農学部は就職しにくいって本当?農学部のおすすめの就職先を解説!

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はじめに

大学の学部選びは、在学中に学ぶ内容だけでなく、卒業後の進路を決めるうえでも重要なポイントです。

そのため、就職しやすいかどうかを学部選びの基準のひとつとしている方も多いでしょう。

しかし、一般的には就職が難しいと言われている学部でも、実際には独自の強みを持ち、さまざまな就職先が存在するというケースも少なくありません。

今回は農学部について、おすすめの就職先や資格、面接対策について解説します。

農学部在学中の方、農学部を目指している方はぜひ参考にしてください。

【農学部就職先】農学部は就職しにくい?

農学部は、就職に不利だというイメージを持たれやすい学部のひとつです。

しかし、農学部の就職率の水準はほかの学部と比べても高く、農学部に入ったからといって就職でハンデを背負うようなことはほとんどありません。

この就職に不利という誤解は、おそらく「農学部だから農業関係の職業にしか就職できない」というイメージが先行しているためではないかと思われます。

農学部は、その名称のとおり、主に農業と関連する学問を学びますが、実際は多くの業界・職種において学んだ知識や経験を活用することができます。

少なくとも、就職が不安だからという理由で農学部を避ける必要はありません。

大学で学んだ自身の強みをしっかりと理解し、必要に応じて適切な資格を取得すれば、就職先の選択肢はさらに増えるでしょう。

【農学部就職先】農学部おすすめ就職先

それでは、農学部の学生におすすめの就職先を確認していきましょう。

業界単位で見ると、大学での学びが活かせる食品業界や製薬業界などで、農学部出身者が活躍している姿が多く見られます。

また、農業に関わる団体や企業、農家そのものも農学部出身者が活躍しやすい業界です。

これらの業界は日常生活における重要度が高く、気づかないうちにお世話になっているものも少なくありません。

自身の専攻や学びたいことを考慮したうえで、どのような社会貢献がしたいかを考えてみると業界選びの軸が見えてくるでしょう。

食品メーカー

食品メーカーは、農学部の就職先として代表的な業界のひとつです。

農業と言えば、野菜や畜産など食に関わるイメージが強いため、農学部と食品メーカーの関係性は想像しやすいのではないでしょうか。

実際に、農学部では食物について学ぶことが多いため、多くの食品メーカーでは農学部の学習内容や経験が役立ちます。

具体的には、加工食品や健康食品、飲料などを扱うメーカーに就職するケースが多いでしょう。

また、栄養士や管理栄養士の資格があれば、メニュー開発などの現場でも活躍できます。

製薬会社

薬学部や理学部の就職先というイメージが強い製薬会社にも、農学部出身者が多数就職しています。

製薬会社の業務でも営業職や研究職であれば、薬剤師資格も必要ありません。

特にバイオサイエンスや生物に関わる分野を学んだ方であれば、その知識や経験を活かせる機会が多いでしょう。

ただし、製薬業界は専門性が高く、食品メーカーに比べると就職に活かせる分野は限られてきます。

製薬会社への就職を目指して農学部に入学する場合は、学科や研究室について事前にしっかり調べておくことが大切です。

化粧品メーカー

化粧品メーカーも、農学部の就職先として有力な業界のひとつです。

化粧品は、薬と同様に人間の体に影響を及ぼすものであり、その製造には生物化学系の知識が役立ちます。

具体的な業務としては開発・製造・販売などが挙げられるでしょう。

ただし、化粧品メーカーに関しても、就職に活かせる分野は限定的です。

学科や研究室を選ぶ際は、化粧品メーカーへの就職実績があるところを選んだ方が良いでしょう。

なお、製薬や化粧品の開発には動物実験が必要になることが多いため、獣医学科出身から進むルートも有効です。

種苗メーカー

種苗メーカーとは、農家が用いる種や苗、球根などを販売している企業のことです。

農家以外の人が直接取引をすることはあまりありませんが、農家や食の流通を支える重要度の高い企業と言えるでしょう。

種苗メーカーでは新しい品種の研究開発、効率的な生産方法の確立、生産物の販売などさまざまな業務が行われており、農学部で学べる多くの学術分野が活用可能です。

また、種苗業界全体で見れば、医療・農薬の開発を専門としながら種子開発も手がける、バイオメジャーと呼ばれる多国籍企業も大きな存在感を持っています。

大規模農家(ファーム)

米や野菜といった農作物の栽培、乳製品や食肉といった食品の生産、木材の産出などを行う農家も、農学部の就職先としては有力な候補のひとつです。

特に近年では、効率的な生産管理や積極的な販売戦略を特徴とする大規模農家に就職するケースが増えています。

広大な農地を確保できない場合でも、農家同士で業務提携し事業規模を拡大するなど、その運営形態は多様化しています。

農業の大規模化はコスト低減などのメリットから政府にも推奨されており、今後もその数は増えていくことになるでしょう。

農業協同組合(JA)

農業協同組合(JA)とは、農家への総合的なサポートを目的とする協同組合です。

その仕事は農家の指導事業、農作物の販売事業、共済事業など多様であり、各方面から農家をバックアップしています。

一次産業として生産に関わる職業ではありませんが、農家とは違う立場で農業の発展と地域への貢献が可能です。

また、全国に展開している組織なので、地元などで就職しやすい点もメリットになるでしょう。

一方、必ずしも専門性が活かせる部署に配属されるとは限らないため、どのような業務にも対応できる柔軟性が大切です。

【農学部就職先】農学部の学生におすすめの職種

次に、農学部の就職先としておすすめの職種について解説します。

職種を選択する際は、自身のスキルや専攻だけでなく、どのような形で社会貢献がしたいか、どのような仕事にやりがいを感じるかといった点が重要になってくるでしょう。

そういった点を知るためには、入念な自己分析が大切です。

一方、仮に同じ職種でも、実際の業務内容が企業ごとに異なるというケースは決して少なくありません。

入社後のミスマッチを避けるためには、イメージだけで職種を選ばずに、企業研究やOB訪問などを通じて実際の業務内容を知ることも大切です。

研究職

研究職は主に新製品の研究・開発を行う職種です。

先ほど解説した業界の中では、特に製薬会社や化粧品メーカーで活躍の場が多いでしょう。

また種苗メーカーでも、味や生産性を改善した新しい品種の開発が行われています。

各分野の新商品の開発に携われるためやりがいが大きく、同時に給与水準も高いのが特徴です。

一方、専門性が高く募集人員もあまり多くはない可能性があるため、就職するには大学院以上の経歴とある程度の実績が必要になるでしょう。

製造技術職

製造技術職とは、商品を製造する現場で働き、効率的な生産環境を管理する仕事です。

特に食品メーカーでは、欠かすことのできない重要なポジションだと言えるでしょう。

製造技術職は、生産ラインで発生したトラブルの解決や人員配置による効率化を担当することもあるため、分析力や課題発見力、コミュニケーション能力が要求されます。

よく似た職種に生産技術職がありますが、こちらは新商品開発から生産ライン設計などを担当する職種です。

双方の境界線が曖昧な場合もあるので、事前に具体的な業務内容をチェックしておきましょう。

品質管理職

品質管理職とは、工場で生産される製品の品質を管理する仕事です。

農学部の就職先としては、特に食品メーカーで活躍の場が多い職種でしょう。

かつては不良品が出ないよう、完成品をチェックするのが主な役割でしたが、現在はどのレベルの品質を基準と定めるか、いかにして品質を保つかといった点を提案する業務も増えています。

消費者が求める品質とニーズを的確に把握するために、比較的高い分析力も必要になる職種です。

なお、品質管理検定1級を持っていれば、就職の際に非常に有利になります。

営業職

営業職は、自社製品を顧客に売り込む職種です。

食品メーカーの場合はスーパーやコンビニ、レストラン、外食チェーンなどが営業先になるでしょう。

また、製薬会社において、医療機関向けに自社製品の効能や利点を伝えるMRも営業職に含まれます。

顧客と企業の橋渡しとして製品をアピールする点は共通していますが、その業務形態は企画営業や新規開拓、ルート営業などさまざまです。

ただしどのタイプの営業であっても、自社製品に関する知識に加え、高いコミュニケーション能力が要求されます。

【農学部就職先】農学部におすすめの資格

次は、農学部からの就職を目指す方にとっておすすめの資格をご紹介します。

専門性の高い職種では、特定の資格が応募条件として設定されているケースも少なくありません。

以下では、主に飲食関連のメーカーを志望する方にとって役立つ資格にフォーカスして解説します。

飲食業界を目指している方は、早い段階からこれらの資格取得を目指すと良いでしょう。

なお、グローバルな活躍の機会が増えている昨今は、多くの業界で語学力が重視されます。

特に国際的な企業を志望する場合は、語学系の資格も習得しておくのがおすすめです。

管理栄養士

管理栄養士は栄養士の上級資格であり、より専門的な知識が要求されます。

病気を患っている人に専門的な知識を用いて栄養管理・指導ができるため、活躍できる業界や現場の幅も栄養士より広がります。

栄養士は農学部と関わりが深く、生物や食品に関する専門性が一致しやすいのも特徴です。

また、管理栄養士は国家資格であり、給与相場が栄養士より高い点も見逃せません。

なお、近年は農学部内に栄養関係の学科を設けている大学も増えてきています。

食品衛生管理者

食品衛生管理者とは、食品の製造・加工過程において、衛生状況を管理する能力を有することを証明する国家資格です。

食品メーカーでは、営業許可施設それぞれに食品衛生責任者の設置が義務付けられているため、食品や飲料の製造現場で働く場合は重要性の高い仕事だと言えるでしょう。

食品衛生管理者資格を取得した場合は、設備の衛生確認や、工場スタッフの健康確認といった業務が可能になります。

現役高校生以外の17歳以上であれば学歴に関係なく取得できるので、気になる方は取得を目指してみるのも良いかもしれません。

HACCP管理者

HACCPとは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の頭文字を取った略称であり、一般的には「危害要因分析重要管理点」と訳されます。

つまりHACCP管理者とは、生産現場におけるハザード(危害要因)を把握したうえで、その除去や低減を目的とした衛生管理ができることを示す資格と言えます。

2020年からは、食品関連事業者にHACCPの導入が義務付けられ、資格の需要が高まりました。

HACCPに関する資格は、HACCP管理者のほかに、HACCPリーダーやHACCP普及指導員などが存在します。

【農学部就職先】面接の際よく聞かれる質問!

最後は、農学部の学生が就職活動の際によく聞かれる質問について解説します。

農学部は学べる学問の幅が広く、それぞれがある程度の関連性を持ちながらも独自の強みや専門性を持っているのが特徴です。

大学で学んだ内容が、就職後の業務に直結することも少なくありません。

そのため、大学における学習や経験の内容を重視する企業が多く見られます。

自身が学生生活で学んだ内容をしっかり言語化し、その分野の専門家ではない人にも理解できるよう、あらかじめ伝える練習をしておくと良いでしょう。

農学部でどのようなことを学んできましたか

農学部の学生に限ったことではありませんが、まず大学時代にどのようなことを学んできたのかを問われることが多いでしょう。

これは業界や職種に関わる専門性の確認であると同時に、コミュニケーション能力を見極めるための質問としても機能しています。

そのため可能な限り簡単な言葉を使い、自身の学んだ内容や社会的意義を伝えることが大切です。

イメージとしては、中学生の生徒にも理解できるようなレベルを意識すると良いでしょう。

たとえば、フードロス削減について学んだ場合は、「私の祖父は畜産農家を営んでおり、命を食料に変える場面を何度も見てきました。しかし社会では食材の破棄が多く、多くの命が無駄になっているのが現状です。そのため大学ではフードロスを減らし、食品と命の無駄をなくすための手法について学びました」といった回答になるでしょう。

農学部でどんな研究を行ってきたのですか

次に聞かれやすいのが、大学で行った研究内容に関する質問です。

こちらも注意する点は、先ほど解説した自身が学んだ分野に関する質問と同様ですが、より専門的な内容を求められることが多いため気をつけましょう。

また、研究過程で直面した困難や成長体験に関するエピソードがあれば、自己アピールの一環としても機能します。

フードロスに関する研究の場合は「私が主に行ったのは、フードロスを削減するために加工食品の長期保存技術や細菌の発生を防ぎ、食物を長持ちさせる調理工程についての研究です。これらの工程を導入することはコスト的にデメリットとなるため、企業担当者の方にはなかなか採用されませんでしたが、一次生産者の方も交えた度重なる話し合いで、フードロス削減の重要性を理解してもらうことができました」といった回答になるでしょう。

まとめ

農学部は、一般的にイメージされる農業や畜産だけでなく、園芸・昆虫・農業経営・生物化学・バイオロジーなどさまざまな分野が学べる学部です。

世間の評判に反して就職率は高く、食品メーカーや製薬会社などさまざまな業界で農学部出身者が活躍しています。

現在農学部に在籍している方は、現在学んでいる内容がどのような業界・職種で役立つのか、どういった強みを持つのかを考えてみると良いでしょう。

また、これから農学部を目指す方は、将来の職業についても考慮したうえで学部や研究室を選択するようにしてください。

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