HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
理系学生の方の中には、自分の専門分野や研究を活かせる仕事に就きたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
企業や大学などの研究所で働く研究職であれば、自分の得意分野や研究を活かせるかもしれません。
しかし「研究職はやめておけ」といわれるような風潮もあります。
今回は、研究職はやめとけといわれる理由や、研究職自体のメリット、特徴などをご紹介していきます。
向いている方の特徴も解説するので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
【研究職はやめとけといわれる理由】やめとけといわれる理由
研究職はやめておけ、大変といったネガティブな言葉を聞いて「研究職に興味はあるけど不安もある」「大変ならやめた方が良いのだろうか」と考える方も少なくありません。
ここではまず、研究職はやめとけといわれる理由をご紹介します。
研究職を目指すうえでは、これから紹介する内容を覚悟しておく必要があるでしょう。
逆に、ここで説明する理由を理解しておけば、目指す価値のある仕事といえます。
現時点で研究職に興味があるという方は、以下の点をよく理解しておきましょう。
学部卒では就職しにくい
まず研究職は、基本的に大学院卒業以上の学歴がある人材を優先的に採用します。
研究というものは、その分野の専門知識が必須です。
学部までではその知識や経験が不十分な場合も多く、採用枠もほとんどありません。
レベルの高い企業や研究所の場合は、修士号を取得していることを前提にしている場合もあるほどです。
大学院への進学は、金銭的な面からも負担が大きく、必ずしも研究職に就けるとは限らないというリスクがあります。
将来を見据えた際に、ハイリスクであることから「研究職はやめとけ」といわれるのかもしれません。
学士号で研究職に進むには
上記の通り、研究職は一般的に修士以上でないと求人自体が少なく、非常に狭き門となります。
学士でも研究職に就くことは可能ですが、ハードルは高いといえます。
研究職の募集のうち、学士を募集する求人は全体の2割ほどしかないともいわれ、募集している企業などを探すことがまず困難なのです。
当然、修士以上の方に比べて学士の方は専門性が足りず、アピールできるスキルや研究成果は多くありません。
学士で研究職に就くためには、面接でのアピールが重要になってきます。
志望動機などを見直すことも大切です。
また研究論文を完成させる前なら、研究に力を入れ、質の高い論文を執筆することでもアピールになります。
内容だけではなく、研究に対する姿勢や考え方を示すことになるため、論文に力を入れることは重要です。
転職しにくい
研究職は高い専門性を求められることから、転職が難しいという面があります。
一般企業のオフィスで働く場合のマナーやビジネススキルとは違うスキルが必要のため、異業種や研究職以外の職種に転職することは非常に難易度が高くなるでしょう。
自分にやる気があっても一般的な新入社員に求められるスキルがないため、転職で不利になってしまいます。
もちろん自分自身の転職への取り組み方によって、その壁は壊せるものです。
意志を持ってキャリアチェンジをするなら、大きなデメリットとはいえないでしょう。
【研究職はやめとけと言われる理由】研究職のメリット
ここまでで「研究職はやめとけ」といわれる理由、つまり研究職のデメリットの部分をお伝えしました。
大学院への進学やキャリアチェンジのハードルの高さなどを理解し、志望をためらってしまう方もいるかもしれません。
しかし、研究職はメリットも数多くあります。
ここからは、研究職の良い点をお伝えしていきます。
場合によっては、デメリットよりも大きなメリットを感じられる方もいるかもしれません。
研究職には、以下のようなメリットがあります。
高収入が期待できる
研究職というのは、高い専門性を求められる職種です。
大学、大学院の一定のカリキュラムや研究に携わらなければ身につかないスキルや知識が求められるため、市場価値は高い傾向にあります。
そのため、基本的に一般的なサラリーマンよりも高収入が期待できるケースが多いのです。
もちろん、就職先が大学などの研究機関か民間企業かなどによっても前後するので一概にはいえませんが、平均的に見て高い傾向があるのは間違いありません。
職が安定している
研究職という職種は、ものづくりがある限り続いていく職種といえます。
作業などを機械に頼ることができても、実験を行ったり、結果から推論を立てまた新しい実験を試みたりといった、データにもとづく試行錯誤を行うのは人間です。
何かを作るためには、必ず実験によってさまざまな検証をしなければなりません。
専門的な知識や経験が必要なため、研究職の仕事は常に存在します。
研究が途中で頓挫してしまうといったこともありますが、職種自体の価値が揺らぐことはほとんどないでしょう。
残業が少ない
残業が少ないというのも、研究職の大きなメリットです。
研究は期間が明確に定められているわけではなく、プロジェクトの終わりが決まっているものではありません。
そのため、締め切りに追われるということがないのです。
大学や院の研究室に泊まり込みで実験するということはよくあるケースですが、企業の研究ではそういったことがまれです。
基本的には定時で帰れるので、仕事のメリハリもつけやすいでしょう。
とくに、一定の需要が常に見込まれる業界は大きな波がないため、ホワイトな傾向があります。
大手企業は残業時間の削減に力を入れているため、研究職でも例外なく、定時退社ができるような環境を整備していることが多いでしょう。
研究テーマや分野によって忙しさに違いはありますが、比較的少なめの残業時間といえます。
優秀な人材と働ける
研究職は専門知識を求められるため、志望者に対して採用枠が少ない傾向にあります。
競争率が高いということは、採用される人材が優秀な場合が多いのです。
スキルや知識、経験などが自分よりも高い人とともに働くことによって、モチベーションを刺激され、働くのが楽しくなるかもしれません。
またレベルの高い人に囲まれて仕事をすれば、自分のスキルも磨かれていくでしょう。
優秀な人と働ける環境は仕事自体のストレスが下がるため、魅力的なポイントです。
適した環境で研究を行える
民間企業の場合は、大手企業なら環境や設備が整っており、研究が快適に行えます。
研究を続けるためには、当然のことながら研究設備がなければなりません。
基本的に研究職の募集がある研究室などは、その専門分野に特化した研究を行うため、必要な設備が整っている場合も多いでしょう。
大学や大学院などでは使えなかったり借りたりしなければならない設備を潤沢に使えるのは、所属研究員ならではの特権です。
先述のようにレベルの高い人に囲まれながら仕事ができるので、研究に集中したい方には良い環境といえるでしょう。
【研究職はやめとけと言われる理由】研究職に向いている人の特長
研究職のメリット・デメリットを整理してきました。
このように大きな魅力のある研究職ですが、自分に適性があるか気になる方もいるかもしれません。
ここからは、研究職に向いている人の特徴を順番に解説していきます。
メリットやデメリットを踏まえたうえで、どんな方が研究職向きなのかをご紹介するので、自分と照らし合わせてみてください。
もちろんここに書いてある特徴に合致しないからといって、志望するのを諦める必要はありません。
自分に合った研究環境があるかどうかを調べることで、ミスマッチを防げます。
粘り強い人
研究というのは、失敗が当然です。
とくに研究者として企業や研究機関で研究をしていく場合は、終わりが決まっているわけではないので、成功するまで実験を続ける必要があります。
成功まで粘り強く繰り返し作業を行える人でないと、仕事が苦痛になってしまうかもしれません。
ある程度の気楽さと、成功まで研究をやめないという姿勢が求められるでしょう。
飽き性の人の場合、成果の出ない期間が続くと、苦痛を感じる時間が長くなってしまうので注意が必要です。
熱中できる人
興味のあることに熱中し、没頭できる人は、研究職に向いています。
ただし入る業界の選択を誤ると、自分の興味のない研究をすることになってしまい、うまくスキルやノウハウ、知識を活かす場もなく苦しく感じてしまうかもしれません。
興味のある業界を選択した場合でも、研究テーマが分野外ということもあるでしょう。
事前にどのような研究を行っているかを把握しておくと同時に、新しい分野へのチャレンジ精神があると、どのような研究所に配属されても前向きに業務に取り組むことができるでしょう。
一人で淡々と作業できる人
研究職は、一人で淡々と自分の受け持つ実験を進めることが多いため、コミュニケーションを取る機会はあまり多くありません。
一人での作業が苦痛でない人は、研究職に高い適性があるといえるでしょう。
同じプロジェクトのチームメンバーなどとも業務中に話すことは多くないので、黙々と作業しても効率の低下がないというのは大切な資質です。
もちろん進捗報告や休憩時間に人と話す機会はあるので、すべて一人で仕事が完結するわけではない点にも注意しましょう。
インターンに参加するのがおすすめ
自分が研究職に向いているのか不安があるという方は、研究職のインターンに参加するのがおすすめです。
インターンへの参加は、自分と相性の良い研究室を探すほかにも、就活に直接的な影響があるケースもあります。
ただし、研究職に関係するインターンの募集なのかは事前によく確認しましょう。
関係ない職種のインターンに参加することにならないよう、注意してください。
インターン経由の選考もあるため、できるなら積極的に参加してみましょう。
【研究職はやめとけと言われる理由】研究職に就く方法
それでは、実際に研究職に就くためには、どのような方法があるのかご紹介します。
ここを確認して、自分に合った就活を考えてみても良いでしょう。
研究職は、一般企業の募集に応募するほかにも、推薦によって就職できる場合もあります。
とはいえ、高い専門性とスキルを求められる職種のため、基本的に採用枠が少なく、推薦の枠も狭き門というのが実情です。
それでも研究職に就きたいと考えるのであれば、以下のような方法があります。
自由応募
まずは、企業のホームページや就活ナビサイトなどを活用して、自分で応募する方法をご紹介します。
これは他職種の募集と変わらず、ESや履歴書、場合によっては論文などを参考にし、面接などを経て採用を決めます。
志望理由や学生時代力を入れてきたこと(ガクチカ)、アピールポイントなどをしっかり練って望まなければなりませんが、募集の間口は比較的広いといえるでしょう。
自己分析などを丁寧に行い、真剣に取り組むことが内定獲得のコツです。
推薦
研究職というのは、大学推薦や教授推薦で就職できる可能性もあります。
研究者同士が知り合いの場合は、そういった就職の話が教授などに届きやすく、結果としてゼミや研究室の学生に就職口の話がくるケースもあるのです。
ただし、これはその話によって、程度の差が大きくなっています。
ほぼ内定決定として面談のような形で面接を行うものから、一次選考(書類選考)を免除するだけのものまでさまざまです。
話が来たからといって、採用選考のための準備をしなくていいわけではありません。
また推薦によって内定を獲得した場合は、辞退するのが難しくなる側面もあります。
推薦してくれた大学や研究室、教授の迷惑にならないよう、辞退するのは避けましょう。
理系専用の就活エージェント
もし上記のような方法に不安があるという方は、理系専用の就活エージェントを利用してみるのもおすすめです。
理系に特化した就活エージェントなら、研究職や開発職など大学での経験や知識を活かしやすい求人が数多くあります。
また就活のプロであるエージェントへ不安なことを相談できたり、ESや面接の対策などまでフォローしてもらえたりと、包括的なサポートを受けることができるのもメリットです。
もし就職活動に不安があるという方は、理系専用エージェントの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、研究職はやめとけといわれる理由や研究職自体のメリット、就職手段などを重点的にご紹介しました。
研究職の厳しさや良いところなどを理解できたかと思います。
自分の研究をさらに深めたいと考え、研究職を志望する方もいますが、基本的には配属された研究室で与えられた研究テーマを調べていくことが業務です。
インターンなどで方向性を確認してみるのも良いでしょう。
「仕事として研究をする」という感覚を念頭に置き、ぜひ自分の理想の研究室を探してみてください。