HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
就活をするにあたって、資格の有無は採用に大きく影響する場合があるでしょう。
学習の成果や知識を形として残せる資格は、自身をアピールする際の大きな武器となるのです。
中には学生のうちに取っておきたいと考える人もいるでしょう。
特に生命、健康、財産を守ることにつながる業務の場合は、国が定める国家資格の取得が必須なものがあります。
今回はそんな国家資格の中で、理系におすすめの資格を詳しく解説するのでぜひ参考にしてみてください。
【理系向きの国家資格とは?】目的意識をしっかり持つことが大事
理系学生は必須科目も多く勉強にレポートとやるべきことが多いでしょう。
そのうえバイトまでしているとなると、忙しい理系学生が資格を取得するために膨大な時間を割くことを躊躇うのは当然です。
大学の勉強と資格の勉強を両立させることは大変なので、目指す資格は厳選して絞るべきでしょう。
だからこそ、資格所得には強い目的意識を持つことが大事なのです。
なぜその資格が欲しいのか、本当に必要なのかなどを検討し、取得する目的を明確にする必要があります。
取得までに要する時間も考慮しながら、計画的に進めていくことが大切です。
学生時代の貴重な時間を必要ない資格の取得に費やさないためにも、将来を想像しながら資格の有用性を考えましょう。
【理系向きの国家資格とは?】就きたい仕事によって取得するべき資格は変わる
まだやりたい仕事が見つかってない人は、就きたい仕事が見つかってから必要資格の取得を検討することをおすすめします。
なぜなら、仕事によって必要な資格や国が定める資格は異なり、その勉強も早めのうちに進めたほうが良いからです。
目指す仕事や将来やりたいことが定まっていない場合は、まったく使わない可能性が高いでしょう。
関係ない資格でも、就活でなら多少有利になるかもしれませんが、業務を行ううえで無駄な資格の取得に時間を費やすのは非効率と言えます。
【理系向きの国家資格とは?】国家資格は就職で有利に働くのか
就きたい仕事が決まっていて、仕事に必要不可欠である場合は国家資格を取得していることが選考を有利に進めるケースがあります。
しかし、先述した通り就きたい仕事が決まっていない場合は、取得した国家資格がまったく必要ない職業に就く可能性もあります。
その場合は、当然国家資格の有無は意味がないものとなってしまうでしょう。
国家資格の取得自体を長所として捉えてくれる企業もありますが、基本的にその職業に関連する、または必要な資格の方が有利に働きます。
【理系向きの国家資格とは?】理系学生におすすめの国家資格を紹介
資格取得には無駄にしないために目的意識を持ち、就きたい仕事によって選ぶべきだということがわかりました。
そこで、次では理系学生におすすめの国家資格を詳しく紹介します。
系統別に紹介していくので、自分が専攻している科目や学部に当てはめて考えると良いでしょう。
関連する職業もあわせて解説するので、職業選択のイメージもつきやすいでしょう。
理系では学部や学科がそのまま職業に直結することもあるので、資格の取得を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
【理系向きの国家資格とは?】機械系資格
機械工学など、機械を作ることや設計するための技術や知識を学ぶ分野です。
主に数学や力学などの知識を活用し、演習などを通して機械に対しての理解を深めていきます。
モノづくり携わる職業が関連し、エンジニアや設計開発などの仕事に就く場合が多いでしょう。
さまざまな場面で活躍する機械に携わる仕事なので、あらゆる産業で活躍することが可能です。
業界で言えば、自動車メーカーや家電メーカーを希望する学生の割合が大きいでしょう。
技術士
技術士は科学技術に関する専門知識や高度な技術と豊富な実務経験を有することを証明する国家資格です。
有資格者は技術士の称号を使用し、登録した技術部門の技術業務を行う資格を持ちます。
機械系の学生であれば機械部門の技術士を取得するのが一般的で、五大国家資格と言われるほど信頼度が高い資格の一つです。
技術士を持っていれば官公庁が実施するプロジェクトに関われることがわかる通り、一般の企業や大手からも需要があるでしょう。
技術コンサルタントという仕事に就ける可能性があり、就職後もキャリアアップを目指せるため取得をおすすめする資格です。
ただ、二次試験では実務経験が必須なこともあり難易度が高いので、取得を目指す場合はかなりの時間を要することに注意してください。
エネルギー管理士
エネルギー管理士は工場でエネルギー使用量の監視や改善を行います。
規定量以上のエネルギーを使用する工場では、エネルギー管理士の資格を有した人を置かなければいけません。
そのため、エネルギー管理士を取得していれば工場内で新たに管理者が必要な企業では重宝される資格でしょう。
しかし、工場によっては管理者がすでに存在して交代する予定がない場合は、管理者としての仕事に就けないため資格の取得をアピールできない可能性があります。
国家資格の難易度は高く、合格率は32%ほどと低めなことがわかります。
大きな工場に勤務したいというピンポイントな目標がある人は、工場内での配置が必須であるエネルギー管理士はおすすめの資格でしょう。
【理系向きの国家資格とは?】電気系資格
電気電子工学科などの電気系は電気や電子回路、電流・電圧計算などをはじめ、情報やソフトウェアなどの学習をします。
実際にパソコンを使って回路を組んだり配線を行ったり、ソフトウェアからハードウェアまで幅広い専門知識を身につけていく分野です。
メーカーなどの製造業以外に異業種への就職も可能で、就活において電気系の分野は求められる場合が多いでしょう。
現在では半導体の需要がさまざまな業界で高まっており、将来性にも期待できます。
第二種電気工事士
第二種電気工事士は、家や小規模店舗などの低圧設備の工事が行える国家資格です。
電気や配線、電気工事用の広い知識が求められるので、電気系の学部や学科を選択している学生は専攻分野で学習したことを活かせるためおすすめの資格でしょう。
電気工事士として小規模店やビル設備の管理が行えることや医療機器などの修理を担当するサービスエンジニアの仕事に就くことが可能です。
電気設備の数はこれからもますます増えていくと予想されるので、将来性を考えたうえでも役に立つ資格と言えます。
合格率も50~70%と比較的高く、電気系を専攻している学生だとなおさら取得しやすいのもメリットでしょう。
上位資格の第一種電気工事士の資格を取得するとキャリアアップも可能なため、電気系の仕事に携わりたい人は取っておくべき資格です。
消防設備士
消防設備士は、消火設備の点検や整備を行うことができる国家資格です。
乙種と甲種の2種が存在し、乙種には取り扱える消防用設備が第1類から第7類までに分類され、それぞれの類別の資格を取得することができます。
甲種には受験資格があるため、受験するには単位の修得や特定の学科を修める必要があることに注意しましょう。
消防設備や防災に関連する会社のほかにも、不動産会社やビル設備会社などの就職先があります。
将来的にも防災関連の仕事はなくなる可能性が低いと予想されているので、安定性のある仕事に就ける資格だと言えるでしょう。
人手不足なこともあり就活でも大きな武器となる場合が多く、有利に就活を進めたいならおすすめの資格です。
【理系向きの国家資格とは?】化学系資格
理系でも化学を専攻し理学部の科学科などに進学している人もいるでしょう。
化学系を専攻している人はそのまま大学院に進む人や研究・開発職に就く人が多いでしょう。
しかし、それ以外で専門的な職業へ就職する時に資格の有無は重要です。
化学の知識を活かした専門性の高さは就活でもさまざまな企業に求められるので、それを証明できる資格を取っておくと有利に就活を進められるでしょう。
次では化学系ならではの、就活で有効な資格を紹介します。
危険物取扱者
危険物取扱者を取得すると、消防法にもとづく危険物の取り扱いや管理、立ち会いが行えます。
甲種、乙種、丙種の3種類あり、それぞれで取り扱いができる危険物が異なるので注意が必要です。
化学工場やガソリンスタンド、石油コンビナートなどで働くことが可能で、多くの企業で需要があるでしょう。
危険物取扱者の資格は大学などで化学系の単位を15以上修了する必要があるので、化学系を専攻している学生向けの資格と言えるでしょう。
乙種と丙種は基礎的な化学や危険物の知識が問われ、乙種はより高度で専門的な内容が出題されます。
試験によって難易度が違うので自身の実力に合った科目を取得し、就職後により難しい科目を取得すればキャリアアップも可能でしょう。
高圧ガス製造保安責任者
高圧ガスには場所や用途、ガスの種類など多くの要素があるため、化学・機械分野、冷凍機械分野に分けられます。
化学・機械分野ではコンビナート高圧ガス製造所、ガススタンド、LPガス製造事業所の保安が行えます。
冷凍機械分野では大型冷蔵庫や空調設備などに必要な高圧ガスを取り扱えるのです。
試験では高圧ガスに関する知識や数学・化学を必要とするので、化学系の分野を専攻している人は取りやすい資格でしょう。
難易度が高い乙種の資格を取得していると、年収や待遇などが良い条件で就職できる可能性が高いです。
主な就職先は、化学工場や重工業などの高圧ガスを取り扱う工場などが多いでしょう。
高圧ガスを使う工場や企業は必ず高圧ガス製造保安責任者を配置する必要があるので、安定性も高いと言えます。
【理系向きの国家資格とは?】建築系資格
工学部、理工学部、建築学部などの建築系では、技術が重要になるので資格の有無が就職に影響する場合が多いでしょう。
建築には構造力学といった理系科目だけでなく、芸術的な視点や環境を配慮するといった幅広い知識や素養が求められます。
そのため、総合的な力があるのを示すことができる建築系の資格を取得するメリットは大いにあるでしょう。
建築は自身が作ったものが形として残るので、やりがいも大きく多くの人に求められる職業です。
建築士
建築士には一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があります。
木造、二級、一級の順に試験難易度も上がり、取り扱える建築の規模が大きくなるのです。
建設業界において建築士というのは、唯一設計図書の作成や工事監理が行うことができるため需要の大きい資格と言えるでしょう。
特に一級建築士を取得していると、建築業界で就職するうえで困ることはないほど重宝されます。
ただ、一級建築士には実務経験が必要なため、学生のうちは二級建築士の取得を目標にすると良いでしょう。
いずれの種類も建築業界に特化した資格なため、建築に進もうと思っている人におすすめの資格です。
主な就職先はゼネコンやリフォーム会社、工務店などがあり、特にハウスメーカーや工務店では二級建築士の資格が発揮できるでしょう。
宅地建設取引士
宅地建設取引士は、毎年20万人の受験者がいる就活において最も人気がある資格の一つです。
不動産取引のスペシャリストで、宅地建設取引士だけに許された独占業務があるため唯一性のある資格と言えるでしょう。
独占業務には重要事項の説明、重要事項説明書への記名・押印、重要事項説明書への記名・押印の3つがあります。
不動産取引を行う企業の場合、従業員5名に対し1人以上の資格保有者が義務付けられているので、就活において需要の高さがわかります。
宅地建設取引士は不動産会社はもちろん、建設会社、金融機関、不動産管理会社など幅広く活躍できる就職先があるでしょう。
合格率は15~17%と、国家資格の中では比較的合格しやすい部類なので、建築系で就職に強い資格が取りたい場合こちらがおすすめです。
【理系向きの国家資格とは?】情報系資格
工学部の情報学科などの情報系では、ハードウェア・ソフトウェア、ネットワーク、データベースなど、電子的なデータの扱いや知識を学んでいきます。
デジタル化がますます進んでいく現代では、データの扱いに長けた人材が求められているのです。
昨今ではどんな仕事であれ情報を処理する能力が必要になり、リテラシーの高い人が就活でも好まれています。
そのため、情報系資格は非IT系の仕事や企業を希望するにあたっても武器になることが多いでしょう。
ITパスポート
ITパスポートは、社会人として仕事に就く人が共通して備えておくべき基礎的な情報技術に関する知識を有することを証明する国家資格です。
非ITの人の取得を勧めていることもあり、情報系の資格の中ではかなり取りやすい資格でしょう。
実際に一般の企業でもITパスポートの取得を推奨している企業も多く、就活で有利になることは間違いないでしょう。
ITについての総合的な知識が求められることがよくあるので、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジー系の広い知識を身につけられるITパスポートはどんな人にもおすすめできる資格です。
IT社会に求められる最低限のIT知識を身につけることや就活に少しでも役立つ資格を一つでも取得したいと考えている人は目指してみてください。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はITパスポートよりも広く専門的な知識が求められます。
この資格の取得でITソリューションなどを行うサービス業務に携わることが可能です。
SEなどは取得が昇格の条件になっているケースが多いため、IT系の仕事に携わりたい人は取っておくと便利な資格と言えるでしょう。
また、上位資格である応用情報技術者試験に合格することでキャリアアップもできるため、基本情報技術者試験を先に取っておくことをおすすめします。
入社してから新卒が身につけるべき知識を持っているこの証明にもなるので、IT系の企業を希望している人は取得しておくことで育成コストの削減や意欲、適性などをアピールできるため目指すべき資格でしょう。
【理系向きの国家資格とは?】大学生活を充実させることも大事
国家資格は総じて専門的で、合格に時間がかかるものです。
そのため、まずは大学生活を充実させることが肝心でしょう。
資格の取得が大学生活の中心になり、肝心な大学で取り組んできたことや大学生活でしか得られないことをないがしろにしてしまうことだけは避けましょう。
大学生という貴重な時間をどう活用できるか考え、自身の本当にやりたいことに取り組むことが大学生活を充実させるために大切なことです。
極論、資格の取得は社会人になってからでもできるため、大学生活を捨ててまで取り組むことではないのです。
充実した大学生活を送り、さまざまなことに触れた場合や経験をする中で就きたい仕事が見つかれば、そのための資格の取得を検討してみるのが良いでしょう。
まとめ
今回は、理系向きの国家資格について系統別に紹介してきました。
取得すべき資格は仕事によって変わるため、就きたい仕事がない人は見つけることから始めましょう。
理系学生は基本的に自身の専攻する学科に合わせて就職することが多いため、それに沿った資格を選択すると無駄にならずに済むでしょう。
大学生の貴重な時間をかける選択をする場合は、それが本当に必要かを検討し、大学生活の充実を優先して後悔のない選択をすることが大切です。