HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
商社で働きたいと考えているものの、なかなか就活の軸が定まらず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は商社の就活の軸を定める上で重要なポイントや、企業が求める人物像、注意点等について詳しく紹介していきます。
【商社の就活の軸】就活の軸とは
就活の軸を定める前に、そもそも就活の軸とは何なのか、定義についてあらかじめ確認しておきましょう。
就活の軸とは就活生が就活をする上で絶対にゆずれない条件のことです。
就活の軸を定めておくことで企業を見つけやすくなります。
効率よく就活を進めるためにも、そして自分にぴったりな、長く、やりがいを持って働くことができる企業を見つけるためにも、就活の軸を定めることが非常に重要です。
就活の軸と企業選びの軸の違い
就活の軸と似たものに「企業選びの軸」という言葉が存在します。
いずれも似ているものですが、違うものなのでしっかりと定義付けておきましょう。
企業選びの軸は、就活の軸とほとんど同じ意味で使われますが、詳しく説明するならば、企業を選ぶ自分なりの基準のことです。
企業選びの軸は企業に焦点を当てている一方で、就活の軸はどのような仕事がしたいのか、どのような業界で働きたいのかという、もう少し広いものなので、分けて覚えるようにしましょ。
就活の軸は何個がいい?
就活の軸は何個用意するのが良いのでしょうか。
基本的に1つや5つでも良いとはされてはいますが、少なすぎる、または多すぎると企業を絞り込むことが難しくなってしまうので、3つが最適であるとされています。
「興味や関心」「強みや性格」「やりがいや働き方」の3つに焦点を当てて考えるようにしましょう。
明確に何個と定められているわけではありませんが、上記の3つを中心に定めることで、企業選びや選考対策がしやすくなることでしょう。
【商社の就活の軸】商社について
商社は日本経済を支える重要な存在で、国内外のサービス流通を向上させるために多岐にわたる業務を行っています。
主な業務は商品の輸出入や市場調査、物流管理、さらに金融サービスの提供などです。
これらの業務は大きく二つの部門に分かれ、それぞれが国際的な取引やサービスを支えています。
総合商社
総合商社は、幅広い商材を取り扱う企業で、食料品やエネルギー資源、サービスなど多岐にわたる分野で取引を行います。
国内外の企業や政府機関など、多様なクライアントとの大規模な取引を実現しています。
主な役割は、相手企業と企業の間に立ち、双方のニーズを満たすための仲介を行うことで、国内外の産業全体に影響を与える大きなプロジェクトを推進する力を持っています。
また、取引先との強いネットワークと幅広い事業領域を活かし、新たなビジネスチャンスを創出することが求められる業界です。
専門商社
専門商社は、特定の分野に特化して事業を展開し、その分野において高い専門性を持っています。
メーカーと小売業者、あるいは消費者を繋ぐ役割を果たし、特定の産業に深く根付いたノウハウや専門的な知識を駆使して取引を行います。
専門商社の強みは、メーカーや顧客との長年にわたる信頼関係と、蓄積された専門知識にあります。
これにより、効率的かつ的確なサービス提供が可能であり、取引先のニーズに応じた柔軟な対応や、付加価値の高いサービスを提供できる点が特徴です。
【商社の就活の軸】商社で求められる人物像
商社の就活の軸を作成する上で、そもそも商社で働くにあたっては何が重視されているのかについても確認しておきましょう。
下記の3つの能力を身に付けている人は、商社に向いていると言えるでしょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、どのような仕事においても非常に重要視される能力ではありますが、商社で働くにあたっては特に重要な能力の1つです。
なぜならば、国内だけでなく、国内外の取引先に提案をすることも多く、さまざまな人と関わる仕事だからです。
コミュニケーション能力だけでなく、相手の話をしっかりと聞く傾聴力や語学力など、人々と関わるにあたって重要とされている能力は全般的に必要とされています。
忍耐力
忍耐力も商社で働くにあたって非常に重要な能力の1つと言えるでしょう。
商社はさまざまな場所に商品を提供する必要があるので、毎回の仕事で100%の期待した通りの結果が得られるとは限りません。
また、収益性が低い交渉等の際は、モチベーションが高まらないこともあるでしょう。
しかし、常に忍耐力を発揮して、いかに収益性を高く交渉することができるかが必要となるので、忍耐力を発揮する必要があると言えます。
課題発見能力
課題発見能力も商社で働くにあたって非常に重要な能力の1つといえます。
商社は新しい取引先をどんどん考えていく必要があるため、課題がどのようなものであるのか、常に考え続け、それを発見する能力が必要とされているのです。
特に取引先がどのようなものを望んでいるのか、どのようなことが課題なのかをしっかりとリサーチすることが重要であるとされています。
課題発見を通して、企業に対してどのような提案ができるか、企業に対してどのようなメリットを提供できるかが商社で働くにあたって重要であるとされているのです。
【商社の就活の軸】企業にささる例5選
ここからは商社で働く人が就活の軸に挙げる例を詳しく紹介していきます。
大きく分けて5種類あるので、自分に合うものを中心に就活の軸を考えていきましょう。
- 流通で経済を支えたい
- 企業の商品を全世界に広めたい
- 責任感のある仕事がしたい
- 大規模な事業に関わりたい
- 特定の分野で最後まで貢献したい
流通で経済を支えたい
「流通で経済を支えたい」は、多くの就活生が商社を受けるにあたって挙げる就活の軸です。
流通は経済を経済を支える一端であり、よって、商社で働くことは流通を支えていると言えるでしょう。
商社でやりたいことが決まっていることをアピールするためにも、流通で経済を支えたいと積極的に述べるのは選択肢の1つです。
将来やりたいことが決まっている就活生は企業の採用担当者からも良い印象を受けることでしょう。
企業の商品を全世界に広めたい
企業の商品を全世界に広めたいというのも、多くの就活生が商社を受けるにあたってあげる就活の軸の1つです。
日本の商品を世界に広めるというのは商社だからこそできる唯一無二の仕事です。
よって積極的にアピールしていきましょう。
特にグローバルを意識している商社であれば、このような就活の軸を持っている人材はぜひとも採用したいと考えていることでしょうその企業でしかできない仕事をアピールすることで、積極的に入社に対する意欲をアピールすることができるのです
責任感のある仕事がしたい
責任感のある仕事がしたいというのも、商社を受けるにあたっておすすめの就活の軸の1つです。
商社はさまざまな企業に商品を売り込むことが多いため、企業同士での取引となることが多いです。
この業務には一つひとつの作業に責任感が非常に伴います。
よって、責任感のある仕事を若いうちからしたいと考えている人は、質の高い就活の軸を作成できることでしょう。
大規模な事業に関わりたい
大規模な事業に関わりたいというのも、多くの就活生が商社を受ける際に、就活の軸に挙げるものの1つです。
商社は外国の企業などの大きな企業との取引が多いため、大企業であれば大きなプロジェクトにつながる機会もかなり多いです。
グローバルに活躍したいと考えている人や、企業の仕組みについて勉強をしたいと考えている人は、事業内容について詳しく話すことができれば、良い就活の軸を作成することができるでしょう。
特定の分野で最後まで貢献したい
特定の分野で最後まで貢献したいというのも就活の軸の1つです。
特に専門商社では医療や食品など特定の分野に絞って取引をする力と最後までやり遂げる力が必要とされます。
専門商社を志望する人は最後まで特定の分野で責任をもってしたいというのを就活の軸とすることで企業側からもいい軸としてとらえてもらえるでしょう。
【商社の就活の軸】本音である就活の軸の言い換え
自分が就活において大事にすることを就活の軸としますが、それが企業側にとってマイナスな印象になってしまうことも多いです。
そのため、本音を建前として言い換える必要があります。
以下が言い換えを参考にして、自分の就活の軸について振り返ってみましょう。
- 給与が高い→責任感を持って仕事に取り組みたい
- 福利厚生がいい→働きやすい環境で仕事に集中したい
- 大企業だから→業界をリードする企業で大規模な事業に関わりたい
- 海外進出したい→グローバルな視野で国際的に働きたい
【商社の就活の軸】就活の軸を述べる際の注意点
就活の軸を述べる際には、いくつかの注意点も存在します。
下記の3つを意識した上で作成し、マイナスのイメージを与えないように注意することも重要です。
他の軸と一貫性があるようにする
他の軸と一貫性があるようにすることは非常に重要です。
就活の軸以外にも自己PRや志望動機、ガクチカなどを提出しているはずですが、それらの内容と全く一貫性がない場合、信憑性がないと思われてしまいます。
例えば、あなたが短所に、「人とコミュニケーションを取ることが苦手」と話しているにもかかわらず、商社を志望するに当たった理由について「多くの人とグローバルに関わりたいから」と述べていては、どっちが本当なのかわかりません。
就活の軸が応募先企業と合っているか確かめる
就活の軸が応募先の企業と合っているか、しっかりと確認することも非常に重要です。
商社にも総合商社と専門商社があります。
自分がどちらの商社に入社したいと考えているのか、しっかりとチェックすることが重要です。
専門商社でしか行えないことを総合商社の面接で述べたり、反対に総合商社でしかできないことを専門商社の面接で述べてしまったりした場合、マイナスイメージを与えることが多いです。
業界研究や企業研究をしていない人材であるとみなされてしまう可能性も高いので、あらかじめ就活の軸が応募先の企業と合っているかは確認しておく必要があると言えるでしょう
他社と差別化する
他社と差別化することも、商社を受けるにあたって非常に重要なポイントです。
商社は皆さんご存知の通り日本に複数あるので、なぜその企業を選んだのか、誰が聞いても納得できるような説明をしていかなければなりません。
他の企業と比較した、自分が企業ならではの良さをしっかりと述べることで、より良い就活の軸を作成することができるでしょう。
「自分の目標は、その企業だからこそ成し遂げることができる」という話をすることで、企業の採用担当者も、あなたの就活の軸を納得を持って聞いてくれることでしょう。
【商社の就活の軸】商社の就活の軸例文
ここからは商社志望の就活生の「就活の軸」について回答している例文をいくつか紹介します。
それぞれ商社で働く上で使える軸を自分の経験にうまく絡めて伝えることができているので、ぜひ参考にしてみてください。
流通で経済を支えたい
私の就活の軸は、「流通を通して日本の経済を支えたい」という強い思いです。
私は大学1年生の頃にコロナウィルスが流行し、目標としていた海外留学に行くことができませんでした。
しかし、規制が明けてから海外旅行に行き、アメリカでさまざまな日本の商品を目にした際、感動と同時に、まだ日本には世界に知られていない素敵な商品が多くあることを広めたいと強く感じるようになりました。
グローバルにさまざま商品を輸出している貴社で働くことを通じて、日本の素晴らしい商品を世界中に広め、より多くの人に手に取ってもらえる一端となりたいと考えたため、志望しました。
企業の商品を全世界に広めたい
私の就活の軸は、「日本の優れた商品を全世界に広めること」です。
大学在学中に参加した交換留学プログラムを通じて、異なる文化や価値観に触れ、国際的な交流の重要性を深く実感しました。
そこで、文化や言語が異なる国々で、日本の優れた商品やサービスがどのように受け入れられるかを学び、そのプロセスに強い興味を抱きました。
貴社のようにグローバルにビジネスを展開し、日本の素晴らしい商品を世界中に届けている企業で働くことは、私の目指すべきキャリアそのものです。
私は、日本の技術や文化が世界にどのように貢献できるかを考え、それを実現するために、自分の国際的な視野と経験を活かして働きたいと考えています。
貴社での仕事を通じて、多くの人々に喜びと価値を提供し、世界中の人々に日本の商品を知ってもらうことが私の社会人になってからの目標です。
責任感のある仕事がしたい
私の就活の軸は、「責任感を持って仕事に取り組み、成果を上げること」です。
大学時代に学生団体のリーダーとしてプロジェクトを進行した経験から、責任感の重要性を強く学びました。
特に、プロジェクトの進行中に起こるさまざまな問題や困難に対して、自らが率先して解決策を考え、チームメンバーと協力して実行することで、プロジェクトを成功に導いた経験があります。
この経験から、私は責任感を持って仕事を遂行することの大切さを実感し、これをキャリアの軸としました。
世界を舞台にする貴社で働くことで、大規模なプロジェクトや重要な業務に取り組み、自分の責任感とリーダーシップを発揮して、確実に成果を上げたいと考えています。
私の目指すキャリアは、常に高い責任感を持ち続け、大きなプロジェクトであっても確実に目標を達成することです。
また、リーダーシップを発揮する中で、周囲のメンバーと信頼関係を築き、チーム全体の成功に貢献することも重要だと考えています。
大規模な事業に関わりたい
私の就活の軸は、「大規模な事業に関わり、社会にインパクトを与えること」です。
大学でのゼミ活動では、経済学の視点から大規模プロジェクトの成功要因を分析する課題に取り組み、そのスケールの大きさと影響力に魅了されました。
この経験から、社会や経済に大きな影響を与えるような事業に携わることが、私のキャリアの軸であると確信しました。
貴社は総合商社として多様な大規模プロジェクトを手掛けており、私が目指すべき環境が整っていると感じています。
私自身の力を最大限に発揮し、貴社の成長と社会の発展に貢献することで、自分が関わった事業が社会に与えるインパクトを実感したいと考えています。
さらに、プロジェクトの成功には多方面からのアプローチが必要であり、そのために私は常に学び続け、柔軟に対応する力を磨きたいと考えています。
貴社のように挑戦し続ける企業であれば、私のスキルと情熱を最大限に発揮できると信じています。
特定の分野で最後まで貢献したい
私の就活の軸は、「特定の分野で深く貢献し続けること」です。
大学時代に取り組んだ研究プロジェクトでは、テーマに深く関わり続けることの重要性を学びました。
プロジェクトを通じて、問題を解決するためには、表面的な知識だけでなく、根本的な理解と継続的な努力が不可欠であることを痛感しました。
私はこの経験を基に、特定の分野やプロジェクトに深く関わり続けることで、長期的に成果を上げたいと考えています。
貴社のように専門性を持って事業を展開している商社であれば、自分の知識とスキルを磨きながら、長期的に貢献できると信じています。
また、特定分野での継続的な努力が、企業の競争力を高めるだけでなく、自分自身の成長にもつながると確信しています。
貴社での経験を通じて、私は専門的なスキルをさらに磨き、将来的にはリーダーシップを発揮できる存在へと成長したいと考えています。
まとめ
今回は商社を目指す人向けに就活の軸の作成方法について詳しく紹介していきました。
商社はなかなか就職が難しいですし、就職してからも大変な業務が多いですが、ぜひ本記事を参考に、企業の採用担当者に良い印象を与えられる就活の軸を作成してください。