HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
就職活動やインターンシップの選考で必ず直面するのがSPIなどの適性検査です。
その中でも難易度が高く、高得点を取ることが難しいとされているテストが玉手箱で、特に計数問題の難易度は高い事で有名です。
初めて適性検査を受ける学生の多くが、焦ってしまって本来の力を出せずに終わってしまう傾向にあり、初めて受ける場合や高得点を絶対に取りたい場合は対策が必要です。
この記事では「対策せずに計数は乗り切れるのか?」「どんな問題が出るの??」「玉手箱の計数の特徴」「計数で高得点を獲るコツ」「玉手箱の計数の対策方法」を順番に説明していきます。
最後に「玉手箱を練習できる企業」も紹介するので、是非あなたの対策に役立ててくださいね。
【玉手箱の計数】対策せずに計数は乗り切れるのか?
結論から言いますと、対策せずに計数は乗り切れません。
多くの学生が就職活動やインターンシップの選考に向けて、SPIの対策だけしていれば他の適性検査も乗り切れると思っているようですが、それは大間違いです。
適性検査にはそれぞれ特徴があり、SPIや他のWebテストを受けて通過した経験があるから大丈夫と考えている場合はかなり危険です。
玉手箱の計数は他のテストと違った特徴があり、何の対策もしないままに受験するとボロボロの結果になってしまいます。
しかし、逆にしっかり対策をしていれば、特徴と傾向を把握することができるので攻略しやすくなるということです。
計数がボロボロでも合格できるケースがある!!
係数がボロボロでも、正解できる合格できるケースがあるということを忘れずにいる必要があります。
ケースが全くできず。
ボロボロだったと思っていても蓋を開けたら通過しているケースもあります。
その理由は大きく分けて4つあるので一緒に確認していきましょう。
性格重視の企業
まず、玉手箱の係数がボロボロであったにも関わらず通過できた理由の一つとして、そもそもあまり玉手箱を重視しておらず、性格重視の企業であったという可能性が高いです。
能力ではなく、社風とマッチするかを重視している企業は性格検査に重きを置いているので、多少計数がボロボロでも通過することができるでしょう。
基準点が低い
そもそも基準点が低い企業だったという可能性もあります。
基準の点数が低い場合は、ボロボロでも通過していることがあります。
企業ごとの基準点はLINEのオープンチャットなどを使うと、噂程度ですが、割合を確認することもできることがあるので、時間があれば利用してみましょう。
ボロボロと思い込んでいるだけ
自分ではあまり正解できていないと思っているだけで、意外と正答率が高かったという可能性もあります。
Webテストは答えが配布されないため、時間が足りたか、自信を持って取り組めたか、などの印象によって自己評価をしてしまいがちなところがあります。
よって、予想よりも正解できたというケースが非常に多く、意外と通過できているということも少なくありません。
他の科目でカバーできていた
いくら係数がボロボロであったとしても、他の問題にしっかり取り組むことができていた場合、通過している可能性も高いです。
計数がダメでも、言語や英語などの他の科目でカバーできていた可能性はあります。
【玉手箱の計数がボロボロ】玉手箱の見分け方
https://web1.e-exams.jp/
https://web2.e-exams.jp/
https://web3.e-exams.jp/
https://tsvs1.e-exams2.jp/
https://tsvs2.e-exams2.jp/
https://tsvs3.e-exams2.jp/
https://nsvs1.e-exams4.jp/
https://nsvs2.e-exams4.jp/
のURLが含まれていれば玉手箱の確率が高いです。
ただし、こうしたURLの場合、CABやGABの可能性もあるため注意しましょう。
【玉手箱の計数】どんな問題が出るの??
対策をせずに玉手箱の計数を受けるとボロボロになることが分かったところで、次は「どんな問題が出るの??」について説明していきます。
玉手箱の計数の出題形式は「四則逆算」「図表読取」「表推測」の3つに分かれており、順番に詳しく説明した後、問題例を紹介します。
四則逆算
まずは「四則逆算」から見ていきましょう。
この四則逆算問題は式の一部が穴抜けになっており、その式を成立させる数値を解答する問題です。
簡単な例を出すと□+1=5であれば答えは4です。
このような問題が玉手箱の計数では50問用意されており、制限時間は9分間です。
さっきの例のような、本当に単純な問題ばかりであれば何とかこなせそうですが、そんなに甘い問題ばかりではありません。
9分間で50問を解答するには、1問当たり10秒程度で解答していく必要があり、このスピード感が玉手箱の計数問題を難しくしている要因の一つです。
問題例
式の中の◻︎に入る数値として正しいものを次の選択肢から1つ選びなさい。
(1)750÷15 = 9 + ◻︎
◻︎6 ◻︎17 ◻︎8 ◻︎4
(2)◻︎÷ 8 = 17
◻︎128 ◻︎136 ◻︎132 ◻︎126
(3)◻︎× 0.05 = 0.33 ÷ 0.1
◻︎75 ◻︎60 ◻︎88 ◻︎66
図表読取
次に「図表読取」について説明していきます。
この図表読取は文字の通り、表や図、グラフなどを使った問題で、内容を正確に読み取り、選択肢の中から答えを選んで解答する問題です。
問題数は29問に対して制限時間が15分のパターンと、40問に対して制限時間が35分の2パターンあり、それぞれのパターンに共通して言えるのは、時間が足りないということです。
この図表読取に関しても、四則演算と同じく素早く法則を導き出し解答する必要があり、ちょっと躓くだけで大きなタイムロスに繋がります。
問題例
以下の図はO社の推移です。2019年の従業員数を1とすると、2022年の従業員数はおよそどのように表すことができますか。最も近いものを以下の選択肢の中から1つ選んでください。
年 |
売上高(百万円) |
従業員数(人) |
拠点数(件) |
2019 |
47,315 |
3,751 |
365 |
2020 |
56,819 |
3,855 |
379 |
2021 |
55,771 |
3,987 |
397 |
2022 |
65,388 |
4,555 |
411 |
1)1.1 2)1.2 3)1.3 4)1.4 5)1.5
答え2)1.2
2022年の従業員数を2019年の従業員数で割ると1.2。
表推測
最後は「表推理」の問題です。
この表推理とは、表の中で「?」になっている部分を推測し、その答えを選択肢から選ぶ問題です。
この問題も四則演算や図表読取と同様に、素早く法則を導き出し計算する必要があり、その規則性に気づかずにタイムロスしていると最後まで解くことはできないでしょう。
また、他の二つの問題と比べて少し難易度は高くなっており、しっかりとした対策が必要です。
出題形式は20問に対して制限時間が20分のタイプと、35問に対して制限時間が35分の2つのタイプがあり、どちらもかなりタイトな制限時間になっています。
問題例
下記の表はあるメーカーの4つの小売店の8月の売り上げ目標と実績をまとめたものです。
|
A店 |
B店 |
C店 |
D店 |
売上目標(万円) |
375 |
388 |
360 |
325 |
売上実績(万円) |
395 |
415 |
? |
361 |
拠点数(件) |
16 |
21 |
16 |
11 |
C店の売上実績はいくらと推測できるか。
1)420万円 2)370万円 3)397万円 4)352万円 5)359万円
答え 2)370万円
売上目標が高い店舗順に並べると、BACD。
また判明している売上順に並べるとBAD。
このことから、売上についてもAとDの間にCが来ると予測される。
つまり、395万円と361万円の間の370万円。
【玉手箱の計数】玉手箱の計数の特徴
玉手箱の計数の出題形式が理解できたところで、次は「玉手箱の計数の特徴」を説明していきます。
ここでは玉手箱の計数の難易度を上げている主な要因である「時間勝負」「計数に時間がかかる」「不要な情報が混ざる」の3つを深掘りして説明していきます。
時間勝負
玉手箱の出題形式の項目でも説明していますが、出題数に対しての制限時間がかなり短く、四則演算であれば1問当たりにかけれる時間が10秒ほどと、とにかく「時間勝負」です。
その分SPIや他のWebテストに比べると、一つ一つの問題の難易度自体は低く設定されています。
しかし、その分スピードが求められるので、一つの問題に躓きタイムロスしてしまうと、最後まで問題を解答することができずに終わってしまう、なんてことが頻発しています。
玉手箱の計数問題は時間内に、どれだけ解答できるかが重要な要素になります。
計算に時間がかかる
表推測や図表読取では、計算する数値が大きくなるため「計算に時間がかかる」場合が多く、時間勝負の玉手箱を攻略するための大きな障壁となっています。
また、その計算した数値がすっきり割り切れることが少なく、四捨五入して選択肢に最も近い数値を選ぶ必要もあります。
全ての計算を完璧に解き切る必要はなく、選択肢の数値に一番近い数値を導き出すだけで問題ありません。
そのため、ある程度数値が見えてきたら、途中で計算をやめて選択肢を選ぶことで、時間をかけずに問題を解くことに繋がり、玉手箱の攻略に一歩繋がるはずです。
不必要な情報が混ざる
四則演算ではそんなことはありませんが、図表読取と表推測では「不必要な情報が混ざる」事で問題の難易度を押し上げています。
図表読取と表推測では、正しい数値を導き出すために、まずは必要な情報と不必要な情報を判断することが求められます。
しかし、対策が上手くできていない学生の多くが、この不必要な情報に引っかかってしまい、大きなタイムロスをしてしまう傾向にあります。
図表読取と表推測の問題を解く際は、必ず不必要な情報が混ざっているという頭で考え、冷静に必要な情報を見極める必要があります。
【玉手箱の計数】計数で高得点を獲るコツ
玉手箱の計数の特徴が把握できたら次は「計数で高得点を獲るコツ」を説明していきます。
この項目では先ほどの時間勝負であることや、計算に時間がかかることなどに対する対策として「電卓を持ち込む」「四則演算は文字に置き換える」ことを説明していきます。
他には「情報の取捨選択」をすること、「分からなかったら次へ!」をコツとして説明していきます。
電卓を持ち込む
玉手箱の計数問題では計算する数値が大きくなるので、「電卓を持ち込む」事で対策をしましょう。
この電卓を持ち込む方法は別に違反でもなく、正式に認められているのでご安心下さい。
その上、電卓持ち込み可となっているので、計数の問題自体も電卓を使うことを想定して作られています。
数値が大きくなる場合や煩雑な式の場合は、手計算では全く終わらないことになり、大きなタイムロスに繋がります。
玉手箱の計数問題には電卓が必須になりますので、テスト当日も必ず忘れないように持参するようにしましょう。
当日、電卓を忘れたからといって、自分のスマートフォンを代わりに使うことはできませんので、出発する前に必ず確認して下さいね。
四則演算は文字に置き換える
四則演算は特に時間勝負で、多くの問題を解く必要があります。
そのため、四則演算では求めたい数値を「X」と置き換え、一次方程式で計算すると比較的スムーズに答えを導き出すことができます。
このように「X」と文字に置き換える事で、移行などができるようになり、時間をかけずに直接数値を求めることができるようになります。
この方法で何度も四則演算を解くことで、問題ごとの法則が分かるようになり、素早く問題を解くことができるようになるはずです。
図表読取は基準値に注意
図表読取においては基準値に注意しなければならないということも覚えておきましょう。
図表を読み取る問題においては、「〇〇を1とする」「〇〇に対して何倍か」などの聞かれ方が非常に多いです。
ここで勘違いしてしまってはケアレスミスになることが非常に多いので、注意をする必要があります。
数表の読取は何が基準値になっているのか、確認した上で取り組むことが非常に重要であると言えるでしょう。
表推測はパターンを知る
表の推測はパターンを知るというのも、計数で高得点を取るコツの一つであると言えるでしょう。
表の推測はパターンを知らないと非常に時間がかかってしまう厄介な問題です。
表推測はまず比例か反比例関係にないか疑うことが重要であると言えます。
基本的にはこの関係で解けるものが多いからです。
それでも該当しない場合は、他の項目と掛け算や割り算をしてみて、一定の値が出るかどうかなどについて確認してみましょう。
情報の取捨選択
ただでさえ時間勝負である玉手箱では、問題に書かれている文字や数値の全ての情報を読み込んでいる時間はありません。
問題によっては表や図を読み込んでいるだけで、制限時間が来てしまうような問題がある可能性もあり、この「情報の取捨選択」は高得点を目指す上で必須になります。
そのためには、まずしっかりと問題内容を把握することが重要です。
例えばA、B、C、Dの数値があり、「Aと比べてDは何倍ですか?」という問題があったとすると、当然ですがB、Cの数値に関しては全くいらない情報ということになります。
このように、問題に対して本当に必要な情報は何か、事前に問題をしっかり読むことで情報を絞って考えられるように思考のトレーニングをする必要があります。
分からなかったら次へ!
玉手箱の計数問題は素早く解答する必要がありますが、四則演算や図表推測、表推理の中で、絶対にこれは分からないという問題に出会うことがあるはずです。
普通の勉強であれば「分かるまで考えるべき!」と教えられるかもしれませんが、玉手箱の計数問題の場合は、適当に答えてしまいましょう。
玉手箱では分からない問題に果敢に挑戦し、何とか解答を導くことができた達成感よりも、多くの問題を素早く解くことを求められています。
どの問題にも完璧に解答しようとせず「分からなかったら次へ!」くらいの心意気で取り組むようにしないと、後半の問題に辿り着けず本末転倒です。
ぱっと見で「分からない!」と感じた場合は、適当に解答して次の問題に取り掛かるようにしましょう。
玉手箱の計数は適当に埋めても良い?
玉手箱の係数を適当に埋めてしまうという人も多いでしょうが、いくら就活の対策をしっかり行っていたとしても、頭が真っ白になってしまった場合、なかなか問題の回答を導くことができないからです。
玉手箱の場合はSPIと異なり、問題があらかじめ決まっているので、ある程度適当に答えても問題はないでしょう。
さらに、玉手箱の正答率の計算は答えた問題数ではなく、答えていない問題も含めた数が母数になってしまうため、とにかく埋めることが重要であると言えます。
【玉手箱の計数】玉手箱の計数の対策方法
ここまで玉手箱の出題形式や特徴、高得点を獲るコツを説明してきましたが、「玉手箱の計数の対策方法」はまだ説明できていませんでしたね。
ここでは「対策本を使う」ことと「他の企業の玉手箱の受ける」の2つの対策方法を説明していきます。
ポイントは繰り返し問題を解くことと、テストの雰囲気に慣れることです。
それでは詳しく見ていきましょう。
対策本を使う
基本的な対策と思われるかもしれませんが「対策本を使う」ことは非常に有効な手段の一つです。
その対策本を解いていくのも、ただ解くだけではなく、四則演算の問題であれば「計算スピードを重視して解く」、図表読取や表推測では「情報の取捨選択」を意識するだけで効果が全然違います。
いつでも本番のテストを想定し、制限時間を設け、電卓を使って計算し、できるだけ早く問題を解くことで、本番のテストでも慌てず自分の力を出し切れるはずです。
その中でも特に表推測では、解答に辿り着くまでのパターンがあるため、暗記するだけでもかなりの違いが出せるので、是非何周も対策本を解いてみて下さい。
他の企業の玉手箱を受ける
対策本を使って勉強することが「練習」であれば、「他の企業の玉手箱を受ける」ことは「練習試合」をするようなイメージです。
スポーツでも同じですが、いくら練習をたくさんしたところで、実際の試合では思いもしないトラブルやミスが起こり、自分の力を出し切れなかったということが起こります。
この玉手箱でも全く同じで、本番のテストの緊張感や焦り、時間配分のミスや受験する環境の違いなどが、想定していなかったレベルで起こります。
そのため、本命の企業の玉手箱を受ける前に、事前に他の企業の玉手箱を受けて場慣れすることが非常に大切です。
【玉手箱の計数】玉手箱を練習できる企業
ここでは実際に玉手箱を選考に採用している企業を紹介していきます。
適性検査はSPIが主流でしたが、近年はこの玉手箱を採用する企業も増えてきており、受けることができる企業が増えました。
その中でも代表的な企業をピックアップして紹介していきます。
旭化成、日産自動車、任天堂、味の素、SMBC証券、NEC、NTT都市開発、サントリーHD、KDDI、オリックス、オムロン、スズキ、東京海上日動火災保険、三菱地所、三井住友銀行などです。
その他企業でも玉手箱を採用している企業は多くありますので、選考内容などを確認して事前に最低でも2回ほどは受験してみて下さい。
まとめ
玉手箱の計数問題は他のSPIなどのWebテストに比べ、問題の難易度は高くないものの、制限時間がかなり厳しく設定されているので、多くの学生が焦ってしまい難しく感じてしまいます。
しかし、玉手箱の問題には規則性があるため、何度も対策本を解くことで解答スピードを上げることができます。
対策本は一周だけでなく、何度も解くことで法則を暗記でき、素早く解答を導くことができるようになります。
最後は他の企業のテストを受験することで、場慣れできれば緊張も和らぎますので、できれば2回ほど練習で受けてみて下さいね。