工学部の就職先とは?就活を有利にする情報や業界・職種を紹介!

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はじめに

工学部の学生にとって、進路の選択は「自身の専門知識や経験をどういう形で応用していくのか」という命題と直結する選択となります。

また自身の専攻する分野によって、採用されやすい業種や職種に差があります。

そのため、事業内容や募集内容と自身の専門との関連性を考えて志望先を選ばなければなりません。

この記事では、工学部の就職に関する実態や、職種とのマッチングについて解説しています。

工学部生に向いている職業についての理解を深め、就職活動を有利に進めていきましょう。

工学部生の就職の実態とは?

工学部生はほかの学部と比べ、就職がしやすいといわれることがあります。

近年は企業の求人件数が増えたことにより、就職内定率は文系・理系ともあまり差がないほど高くなっているのです。

それでも2020年度の就職内定状況は文系88.9%に対して理系92.1%と、若干ながら就職内定率がよいという結果が出ています。

また、これまでIT関連サービスの導入が進んでいなかった分野でも、昨今はDX化を掲げるなどIT人材の需要が高まっており、工学部生を欲しがる状況が続いているのです。

工学部生は就職に有利!?

工学部生が就職に有利である理由の1つに、カリキュラムの専門性の高さがあげられます。

学んできた分野やテーマが明確で専門性に優れている工学部は、数字に強く論理的思考能力の高い学生が多くいます。

そのため企業からのニーズは高く、就職に有利となっているのです。

また座学だけでなく実験や研究を通して専門分野に対する経験を積んでいることから、新人教育のしやすさや即戦力としての価値も高く見込まれています。

裏を返せば、就職活動において、そういった観点でのアピールが重要なのです。

工学部生の年収は?

工学部出身者の30代での平均年収は495万円といわれています。

これは医学系列の学科についで多い年収水準となっています。

収入面では恵まれている分野といえるでしょう。

年収が高くなる主な理由としては、「専門分野が明確で、技術職・研究職への進路がある」「日本が工業国であり、理工系出身の人材を多く必要としている」といったことがあげられます。

卒業したあとも学んだことを役立てて仕事にできる特徴が、安定した就職事情にも寄与しているといえます。

大学院進学率が高い

工学部生のもう1つの進路としては、大学院への進学も考えられるでしょう。

理学や工学といった理系学生の場合、文系学生よりも大学院に進む率は高いといわれています。

より深く専門分野について、専門性を高めたいという意志から進学を選ぶ学生が多いようです。

大学の偏差値帯によりますが、高いところでは85%程度、平均では40%となっています。

研究者の道へ進むだけでなく、修士から企業の開発・研究職へ入るといったキャリアもあり、これも進学への抵抗がない要因の1つといえるでしょう。

工学部生がおすすめの業界とは?

工学部の出身者が多く就職しているのは製造業界です。

その背景として、自身の専攻している分野や研究テーマと業務内容に関連を見出しやすく、就職後のビジョンを描きやすいことがあげられます。

それぞれの分野に合わせて、代表的な業界をいくつか見ていきましょう。

通信・IT業界

昨今の事情から注目が高まっている業界の1つが通信・IT業界です。

リモートワーク・オンライン授業の普及や社内のDX化など、取り扱うサービスの需要は多く将来性のある業種となっています。

また、外資系やベンチャーの企業では勤務制度について先進的な取り組みが見られるため、働き方の柔軟さも期待できます。

NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天、マイクロソフト、アップルコンピュータ、LINEなどはこの業界に属する企業です。

自動車業界

以前から日本の基幹産業の1つと位置づけられてきたのが自動車業界です。

ファミリーカーだけではなく、商用車や輸送機械としての需要もあり、製造業の主軸といえるでしょう。

近年は自動化や環境への取り組みが注目されるようになりました。

その影響で電気自動車やハイブリッドカー、自動運転技術の導入といった先進分野の技術開発も盛んにおこなわれています。

トヨタ、ホンダ、日産、Suzuki、三菱といった企業が特に知られています。

電気・機械業界

身の回りにある電子機器や工業用の機械、コンピュータといったさまざまなものを手がける業界です。

自身で考案したり設計をしたりしたものが実際に社会で役立つ場面を見られるという点で、達成感を得られる仕事といえるでしょう。

また、電子機器や機械の供給によってほかの業種を支える業界です。

分野を横断したプロジェクトに携わりたい人に向いています。

パナソニック、ソニー、NEC、東芝、日立製作所、キヤノン、富士通、東京エレクトロン、日本電産などが名を連ねています。

エネルギー業界

電気やガス、石油といったエネルギーに関係することを扱う業界です。

昨今では環境への取り組みが注目されることから、クリーンエネルギーや環境負荷の低減など、最新の知見を多く求められる分野となっています。

研究や開発のみならず、プラントでの精製・加工を手がける企業や流通・販売を主とする企業もあり、職種が多彩なことも特徴の1つです。

東京電力、大阪ガス、JXホールディングス、出光興産、コスモ石油などが有名です。

化学業界

さまざまな原材料を混ぜ合わせ、化合反応や化学変化を利用して、よりよい素材を製造する業界です。

この分野の研究・開発によって生み出された素材が、ほかの分野で課題を解決に導くこともあり、とても面白みのある業界といえるでしょう。

また、ペットボトルや衣服の布地など、身の回りの物を手がける分野でもあります。

取り組んだ結果に達成感を覚えやすい職場かもしれません。

東レ、富士フイルム、旭化成、帝人など名前の知られている企業がいくつもあります。

建築業界

一般的な家屋やマンションから、ビル、学校、競技場や電波塔といった巨大な建物まで手がける、建造物を建てる業界です。

設計、建築部材の製造・開発、現場作業、検査・点検など、分野のなかでも業務が多岐にわたっています。

そのため、自身に合った仕事とのマッチがしやすい業界ではあります。

また国家規模のプロジェクトや記念事業といった特別な仕事に携わることがあり、使命感や達成感を得られる職場といえるでしょう。

積水ハウス、鹿島建設、住友林業、清水建設、三井不動産、三菱地所といった企業が有名です。

公務員

国や各自治体の運営する機関も、工学部生を求める業界の1つです。

官公庁や役所のほか、学校、警察署、消防署、公共交通機関といったところが主な就職先となります。

公共サービスの提供や防災において、分析や調査、対策の実施に関わるうえで工学部の知識が役立ちます。

また、専門分野の研究に携わったり、メンテナンスや新しい機器・技術の導入を担当したりするなど活躍できる場は多くあり、やりがいのある職場です。

地元地域での就職を考えた場合には有力な候補となってくるでしょう。

工学部生におすすめの職種とは?

工学部生に人気のある職種はいくつかあります。

しかし、必ずしも研究や開発と直接結びつく仕事が選ばれているわけではありません。

専門分野の知識を活かすにあたっては、研究者やエンジニアだけでなく、その知識をもとに働き方や業務環境を考える仕事や、教員として育成に携わる仕事もあります。

ここではおすすめの職種をいくつか見ていきましょう。

研究員

研究員や研究職は、工学部生から人気のある職種の1つです。

国や企業の研究所などで研究開発をおこなっていくことになります。

企業の研究職の場合、基礎研究と応用研究の2つに大別されます。

基礎研究ではまだ発明されていないものを生み出すという面白さがあり、応用研究では専門分野の知識をどのように社会へ還元するかを考えていく楽しさがあるでしょう。

いずれも競争率は高く、より専門知識のある学生を採ろうとするため、大学院出身者に向いた仕事といえます。

SE・プログラマ

システムエンジニア(SE)は、システムやソフトウェアの仕様設計をおこない、開発を管理する仕事です。

また、プログラマはSEが設計したものに基づいてコードを書き、実装するのが仕事です。

ゲームやアプリ、機械のシステムを開発していく業務であり、身近なものを動くようにするという点で達成感や面白みのある職種といえるでしょう。

設計や開発エンジニア

設計や開発に携わるエンジニアとして就職する人が多いのも、工学部生の特徴といえるでしょう。

研究者と違うのは、実際に市場や社会に出回る製品について取り組んでいく点です。

自動車やロボットなど、幅広い範囲で機械系の開発に取り組むことになります。

そのため、知識の応用や価値観にとらわれない柔軟さも重要となります。

身の回りのものを手がけることで、達成感が高い点はこの仕事の魅力といえるでしょう。

品質管理や生産管理

製造作業の管理をしたり、製造の効率を上げたりといった仕事をおこなうのが品質管理や生産管理です。

製造にあたって作業者の安全を確保するとともに、品質の保証された製品を安定して生産することが大事な役割となります。

直接研究や開発をおこなうわけではありませんが、専門分野を学ぶ中で培ったものを活かし、分析や論理的思考に取り組みたい人におすすめの職種でしょう。

建築士

工学部生のなかでも、建築や設計の分野を学んだ学生が多く希望するのは建築士です。

住居やビルなどを建設するにあたって、安全や法律の順守を考えて設計し、図面を作成する仕事です。

自分で考え設計したものが将来形になるという意味で、やりがいの大きい仕事といえます。

建築士になるためには国家資格が必要です。

そのため、就職を考える場合は資格勉強も重要となります。

教員

工学部で学んだことを教育に活かすという方面を考えるなら、大学や専門学校の教員になるのも選択肢の1つです。

国公立の学校で教員になる場合、教員免許の取得が必要です。

大学で教育課程を追加で受けなければいけません。

また、国公立の教員となった場合は公務員扱いとなります。

一方、私立の場合は教育職員という扱いになるため、注意が必要です。

工学部生が就職を有利に進めるには?

工学部生の就職活動においては、自身の専攻分野やテーマが明確なため業界選びや職種の選択に苦慮する場面は少ないかと思います。

その一方で、人気の業界や企業に対しては応募が集中し、高い競争率となりがちです。

また、IT業界のようにベンチャーや外資系が強い業種では、企業によって独自の採用スケジュールを進めているところもあります。

就職についての情報収集を怠っていると、時期を逃してしまう可能性もあります。

工学部生が就職活動を有利に進めるにあたっては、以下のような取り組みが大切となるでしょう。

資格を取得する

工学部生を対象に採用を考えている企業は、候補の学生が現場でどれだけ戦力になるかをチェックしています。

先行している分野が企業の事業内容とマッチしていることはもちろん大事です。

さらに、実務的な評価をするにあたっては、専門資格を有していることが大きなポイントとなります。

志望している業界で役立つ資格を学生のうちから取得しておけば、就職活動で有利に立ち回れるでしょう。

また、業種や職種によっては仕事に携わる前提条件として国家資格が必要になる場合もあります。

自分の希望する業界ではどんな資格を重視しているのか、早い段階から確認しておきましょう。

専門資格や資格の取得についての詳細は、こちらの記事をご覧ください。

https://digmee.jp/uncategorized/15380/

インターンに参加する

近年は夏季や冬季といった長期休暇の時期に合わせて、インターンシップを開催する企業も多くなりました。

このうち、1週間から数週間をかけて取り組む中長期のインターンでは、実際の業務に近い課題やプロジェクトを経験して実践能力を見られています。

また、ベンチャー系の企業ではインターンへの参加が採用選考スケジュールの一部に含まれていることもあるのです。

参加者を一次試験通過者と見なす場合があり、就職活動において無視できないものとなっています。

日帰りや数日程度の短期インターンでも参加することで、実践経験を積むことができ、その後の就職活動を有利に進められます。

本命の志望先はもちろんのこと、同じ業種のインターンは積極的に応募したほうがよいでしょう。

就活エージェントを利用する

就職支援サイトやWeb就職アプリなどでは、就活エージェントのサービスを利用できます。

1対1の形式で就職活動の相談や手続きのサポート、企業の斡旋やマッチングをしてくれる就活エージェントは、自身の専攻する分野に合った企業を探すうえで心強い存在となるので、利用を検討するとよいでしょう。

また、サービスによっては履歴書やエントリーシートを書く際のポイント指導や添削、面接対策のサポートをしているところもあります。

自身の強みや魅力を文章に表現する際にわからないことがある、面接に自信がないといった場合には、エージェントの指導で弱点を補っていくと効果的です。

就活エージェントをうまく活用し、効率的に就職活動を進めましょう。

大学院進学はアリ?

工学部生にとって大きな悩みの1つが「進学を選ぶか、就職を選ぶか」という点です。

専門的な研究に取り組む場合、学部での4年間は基礎教養のカリキュラムや就職活動などが挟まり、短く物足りないかもしれません。

取り組むテーマについて、一定の成果をあげるまで研究したいと考える学生にとっては、大学院への進学も1つの選択肢となってくるでしょう。

その一方で、追加の経済的な負担を負う選択となり、特定の分野により特化した人材となることには注意が必要です。

将来的にその分野の研究開発を続けたいと考えているならよいですが、ただなんとなく進学を選んでしまうと就職の選択肢を狭めてしまう可能性もあります。

大学で特にやりたいことがない人の場合は、就職して社会経験を積んだほうがよいでしょう。

まとめ

工学部生の進路について、就職の実態と取り組み方、進学の選択という観点で詳しく説明してきました。

就職率がよく、収入面でも良好な条件にある工学部は、専門性にマッチする志望先への就職を考えるのがよいといえます。

また、研究・開発については大学院へ進学し、より専門性を高めて就職したり、研究者への道を選んだりできます。

いずれの場合も自身の専攻している分野について知り、業界について情報を得ることが大切です。

まずは自身がより専門知識を深めたいのか、学んできたことを活用したいのかを明確にし、後悔のないよう進路を選びましょう。

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