計算を使う適性検査とは?クレペリン検査やその他の検査についても解説

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「クレペリン検査って、聞いたことがあるけど、どんな検査なの?」 「就活にクレペリン検査対策って必要なのかな?」 「そもそも、クレペリン検査って何を測る検査なんだろう?どんな意味があるの?」 高校生の適性検査や就職試験に使われているほか、鉄道事業者、医療従事者に定期的に行われることもあるクレペリン検査ですが、わからないことがたくさんあることでしょう。

この記事では、クレペリン検査の概要や検査で測られる内容、検査に挑む際の対策、注意点について詳しく解説していきます。また、クレペリン検査以外の適性検査についても紹介します。

この記事を読んでいただければ、計算を使った適性検査がどのようなものか理解でき、対策を取ることができるようになるでしょう。

この記事を参考に、クレペリン検査を理解しましょう。

クレペリン検査の概要

クレペリン検査は正式には内田クレペリン検査といい、株式会社日本・精神技術研究所が提供しています。

クレペリン検査は性格検査、適性検査の一種です。ドイツの精神科医エミール・クレペリンが見つけた作業曲線をもとに、内田勇三郎が20世紀初頭に開発したものです。

検査はひたすらに足し算をするという単純な作業を繰り返すもので難問ではありませんが、計算能力を測るだけのものではなく、検査結果から、性格や適性を読み取ることができるとされています。

高校生の適性検査や就職試験によく使われている一方で、鉄道事業者には、運転士に3年に一回のクレペリン検査が義務付けられています。

クレペリン検査は、アラビア数字を使う国であれば、どんな言語を使っていても効果的な検査であるため、世界的に受検されている検査です。

検査方法

クレペリン検査の検査方法はとてもシンプルです。問題用紙に印刷された、一桁の数字を隣どうし順番に足し算していくだけのテストになります。この単純作業で脳に負荷を与え、受検者の反応により、その人物の特性を測る検査です。

用紙には1行に116個の、3から9までの数字が並んでいます。隣り合う数字の和を、それぞれの数字の間下に書きこみます。合計が2桁になる場合は、1の位の数字が答えです。

検査では問題の左上からはじめますが、1分経過すると指示があり、次の行に進みます。すべての問題に回答する必要はなく、指示があった時点で次の行に進み、同じ作業を進む、この繰り返しです。

所要時間について

本検査前に説明や練習、氏名記入などの時間が設けられます。これらを含めて所要時間は約1時間です。

クレペリン検査の本検査は、前半15分、5分の休憩をはさんで、後半15分の35分で終了します。

クレペリン検査でわかる内容

このような単純なクレペリン検査で、何がわかるのでしょうか。クレペリン検査は、知能面だけではなく、性格面に関しても評価することができる検査です。興味のある方は参考にしてみてください。

知能面

クレペリン検査では、無数の数字の足し算をしていくわけですから、処理能力の確かさや速さを測ることができます。

アラビア数字を使用している人全員を検査対象にできることから、日本語を母語としない人にも知能検査ができるという利点もあります。

性格面

クレペリン検査で性格面についても測ることができます。なぜ、単純な計算問題で性格までわかるのでしょうか。

クレペリン検査では、一行でどこまで計算できたかを折れ線グラフで表し、これを作業曲線と呼びます。作業曲線から、発動性、可変性、亢進性がわかりこれがクレペリン検査が各種試験に導入されている理由でしょう。

まず、発動性から説明しましょう。これは、問題なく物事を開始できるかどうかの能力になります。発動性の高い人の長所は、素直で気軽といった点で、短所は、軽はずみで先走りしやすいという点です。発動性の低い人は、芯が強いという長所があり、我が強いという短所があります。

次に可変性が挙げられます。可変性とは、物事を進めるうえでの、行動や気持ちの変化です。可変性の高い人は、柔軟で気が利くという長所と、感情にムラがあるという短所があります。

可変性の低い人は、粘り強く、地道に作業するという長所と、機転や融通が利かないという、短所があるでしょう。

最後に亢進性です。亢進性が高い人は、行動力があり、努力家であるという長所がある一方、強引で、無理をしがちという短所があります。

亢進性の低い人は、温和で和やかという長所がありますが、妥協しやすい、持久力に問題があるという短所を持つでしょう。

クレペリン検査の対策

クレペリン検査を受けることになった場合、どのような対策ができるのでしょうか。ここからは、クレペリン検査の対策について解説していきます。

クレペリン検査は、小学生でもできる検査ですが、よい評価を欲しいのであれば対策が必要です。

練習して計算に慣れる

まず、一桁の数字の足し算に慣れましょう。クレペリン検査練習用アプリなどを利用できます。また、エクセルなどのツールで自分で問題を作って、紙に書く練習法も有効です。

たくさん練習しているうちに、答えを全部覚えてしまうことも可能でしょう。計算が遅い、苦手、という方はたくさん練習しましょう。

集中力をコントロールする

15分間、集中力を保つというのは案外難しいものです。先に挙げた、練習も時間を測って、15分を体感しながら行いましょう。

寝不足や心配事は集中力の大きな敵です。検査前夜は十分に睡眠をとり、心配事は解消しておくか、心から追い払うようにしましょう。

検査前は休息をしっかり取る

クレペリン検査前には、脳を休息させましょう。焦ると良い結果は得られません。時間に余裕をもって会場に入ってください。また、脳の疲労回復にはブドウ糖が効果的です。噛む行為によっても、脳が回復しますから、甘い食べ物を口に入れるとよいでしょう。

検査中は緊張しすぎない

検査中は緊張しすぎる必要はありません。適度な緊張はパフォーマンスを上げる可能性もありますが、過度な緊張はミスを誘います。

緊張を解くためには深呼吸がおすすめです。他にも落ち着くためのルーティンがあれば、それを実行してください。

定形曲線を意識しながら解く

クレペリン検査ではいろいろな面が測られますが、先方は常識的な人を選びたがっています。そのためには、定型曲線を意識しましょう。

クレペリン検査では、前半の15分は最初と最後が多く作業結果の出るU字型、後半は、前半で慣れているため、一行目が前半のどこよりも高い位置、そこから徐々に下がるという定型曲線があります。

この定型曲線から大きく外れる人材は好まれないと心得ましょう。

クレペリン検査の注意点

ここからは、クレペリン検査で好成績を上げるための注意点を解説していきます。クレペリン検査では、鉛筆もしくはシャープペンシルで回答を書き込むことが大事なポイントです。

消しゴムは使わない

クレペリン検査では、間違えても消しゴムを使うことは避けましょう。消しゴムの使用を禁じているケースもありますし、消しゴムを使う時間がもったいないということもあります。

クレペリン検査の一行には116の数字が並んでいて、それを1分で計算していくことを考えると、間違えてもその解答は×か斜線で消し、次に進む方が消しゴムを使うより効率的です。

手が疲れる

クレペリン検査は長時間の単純作業によって、体と脳に負荷をかける検査です。そのため、クレペリン検査は脳が順調に動いていても、筆記し続けなければならないため、手が疲れます。

避けられない現象ですが、あらかじめインターネットにあがっている問題を印刷して、15分間解いてみることで、疲労の度合いを知ることができるでしょう。

筆記用具の予備を入れておく

クレペリン検査で使う筆記用具は、シャープペンシルか鉛筆です。これらの筆記用具はできれば数本用意しましょう。

時間との戦いであるクレペリン検査では、シャープペンシルの芯切れや鉛筆のすり減りの際、即座に予備の筆記用具が使えるようにしておくべきです。休憩の5分は脳と体を休めるとともに、これら筆記用具のメンテナンス作業にあてましょう。

ミスをしても焦らない

クレペリン検査は正答率だけでなく、回答数も重視されます。計算間違いや行を飛ばしてしまうなどのミスがあっても、気にせず先に進みましょう。

ミスに気が付いても焦らず、落ち着いて次の計算に進む方がよい結果が出るでしょう。

計算を使う適性検査は他にもある

クレペリン検査は、正確な判断力や集中力が必須である医療や福祉関係の法人、公務員、鉄道会社などの採用試験で多く実施されています。しかし、就職試験で実施される計算問題を使った検査は他にもあります。

ここからは、そうした検査について簡単に解説します。

SPI

SPIはリクルートマネジメントソリューションズが開発した検査です。出題は言語分野と非言語分野に分かれ、非言語分野の出題に計算問題が含まれます。

さらに、300程度の質問による性格検査も含まれていて、実務能力だけでなく受検者を詳しく分析する適性検査です。就職試験では、面接の前に行われることも多く、WEBで試験を行う企業・団体もあります。

SPIは、導入している企業・団体も多い検査ですから、早い時期に対策を練っておくべきでしょう。

CUBIC

CUBIC適性検査は、企業や団体が就活生の基礎能力・個性・適性を知るための適性検査です。CUBICは、よりその企業・団体が望む人物像を浮かび上がらせるため、近年導入されることが多くなってきています。

CUBIC適性検査は、基礎能力検査と採用適性検査を含む量の多い検査です。

基礎能力検査は、受検者が持っている学力の基礎を問われます。基礎能力検査は言語・数理・図形・倫理・英語の5科目があり、各科目で20問ずつ出題されます。主に、中学高校で習う内容から出題されますが、図形と倫理は適切な対策をしましょう。

CUBIC適性検査の採用適性検査は、意欲・性格・価値観・社会性の4つの部分で評価を行います。問題数が多いのも特徴で、123問の問題が出題されます。採用後にする仕事によって適性は変わるため、こちらには最適解はありません。

玉手箱

玉手箱は、大手企業、有名企業がこぞって導入しているWEB試験です。新卒採用の自宅受験型のテストの中では高いシェアを誇っています。玉手箱は日本エス・エイチ・エルの商品です。

玉手箱で出題される科目は、計数問題・言語問題・英語問題の3科目になります。玉手箱の問題は、一問一問は難しいものではありません。しかし、素早く解くことを要求されます。

あらかじめ、練習問題を解いておくなどの対策をしましょう。

適性検査の計算の内容やコツを知って備えよう

クレペリン検査について詳しく説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。他の検査との違いも理解できたでしょうか。

どの検査にも、それなりの対策があります。自分の弱点を知って、効果的な対策を練っていきましょう。

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