面接で必ず聞かれる「他社の選考状況」意外な回避方法と答える際のポイント解説!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

【他社の選考状況】実はみんな聞かれている?

面接の進行段階が進むにつれて、「他社の選考状況」について聞かれることは一般的です。

この質問は、多くの就活生が聞かれる質問ですが、回答の仕方によっては、志望度が低いと判断されるリスクもあるので注意が必要です。

しかし、この質問に対して明確で誠実な回答をすることができれば、熱意や本気度が伝わり、企業からの評価が高まるチャンスです。

面接官は、あなたが他社の選考にどのように取り組んでいるかを通じて、本当に自社に興味があるのか、どれだけ真剣に就職活動をしているのかを知りたいのです。

そのため、この質問がされた際はただ他社の選考状況を伝えるだけではなく、その企業への志望度の高さが伺えるように伝える意識を持つことが大切です。

【他社の選考状況】なぜ聞くのか

なぜ面接の場でどの企業も他社のことを聞くのでしょうか?

他の質問においてもそうですが、面接の場はあくまで選考判断をする場なので、全ての質問には必ず企業も何かを判断するための基準が欲しいという意図があります。

これを理解しているのとそうでないのでは、回答の仕方や事前準備に大きく差がでてしまうので、是非意識するようにしてみてください。

他社の選考状況についての質問も同様で、ただ意味もなく聞いているということはなく、大きく分けて「志望度」「スケジュール」「就活の軸」の三つの確認意図があります。

それぞれについて下記で項目別に詳しく解説していきますので、是非参考にしてみましょう。

・志望度の確認

まず、志望度を確認し、自社が応募者の中でどのような位置づけにあるかを確認するためという点が大きな理由となっています。

この質問によって、応募者がどれだけ自社に興味を持っているのか、他社と比較してどの程度優先しているのかを見極めようとしているというわけです。

企業は、自社を本気で希望している応募者を探しているため、この質問の流れで志望度も確認し、応募者の熱量を計ろうとしているのです。

・スケジュールの確認

応募者のスケジュール確認をしたいからという点も、企業が他の企業の選考について聞いてくる理由だと考えられます。

これは、学生がどの程度就職活動を進めているかを知り、内定を出した場合にいつまでに承諾を得られるかを把握するためです。

正確なスケジュールを知ることで、企業は内定のタイミングを調整し、応募者にとっても他社の選考状況を考慮した上で最適な決断をしやすくなるというわけです。

・就活の軸

応募者の就職活動の軸を確認するためということも、大きな理由の一つでしょう。

どのような企業を志望しているかによって、応募者の価値観やキャリアに対する考え方、自社とのマッチ度を判断しようとしているというわけです。

他の質問の回答と合わせてこれを確認することによって、応募者が本当に興味のある業界や職種等も推測できるので、企業としても重要な質問の一つです。

【他社の選考状況】答えにくさの原因

選考状況についての質問は、答えにくさを感じる方も多いのではないでしょうか。

その理由として、自分が応募している企業が第一志望ではないことが伝わる恐れや、自己紹介や志望動機に一貫性がないと思われる可能性を感じてしまうこと等があります。

また、他社からの評価が伝わることによって自分の市場価値に関する情報が漏れてしまうのではないかと心配する方もいるようです。

しかし、こういった点を心配して嘘をついてしまうことのほうが誠実ではありませんし、万が一バレた時のリスクが大きすぎるので絶対にしないようにしましょう。

正直に、かつ適切に対応することで、面接官からも信頼を得ることができ、ポジティブな印象を与えるチャンスに変えることができます。

【他社の選考状況】他社の選考状況を答える際のポイント

ここからは、他社の選考状況について問われた際の効果的な回答のポイントを解説していきます。

上で挙げたようにこの質問が答えにくいと考えている方も多いですが、ポイントを抑えながら上手く回答することができればプラスの方向に働きます。

9つのポイントに分けてそれぞれ解説していきますので、自分が面接を受ける立場になったと想像しながら参考にしつつ、回答イメージを作っておきましょう。

1.主な2、3社の状況を答える

そもそも、聞かれたからと言って自分が受けている企業を全て回答する必要は全くないですし、企業もそんなことは望んでいないのでむしろ逆効果です。

なので、自分の志望度の高い主な企業2,3社程度に留めるようにしてください。

ただその際も長々と話すのではなく、簡潔に、かつ要点を具体的にわかりやすく伝えることが重要なので意識するようにしましょう。

2.企業が第一希望であることを伝える

その企業への熱意をアピールすることが重要で、その企業が第一志望であることをアピールしてください。

たとえ第一志望ではなくても「その企業じゃなきゃ駄目な理由」を具体的に述べ、自分がその企業で働きたいと思っている点を強調するようにしましょう。

例えば業務内容、企業文化、将来性など、具体的な理由を挙げながら、面接官に自分の熱意を伝えると効果的です。

他の企業で内定がない場合は、特に意識しておきたい点です。

3.企業を差別化できるポイントを探しておく

他社と比較して、応募企業の際立つ特徴を差別化し、その点を強調して伝えることもかなり効果的です。

その企業を選んだ具体的な理由や、その企業の独自の魅力、何かしらのイノベーションへの取り組み、社会への貢献、働く環境などについて熱意をもって伝えましょう。

これによって、自分がどれだけその企業への入社を真剣に考えているかを面接官に伝えることができ、印象を残すことができます。

4.企業選びの軸を伝える

ただ他社の状況をいうだけではなく、自分の価値観に基づいた就活の軸を基準として、その企業を選んだということを明確に伝える意識も忘れないようにしてください。

この時、自分の長期的な目標や実現したいことが、その企業のビジョンや業務内容とどのように一致しているかをできるだけ具体的に説明しましょう。

これによって熱意とその企業への真剣な関心を示すことができ、面接官にポジティブな印象を与えることができます。

5.職種が違う場合は理由も述べる

様々な業種や職種を受けていた場合、それを正直に伝えてしまうと、企業に矛盾していると思われてしまうリスクもあるので回答には工夫が必要です。

とはいえ、嘘をついて受けている企業に統一感を持たせて回答しても、あとでその嘘がバレてしまう方がリスクが高いですよね。

そこで、受けている企業の職種が違う場合には、しっかりとその理由を述べれば問題ありません。

自分の就活の軸を伝え、それにそっているものであれば自信を持って回答しましょう。

6.面接時期によって回答を工夫する

面接を受けている時期やタイミングも考慮しながら回答を工夫する必要もあるので、注意しておきましょう。

例えば就活が始まったばかりのタイミングで、1次面接フェーズの会社が多い状況であれば、とりあえず内定が欲しい状況ではあるのでどの会社も志望度を高く見せることが大切です。

逆に就活終盤の時期の面接であれば、内定をすでにもらっている可能性もあるので、多少の駆け引きを意識した回答をしてみるのも有効な場合があるでしょう。

7.内定がある場合は保留期間も答える

内定をすでにもらっている場合は、その内定をもらっている企業からどれくらい保留期間を猶予として与えられているかを答えましょう。

企業は多くの学生の面接を実施しなければならず、内定辞退も見越した判断やスケジュール管理をする必要があります。

このような状況で、他の企業の内定承諾の保留期間も見据えながら内定を出したり、時には交渉等をしたりするので、必要な情報というわけです。

8.1社のみしか受けていない場合は熱意を伝える

どれくらい就活が進んでいるかによっても変わりますが、他社の選考を受けておらず、その企業しか受けていないという状況もあるでしょう。

そういった場合は、その企業に特化して応募した理由と、熱意をしっかりと伝えることが重要です。

また、その企業の独自の魅力と自身の強みがどのようにマッチし、どう貢献できるかを具体的に伝えることもポイントです。

一社に絞って応募した真剣さと、その企業で働くことへの強い意志をアピールしましょう。

9.進学などで就職しない可能性がある場合も正直に伝える

進学などでそもそも就職しない可能性がある場合もあると思いますので、その旨を正直に伝えることが肝心です。

この点を正直に伝えることは企業にも信頼感を与えることができ、誠実な印象を持ってもらうことができます。

同時に自分自身のキャリアに対する真剣な考えをアピールすることもできます。

ただ、企業や担当者によっては進学などで少しでも内定辞退する可能性があると判断してしまうこともあるので、注意しましょう。

【他社の選考状況】注意すべきポイント

ここからは選考状況を問われた際に、注意しておくべきポイントをいくつか解説していきます。

他の質問に対する回答が良くても、ここで注意すべきポイントを守った回答ができていないと、企業からの評価もかなり下がってしまう可能性があります。

是非下記に挙げる点を参考にしながら、満足のいく回答イメージを準備しておきましょう。

落ちた企業については言わない

まず、落ちた企業のことはできるだけ言及しない方が良いでしょう。

その理由として、面接の場では自分のポジティブな面を強調し、能力や熱意をアピールすることが目的だからです。

なので、選考に落ちてしまったことを話すことはその目的からは離れてしまい、企業に悪印象を与えてしまう可能性があります。

代わりに現在進行中の選考や、特に興味を持っている企業に焦点を当て、その企業を選んだ理由や、自分のキャリアの将来像を熱意を持って説明するべきです。

これにより、面接官に対してポジティブな姿勢を示し、自分の強みや企業への貢献意欲を前面に出すことができます。

他社の内部情報を言わない

これは当然ですが、他社の内部情報や機密情報を漏らすべきではありません。

機密情報を安易に共有することはビジネスの世界において不健全なことなので、あなたの信頼性や判断力に疑問を持たれてしまう可能性があります。

なので、このような情報を軽率に話すことは、面接官からも将来的にその企業の機密情報を扱う際にも同様の行動を取る可能性があると見なされてしまうリスクが出てきてしまうのです。

また、面接官もそのような情報を得ようとしてこの質問をしているわけでもありません。

したがって、選考状況に関する質問には、自分の進捗や興味のある点を中心に話し、他社の機密情報にはできるだけ触れない方が良いでしょう。

嘘をつかない

他の質問においても当たり前のことですが、絶対に嘘をつくことは避けるべきです。

理由としては、嘘が万が一後で発覚した場合、あなたの信頼性を大きく損ねるリスクがあり、場合によってはかなり重い処分を課せられてしまう可能性もあるからです。

大前提ですが、企業は誠実さを重視しており、面接や選考を通じて応募者の人格や倫理観も評価の対象としてしっかりとチェックしています。

嘘という不誠実な行動は、自分の評価を下げることになり、最悪の場合、内定取り消しに繋がる可能性もあります。

また、嘘をつくことは自分のストレスにもなり得るので、どんな状況でも嘘はつかず、正直に回答するようにしましょう。

質問されても隠したりごまかしたりしない

質問された時、隠したりごまかしたりする行為は避けるべきです。

なぜなら採用において、誠実であることが極めて重要な評価基準としてあるからです。

企業は面接の過程で、自社に対する熱意や真剣さと、正直な対応を見ています。

なので隠したりごまかしたりする態度は、信頼性に欠けると見なされ、結果として選考がうまく進まなかったり、内定がもらえない原因となってしまいます。

他社の選考状況について正直に、かつ適切に開示することで、あなたが他の選択肢を慎重に評価し、真剣にキャリアを考えていることを示すことができます。

このような誠実な対応は企業にもポジティブな印象を与え、内定の可能性が高まります。

【他社の選考状況】よくある質問例と回答文

選考の過程で他社の選考状況について聞かれることは多々ありますが、質問の仕方には様々な言い回しや表現があります。

そこでよくある質問例と、それに対する回答としてどのようにするのが効果的か簡単な例文を紹介していきます。

以下を参考にしつつ、いきなりこの質問がきても困らないよう、しっかりと準備をしてください。

「第一希望はどこですか?」

まず第一志望はどこの企業か聞かれた際の回答例を紹介します。

「貴社が第一志望になります。

もちろん他の企業も検討中ではありますが、貴社の〇〇に対する積極的な取り組みと、その分野での革新的なプロジェクトに非常に興味を持っています。

なので内定がいただけましたら、迷わず貴社に入社させていただきたいと考えております。」

上記のように、まず結論としてその企業が第一志望であることを端的に伝え、そのあとに具体的な理由を述べて説得力を持たせるように回答してみましょう。

「なぜ弊社とその企業を受けたのですか?」

その企業と他の企業をなぜ並行して受けているのか聞かれた際の回答例を紹介します。

「まず私の就活の軸やキャリア観として、裁量権高く仕事ができることというのが一番重要視していることです。

その中で貴社と、並行して受けている別の企業はこの観点に合致する社風だったので受けているというのが理由です。

ただ、特に貴社は1年目から事業責任者を任せる実例もあるなどしており、私としては最も魅力を感じています。」

上記のように、自分の就活の軸等と絡めて一貫性がある回答をしつつ、特にその企業がいい理由を述べましょう。

「弊社とその企業では業務内容がかなり違いますが?」

受けている企業によって業務内容がかなり違うのにも関わらず、なぜ同時に受けているのか聞かれた際の回答例を紹介します。

「確かに貴社とその他で受けている企業の業務内容はかなり異なります。

しかし、私が就活において重視している点は働き方や社風なので、業務内容や職種についてはそこまで強いこだわりはなく、受けている企業の業務内容に統一感がありません。

ですが、私の強みが一番活かせるのは貴社だと感じており、是非一緒に働かせて頂きたいと考えています。」

上記のように、業務内容以外を重視している点を強調しながら回答するのがいいでしょう。

「内定を出した場合いつ頃お返事できそうですか?」

内定を出した場合、いつごろ返事がもらえそうか聞かれた場合の回答例について紹介します。

「まずそのように言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます。

もし内定をいただけるとしたら非常に嬉しく思います。

他の企業の選考状況や、内定承諾の保留期間を確認の上、〇〇日までには必ずお返事できるようにします。」

このように、まずは冒頭で仮にでも内定をもらえたらという事を言ってもらえたことに対してお礼をしっかりと伝えた上で、明確に何日までに返事できるか明確にしましょう。

「弊社の選考は他社と比べてどうですか?」

選考の仕方について他の企業とくらべてどうかと聞かれた場合の回答例について紹介します。

「貴社の選考は他に受けている企業と比較しても非常に手厚いサポートがあって、私たち就活生のことを本気で考えてくださっているんだと感じました。

具体的には、選考を通過するたびに細かいフィードバックを下さり、次回の面接に対する対策をできるようにしてくださいました。」

上記のように、具体的にどんな点が他の企業と比べて秀でているのかをはっきり伝えると印象がよくなります。」

【他社の選考状況】まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は就活の面接で他社選考状況について聞かれた際の効果的な回答の仕方や、意識すべきポイントについて解説してきました。

他社の選考状況を質問されるということは、企業としても比較的採用意欲が高い状態での質問であることが多いです。

しかし、この質問の回答の仕方を間違ってしまうと一気に評価が下がってしまい、内定をもらえるチャンスが遠ざかってしまうこともあるので十分注意しましょう。

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