「チームで取り組んだ経験」ESの書き方や例文を紹介!リーダーじゃなくても大丈夫

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

エントリーシート(ES)の定番設問である「チームで取り組んだ経験」は、多くの就活生が「主将やリーダーの経験がないと書けない」と頭を抱える難所です。

しかし、企業が本当に評価しているのは、華々しい役職ではなく、集団のなかであなたが「どのように思考し、周囲と共創したか」という泥臭いプロセスに他なりません。

本記事では、採用担当者がこの設問に隠した本当の意図を紐解きながら、書く前の情報の棚卸し方法から、論理的な文章構成フレームまでを徹底的に解説していきます。

業界別の具体的な例文や、やりがちなNGパターンの改善策も網羅していますので、「es チームで取り組んだ経験」の書き方に悩むあなたも、人事に刺さる唯一無二のエピソードを完成させましょう。

目次目次を全て表示する

企業が「チームで取り組んだ経験」を聞く意図

エントリーシート(ES)で必ずと言っていいほど課される「チームで取り組んだ経験」という設問には、採用担当者の明確な狙いが隠されています。

多くの就活生が「大きな成果を残したエピソードでなければ落とされる」と誤解しがちですが、企業が本当に見ているのは結果の華々しさではありません。

組織という集団のなかで、あなたがどのような思考を巡らせ、他者とどのように関わり合いながら課題を解決していくのかという、行動のプロセスをシビアに評価しているのです。

ここでは、採用担当者がこの設問を通じて真に見極めようとしている「役割」「協調性」「再現性」という3つの核心的な意図について詳しく解説していきます。

組織内での役割を知るため

企業がチームでの経験を問う大きな意図の一つは、あなたが組織のなかでどのような役割を担い、どのようなバリューを発揮するタイプなのかを把握するためです。

ビジネスの世界において、会社は「全員がリーダー」であることを求めているわけではなく、多様な強みを持った人材のグラデーションによって組織を構成しています。

リーダーとして全体を牽引する資質はもちろん、参謀として戦略を練る役割、あるいは泥臭く周囲をサポートしてチームの結束力を高める役割など、すべてのポジションに高い価値が存在します。

ESを通じてあなたの「素の立ち回り」を把握することで、採用担当者は「入社後にどの部署に配属すれば、チーム内で最も個性を輝かせて活躍できるか」という具体的な配属イメージを膨らませているのです。

無理にリーダーを演じる必要はありませんので、あなたならではの立ち位置を明確に記述しましょう。

協調性とコミュニケーション力を確認するため

どのような企業であっても、入社後の仕事は自分一人のスタンドプレーだけで完結することはなく、必ず多くの関係者とチームを組んで進めることになります。

そのため、採用担当者はESから、あなたが「年齢、国籍、価値観が全く異なる人々と対話し、目標に向かって真っ直ぐ協力できるか」という本質的な協調性を厳しくチェックしています。

単に「仲良く作業をこなした」という表面的なエピソードでは、ビジネスの修羅場に耐えうる真のコミュニケーション力があるとはみなされません。

目的意識のズレや意見の対立といった深刻なボトルネックに直面した際、他者の異なる意見を拒絶せず尊重し、いかにして共通のゴールへと周囲を巻き込んでいったかという具体的なプロセスが重視されます。

他者と相乗効果(シナジー)を生み出せる協調性の高さを、具体的な行動の軌跡によってロジカルに証明してください。

入社後も再現性があるかを確認するため

採用活動において企業が最も恐れているのは、「学生時代は活躍したかもしれないが、社会人になったら全く使えない」という、ポテンシャルのミスマッチです。

このリスクを回避するために、採用担当者はあなたの過去のエピソードから、「学生時代の行動パターンが、入社後の仕事の場面でも同じように発揮されるか」という再現性の有無を執拗に見極めようとしています。

偶然やラッキーで達成できた成果ではなく、あなた自身の明確な判断基準や独自の創意工夫によって導かれた行動こそが、社会人になっても繰り返される強固な武器となるからです。

ESを記述する際は、課題に対して「なぜその行動を選んだのか」という内面的な思考のロジックをシャープに言語化する必要があります。

過去の行動の裏側にあるあなた独自の強みの「再現性」を綺麗に示すことで、「この学生なら入社後もすぐに活躍してくれる」という確信を企業に与えることができます。

「チームで取り組んだ経験」の書く前の準備

魅力的なエントリーシート(ES)を執筆するためには、いきなり文章を書き始めるのではなく、事前の情報整理をどれだけ緻密に行うかが勝負の分かれ目となります。

多くの就活生が頭の中の記憶だけで執筆を進めてしまい、結果として内容が薄くなったり、主張のロジックが破綻したりする罠に陥っています。

特に複数のステークホルダーが絡むチームでの経験は、物事を構造的に整理しておかなければ、読み手にあなたの本当の魅力が伝わりません。

ここでは、採用担当者に一瞬で伝わる洗練されたESを完成させるために、書く前に行うべき「3つのステップ」について具体的に解説していきます。

①チームが直面した課題を整理する

ESを書き始める前のファーストステップとしてまずやるべきことは、当時のチームがどのような状況に置かれ、どんな問題に直面していたのかを冷静に整理することです。

この初期段階では、まだ自分の具体的な行動には焦点を当てず、客観的なデータや周囲の環境など「チーム全体の状況」を先にしっかりと固めることが極めて重要になります。

「どのような目標を掲げていたのか」「それを阻んでいた本質的なボトルネックは何だったのか」という前提条件をロジカルに言語化しておきましょう。

チームの土台となる背景がシャープに整理されているからこそ、その後に続くあなた自身の行動の重要性が際立つのです。

まずはチームのスタート地点の課題を冷徹に分析し、文章の骨組みとなる背景を明確に固定することから始めてください。

②課題解決のために自分自身が取った行動を洗い出す

チーム全体の背景を整理した次のステップでは、その過酷な課題を解決するために「あなた自身が具体的に何をしたのか」という行動を泥臭く洗い出します。

ここで就活生が最も陥りやすい致命的なミスが、チーム全体の動きばかりを記述してしまい、主語が「私たちは」で埋め尽くされた活動報告書になってしまうことです。

企業が知りたいのは組織の歴史ではなく、多様な人々が交錯する集団のなかで「あなた個人がどう判断し、どう動いたか」という当事者意識に他なりません。

行動の規模が大きいか小さいかはまったく問題ではなく、派手な成果よりも、「自分なりに状況を分析して、独自の工夫(遊び心や独創性)を持って動いた」という内面的な思考のプロセスが厳しく見られているのです。

主語を徹底的に「私は」に固定し、課題に立ち向かったあなただけの主体的なアクションを貪欲に抽出しましょう。

③自分の行動によって生じたチームの変化を明確にする

あなた個人の主体的な行動を洗い出したら、最後のステップとして、その行動によって「チームにどのようなポジティブな変化が起きたか」を明確に言語化します。

実はこのパートこそが、採用担当者が「この学生にはビジネスパーソンとしての適性と再現性がある」と確信する上で最も重要な鍵を握っています。

単に「私がアドバイスをしたら、みんなが頑張って売上が上がった」という飛躍した文章では、結果がただの偶然(ラッキー)とみなされて落とされます。

大切なのは、「あなたの独自の働きかけ」と「それによって生じた周囲のモチベーションや行動の変化」、そして「最終的な目標達成(笑顔の創出)」の間に、筋の通った強固なつながりがあることです。

自分の影響力がどのようにチームへ伝播したのかという論理的な因果関係をシャープに浮き彫りにし、説得力を限界まで高めていきましょう。

ESでチームで取り組んだ経験を書く際の構成

どれほど素晴らしいエピソードを用意しても、文章の構成が崩れていては、知的プロフェッショナルとしての説得力を失ってしまいます。

採用担当者が無数の書類を読むなかで、一瞬であなたの強みを理解できるようにするためには、ビジネス文書の標準的なフレームワークに沿って記述する必要があります。

論理的な「型」に落とし込むことで、あなたの熱意と行動の価値が最高効率で伝わるようになるのです。

ここでは、あなたの「チームでの経験」を最も魅力的に、かつロジカルに伝えるための「4つの構成要素」について詳しく解説していきます。

状況と課題

文章の冒頭では、まずあなたのチームが何を目指し、その過程でどのような過酷な課題に直面していたのかをシャープに整理します。

ここで読み手を一瞬で引き込むための最大のポイントは、客観的なデータや定量的な数字(例:離職率30%、売上前年比80%など)を効果的に用いることです。

「雰囲気が悪かった」「大変だった」という主観的な表現だけでは、ビジネス文書としての説得力が致命的に不足してしまいます。

チームの目指すゴールと、それを阻む本質的なボトルネックがどこにあったのかを構造的に示すことで、その後に続くあなたの行動の重要性が際立つのです。

前提条件となる「スタート地点の状況」を明確に固定し、論理的な展開の土台を美しく作り上げましょう。

自分の行動と意図

課題を提示した後は、その問題を解決するために「あなた自身が具体的にどのように動いたか」という当事者としてのアクションを記述します。

ここがESのド真ん中であり、最も多くの文字数を割いて、チーム全体の動きではなく「徹底的にあなた個人の主体的な行動」にフォーカシングすることが必要です。

さらに採用担当者が最も厳しくチェックしているのは、単に行動の事実だけでなく、「なぜ他の方法ではなく、その行動を選んだのか」という内面的な理由や判断の意図に他なりません。

あなた独自の創意工夫(遊び心や独創的な切り口)の裏側にある思考のプロセスを、詳細かつクリアに落とし込んでください。

自ら状況を分析し、確固たるロジックを持って動き出した「変革者」としての資質をここで強力に証明するのです。

成果(チームの変化)

あなた自身の主体的なアクションを記述したら、その行動によって「チームの雰囲気や最終的な結果がどう変わったか」という成果を明確にします。

ビジネスの世界においては、行動そのものだけでなく、それが組織に対してどのようなインパクトを与えたかという結果が厳しく評価されます。

単に「優勝した」「売上が上がった」という結末だけでなく、「あなたの働きかけによって、周囲のメンバーのモチベーションや行動がどうポジティブに変革されたか」という因果関係を言語化してください。

ここでも、可能であれば定量的な数字や、周囲からかけられた具体的な言葉を用いることで、成果の客観性が飛躍的に高まります。

あなたの影響力がチーム全体へと綺麗に波及し、目標達成や笑顔の創出へと結実したストーリーをシャープに浮き彫りにしましょう。

学び・入社後の活かし方

文章の締めくくりとして、その過酷なチーム経験を通じて得た「本質的な学び」と、それを「志望企業の業務でどう活かすか」という未来への展望を記述します。

多くの就活生が「成果を出して終わり」の文章にしてしまいますが、企業が本当に求めているのは過去の栄光ではなく、未来の活躍です。

学生時代のチーム活動で培ったあなたの行動パターンが、社会人になって組織で働く場面でも120%発揮されるという強固な「再現性」をここで証明する必要があります。

志望企業の企業理念(独創、三綱領など)や具体的な職種のミッションとあなたの学びを美しく紐づけてください。

「この経験で得た巻き込み力を活かし、入社後も多様なステークホルダーと共創して未来を拓きます」と力強く宣言することで、最高の評価を勝ち取ることができます。

参考にしてほしいチームで取り組んだ経験のエピソード例

チームで取り組んだ経験と言われても何を選んでいいのか分からない。

という声をよく聞くので「チームで取り組んだ経験のエピソード例」をここで紹介します。

ここでは代表的な「部活動・サークル」「アルバイト・長期インターン」「ゼミ・研究室」「文化祭」の4つに分けて紹介していきます。

部活動・サークル

チームで取り組んだ経験のエピソード例1つ目は「部活動・サークル」です。

チームで取り組んだ経験と言われて、一番最初に思いつくのがこれではないでしょうか?

野球やサッカー、バスケットボールなどのチームスポーツはもちろん、柔道や剣道、テニスなどの個人種目もチームに所属しているため該当します。

共に汗を流し、時には熱くなり、涙しながら感動を共有する。

そんな経験があれば必ずエピソードとして採用することをおすすめします。

例文

所属していたバスケットボール部で、チームの守備力強化に貢献しました。

私の部は攻撃力は高い一方、失点の多さから格上チームに勝てない状況が続いていました。

課題は、練習が個人の技術向上に偏り、チームとしての守備戦術が浸透していないことだと分析。

そこで私は、学年に関係なく意見を言える「ディフェンスミーティング」を週に一度開くことを主将に提案し、実行しました。

試合映像を全員で分析し、ポジショニングのズレや連携ミスといった課題を洗い出し、次の練習メニューに具体的な改善策を落とし込みました。

当初は発言が少なかった後輩からも積極的に意見が出るようになり、チームの一体感が向上。

結果、地区大会での一試合平均失点を20点削減し、創部初のベスト4進出を成し遂げました。

編集部・元就活生より

実際に就職活動を経験し、現在は後輩の就活相談にも携わっている編集部メンバーが、実体験をもとにコメントします。

編集部・元就活生より

後輩の相談に乗っていると、「部活動で主将などのリーダーを務めていないから、アピールできるチーム経験が書けない」と悩む学生に多く出会います。

本人は「自分はただ言われた通りに練習を頑張っただけだ」と思い込んでいるケースが非常に多いです。

しかし、「その取り組みは本当に自分一人の力だけで進められたのか」「周囲とどう協力したか」を一緒に掘り下げていくと、主将という肩書きを持たずとも、メンバー間の架け橋としてチームに欠かせない価値を提供していたことに気づかされます。

役職の有無に囚われず、「自分なりの立ち位置で、組織にどう貢献したか」を自信を持って言葉にしていきましょう。

アルバイト・長期インターン

チームで取り組んだ経験のエピソード例2つ目は「アルバイト・長期インターン」です。

アルバイトは同じシフトに入ったメンバー同士であったり、同じ店舗のメンバーなどと一緒に創意工夫して売上に貢献したエピソードがあると大きなプラス評価に繋がりやすいと言えます。

またインターンではチームで協力し合い営業成績トップの成績を取ったことなど、ある程度結果が伴っている方が説得力のあるエピソードを作ることができます。

例文

カフェのアルバイトで、ピークタイムの業務効率改善と売上向上を成し遂げました。

私の店舗では昼の繁忙時間帯に行列ができ、お客様からのクレームが課題でした。

私は他のスタッフと協力し、課題の原因が役割分担の曖昧さにあると特定。

店長に許可を得て、レジ担当、ドリンク担当、そして新たに全体の司令塔となる「オーダー管理担当」というポジションを時間帯限定で設けることを提案しました。

各々の役割を明確化したことで無駄な動きが減り、スタッフ間の連携もスムーズになりました。

この取り組みの結果、お客様一人当たりの平均提供時間を約3分短縮し、ピークタイムの客席回転率が向上。

その結果、担当シフトの月間売上を前年比で10%向上させることができました。

編集部・元就活生より

アルバイトのエピソードは「他の就活生との差別化がしにくいやありきたりな内容になってしまう」という相談を受けることが多いです。

ですが、一つ一つ分解して考えていくことで自分にしかできないことや組織にとって多大な価値を提供していることに気づくことはよくあります。

ゼミ・研究室

チームで取り組んだ経験のエピソード例3つ目は「ゼミ・研究室」です。

協力して実験に取り組んだことやレポートや論文に取り組んだこと、プレゼン大会に出場したことなど、多くの題材の宝庫とも言えます。

これらの題材はチームで分業し取り組むことが多く、実際入社してからの仕事内容に似ています。

そのため、伝え方次第では仕事ができるということをアピールすることができる可能性を秘めていると言えます。

例文

社会学ゼミで、5人のチームで「地域活性化」をテーマにした共同論文の執筆を主導しました。

当初、各メンバーの関心領域が異なり、テーマ設定が難航しました。

私はまず、各々がやりたいことを付箋に書き出し、KJ法を用いてアイデアを整理・統合することを提案。

その結果、「観光」と「若者の定住」という2つのキーワードが浮かび上がり、「若者が集まる観光戦略」という全員が納得する共通テーマを設定できました。

私はプロジェクトリーダーとして、各々の得意分野(データ分析、文献調査、現地調査など)に応じた役割分担と、週次での進捗共有会を徹底しました。

この進め方により、全員が当事者意識を持って取り組め、質の高い論文を完成させ、学内発表会で最優秀賞を受賞しました。

編集部・元就活生より

ゼミのエピソードを相談してくる後輩からは「役割分担して作業しただけだから、リーダーシップとかは語れない」という声をよく聞きます。

ただ、話を深掘りしていくと「議論が煮詰まった時に、あえて反対意見を出して視点を広げた」「みんなが後回しにしていた地味な作業(文献整理やデータ入力)を率先して引き受け、それが議論の土台になっていた」といった、本人が「当たり前」だと思って見過ごしていた行動が出てくることが多いです。

ゼミの経験は地味に見えても、「なぜその行動を取ったのか」を一段掘るだけで、十分に説得力のあるエピソードになります。

文化祭

チームで取り組んだ経験のエピソード例4つ目は「文化祭」です。

この文化祭や学祭という題材は自分たちでお店を運営したエピソードと、全体を見る実行委員として参加したというエピソードの2パターンのアプローチが可能です。

自分達でお店を運営したエピソードでは実行力マネジメント能力をアピールできます。

一方実行委員のエピソードでは全体を見渡す視野の広さや全体をまとめるリーダーシップなどをアピールすることができます。

どちらにしてもエピソードとしては優秀なので、自信を持ってアピールしていきましょう。

例文

大学祭実行委員会の広報担当として、SNS活用による来場者数増加を達成しました。

例年、当日の来場者数が伸び悩むという課題に対し、私は広報チームのリーダーとして「参加団体の魅力を、学生目線で事前に伝えきる」という目標を設定。

各出店団体に担当者を一人ずつ配置し、準備の様子や”舞台裏”のストーリーを継続的に取材。

それを基に、InstagramやX(旧Twitter)でカウントダウン形式の紹介コンテンツを毎日投稿しました。

ただ宣伝するだけでなく、コメントでの質問にも積極的に返信するなど双方向のコミュニケーションを意識した結果、SNSの総フォロワー数は2ヶ月で倍増。

最終的に、大学祭当日の来場者数は前年比120%となる1万人を記録し、過去最高となりました。

編集部・元就活生より

文化祭のエピソードは「盛り上がったのは事実だけど、それが自分の成果かと言われると自信がない」と相談してくる後輩が多い印象です。

そういう時は「来場者数」や「売上」だけでなく、「準備期間中に意見が対立した場面で自分がどう動いたか」「本番当日、想定外のトラブルにどう対応したか」を聞くようにしています。すると、当日の華やかな結果の裏にある、地道な調整や判断のエピソードが見えてくることが多いです。

「結果が地味だから話せない」と思っている経験ほど、実は過程に語れる部分が眠っていることが多いので、そこを一緒に掘り起こすようにしています。

エントリーシートでチームで取り組んだ経験を書く際のポイント

文章の構成の仕方が分かったところで、次は「チームで取り組んだ経験を書くときのポイント」を紹介していきます。

ここでは特に大事なポイントとして「チーム内での役割を書く」「結果よりも過程を意識」「チームの規模を明確にする」の3つに絞って解説していきます。

チーム内での役割を書く

経験を書くときのポイント1つ目は「チーム内での役割を書く」ことです。

これを聞くと多くの就活生がキャプテンや副キャプテンになりたがる傾向にあります。

しかし、この記事の冒頭でもお伝えしましたが、チームに取って無駄な役割は1つもありません。

そのため、ムードメーカーでもエピソードの内容次第では大きなインパクトを残せますし、経理などの事務的な役割であっても評価されると断言できます。

そのため、就活が始まると副キャプテンが増えがちですが、本当の役割を伝えた方がプラス評価に繋がりやすいということを覚えておいて下さい。

結果よりも過程を意識

経験を書くときのポイント2つ目は「結果よりも過程を意識」することです。

先ほどの構成の項目でも軽く触れましたが、企業の採用担当者は結果よりも確実に過程を重視しています。

その理由は仕事も同じく過程が大切であるためです。

同じ失敗であっても努力した上でダメであれば問題ないですが、怠けていて失敗したのであれば叱責に値します。

努力する人材は伸びると考えられているため、チームで取り組んだ経験の文章も過程である、取り組みの内容は濃く深いエピソードを選ぶようにしましょう。

チームの規模を明確にする

経験を書くときのポイント3つ目は「チームの規模を明確にする」ことです。

同じキャプテンという役割でも部員200人の野球部と10人だけのサークルでは意味が全く変わってきます。

あなたの役割の重要性や背負ってきたものを分かりやすく伝えるためには、チームの規模を伝えることが重要です。

また、これは大きな声では言えませんが、多少人数を盛ってもバレることはないです。

しかし、10人しかいないサークルを200人いると書くとバレますので、そこは常識の範囲内でお願いしますね。

チームで取り組んだ経験の業界別参考例文

「チームで成し遂げた経験」は、協調性や主体性を問う頻出質問ですが、他の学生と差をつけるのが難しいテーマです。

ここでは特に人気の5業界を想定し、企業が知りたい意図を汲んだ質問と、それに対する具体的な回答例文を400字で作成しました。

あなたの経験を人事に響くエピソードに昇華させるための、構成や表現の参考にしてください。

コンサルティング業界

「チームで課題を分析し、論理的な解決策を提案した経験について教えてください。」

大学のマーケティングゼミで、近隣カフェの売上低迷の要因分析と改善策の提案に5人チームで取り組みました。

当初、各メンバーが感覚的に施策を提案し議論が発散していました。

私はまず正確な現状分析が必要だと考え、3C分析のフレームワーク活用を提案。

私自身は顧客分析を担当し、アンケート調査を実施しました。

その結果、味や価格ではなく「PC作業に適した席が少ない」という点が、学生や社会人顧客の機会損失に繋がっているという仮説を立てました。

チームでこの仮説を共有・検証し、最終的に「リモートワーク向けプランの新設と座席レイアウトの変更」という具体的な施策を提案しました。

データに基づいた論理的な提案が評価され、コンペで最優秀賞を頂きました。

人材業界

「価値観の異なるメンバーと、どのように合意形成し目標を達成しましたか?」

大学のキャリア支援イベントを、所属学部も学年も異なる10人の学生チームで企画した経験です。

当初「大手企業の講演会を増やしたい」という意見と「学生同士の交流会を重視したい」という意見で対立しました。

私は双方の意見の背景にある「学生のキャリア選択に貢献したい」という共通の想いに着目。

各メンバーと個別に面談し、それぞれの価値観や実現したいことを傾聴しました。

その上で、両者の長所を活かした「大手企業の人事担当者も交えた、少人数制の座談会」というハイブリッド案を提示し、全員の合意形成を図りました。

結果、イベント参加者の満足度は過去最高を記録し、「多様な視点が得られた」と高評価を得ました。

傾聴を通じて共通の目的を見出し、チームをまとめる力を養いました。

小売り・流通業界

「チームでお客様のニーズを捉え、売上向上に貢献した経験を教えてください。」

大学内の生協で、書籍販売のアルバイトをしていた際、4人のアルバイトチームで「専門書フェア」を企画しました。

当初は売上が伸び悩んでいましたが、私はお客様である学生のニーズを直接聞くべきだと考え、チームで簡単なアンケートを実施することを提案しました。

アンケートとPOSデータを分析した結果、多くの学生が「授業で推奨されたが、高価で手が出せない」と感じていることが判明。

そこで、出版社との交渉経験がある社員の方に相談し、チームで協力して中古の専門書や関連書籍をまとめた廉価なセット販売を企画しました。

結果、フェア期間中の専門書カテゴリの売上は前年比130%を達成。

お客様の潜在的なニーズを的確に捉え、チームで売上向上に貢献する経験をしました。

不動産業界

「長期間にわたるプロジェクトで、チームのモチベーションを維持し、目標を達成するために工夫したことは何ですか?」

大学で都市開発を専攻し、1年間かけて地域の再開発案を作成する卒業研究に5人チームで取り組みました。

長期的なプロジェクトのため、中盤で一部メンバーのモチベーションが低下する時期がありました。

私はプロジェクトリーダーとして、目標達成には定期的な進捗の可視化と短期的なマイルストーンの設定が不可欠だと考えました。

そこで、全体のスケジュールを月単位のフェーズに分割し、各月末に「成果報告会」を実施。

それぞれの頑張りをチーム全員で称え、次の目標を明確に共有する場を設けました。

この取り組みにより、チーム内に常に適度な緊張感と達成感が生まれ、最後まで高い士気を維持できました。

結果、質の高い提案を期限内に完成させ、教授から最高評価を得ることができました。

食品メーカー

「チームで協力し、新しいアイデアを形にした経験について教えてください。」

所属していた食文化研究サークルで、大学祭に出店するオリジナルスイーツの開発を6人チームで行いました。

開発チームは斬新な味を追求する一方、私は企画担当として「本当に売れるのか」という視点が重要だと考えました。

そこで、試作品ができた段階で、他サークルの学生50名に協力してもらう試食会を企画・実施。

味や価格、ネーミングに関するリアルな意見を収集し、そのデータを基に開発チームと議論を重ねました。

当初の案は「個性的すぎる」という意見が多かったため、データを基に少しだけ万人受けする風味に調整しつつ、SNS映えするような見た目に改良しました。

結果、開発チームのこだわりと市場のニーズを両立させた商品は2日間で500個完売。

チームでの協業でヒット商品を生み出す面白さを学びました。

チームで成し遂げた経験の参考例文

チームで何かを成し遂げた経験は、協力する力やリーダーシップ、目標達成に向けた行動力を企業にアピールする重要なポイントとなります。

特に、チームの中で自分がどのように貢献し、どのような成果を出したかを具体的に示すことが大切です。

以下に、チームでの取り組みを活かした自己PRの例文をいくつか紹介します。

部活動や文化祭、アルバイトなどのさまざまな場面での経験を基に、自分の強みを効果的にアピールできる内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

例文1 部活動

私は大学のサッカー部でキャプテンを務め、チームをまとめて地区大会で優勝を目指しました。まず、チーム内での目標を共有し、個々の役割分担を明確にしました。特にコミュニケーションを大切にし、練習後に全員でミーティングを行い、各自の課題や改善点を話し合いました。その結果、全員が同じ目標に向かって努力し、大会ではチームワークを発揮して見事に優勝を果たすことができました。この経験から、リーダーシップとは単に指示を出すだけでなく、メンバーの意見を尊重し、全体の力を引き出すことだと学びました。今後も、この経験を活かし、貴社でのチーム貢献に努めていきたいと考えています。

例文2 文化祭

大学の文化祭で実行委員として広報活動を担当しました。前年の来場者数を超えるため、SNSでの告知強化や地域に向けたポスター掲示を行いました。また、SNS上でハッシュタグキャンペーンを実施し、イベントの盛り上がりを創出しました。その結果、来場者数が前年比で30%増加し、大成功を収めました。この経験から、チームでの役割分担とコミュニケーションの大切さを学びました。また、広報戦略の効果を最大限に発揮するためには、タイムリーな情報発信が鍵であることを実感しました。貴社でも、これらの経験を活かして、プロジェクト成功に貢献したいです。

例文3 アルバイト

飲食店でのアルバイト中、店舗の売上向上を目指すプロジェクトにリーダーとして取り組みました。新メニューの提案や、SNSキャンペーンの企画・運用を行い、さらに接客向上を目的としたスタッフ研修も実施しました。結果として、店舗の売上は20%増加し、顧客満足度も向上しました。このプロジェクトを通じて、チームで協力しながら改善点を見つけ出し、それに対する具体的な施策を実行することの重要性を学びました。今後もこの経験を活かし、貴社の成長に貢献できるよう取り組みたいと考えています。

例文4 長期インターンシップ

長期インターンシップで、社内システムの刷新プロジェクトに参加し、マネジメント業務を担当しました。プロジェクトの進捗を管理し、部門間の調整を行いつつ、課題が発生した際には迅速に対策を講じました。その結果、予定より1週間早くシステムの導入を完了し、予算内でのプロジェクト完遂に成功しました。この経験を通じて、プロジェクトマネジメントにおける計画性や、部門を超えたコミュニケーションの重要性を学びました。今後も、これらのスキルを活かしてプロジェクトの成功に貢献していきたいと考えています。

例文5 ゼミ

大学のゼミでの共同研究で、データ分析と発表資料の作成を担当しました。アンケート調査を実施し、集めたデータをもとに統計分析を行い、成果をわかりやすくプレゼンテーションにまとめました。定期的にゼミメンバーと意見交換を行い、発表の準備を進めた結果、学会発表を無事に成功させることができました。この経験から、データ分析のスキルとチームでの協力の重要性を学びました。貴社でも、この経験を活かし、データに基づいた意思決定を支援し、チームと共に貢献したいと考えています。

チームで取り組んだ経験が本当にない時はどうすればいい?

ここまでチームとして取り組んだ経験のアピール方法を説明してきましたが、どう考えても「チームで取り組んだ経験が本当にない人は?」どうすればいいのかを最後にお伝えします。

その場合におすすめしたいことは、「①長期インターンに参加すること」「②ボランティア活動に参加すること」の2つです。

長期インターンに関しては実際の仕事を体験するという付加価値もあるため、とても効率的かつ効果的な方法です。

またボランティア活動に参加するというのも効果的で、社会貢献をしながらエピソードを作ることができ一石二鳥と言えます。

低評価になりうるNG例文と改善例

チームで取り組んだ経験を書く際、内容は良くても書き方のミスで評価を落としているケースは多いです。

採用担当者が見ているのは「チームが何をしたか」ではなく「あなた自身が何を考え、どう動いたか」です。

よくある3つのNGパターンと改善例を確認して、自分のESを見直してみよう。

NG①主語が「私たち」で個人の行動が見えない

チームの活動を書くとき、無意識に「私たちは〜」という主語を使ってしまうケースがあります。

しかし採用担当者が知りたいのはチームの活動報告ではなく、あなた個人がどう考え、どう動いたかです。

NG例文

私はバスケットボール部で、チームの守備力強化に取り組みました。練習が個人技術の向上に偏っていたため、私たちはミーティングを重ね、チーム全体で守備の練習メニューを見直すことにしました。私たちは週1回集まり、試合映像を分析して改善点を話し合いました。その結果、失点数が減り、地区大会でベスト4に進出することができました。この経験からチームワークの大切さを学びました。

NG部分

「私たちは〜」という主語が続いており、あなた自身が何をしたのかがまったく見えない文章になってしまっています。

「チームワークの大切さを学んだ」という締めも抽象的で、入社後の再現性が伝わらないので改善が必要です。

改善後例文

私はバスケットボール部で、チームの守備力強化に貢献しました。攻撃力は高い一方、失点の多さから格上チームに勝てない状況が続いていたため、私は「守備の意識が個人任せになっている」ことが課題だと分析。主将に掛け合い、学年問わず意見を言える「ディフェンスミーティング」を週1回開くことを提案・主導しました。試合映像を全員で分析し、ポジショニングのズレや連携ミスを洗い出して次の練習メニューに反映。当初は発言が少なかった後輩も積極的に意見を出すようになり、チームの一体感が向上しました。結果、地区大会での1試合平均失点を20点削減し、創部初のベスト4進出を達成しました。

就活コンサルタント木下より

ポイント解説

主語を「私」に統一し、「提案した」「主導した」など自分が起こした具体的なアクションを明示することがポイント。

課題の発見→提案→実行→結果の流れが明確になることで、入社後も同じように動ける人材だと伝わりやすいです。

NG②結果だけ語って行動・過程が薄い

数字や結果を書いているのに、なぜか説得力が出ない——そんなときは行動と過程が抜け落ちているケースがほとんど。

採用担当者は「本当に自分で考えて動いたのか、たまたま結果が出ただけなのか」を見ています。

NG例文

私はカフェのアルバイトで、チームで売上向上に取り組みました。ピークタイムに行列ができてお客様からクレームが多いという課題がありました。チームで話し合い、役割分担を見直したところ、提供時間が短縮され、売上が前年比10%向上しました。この経験からチームで協力することの重要性を実感し、入社後も貢献していきたいと思います。

NG部分

「話し合い、役割分担を見直した」だけでは何をどう変えたのかが伝わりません。

結果の数字はあるものの、そこに至るプロセスが薄すぎて説得力がゼロになってしまっています。

改善後例文

私はカフェのアルバイトで、ピークタイムの業務効率改善に主体的に取り組みました。昼の繁忙時間帯に行列ができクレームが続いていたため、私はシフトメンバーを観察し、「役割分担が曖昧で動きが重複している」ことが原因だと特定。店長に許可を取り、レジ・ドリンク・全体の司令塔となる「オーダー管理担当」の3役を時間帯限定で設けることを提案しました。導入後はスタッフ間の連携がスムーズになり、お客様1人あたりの平均提供時間を約3分短縮。担当シフトの月間売上を前年比10%向上させることができました。この経験から、感覚ではなく観察と分析をもとに動くことの大切さを学びました。

就活コンサルタント木下より

ポイント解説

「何を観察し、何が原因だと判断し、何を提案したか」を具体的に書くことで、思考と行動のプロセスが見えるようになります。

数字の根拠が行動と結びついて初めて説得力が生まれので意識しましょう。

NG③受け身・指示待ちの印象になっている

エピソード自体は良くても、「言われた通りにやった」という書き方が滲み出てしまっているケース。

企業が求めるのは、主体的に課題を見つけて行動できる人材です。

NG例文

私は大学のゼミで、5人チームで地域活性化をテーマにした共同論文に取り組みました。教授の指示のもと、各メンバーが担当分野を調査し、定期的に進捗を報告し合いました。私はデータ分析を担当し、言われた通りにアンケートを集計しました。全員で協力した結果、論文を期限内に完成させることができ、学内発表会で最優秀賞を受賞しました。チームで取り組む難しさと達成感を学ぶことができました。

NG部分

「教授の指示のもと」「言われた通りに」という表現が受け身の姿勢を強調してしまっています。

結果は素晴らしいですが、あなたが自ら考えて動いた形跡がなく、指示待ち人材という印象を与えてしまいます。

改善後例文

私は社会学ゼミで、5人チームによる地域活性化をテーマにした共同論文を主導しました。当初、各メンバーの関心領域がバラバラでテーマ設定が難航していたため、私はKJ法を用いてアイデアを整理・統合することを提案。「若者が集まる観光戦略」という全員が納得できる共通テーマを設定しました。私はデータ分析担当として独自にアンケートを設計・実施し、観光客の行動パターンを可視化。その結果をチームに共有し、提言の説得力を高めました。また週次の進捗共有会を自ら企画・進行し、遅れが出たメンバーへのフォロー体制も整えました。最終的に学内発表会で最優秀賞を受賞し、「論文の完成度が高い」と評価を受けました。

就活コンサルタント木下より

ポイント解説

「提案した」「設計した」「企画・進行した」など、自分が起点となって動いた言葉に置き換えることが改善のポイントです。

言われてやるのではなく、自分で課題を見つけて動いたという能動性が伝わる文章を目指しましょう。

まとめ

チーム経験のES作成において最も重要なのは、結果の大小ではなく「自分がどう考え、どう周りを動かしたか」という当事者意識です。

主語を「私たちは」ではなく「私は」に統一し、直面した課題に対する自分独自の工夫やアプローチの意図を論理的に記述しましょう。

周囲に与えたポジティブな変化と成果を具体的な言葉で記述できれば、入社後も活躍できる再現性の証明となり、採用担当者の心を強く動かす強力なESが完成します。

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