
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
ESの定番設問「チームで取り組んだ経験」で、筆が止まっていませんか。
「リーダー経験がないと書けない」と悩む28卒就活生は少なくありません。
しかし企業が重視しているのは役職の有無ではなく、あなたの思考と行動のプロセスです。
本記事では、企業がこの設問で本当に見ているポイントから、書く前の準備、構成の型までを解説します。
エピソード別・業界別・役割別の例文やNGパターンの改善例もあわせて紹介するので、自分に合ったエピソードの書き方が見つかります。
目次[目次を全て表示する]
企業が「チームで取り組んだ経験」で見ていること
企業はこの設問を通じて、あなたの人柄や仕事への向き合い方を見極めようとしています。
結論から言うと、企業が知りたいのは成果の大きさではなく、集団の中であなたがどう考え、どう動いたかというプロセスです。
ここでは、企業がこの設問で確認している4つの視点を具体的に解説していきます。
チーム内でどんな役割を担ってきたのかの確認
企業はまず、あなたがチームの中でどのような役割を果たしてきたのかを確認しています。
リーダーだけが評価される役割ではありません。
ムードメーカーや調整役、裏方のサポート役も同じように高く評価されます。
組織にはさまざまなポジションが必要であり、それぞれに固有の価値があるためです。
大切なのは「どんな役割だったか」ではなく、「その役割の中で何を考え、どう動いたか」です。
あなたが自然と担っていた立ち位置を素直に振り返ることが、説得力のあるエピソード作りの第一歩になります。
自分の行動とその意図を言語化できるのかの確認
企業は、行動の事実だけでなく「なぜその行動を選んだのか」という意図も重視しています。
同じ行動でも、思考のプロセスを言葉にできる学生は、論理的な判断力があると評価されやすいです。
意図が曖昧なままだと、たまたまうまくいっただけの印象を与えてしまいます。
「なぜその方法を選んだのか」「他にどんな選択肢があったか」まで言語化できると、採用担当者の評価は一段上がります。
行動の背景にある考え方まで掘り下げて書くことを意識しましょう。
その行動が入社後も実現できるのかの確認
企業が最も警戒しているのは、学生時代限定の活躍で終わってしまう人材です。
過去の行動パターンに再現性があるかどうかを、エピソードから慎重に見極めています。
偶然の成功ではなく、自分なりの判断基準に基づいた行動であることを示す必要があります。
「この経験で得た視点を、入社後の〇〇業務でも活かせる」という流れで締めくくることで、再現性が伝わりやすくなります。
入社後も同じように力を発揮できると伝わる書き方を意識すると効果的です。
協調性とコミュニケーション力の確認
仕事は一人で完結するものではなく、常にチームでの連携が求められます。
そのため企業は、価値観の異なる相手とどう向き合ってきたかを重視して見ています。
表面的に仲良くやったというだけでは、ビジネスの場面で通用する協調性とはみなされません。
意見が対立した場面でどう動いたか、意見が言いにくい空気をどう変えたかなど、具体的な場面を描写することが有効です。
意見の対立を乗り越えて共通の目標に向かったプロセスを丁寧に示しましょう。
「チームで取り組んだ経験」のおすすめの書き方
説得力のあるESを書くには、いきなり執筆するのではなく事前の準備が重要です。
記憶を頼りに書き始めると、内容が薄くなったり論理が破綻したりしやすくなります。
特にチームでの経験は関係者が多いため、情報を整理してから書くことが不可欠です。
①チームが直面した課題を洗い出し整理する
最初のステップは、当時のチームがどんな課題に直面していたのかを整理することです。
この段階ではまだ自分の行動には触れず、チーム全体の状況を客観的に把握することが大切です。
目標は何だったか、それを阻んでいた要因は何だったかを言語化しておきましょう。
「なんとなく雰囲気が悪かった」ではなく、「練習参加率が5割まで低下していた」のように、数字や事実で状況を整理するのがポイントです。
課題を明確にしておくことで、後に続く自分の行動の意味が際立ちやすくなります。
②課題解決のために自分自身が取った行動を洗い出す
次に、課題を解決するために自分自身が具体的に取った行動を洗い出します。
ここで陥りやすいのが、主語が「私たちは」ばかりになってしまうミスです。
企業が知りたいのはチームの活動報告ではなく、あなた個人の判断と行動です。
「週1回・全員参加のミーティングを自ら企画・進行した」のように、自分が起点となった行動を5W1Hで具体的に書き出しましょう。
行動の規模は問いません。自分なりの工夫を持って動いた過程を丁寧に洗い出すことが重要です。
③その行動によって生じたチームの変化を明確にする
自分の行動によって、チームにどのような変化が起きたのかを明確にします。
ここは、あなたに再現性があると企業に伝わるかどうかを左右する重要な部分です。
結果だけを語ると、単なる偶然の成功に見えてしまう恐れがあります。
「参加率が9割に改善した」という数字に加えて、「発言が少なかった後輩も積極的に意見を出すようになった」というメンバーの変化も描写すると、因果関係が明確になります。
自分の働きかけと周囲の変化のつながりを、筋道立てて示すことを意識してください。
④構成に当てはめて文章を仕上げる
ここまで整理した課題・行動・変化の3要素を、実際の文章構成に落とし込んでいきます。
準備した材料を無駄にしないためにも、次のセクションで紹介する構成の型を確認してから執筆しましょう。
材料が揃った状態で型に当てはめるだけで、論理的で読みやすいESが仕上がります。
構成を意識せずに書き始めると、同じ内容が繰り返されたり、重要なパートが薄くなったりしやすいです。
書く前に「何をどの順番で伝えるか」を決めることが、完成度の高いESへの近道です。
ESで「チームで取り組んだ経験」を書く際の構成
整理した課題・行動・変化の3要素は、読み手に伝わる型に当てはめることで説得力が増します。
採用担当者は多くのESに目を通すため、論理的な構成でないと魅力が伝わりにくくなります。
チームで取り組んだ経験は、以下の4つの要素で構成すると効果的です。
| 構成要素 | 書く内容 | 文章例 |
|---|---|---|
| ①状況と課題 | チームの目標と直面していた問題 | 「部員30人のテニス部で、大会前の練習参加率が5割まで低下していました」 |
| ②自分の行動と意図 | 課題に対して自分が取った行動とその理由 | 「原因は目標の共有不足だと考え、週1回の振り返りミーティングを提案しました」 |
| ③成果 (チームの変化) |
行動によって生まれたチームや結果の変化 | 「参加率は9割まで回復し、部内の一体感も高まりました」 |
| ④学び・入社後の活かし方 | 経験から得た学びと、入社後どう活かすか | 「この巻き込み力を活かし、貴社でもチームの成果向上に貢献します」 |
この4つの要素を順番に並べるだけで、論理的で伝わりやすい文章に仕上がります。
それぞれの要素を、次の見出しから詳しく解説していきます。
この4つの要素を順番に並べるだけで、論理的で伝わりやすい文章に仕上がります。
それぞれの要素で意識したいポイントを補足します。
①状況と課題
「雰囲気が悪かった」「大変だった」といった主観的な表現だけでは、採用担当者に状況がリアルに伝わりません。
参加率5割、離職率30%のように、可能な限り客観的な数字で状況を示すことが重要です。
数字を使うことで、読んだだけでチームの深刻さが伝わり、その後の行動の必要性が際立ちます。
また、課題はチーム全体の問題として客観的に描写した上で、次のパートで「自分がどう動いたか」につなげる構成にすると、流れがスムーズになります。
状況描写に使う文字数は全体の15〜20%程度に抑え、行動パートに文字数を残すことを意識しましょう。
②自分の行動と意図
ここが最も文字数を割くべき部分であり、採用担当者が最も注目するパートです。
チーム全体の動きではなく、あなた個人の行動にフォーカスし、「なぜその行動を選んだのか」という判断の理由まで書きましょう。
たとえば「話し合いました」ではなく、「週1回・全員参加の振り返りMTGを自ら企画・進行しました」のように、行動を5W1Hで具体的に描写することが求められます。
行動の意図を添えることで、「たまたまうまくいった」ではなく「自分で考えて動いた」という論理的な思考力が伝わります。
全体の文字数の35〜40%をこのパートに割り当てることが、評価されるESの目安です。
③成果(チームの変化)
「優勝した」「売上が上がった」という結果だけでなく、あなたの働きかけによって周囲のメンバーの行動や意識がどう変わったかという因果関係を書くと、再現性が伝わりやすくなります。
たとえば「参加率が5割から9割に改善した」という数字に加えて、「発言が少なかった後輩も積極的に意見を出すようになった」という変化を添えると、チームへの影響力がより具体的に伝わります。
成果は「数字」と「メンバーの変化」の両方を書けると、採用担当者に活躍イメージが湧きやすくなります。
このパートに使う文字数は全体の15〜20%程度が目安です。
④学び・入社後の活かし方
学生時代の行動パターンが、入社後の業務でも活かせることを示す、ESの締めくくりとなる重要なパートです。
「チームワークの大切さを学びました」という抽象的な言葉で終わると、他の学生との差がつきません。
「役割を明確化することでチームの生産性が上がると学びました」のように、経験から得た具体的な気づきを一言で言語化しましょう。
さらに「入社後も〇〇業務でこの視点を活かしたい」と職種・業務と結びつけることで、採用担当者に「この学生は入社後もやってくれそうだ」というイメージを持ってもらえます。
志望企業の求める人物像をリサーチした上で、学びと展望を接続させましょう。
「チームで取り組んだ経験」をESで書く際のポイント
構成が分かったところで、実際に書く際に意識すべき4つのポイントを紹介します。
同じエピソードでも、書き方次第で伝わり方は大きく変わります。
以下のポイントを確認してから、執筆に入りましょう。
チーム内での役割を正直に書くこと
リーダーや主将でなければ書けないと思い込んでいる就活生は少なくありません。
しかし、組織に無駄な役割は一つもなく、どのポジションにも固有の価値があります。
ムードメーカーや裏方のサポート役であっても、内容次第で高い評価につながります。
背伸びして役職を盛るよりも、実際の立ち位置を正直に伝える方が説得力は高まります。
採用担当者は面接で深掘りするため、事実と異なる内容を書くと後で整合性が取れなくなるリスクもあります。
チームの規模感も書くこと
同じキャプテンという役割でも、部員200人と10人では背負う責任の重さが異なります。
規模感を添えることで、あなたの役割の重要性がより具体的に伝わります。
「〇人のチームで」と一言添えるだけで、エピソードの説得力が大きく変わります。
人数だけでなく、活動期間や目標の規模感も添えると、状況がよりリアルに伝わります。
実際の数字から大きくかけ離れないよう、正確な情報を記載することが大切です。
結果よりも過程を重視すること
採用担当者は成果の大きさよりも、そこに至るまでの思考や行動を重視しています。
仕事においても、努力の末の失敗と怠慢による失敗では評価が大きく異なるためです。
課題にどう向き合い、どんな工夫を重ねたのかを具体的に描写しましょう。
結果は一文で触れる程度にとどめ、過程の記述に文字数を割くことをおすすめします。
「どんな状況で・なぜそう考え・何をしたか」の3点が揃うと、採用担当者の頭に映像が浮かびやすくなります。
入社後の再現性の高さも記すこと
企業が最も避けたいのは、学生時代限定の活躍で終わってしまう人材の採用です。
過去の行動パターンに再現性があるかどうかを、ES全体から読み取ろうとしています。
「この考え方を仕事でも活かしたい」と、学びと入社後の展望をセットで書きましょう。
具体的な業務イメージと結びつけることで、活躍する姿を採用担当者に想像させられます。
志望企業の事業内容・職種・求める人物像をリサーチした上で、展望と接続させることが重要です。
【エピソード別】「チームで取り組んだ経験」の参考例文
チームで取り組んだ経験と言われても何を選んでいいのか分からない、という声をよく聞きます。
ここでは代表的な4つの活動に分けて例文を紹介します。
自分のエピソードに近いパターンを参考に、固有名詞・数字・自分の行動に置き換えてください。
部活動・サークル
野球やサッカー、バスケットボールなどのチームスポーツはもちろん、柔道や剣道、テニスなどの個人種目もチームに所属しているため該当します。
部活動のエピソードは、目標・困難・行動・結果の流れが描きやすく、採用担当者にも伝わりやすい定番テーマです。
リーダーでなくても、チームに貢献した具体的な行動があれば十分にアピール素材になります。
所属していたバスケットボール部で、チームの守備力強化に貢献しました。
私の部は攻撃力は高い一方、失点の多さから格上チームに勝てない状況が続いていました。
課題は、練習が個人の技術向上に偏り、チームとしての守備戦術が浸透していないことだと分析。
そこで私は、学年に関係なく意見を言える「ディフェンスミーティング」を週に一度開くことを主将に提案し、実行しました。
試合映像を全員で分析し、ポジショニングのズレや連携ミスといった課題を洗い出し、次の練習メニューに具体的な改善策を落とし込みました。
当初は発言が少なかった後輩からも積極的に意見が出るようになり、チームの一体感が向上。
結果、地区大会での一試合平均失点を20点削減し、創部初のベスト4進出を成し遂げました。
アルバイト・長期インターン
同じシフトや店舗のメンバーと創意工夫して売上に貢献したエピソードは、大きなプラス評価に繋がりやすいです。
アルバイトのエピソードは「他の学生と被りやすい」と思われがちですが、行動の具体性と自分ならではの工夫を書けば十分に差別化できます。
「何をしたか」ではなく「なぜそれをしたか・どう工夫したか」を丁寧に書くことが重要です。
カフェのアルバイトで、ピークタイムの業務効率改善と売上向上を成し遂げました。
私の店舗では昼の繁忙時間帯に行列ができ、お客様からのクレームが課題でした。
私は他のスタッフと協力し、課題の原因が役割分担の曖昧さにあると特定。
店長に許可を得て、レジ担当、ドリンク担当、そして新たに全体の司令塔となる「オーダー管理担当」というポジションを時間帯限定で設けることを提案しました。
各々の役割を明確化したことで無駄な動きが減り、スタッフ間の連携もスムーズになりました。
この取り組みの結果、お客様一人当たりの平均提供時間を約3分短縮し、ピークタイムの客席回転率が向上。
担当シフトの月間売上を前年比で10%向上させることができました。
ゼミ・研究室
実験やレポート、プレゼン大会など、チームで分業して取り組む題材は入社後の仕事内容にも似ているため、仕事ができるイメージを伝えやすい材料です。
ゼミのエピソードは「役割分担しただけ」で終わりがちですが、「なぜその役割を選んだか・どう工夫したか」を掘り下げることで評価が大きく変わります。
地味に見える経験ほど、意図と行動を一段深く書くことで独自のアピールになります。
社会学ゼミで、5人のチームで「地域活性化」をテーマにした共同論文の執筆を主導しました。
当初、各メンバーの関心領域が異なり、テーマ設定が難航しました。
私はまず、各々がやりたいことを付箋に書き出し、KJ法を用いてアイデアを整理・統合することを提案。
その結果、「若者が集まる観光戦略」という全員が納得する共通テーマを設定できました。
私はプロジェクトリーダーとして、各々の得意分野に応じた役割分担と、週次での進捗共有会を徹底しました。
この進め方により、全員が当事者意識を持って取り組め、質の高い論文を完成させ、学内発表会で最優秀賞を受賞しました。
文化祭
自分たちでお店を運営したエピソードでは実行力を、実行委員として全体運営に関わったエピソードでは視野の広さやリーダーシップをアピールできます。
文化祭は「楽しかった」で終わりやすいテーマですが、準備期間中の調整・改善・工夫にフォーカスすることで深みのあるエピソードになります。
当日の結果よりも、準備段階でどう動いたかを中心に書くと評価されやすいです。
大学祭実行委員会の広報担当として、SNS活用による来場者数増加を達成しました。
例年、当日の来場者数が伸び悩むという課題に対し、私は広報チームのリーダーとして「参加団体の魅力を、学生目線で事前に伝えきる」という目標を設定。
各出店団体に担当者を一人ずつ配置し、準備の様子や"舞台裏"のストーリーを継続的に取材しました。
それを基に、InstagramやXでカウントダウン形式の紹介コンテンツを毎日投稿。
コメントへの返信など双方向のコミュニケーションを意識した結果、SNSの総フォロワー数は2ヶ月で倍増。
最終的に、大学祭当日の来場者数は前年比120%となる1万人を記録し、過去最高となりました。
チームで取り組んだ経験の業界別参考例文
「チームで成し遂げた経験」は頻出質問ですが、他の学生と差をつけるのが難しいテーマでもあります。
ここでは人気の5業界を想定し、企業が知りたい意図を汲んだ質問と回答例を紹介します。
志望業界に合わせて切り口を変えることで、採用担当者に「業界を理解している」という印象を与えられます。
コンサルティング業界
コンサルティング業界では、論理的思考力・課題解決力・チームでの役割発揮が特に重視されます。
「感覚ではなくデータと分析をもとに動いた」という姿勢が伝わるエピソードが評価されやすいです。
フレームワークを活用した場面や、チームの議論をリードした経験があれば積極的に盛り込みましょう。
大学のマーケティングゼミで、近隣カフェの売上低迷の要因分析と改善策の提案に5人チームで取り組みました。
当初、各メンバーが感覚的に施策を提案し議論が発散していました。
私はまず正確な現状分析が必要だと考え、3C分析のフレームワーク活用を提案。
私自身は顧客分析を担当し、アンケート調査を実施しました。
その結果、味や価格ではなく「PC作業に適した席が少ない」という点が機会損失に繋がっているという仮説を立てました。
チームでこの仮説を共有・検証し、最終的に「リモートワーク向けプランの新設と座席レイアウトの変更」という具体的な施策を提案。
データに基づいた論理的な提案が評価され、コンペで最優秀賞を頂きました。
人材業界
人材業界では、価値観の異なる人との合意形成力・傾聴力・調整力が特に評価されます。
「対立を乗り越えて共通の目標に向かった」という経験が、人材業界の仕事と直結するアピールになります。
意見の違いをどう調整し、全員が納得できる着地点を作ったかを丁寧に描写しましょう。
大学のキャリア支援イベントを、所属学部も学年も異なる10人の学生チームで企画した経験です。
当初「大手企業の講演会を増やしたい」という意見と「学生同士の交流会を重視したい」という意見で対立しました。
私は双方の意見の背景にある「学生のキャリア選択に貢献したい」という共通の想いに着目し、各メンバーと個別に面談して価値観を傾聴。
両者の長所を活かした「大手企業の人事担当者も交えた、少人数制の座談会」というハイブリッド案を提示し、全員の合意形成を図りました。
結果、イベント参加者の満足度は過去最高を記録しました。
小売り・流通業界
小売り・流通業界では、顧客ニーズの把握力・現場での実行力・チームでの改善推進力が重視されます。
データや顧客の声を起点に動いた経験が、この業界の仕事スタイルと重なりやすく評価されます。
施策の立案から実行・結果の確認まで一連の流れを描けると説得力が増します。
大学内の生協で書籍販売のアルバイトをしていた際、4人のアルバイトチームで「専門書フェア」を企画しました。
当初は売上が伸び悩んでいましたが、私は学生のニーズを直接聞くべきだと考え、チームでアンケートを実施することを提案しました。
アンケートとPOSデータを分析した結果、多くの学生が「授業で推奨されたが、高価で手が出せない」と感じていることが判明。
出版社との交渉経験がある社員の方に相談し、チームで協力して中古の専門書を含む廉価なセット販売を企画しました。
結果、フェア期間中の専門書カテゴリの売上は前年比130%を達成しました。
不動産業界
不動産業界では、長期プロジェクトの推進力・チームのモチベーション管理・粘り強さが評価されます。
「長期間にわたってチームをまとめ、最後まで成果を出した」という経験が特に響きやすいです。
途中で生じた停滞や対立をどう乗り越えたかを具体的に書くと、リーダーシップが伝わります。
大学で都市開発を専攻し、1年間かけて地域の再開発案を作成する卒業研究に5人チームで取り組みました。
長期的なプロジェクトのため、中盤で一部メンバーのモチベーションが低下する時期がありました。
私はプロジェクトリーダーとして、定期的な進捗の可視化と短期的なマイルストーンの設定が不可欠だと考え、スケジュールを月単位のフェーズに分割し、各月末に「成果報告会」を実施。
この取り組みにより、最後まで高い士気を維持でき、質の高い提案を期限内に完成させることができました。
食品メーカー
食品メーカーでは、消費者視点の思考・チームでの商品開発力・データと感覚の両立が重視されます。
「自分のこだわりだけでなく、顧客の声を取り入れて形にした」という経験がこの業界では特に評価されます。
開発・検証・改善のサイクルを回した経験があれば、積極的に盛り込みましょう。
所属していた食文化研究サークルで、大学祭に出店するオリジナルスイーツの開発を6人チームで行いました。
開発チームは斬新な味を追求する一方、私は企画担当として「本当に売れるのか」という視点が重要だと考えました。
試作品ができた段階で、他サークルの学生50名に協力してもらう試食会を企画・実施。
味や価格に関するリアルな意見を収集し、そのデータを基に開発チームと議論を重ねました。
データを基に少しだけ万人受けする風味に調整した結果、開発チームのこだわりと市場のニーズを両立させた商品は2日間で500個完売しました。
【役割別】「チームで取り組んだ経験」の参考例文
役割によって書き方のコツは異なります。
自分の立場に近い例文を参考に、固有名詞・数字・行動を自分のエピソードに置き換えてみてください。
どの役割でも「なぜその行動を選んだか」という意図の言語化が、評価を左右する最大のポイントです。
リーダー
リーダーのエピソードは、「指示を出しただけ」にならないよう注意が必要です。
「なぜその施策を選んだのか」という判断の理由まで言語化し、メンバー一人ひとりの変化に触れると、巻き込み力の高さがより伝わりやすくなります。
メンバーを動かした具体的な働きかけと、その結果生まれた変化をセットで描写しましょう。
所属していたダンスサークルで代表を務め、新入生の定着率向上に取り組みました。
例年、入部から3ヶ月以内に約半数が退部しており、原因は「振り付けについていけず孤立してしまうこと」だと分析しました。
私は代表として、新入生2人に対して上級生1人がつく「メンター制度」を新たに導入し、週1回の個別フォロー時間を設けることを提案・主導しました。
さらに、上級生にもメンターとしての役割意識を持ってもらうため、月1回メンター同士の情報共有会を開き、指導方法のばらつきを減らす工夫もしました。
結果、導入から半年で新入生の定着率は50%から85%まで改善し、退部を考えていた新入生からも「相談できる先輩がいて続けられた」という声をもらいました。
この経験から、仕組みを変えることで個人の頑張りに頼らないチームづくりができると学びました。
企画役
企画役の経験では、アイデアの発想だけで終わらせないことが重要です。
「なぜその企画が課題解決につながると考えたのか」という根拠まで示し、実行段階での工夫や調整にも触れると、企画力に加えて実行力もアピールできます。
アイデアから実行・改善まで一貫して関わった流れを描くと、採用担当者に「実際に動ける人材」と認識してもらえます。
所属する国際交流サークルで、留学生と日本人学生の交流イベントの参加者を増やす企画を担当しました。
例年、日本人学生の参加者が固定化し、新規参加が少ないことが課題でした。
私は「交流のハードルが高く見えていること」が原因だと考え、テーマを絞らない懇親会ではなく、料理や音楽など興味関心別に小グループで話せる「テーマ別交流会」という企画を立案しました。
SNSでの告知に加え、留学生本人に母国の文化を軽く紹介してもらう時間を設けることで、参加への心理的ハードルを下げる工夫もしました。
結果、初参加の日本人学生の割合が前回の2割から5割まで増加し、継続的な交流に発展したペアも複数生まれました。
この経験から、企画は思いつきではなく、参加を阻んでいる原因の分析から設計することの重要性を学びました。
サポート役
サポート役の経験は、「ただ手伝った」で終わらせないことが最大のポイントです。
自分なりに状況を判断し、あえて選んだ行動であることを明確に書きましょう。
地味に見える作業ほど、その意図を掘り下げることで独自の価値として伝わります。
所属する演劇サークルで、舞台美術担当として公演を裏方から支えました。
私のサークルは役者志望が多く、舞台美術や小道具制作を担う人手が慢性的に不足していました。
私はあえて裏方を志願し、限られた予算の中で本番のクオリティを上げるため、地域の企業や商店に不要な廃材を譲ってもらえないか自ら交渉に回りました。
また、稽古の合間を縫って役者陣にも簡単な作業を手伝ってもらえるよう、作業を細かい工程に分けてマニュアル化し、誰でも参加しやすい体制を整えました。
結果、予算を前回の半分に抑えながらも、観客アンケートで「舞台美術のクオリティが高い」という評価を多数得ることができました。
この経験から、目立たない役割でも工夫次第でチームの成果に直結することを学びました。
「チームで取り組んだ経験」がない時の探し方
「そもそもチームで何かに取り組んだ経験がない」と感じる方も少なくありません。
しかし実際には記憶に残っていないだけのケースがほとんどです。
以下の3つの視点でエピソードを探してみてください。
「チーム」を広く定義してみる
部活動やサークルだけがチームだと思い込んでいると、対象が極端に狭くなります。
授業のグループワークや友人との旅行計画も、立派なチームでの取り組みです。
複数人で一つの目的に向かった経験であれば、規模や公式・非公式は問いません。
「2〜3人でも構わない」という認識を持つことで、思い当たるエピソードが一気に増えることがあります。
まずは「複数人で何かをした経験」を幅広く書き出すことから始めてみましょう。
活動別に振り返ってみる
いきなり「チーム経験は?」と聞かれても、思い出せない人は多いものです。
アルバイト、ゼミ、授業、家族、地域活動など、カテゴリを区切って考えてみましょう。
思いついた経験は箇条書きでメモしておくと、後の比較検討がスムーズです。
各活動で「うまくいかなかった時期」や「誰かと意見が食い違った場面」を思い出すと、エピソードが浮かびやすくなります。
「大した経験ではない」と判断する前に、一度書き出してみることが大切です。
規模や役割の大小にこだわらない
「大人数でなければ」「リーダーでなければ」という思い込みが視野を狭めています。
2〜3人の小さなチームでの経験でも、思考のプロセスがあれば十分に評価対象です。
大切なのは規模の大きさではなく、あなた自身がどう考え、どう動いたかです。
「自分が何かを提案した」「誰かの役に立つよう動いた」という場面は、すべてチームへの貢献として言語化できます。
小さな経験でも「なぜそう動いたか」を深掘りすることで、十分な説得力を持つエピソードになります。
低評価になりうるNG例文と改善例
内容は良くても書き方のミスで評価を落としているケースは多いです。
採用担当者が見ているのは「チームが何をしたか」ではなく「あなた自身が何を考え、どう動いたか」です。
よくある3つのNGパターンと改善例を確認して、自分のESを見直してみましょう。
NG①主語が「私たち」で個人の行動が見えない
チームの活動を書くとき、無意識に「私たちは〜」という主語を使ってしまうケースがあります。
しかし採用担当者が知りたいのはチームの活動報告ではなく、あなた個人がどう考え、どう動いたかです。
まずNG例文を確認しましょう。
私はバスケットボール部で、チームの守備力強化に取り組みました。
練習が個人技術の向上に偏っていたため、私たちはミーティングを重ね、チーム全体で守備の練習メニューを見直すことにしました。
私たちは週1回集まり、試合映像を分析して改善点を話し合いました。
その結果、失点数が減り、地区大会でベスト4に進出することができました。
この経験からチームワークの大切さを学びました。
「私たちは〜」という主語が続いており、あなた自身が何をしたのかがまったく見えません。
「チームワークの大切さを学んだ」という締めも抽象的で、入社後の再現性が伝わりません。
次に改善後の例文を確認しましょう。
私はバスケットボール部で、チームの守備力強化に貢献しました。
攻撃力は高い一方、失点の多さから格上チームに勝てない状況が続いていたため、私は「守備の意識が個人任せになっている」ことが課題だと分析。
主将に掛け合い、学年問わず意見を言える「ディフェンスミーティング」を週1回開くことを提案・主導しました。
試合映像を全員で分析し、ポジショニングのズレや連携ミスを洗い出して次の練習メニューに反映。
当初は発言が少なかった後輩も積極的に意見を出すようになり、チームの一体感が向上しました。
結果、地区大会での1試合平均失点を20点削減し、創部初のベスト4進出を達成しました。
主語を「私」に統一し、「提案した」「主導した」など自分が起こした具体的なアクションを明示することがポイントです。
課題の発見→提案→実行→結果の流れが明確になることで、入社後も同じように動ける人材だと伝わりやすいです。
NG②結果だけ語って行動・過程が薄い
数字や結果を書いているのに、なぜか説得力が出ない——そんなときは行動と過程が抜け落ちているケースがほとんどです。
採用担当者は「本当に自分で考えて動いたのか、たまたま結果が出ただけなのか」を見ています。
まずNG例文を確認しましょう。
私はカフェのアルバイトで、チームで売上向上に取り組みました。
ピークタイムに行列ができてお客様からクレームが多いという課題がありました。
チームで話し合い、役割分担を見直したところ、提供時間が短縮され、売上が前年比10%向上しました。
この経験からチームで協力することの重要性を実感し、入社後も貢献していきたいと思います。
「話し合い、役割分担を見直した」だけでは何をどう変えたのかが伝わりません。
結果の数字はあるものの、そこに至るプロセスが薄すぎて説得力に欠けます。
次に改善後の例文を確認しましょう。
私はカフェのアルバイトで、ピークタイムの業務効率改善に主体的に取り組みました。
昼の繁忙時間帯に行列ができクレームが続いていたため、私はシフトメンバーを観察し、「役割分担が曖昧で動きが重複している」ことが原因だと特定。
店長に許可を取り、レジ・ドリンク・全体の司令塔となる「オーダー管理担当」の3役を時間帯限定で設けることを提案しました。
導入後はスタッフ間の連携がスムーズになり、お客様1人あたりの平均提供時間を約3分短縮。
担当シフトの月間売上を前年比10%向上させることができました。
この経験から、感覚ではなく観察と分析をもとに動くことの大切さを学びました。
「何を観察し、何が原因だと判断し、何を提案したか」を具体的に書くことで、思考と行動のプロセスが見えるようになります。
数字の根拠が行動と結びついて初めて説得力が生まれることを意識しましょう。
NG③受け身・指示待ちの印象になっている
エピソード自体は良くても、「言われた通りにやった」という書き方が滲み出てしまっているケースがあります。
企業が求めるのは、主体的に課題を見つけて行動できる人材です。
まずNG例文を確認しましょう。
私は大学のゼミで、5人チームで地域活性化をテーマにした共同論文に取り組みました。
教授の指示のもと、各メンバーが担当分野を調査し、定期的に進捗を報告し合いました。
私はデータ分析を担当し、言われた通りにアンケートを集計しました。
全員で協力した結果、論文を期限内に完成させることができ、学内発表会で最優秀賞を受賞しました。
チームで取り組む難しさと達成感を学ぶことができました。
「教授の指示のもと」「言われた通りに」という表現が受け身の姿勢を強調してしまっています。
結果は素晴らしいですが、あなたが自ら考えて動いた形跡がなく、指示待ち人材という印象を与えてしまいます。
次に改善後の例文を確認しましょう。
私は社会学ゼミで、5人チームによる地域活性化をテーマにした共同論文を主導しました。
当初、各メンバーの関心領域がバラバラでテーマ設定が難航していたため、私はKJ法を用いてアイデアを整理・統合することを提案。
「若者が集まる観光戦略」という全員が納得できる共通テーマを設定しました。
私はデータ分析担当として独自にアンケートを設計・実施し、観光客の行動パターンを可視化。
その結果をチームに共有し、提言の説得力を高めました。
また週次の進捗共有会を自ら企画・進行し、遅れが出たメンバーへのフォロー体制も整えました。
最終的に学内発表会で最優秀賞を受賞し、「論文の完成度が高い」と評価を受けました。
「提案した」「設計した」「企画・進行した」など、自分が起点となって動いた言葉に置き換えることが改善のポイントです。
言われてやるのではなく、自分で課題を見つけて動いたという能動性が伝わる文章を目指しましょう。
まとめ
「チームで取り組んだ経験」で評価されるのは、成果の大きさではなく当事者としての思考と行動です。
主語を「私たちは」ではなく「私は」に統一し、自分ならではの工夫や意図を丁寧に言語化しましょう。
課題・行動・変化という構成の型に沿って書くことで、伝わりやすさは大きく向上します。
役職や規模の大小にこだわらず、あなた自身の立ち位置を素直に振り返ることが第一歩です。
この記事を参考に、あなたらしいチームでの経験を採用担当者に伝わるESに仕上げてください。