HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
就活で面接が徐々に始まり、就活の軸や志望動機をよく聞かれるようになったものの、この2つの何が違うのかよく分からないという声がよくあります。
そこで今回の記事では就活の軸と志望動機はどういった点が異なるのか、それぞれの特徴や、フォーカスして伝えるべきポイント、注意点等を徹底解説します。
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【就活の軸と志望動機】2つの違いは?
就活の軸と志望動機は、就職活動において重要な要素ですが、その意味や役割には明確な違いがあります。
就活の軸とは、自分が会社や仕事を選ぶ際に大事にしていることや条件を指します。
例えば、「成長機会が多い環境」「社会貢献ができる仕事」「ワークライフバランスの良さ」などが挙げられます。
一方、志望動機は、就活の軸を基にして、特定の業界や企業を選んだ理由を説明するものです。
志望動機では、その企業や業界が自分の就活の軸にどのように合致しているかを具体的に述べる必要があります。
就活の軸がしっかりと定まっていないと、説得力のある志望動機を作ることは難しくなります。
まずは自分の軸を明確にし、それに基づいて志望動機を構築することが重要です。
【就活の軸と志望動機】就活の軸が必要なワケ
就活の軸を持っておくことが求められる理由がいくつかあるので紹介します。
企業側と学生側のそれぞれの観点から解説しますので、是非参考にしてください。
企業側は学生を採用する判断材料になる
企業が就活の軸を重視する理由の一つは、学生を採用するための判断材料として非常に有用だからです。
企業は、どのような人物を採用したいかという具体的な人物像を持っています。
これには企業のビジョンやミッション、企業文化、求めるスキルや経験などがあります。
また就活の軸を明確にしている学生は、その人物像と照らし合わせることで、企業にとっての選考基準を満たしているかどうかが判断しやすくなります。
また、学生の入社意欲の高さや長期的に働く意思があるかどうかも、就活の軸を通じて見極めることができます。
これにより、企業は組織にフィットし、長期的に活躍できる人材を効果的に採用できるのです。
学生側は企業選びの基準になる
学生にとって、就活の軸を設定することは、企業選びの基準を明確にするために不可欠です。
数百万と存在する企業の中から、自分に合った企業を選ぶのは容易ではありません。
しかし、就活の軸を持つことで、自分が何を重視しているのか、どのような環境で働きたいのかが明確になります。
これにより、企業選びが効率的になり、限られた時間の中で効果的な面接対策や企業研究が可能になります。
また、就活の軸を持つことで、自分に合った企業に絞って応募できるため、面接での自己アピールも一貫性を持って行うことができます
結果として、自分の希望に合った企業に内定をもらえる確率が高まります。
自分の将来をイメージするきっかけ
就活の軸を考えることは、自分の将来をイメージする重要なきっかけとなります。
学生時代は、ある程度決まったレールに沿って進むことが多いですが、社会に出ると自分で将来を切り開いていかなければなりません。
就活の軸を設定する過程で、自分がどのようなキャリアを描きたいのか、どんなライフスタイルを望むのかを具体的に考えることができます。
この将来像を実現するためには、どのような企業で働くべきか、どんなスキルや経験が必要なのかを見極めることができます。
その結果として、就活の軸が自分のキャリアプランと直結する形になります。
これにより、就活の軸が明確になることで、自分の将来のビジョンに向かって具体的な一歩を踏み出すことができるのです。
【就活の軸と志望動機】就活の軸の考え方
就活の軸を決めるときの基本的な考え方について解説します。
行き詰ったときは自分1人で考えても良い結果にならないことが多いので、下記に挙げる観点を参考して魅力的な就活の軸を作成してください。
過去経験から、大事にしている価値観を知る
就活の軸を考える上で、まず重要なのは自分の過去経験を振り返り、大事にしている価値観を明確にすることです。
過去の自分を振り返り、どのような状況でモチベーションが上がったのか、どんな選択をしてきたのか、その選択のきっかけとなった原体験は何かを深く考えることが大切です。
例えば、学生時代に部活動で困難を乗り越えた経験があるなら、それが自分にとって重要な価値観の一つかもしれません。
このように、自分の過去経験から得た価値観を再認識することで、就活の軸を見つけることができます。
将来どうなりたいかどうか
将来のキャリアビジョンを考えることも、就活の軸を設定する上で欠かせません。
自分がどのようなキャリアを積み、どのような人材になりたいのか、入社してから成し遂げたいことは何かを具体的にイメージすることが重要です。
例えば、将来はリーダーシップを発揮してプロジェクトを成功させたいと思っているなら、そのために必要なスキルや経験を積める企業を選ぶことが大切です。
また、社会貢献に強い関心があるなら、社会的な影響力を持つ企業や事業に携わることを目指すと良いでしょう。
将来の理想像が明確であれば、それを実現するために必要な要素を基に就活の軸を設定できます。
自分に合う社風や雰囲気
自分に合った社風や職場の雰囲気を考えることも、就活の軸を設定する際に非常に重要です。
一緒に働く仲間や職場の環境が、自分の価値観や働き方に合っているかどうかを見極めることが長期的に働き続けるためには不可欠です。
例えば、協力し合いながらチームワークを重視する環境が好きなのか、個人の成果を評価する競争的な環境の方がやりがいを感じるまたのか、自分の価値観に基づいて考えてみましょう。
また、会社訪問や社員との面談、企業のホームページや口コミサイトなどを活用して、自分に合う社風や雰囲気を調べることが大切です。
このように、自分の価値観に合った社風や雰囲気の企業を選ぶことがポイントです。
【就活の軸と志望動機】就活の軸を見つける手順
就活の軸はどのように見つければいいのでしょうか?
自分なりの就活の軸を見つけるための手順を3つに分けてご紹介いたします。
ぜひ就活の軸を考える時の参考にしてみてください。
ステップ1:自己分析を徹底する
最初の手順として、まず自己分析を徹底的に行うことが大切です。
自己分析とは自分自身の価値観や強み、長所短所など自分について振り返ることです。
自己分析をして自分の行動原理について知ることで、やりたいことや優先順位等が明確になってきます。
そこから自分の軸を大まかでいいので決めてみると良いでしょう。
ステップ2:他己分析をしてもらう
次に、自己分析の後にやることとして他己分析をすることが重要です。
他己分析はあまり就活として浸透していませんが、自分では気づかなかった特徴や長所が見つかる可能性があるため非常に有効な手段といえます。
友人や家族など複数の人から分析をしてもらい意外な一面を知ることで自分が大事にしてる価値観を発見することが大切です。
ステップ3:インターンシップなどの活動に参加する
最後に分析が一通り終わったらインターンシップやOBOG訪問・企業説明会などに参加し、自分なりの就活軸として成立するかを確かめましょう。
複数の企業の仕事や雰囲気を知ることで自分は本当は何をしたいのかということや譲れないことが出てくるはずです。
また、自分が分析から出した就活の軸が実際に仕事を経験したことによって見直せる可能性もあります。
実際に企業に行かなければ分からないことまで事前に知れるのでミスマッチを避けられるメリットもあるでしょう。
【就活の軸と志望動機】面接での答え方のポイント
面接で就活の軸を聞かれた際の回答の仕方のコツを紹介します。
面接官は数多くの応募者を面接しているので、内容以上に回答の構成や伝え方が上手な応募者を評価する傾向があるので意識するようにしてください。
結論ファースト
面接での答え方の基本は結論ファーストで話すように心掛けてください。
特に就活の軸を話す場合は、最初に結論を明確に伝えることが重要です。
例えば「私の就活の軸は〇〇です」と端的に述べることで、面接官が話の要点をすぐに把握でき、理解しやすくなります。
複数の軸がある場合は、「私の就活の軸は〇〇と〇〇の△点です」と具体的に言うようにしましょう。
結論を先に述べることで、その後の説明がスムーズに進み、面接官の集中力を引きつけることができます。
結論ファーストの姿勢を持つことで、限られた時間の中で自分の考えを効果的に伝えることができ、面接官に好印象を与えることができます。
根拠となる具体的なエピソードを話す
結論を述べた後は、その結論の根拠となる具体的なエピソードを話すことが重要です。
例えば、「私の就活の軸はチームワークです」と述べた場合、その軸を選んだ理由を具体的な経験に基づいて説明します。
学生時代の部活動やプロジェクト、アルバイトなどでの経験を振り返り、その中でチームワークが重要だと感じたエピソードを示すようにしてください。
具体的なエピソードを通じて、自分の価値観や考え方がどのように形成されたのかを説明することで、面接官に信頼感を与えます。
また、具体的な事例を話すことで、自分の経験やスキルをより実感を持って伝えることができ、強い印象を残すことができます。
志望動機と結びつける
就活の軸を話す際には、その軸が志望動機とどのように結びついているかを説明することが重要です。
就活の軸を述べた後は、その軸が企業選びにどのように影響したかを話します。
例えば「私の就活の軸は成長機会の多さです。
そのため、貴社の研修制度やキャリアパスに魅力を感じました」と具体的に述べます。
こうすることで、企業の価値観と自分の価値観が一致していることをアピールすることができます。
また、志望動機を単に企業の魅力を話すだけでなく、自分の就活の軸と結びつけることで、より説得力を持たせることができます。
これにより、自分が企業にとって適切な人材であることを示すことができ、企業と自分のマッチ度を強調することができます。
【就活の軸と志望動機】就活の軸の具体例5選
ここからは就活の軸に関する回答の具体例文を5つ紹介します。
比較的一般的で企業にも評価されやすい軸に関する就活の軸ごとに紹介するので、自分の就活の軸と照らし合わせて参考にしてください。
社会貢献性が高い事業
私の企業選びの軸は「社会貢献性が高い事業かどうか」です。
大学時代、地域の環境保全活動に参加し、清掃や植樹活動を通じて地域住民との連携を深めてきました。
この経験を通じて、人々の生活環境を改善し、持続可能な社会を作ることに大きなやりがいを感じました。
貴社は、環境保全や再生可能エネルギー分野で先進的な取り組みを行っており、その事業が多くの人々の生活を支えると確信しています。
私は貴社で働くことで、環境保全の分野で直接的な影響を与え、多くの人々の生活を改善したいと考えています。
具体的には、地域社会と連携しながら環境に優しい製品やサービスの普及に努め、持続可能な社会を実現するための活動に貢献したいです。
手に職を付けて市場価値を高めたい
私の就活の軸は「手に職を付けて市場価値を高めること」です。
自然災害や未知のウイルスの流行など、避けられない事象が起きることがあります。
その際、多くの人が倒産や失業のリスクに直面します。
だからこそ、自分自身に資格などの価値を設けることで、どこでも働けるような人材になりたいと考えています。
貴社は、業界トップクラスの技術力を持ち、従業員のスキルアップに力を入れていると聞いております。
そこで、貴社で働くことで、自分の市場価値を高めるためのスキルや知識を身に付けることができると確信しています。
貴社での経験を通じて、自分自身の価値を高め、将来のどんな状況にも対応できるプロフェッショナルとして成長したいです。
多くの人の役に立つサービスを作りたい
私の就活の軸は「多くの人の役に立つサービスを作ること」です。
私は広告を見て心を動かされた経験があり、その瞬間に自分も人の心を動かし、役に立つものを生み出したいと思うようになりました。
貴社は、独自のクリエイティブな広告で多くの人々の心を掴み、社会に影響を与える力を持っています。
そんな貴社で働くことで、自分のアイデアやクリエイティブな能力を活かし、多くの人々に感動を与えるようなサービスを作り出すことができると確信しています。
貴社の一員として、多くの人々の生活を豊かにし、心に響くような広告を作り続けることが、私のキャリアの目標です。
若いうちから自己成長できる環境
私の就活の軸は「若いうちから自己成長できる環境に身を置くこと」です。
将来、人をまとめるリーダーになりたいという強い願いがあります。
学生時代に部長を務め、集団が同じ方向を向いて目標を追いかけることに大きなやりがいを感じました。
そのためには、若いうちから成長できる環境が必要だと考えています。
貴社は、若手社員が積極的に挑戦し、自己成長できる環境を提供していると聞いております。
そこで、貴社で働くことで、リーダーシップや実務経験を積み重ね、将来のリーダーとしての基盤を築きたいです。
貴社の一員として、若いうちから多くの経験を積み、自己成長を続けながら、組織全体の成功に貢献したいと考えています。
切磋琢磨し合えるような社風
私の就活の軸は「切磋琢磨し合えるような社風のある企業で働くこと」です。
私はアルバイトで忙しい時間帯も全員で協力して乗り切る経験をしました。
その際に感じたやりがいと達成感は、今でも強く記憶に残っています。
貴社は、社員同士が互いに刺激し合い、高め合う文化が根付いているとOB訪問の際にお伺いしました。
そんな環境で働くことで、自分の能力を最大限に発揮し、常に成長し続けることができると確信しています。
貴社で働くことで、同僚と共に切磋琢磨し、互いに高め合いながら、組織全体の成果を最大化することに貢献したいです。
【就活の軸と志望動機】面接で注意するポイント
ここからは、就活の軸について面接で回答する場合に注意すべき観点を紹介します。
就活の軸を正直に伝えることも重要ですが、企業が求めている回答や意図を汲み取って回答を調整することが内定を得るためには大切です。
どんな企業でも当てはまることは言わない
面接での「就活の軸」についての回答では、どんな企業にも通じるような一般的な内容は避けるべきです。
たとえば、「成長できる環境」や「働きやすい職場」など、どの企業にも当てはまるような軸は、面接官に「この企業でなくても良いのでは?」と思わせてしまう可能性があります。
また、このような軸は志望動機に結びつけにくいため、具体的な理由やエピソードが欠けてしまい、説得力が弱くなります。
代わりに、その企業特有の魅力や自分の価値観と企業のビジョンが一致していることを強調することが重要です。
企業の文化や事業内容、具体的なプロジェクトについて深く理解し、それが自分の軸とどうマッチするかを明確に伝えることで、志望度の高さと本気度を示せます。
好きだから/興味があるからという軸は避ける
「好きだから」や「興味があるから」という軸も避けるべきです。
好きや興味があるという理由は、あくまでその製品やサービスに対するものであり、実際の業務内容とはかけ離れていることが多いです。
さらに、好きや興味といった感情は長続きしないことが多いため、面接官には早期離職のリスクが高いと判断される可能性があります。
代わりに、なぜその分野や業界に興味を持つようになったのか、具体的なエピソードを交えて説明し、その興味が長期的に持続する根拠を示すことが重要です。
また、その興味を実際の業務にどのように活かし、企業に貢献できるかを具体的に述べることで、説得力を高めることができます。
福利厚生などの待遇面は印象がよくない
福利厚生や待遇面を軸にすることも避けるべきです。
福利厚生が充実しているかを重視するのは理解できるものの、それを軸として伝えることは面接官に良い印象を与えません。
企業は利益を生み出し、成長に貢献してくれる人材を求めています。
入社前から自分が何かを得ようとしている姿勢は、志望度の低さや企業に対する本気度の不足を感じさせてしまいます。
代わりに、企業が提供する成長機会や働きがいなど、企業の提供する価値に焦点を当て、それが自分のキャリア目標とどのように一致しているかを説明することが大切です。
これにより、企業に対する真摯な姿勢と将来的な貢献意欲をアピールすることができます。
まとめ
今回は志望動機とは似ているようで違う「就活の軸」についての効果的な回答の仕方や注意点について解説しました。
就活の軸は自分の将来のキャリアや志望動機につながる重要な基盤となるものなので、出来るだけ一貫性を持ってブレのないように設定する意識をしてください。
企業の意図を理解して回答を考えておくことも大切ですが、自分が納得できる就活をするためにも非常に重要な要素です。