体業界はこれからの動向に目が離せない業界だと言えるので、気になった人は調べてみると良いでしょう。

最後に、半導体業界に向いている人の特徴について解説します。

現在この業界を目指している人などは、どんな人が求められているのか、どのような性格が向いているのかを知ることで、企業選考や自己PRで役に立つのでぜひ参考にしてみてください。

集中力

半導体の生産には細心の注意を払い、異物の混入を防ぐ点検が必要不可欠でしょう。

そのため、集中力は半導体業界に携わるうえで重要な要素なのです。

逆に注意力が散漫な人は、異物混入に気づかなかったり、重大な怪我に関わる事故を起こしたりする危険性もあります。

とくに製造に関わる業務のような、理系向けの職種は集中力が求められるでしょう。

半導体の製造では、精密機械を取り扱うので、細かい作業を集中して行える人はこういった仕事に向いているのです。

勉強を継続できる人

半導体業界は、勤勉な人ほど成果が得られやすい仕事が多いでしょう。

半導体の基礎知識はもちろん、トレンドに応じて今まで注目されていなかった分野への活用も進んでいます。

そのため、日々技術を追い、開発にどう活かせるかを知識をつけながら考えていく必要があるのです。

自ら進んで情報収集を行い、勉強にあてる時間を惜しまない姿勢の人は、半導体を扱う企業にとっても重宝される存在となるでしょう。

半導体業界を希望する人は、今まで継続してきたことをアピールすると良い印象を与えることにつながります。

チャレンジ精神

チャレンジ精神も、半導体業界で活動していくためには必要な特徴です。

研究職では、新製品の開発のみならず、既存製品の改良なども重要な仕事になります。

どういった技術が活かせるかや、どのような工夫ができるかといったチャレンジ思考で、半導体により世界を良くしていきたいと考える人にはおすすめの業界なのです。

また、自身の技術や知識でいろいろな分野に挑戦していきたいという考えの人も、半導体業界で活躍できる人材となるでしょう。

まとめ

半導体業界について、仕事内容や将来性などを詳しく解説してきました。

半導体業界は、世の中の動きや情勢に左右されやすい業界だということが理解できたでしょう。

そのため、日本の半導体シェアの低下やスマホ需要の飽和など、さまざまな課題を抱えている業界でもあります。

しかし、新たな技術が生まれるなど、いろいろなきっかけで注目されたりするので、今後の動向には期待できる業界だと言えるでしょう。

また、勤勉で集中力があり、何事にもチャレンジ精神を持って取り組める人はこの業界に向いています。

当てはまる人は、ぜひチェックしてみてください。

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