社会人が理系大学院を目指すのは難しい?選び方や注意するポイントを解説

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

「社会人向けの大学院にはどんな種類がある?」 「社会人が大学院を選ぶ際の選び方と注意するポイントを知りたい」 社会人から大学院に進学したいと考えている人の中には、このような疑問や興味を持っている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、社会人向けの大学院の種類や理系の社会人に向けた大学院の選び方、目指す際の注意点のほか、理系の社会人向けて大学院の入試の難易度について紹介します。

この記事を読むことで、社会人向けの大学院に進学するために必要な知識を身につけることが可能です。その知識をもとに、自分に合った理系の社会人向けの大学院を選んで進学することができるでしょう。

社会人向けの大学院への進学を検討している人は、ぜひこの記事をチェックしてみて下さい。

社会人向けの大学院について

一般的な大学院は学業に専念することが前提となっているため、社会人が大学院に入るためには会社を辞める、または時間に融通が利く会社に転職する、もしくは休職する必要があります。

それに対して社会人向けの大学院は、名前の通り社会人が通うことを想定したカリキュラムになっているところが特徴です。わかりやすく言えば、平日の夜間や土日に授業を行うことで社会人が仕事を続けながら通えるように配慮している大学院となっています。

そのため、働きながら専門性の高い研究に取り組めるというところが社会人向けの大学院の魅力とされているのです。

社会人向けの大学院の種類

社会人向けの大学院は全国にいくつかあり、その中には夜間制を導入しているところもあれば通信制で枠を取っているところがあるなど、複数の種類があります。このため、自分の仕事やライフスタイルに合った大学院の種類を選ぶことが可能です。

ここからは、社会人向けの大学院の種類を6つ紹介します。

夜間制の社会人大学院

日中仕事をしているという社会人向けに提供されているのが、夜間制の社会人向け大学院です。夜間制は名前の通り、授業などのカリキュラムが平日夜間に設定されているものを指します。日中は仕事をして、夜間に大学院で授業を受けたり研究したりするというスタイルです。

ただ、夜間制の社会人大学院では平日夜間だけでは授業数が足りないところが多く、ほとんどのところは土日を使って授業数を補っています。ほかにも、長期休暇を利用して集中講義が行われる場合もあるようです。

通信制の社会人大学院

通信制の社会人大学院は、自宅に居ながら授業を受けたり研究したりすることができるのが特徴です。授業の種類としては、テキストを用いたものや放送授業、スクリーニングによる面接スタイル、メディアなどを利用したものなどが挙げられます。

こちらは遠方の大学院であっても問題なく利用することができるため、地方に住んでいる人が都心部の社会人大学院に通いたいという場合に便利です。

国立の社会人大学院

国立の社会人大学院は夜間制を導入しているところが多く、学費の安さが国立ならではの魅力です。入学金や授業料を私立の社会人大学院と比較してみると、格安であることが多い傾向が見受けられます。

このため、できる限り安く大学院に入りたいと考えている社会人にとってはおすすめの社会人大学院の種類だと言えます。

市立の社会人大学院

国立の社会人大学院よりもさらに安い学費で利用できるところが、市立の社会人大学院のメリットです。全国で社会人枠を設けている市立の大学院は決して多くはないものの、授業料は国立の半分程度となっています。

全国の社会人向けの大学院は多くはないですが、その中でもさらに学費を節約したいと考えている社会人には市立の社会人大学院がおすすめです。

文系の社会人大学院

社会人大学院には文系と理系の2種類の分野がありますが、そのほとんどが文系の社会人大学院だと言われています。その理由として挙げられるのが、MBA(Master of Business Administration)の資格が取得できるためです。

ほかにも、研究や実験がないので社会人でも通いやすい点も、文系の社会人大学院が多い理由として考えられています。

理系の社会人大学院

理系の大学院は実験や研究などが必要になる研究科が多いところが特徴で、コンピューターのプログラム系やIT系の研究学科が社会人大学院では主流となっています。

ただそのような傾向があることから、社会人が働きながら通い続けることは難しい部分があります。また、対象者の条件もやや厳しいところが多い傾向です。その分、社会人が通いやすいように配慮したカリキュラムが実施されています。

理系の社会人向け大学院の選び方

理系の大学院に入学したいと考えている社会人の中には、どのような大学院を選べばいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。

社会人が理系の大学院を選ぶ場合、社会人枠があるということは前提として、ほかにも研究内容やカリキュラムの種類などを踏まえて検討する必要があります。また、研究室を実際に訪問して体感してみることも大切です。

ここからは、理系の社会人向け大学院の選び方のポイントを2つ紹介します。

偏差値ランクより研究内容を重視する

大学や大学院には入学する際の目安となる偏差値が設定されており、理系の社会人大学院も例外ではありません。このため、まずは偏差値ランクを踏まえて自分のレベルに合ったところを選ぼうとする人もいます。

ただ理系の大学院の場合、偏差値ランクよりも重要視しておきたいのが研究内容です。同じ研究科の名前であっても、専攻や教授の研究分野によって内容が異なってきます。そのため、自分が興味を持って取り組める研究内容かどうかを確認しなければなりません。

大学院の研究室を訪問して体感する

パンフレットやホームページなどを活用して、自分が興味を持って取り組める研究内容であるかどうかを確認した後、実際に大学院の研究室を訪問するのも理系の社会人大学院を選ぶ上で重要なポイントです。

実際に研究室を訪問して研究室の空気や設備、実際の研究内容を体感することで、より具体的に自分が研究内容に興味を持てるのか把握しやすくなります。

理系の社会人向け大学院を目指すときに注意すべきポイント

社会人が理系の社会人大学院に入学することで、仕事を続けながら自分がやりたい研究や実験に携わることが可能です。このため、社会人になってから大学院を目指す人も少なくないですが、目指す際にはいくつか理解や注意しなければならない点があります。

特に入試に関することや仕事に関すること、カリキュラムに関することは、しっかり検討しておかないと後悔してしまう可能性が少なくありません。

ここからは、そんな理系の社会人向け大学院を目指すときに注意すべきポイントを4つ紹介します。

  • 社会人入試・一般入試のどちらで受けるか
  • 夜間大学院・昼間大学院のどちらにするか
  • 退職するか・在職するか
  • 幅広い勉強は必要ないが英語読解力は必要

社会人入試・一般入試のどちらで受けるか

社会人が理系の社会人向け大学院を目指す場合、選べる入試形態は社会人入試(社会人枠)か一般入試のどちらかになります。

社会人入試は〇歳以上で実務経験が〇年以上など、一定の条件を満たしている場合に応募することが可能です。こちらのメリットは専門科目がほとんどなく、小論文や口述試問、面接に限られているため、受験勉強の負担が軽減されるところにあります。

社会人入試を実施していないところや社会人入試の枠を利用しない場合は、専門科目も課せられる一般入試を受けることになります。このため、自分が希望している大学院ではどのような入試形態が実施されているのか、どちらで受けるのかを把握しておきましょう。

夜間大学院・昼間大学院のどちらにするか

理系の社会人向け大学院には、夜間制のカリキュラムのところもあれば昼間のカリキュラムを導入している昼間大学院もあります。どちらの大学院を目指すのかという点は、事前に決めておかなければならない注意点です。

夜間大学院であればスケジュール自体は厳しくなりますが、仕事を続けながら研究や実験に参加することができます。昼間大学院の場合は学業に専念できる反面、仕事は辞めるか休業しなければ通うことが困難です。

このように、カリキュラムの時間帯によっては仕事にも大きな影響が出てくるため、慎重に進学先を決めなければなりません。

退職するか・在職するか

大学院に進学する場合、仕事の合間に大学院での課題をこなしていかなければならないため、仕事と勉強を両立することが難しくなります。特に理系の大学院の場合は、研究や実験でレポート作成に追われるため、より仕事との両立が難しいでしょう。

このため、夜間大学院・昼間大学院のどちらにするかを検討する際に、仕事を退職して大学院に通うか、夜間大学院で在職したまま両立するのかを選ぶことになります。どちらを選ぶにしても、進学後の見通しが立つのかどうかも視野に入れて検討することが重要です。

幅広い勉強は必要ないが英語読解力は必要

社会人入試は理系の社会人向け大学院であっても専門科目がないケースが多いことから、幅広い勉強は必要ないと言えます。ただ、大学院に入学してから研究や実験の資料で英語の文献を読む場合もあるようです。

そのため社会人入試で英語を課している大学院もあり、試験対策や入学後のことを踏まえて英語読解力が必要になります。

理系の社会人向け大学院の難易度

理系をはじめとした社会人向けの大学院で実施されている入試は、志望理由書や研究計画書などの小論文または口述試験と面接が基本となっています。これは、社会人の受験勉強の負担を軽減するための配慮で、専門科目を課していないところも多いです。

また、社会人の大学院入試は研究テーマに対する基礎的な知識や素養の有無、社会人経験の程度が評価に影響を与えます。このような点から社会人大学院では学力を試すようなことがないため、入試そのものの難易度が気にされることはありません。

それよりも、自身の考えを如何に明確に伝えられるか、自分をしっかりアピールできるかどうかが勝敗の鍵を握っているのです。

社会人も理系大学院を目指してみよう

大学院は現役の大学生だけではなく社会人枠を設けているところもあるため、社会人になってからでも目指すことができます。社会人向けの大学院は文系・理系のほかにも様々な種類があります。

社会人入試は自分の考えや自分自身をアピールできるかどうかが評価のポイントになるため、入試そのものの難易度は決して高くはありません。

もし、社会人だけど大学院で研究や実験に携わってみたいという人がいれば、理系大学院を目指してみてはいかがでしょうか。

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