HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
自己PRは就職活動の中で非常に重要な要素であり、採用担当者に自分の強みや魅力を効果的に伝える手段です。
本記事では、「自己PRのエピソード」をテーマに、人事から高評価を得るためのコツを解説します。
具体例や書き方のポイントを詳しく紹介していきますので、自分の経験を最大限に活かすためのヒントにしてください。
目次[目次を全て表示する]
【自己PRのエピソード】人事が自己PRを聞く理由
自己PRを求める理由は、応募者の強みやスキル、価値観、さらには入社後の活躍を見極めるためです。
ここでは、採用担当者が自己PRをどのような観点で評価しているのかを詳しく解説します。
読み手の考慮した文章で書かれているか知りたい
採用担当者が最初に重視するのは、自己PRが読み手に配慮した文章になっているかです。
自己PRでは、自分の強みやエピソードを伝えることが重要ですが、それ以上に、誰が読んでも理解できる表現や構成が求められます。
たとえば、専門用語や曖昧な言葉を多用せず、具体的な内容で分かりやすく記述することが大切です。
また、読みやすさを意識した簡潔な文章を心掛けることで、相手にスムーズに内容が伝わります。
強みやスキルが自社とマッチしているか知りたい
次に、自己PRを通じて応募者の強みやスキルが自社に合っているかを確認します。
企業にとって、応募者が自社の業務に適応できるか、価値観が合致しているかは非常に重要です。
たとえば、チームワークを重視する企業であれば、過去にグループで成果を上げた経験を示すことが効果的です。
また、企業の目指す方向性や文化に合った価値観を持つ応募者は、早期に戦力として活躍する可能性が高いと評価されます。
そのため、自己PRには、自社とのマッチ度を意識した内容を盛り込むことがポイントです。
入社後に活躍できる人材なのか知りたい
企業が自己PRを聞く理由として最も重要なのは、応募者が入社後に活躍できる人材かどうかを判断するためです。
採用担当者は、自己PRを通じて応募者の経験やスキル、そしてそれをどのように仕事に活かせるのかを知りたいと考えています。
たとえば、困難な状況を乗り越えた経験や、その過程で身につけたスキルを具体的に示すことで、自分の成長力や問題解決能力をアピールできます。
さらに、過去の成功体験が再現可能なものであると伝えれば、企業にとって魅力的な人材として評価されるでしょう。
【自己PRのエピソード】自己PRのエピソードは何個必要?
自己PRにおいて、エピソードの数は非常に重要です。
多すぎても焦点がぼやけてしまい、少なすぎても説得力が弱まります。
ここでは、エピソードの数についての考え方を解説します。
1つ
1つのエピソードに絞ることには、深く掘り下げた説明ができるという利点があります。
具体的な経験を詳細に述べることで、応募者の強みが明確になり、「この人はしっかりと自己分析をしている」と評価されます。
たとえば、リーダーシップを示すエピソードを選んだ場合、その状況や背景、取った行動、結果までを丁寧に記述することで、内容に説得力を持たせることができます。
1つのエピソードに集中することで、文章に一貫性が生まれ、読み手に強い印象を与えることが可能です。
2つ以上
一方で、2つ以上のエピソードを用いることで、多角的に自分の強みを伝えることも有効です。
異なる状況で発揮した能力やスキルを示すことで、幅広い適応力や多面的な魅力をアピールできます。
ただし、エピソードが複数ある場合でも、それぞれが関連性を持ち、全体として応募者の人柄やスキルを一貫して表現している必要があります。
たとえば、「リーダーシップ」と「問題解決能力」を示すエピソードを用いる場合、それらが補完し合う形で描かれていれば、説得力が格段に増します。
【自己PRのエピソード】自己PRとガクチカがかぶるのは良い?
自己PRとガクチカが同じエピソードに基づいていることは、必ずしも問題ではありません。
しかし、どちらも異なる視点で書かれるべきです。
自己PRは「成果」や「スキル」を中心に描き、ガクチカは「取り組んだ過程」や「学び」に焦点を当てることで、同じ経験でも異なる魅力を伝えることができます。
【自己PRのエピソード】ただ強いエピソードでは通過しない
エピソードの内容が強いだけでは選考を通過できるとは限りません。
たとえば、スポーツで全国大会に出場した経験があったとしても、それ自体が直接的に仕事に結びつくとは限らないからです。
採用担当者が重視するのは、エピソードの再現性や、そこから得た学びを今後どう活かすかという点です。
【自己PRのエピソード】自己PRがしょぼい時の対処法
エピソードが「しょぼい」と感じても、それが自己PRに使えないわけではありません。
重要なのは、エピソードの強さではなく、その出来事をどのように伝え、どのような学びを得たのかを明確にすることです。
以下では、自己PRを魅力的に仕上げるための対処法を紹介します。
構成を考えてみる
自己PRを効果的に伝えるには、構成をしっかりと考えることが重要です。
結論→理由→エピソード→結論という流れや、PREP法、STAR法といった文章構成を用いることで、論理的でわかりやすい文章を作成できます。
たとえば、PREP法では、まず自分の強みを結論として述べ、その理由を簡潔に説明します。
次に具体的なエピソードを提示し、最後に結論でまとめることで、読み手に説得力を与えます。
適切な構成を取り入れることで、どんなエピソードでも魅力的に伝えることが可能になります。
具体的な数字を用いて考える
自己PRでは具体性が重要です。
数字を使うことで、エピソードに客観性と説得力を持たせることができます。
たとえば、「売上を増加させた」と言うよりも、「3か月で売上を20%向上させた」と具体的な数値を示す方が印象に残ります。
また、数字を使うことで、成果を明確に伝えられるだけでなく、自分の取り組みがどれほど効果的であったかを示すことができます。
どんな分野でも活用できる方法なので、具体性を意識する際にはぜひ取り入れてください。
エピソードから感じ取れる感情を書く
エピソードに感情を加えることで、自己PRがより人間味を持った内容になります。
たとえば、「困難に直面した時、不安や焦りを感じながらも冷静に解決策を考えた」と書くことで、読み手に共感を生み出すことができます。
また、感情を表現することで自分の人柄や価値観が伝わりやすくなり、採用担当者に好印象を与えることが可能です。
ただし、感情表現は簡潔にまとめ、過剰に盛り込みすぎないよう注意しましょう。
困難を乗り越えた方法を書く
自己PRでは、困難な状況をどのように乗り越えたのかを具体的に伝えることが重要です。
たとえば、「プロジェクトの進行が遅れた際に、チームメンバーと協力して計画を見直し、期日内に完了させた」といったエピソードは、問題解決能力やチームワークを示す材料となります。
困難を乗り越えた経験を伝えることで、採用担当者に入社後の活躍がイメージしやすい内容になります。
強みの活かし方を述べる
最後に、自分の強みがどのように活かせるのかを明確に伝えることが大切です。
たとえば、「計画性が高い」という強みをアピールする際には、「限られた時間内で目標を達成できる」「リスクを考慮しながら計画を立てられる」など、具体的な活用方法を提示します。
このように、入社後の業務をイメージさせる内容を加えることで、採用担当者に「この人は社内で活躍できそうだ」という印象を与えることができます。
【自己PRのエピソード】エピソードが見つからない時
自己PRで使うエピソードが思いつかない場合でも、いくつかの方法を試すことで自分の強みを見つけることができます。
まず、企業が求める人物像を調べ、自分の経験と照らし合わせてみましょう。
たとえば、企業がチームワークを重視している場合、部活動やアルバイトでの協力体制を振り返るとヒントが得られるかもしれません。
さらに、他己分析を活用し、家族や友人に自分の特徴や長所について意見をもらうことで、新しい視点が得られることもあります。
【自己PRのエピソード】自己PRの書き方
自己PRを効果的に伝えるには、書き方に工夫が必要です。
結論から述べる構成や具体性のあるエピソードの挿入、入社後の貢献への展望を描くことで、採用担当者にとって魅力的な内容を作成できます。
以下では、具体的な書き方のポイントを解説します。
結論
自己PRの冒頭では、まず結論として自分の強みを述べましょう。
たとえば、「私は計画性を活かし、チーム全体の目標を達成する力があります」といった形で端的に示します。
このように結論を最初に述べることで、読み手が内容をスムーズに理解しやすくなります。
また、結論が明確でインパクトのあるものだと、採用担当者に強い印象を与えることが可能です。
具体的なエピソード
次に、結論を裏付ける具体的なエピソードを述べます。
たとえば、「大学のゼミ活動で、計画を立てる役割を担い、全員が期日までに課題を終えられるよう調整した」など、5W1Hを意識して書くと説得力が増します。
また、「なぜその行動を取ったのか」を深掘りすることで、エピソードに深みを加えることができます。
入社後に貢献したいこと
最後に、入社後にどのように貢献したいかを述べましょう。
企業は、採用後にどのような形で組織に貢献できるのかを重要視します。
たとえば、「計画性を活かして、プロジェクトの進行管理を正確に行い、チーム全体の成果向上に貢献したい」といった具体的なイメージを提示すると、採用担当者に強い印象を与えることができます。
【自己PRのエピソード】エピソード集
ここでは、集中力、行動力、慎重さをテーマにした自己PRの例文を紹介します。
それぞれ異なる就活生が書いた内容を想定しているため、幅広い視点や表現方法を参考にしていただけます。
ぜひ、自分の経験と重ね合わせながら、自己PR作成のヒントにしてみてください。
好奇心
「私は大学時代、バックパッカーとしてアジア8カ国を一人旅しました。
この旅の目的は、異文化に触れながら多くの人と交流を深めることでした。
そのため、ゲストハウスに泊まり、他国の旅行者と積極的にコミュニケーションを試みました。
しかし、英語が得意でない場面では、身振り手振りを駆使し、意思疎通を図りました。
言葉の壁を越えた交流の中で、多様な価値観を学びました。
この経験から、自ら未知の世界に飛び込むことで、新しい知識や視野を得られることを実感しました。
それ以来、挑戦を恐れず新しい環境に積極的に飛び込む姿勢を意識しています。
この柔軟な行動力と学びの姿勢は、今後の業務でも活かしていきたいです。
」
異文化交流というエピソードで、行動力と柔軟性が際立っています。
ゲストハウス滞在や身振りでの意思疎通といった具体例が説得力を高めており、言語の壁を越えた学びが企業でも応用可能なスキルとして伝わる構成です。
自己PRで好奇心をアピールする場合のポイントについては以下の記事でも詳しく解説しています。
https://digmee.jp/article/310738
傾聴力
「私は大学のテニスサークルで、少人数から大所帯へと成長させた経験があります。
設立時のメンバーは7人でしたが、徐々に加入者が増え、42人に達しました。
しかし、規模の拡大に伴い、メンバー間の顔と名前が一致しないという課題が発生しました。
私はこの問題を解決するため、合宿を企画し、全員が対話を通じて関係を深められる場を設けました。
合宿中は一人ひとりと向き合い、話を聞く時間を意識して確保しました。
その結果、サークル全体に一体感が生まれ、活動にも活気が戻りました。
この経験で、相手の意見に耳を傾けることで課題解決に繋がると学びました。
現在でも、相手の声に真摯に耳を傾ける姿勢を心掛けています。」
傾聴力を中心に、課題発見と解決への行動がわかりやすく記述されています。
一人ひとりとの対話を重視する姿勢は、企業内でもチームワークや協調性に繋がる要素として評価されます。
自己PRで傾聴力をアピールする場合のポイントについては以下の記事でも詳しく解説しています。
柔軟性
「大学時代、私は塾講師のアルバイトを通じて柔軟性の重要性を学びました。
当初、マニュアル通りに授業を進めていましたが、生徒の反応が薄く、関心を引きつけられませんでした。
このままでは生徒にとって効果的な学びにならないと考え、塾のオーナーに相談し、自分なりのアプローチを試す許可を得ました。
授業では、ユーモアを交えたり、実生活に即した例を用いることで、生徒の集中力を高めることに成功しました。
その結果、生徒の学習意欲が向上し、保護者からも感謝の声をいただきました。
この経験から、状況に応じた柔軟な対応が成果に直結することを実感しました。」
この例文は具体的な状況の変化や柔軟なアプローチの成功例が明確で、説得力があります。
塾のオーナーに相談した点や成果が評価されていることで、現場での適応力をしっかりとアピールできています。
集中力
「高校3年生の時、私は偏差値70の大学を目指していましたが、当初の偏差値は60に届かない状況でした。
試験までの限られた時間を最大限活用するため、自分に何が不足しているのかを徹底的に分析しました。
そして、夏休みには基礎固めに集中し、秋以降は応用問題に取り組む計画を立てました。
1日12時間という集中した学習を継続する中で、自己管理能力も磨かれ、その結果、模試で目標とする大学の判定をAまで引き上げ、無事に合格することができました。
この経験を通じて、限られた時間を効率よく使い、目標に向かって全力を尽くす集中力が身につきました。
この能力は、業務の中でも課題解決に大いに役立つと考えています。」
集中力の高さを示すエピソードが具体的で、目標達成の過程が明確です。
特に、時間を効率的に活用した計画性や継続力が評価ポイントとして際立っています。
自己PRで集中力をアピールする場合のポイントについては以下の記事でも詳しく解説しています。
協調性
「私はフードコートでのアルバイト経験を通じて、協調性の大切さを学びました。
勤務していた店舗は常に混雑しており、スタッフが休憩を取るタイミングを掴めない状況が続いていました。
このままでは業務効率が低下すると考えた私は、他のスタッフに「私がカバーするので休憩に行ってください」と積極的に声を掛けるようにしました。
その結果、チーム内に思いやりの意識が芽生え、誰もが協力し合える環境を築けました。
この経験を通じて、周囲を観察し、自分にできることを率先して行う姿勢が大切だと学びました。
この協調性は、どのような環境でも活かせる力だと確信しています。」
この文章は協調性を示す具体例が明確で、課題解決力や周囲への配慮が伝わります。
単なる支援ではなく、働く環境を改善する行動力が記載されている点が評価に繋がる可能性が高い例文です。
自己PRで協調性をアピールする場合のポイントについては以下の記事でも詳しく解説しています。
向上心
「大学で所属していたソフトボール部は、私が入部した当初は大学リーグの二部に所属し、メンバー数も少ない弱小チームでした。
しかし、競技においてより高いレベルで挑戦したいという思いから、自主練習の提案をしました。
最初は数名の賛同から始まりましたが、徐々に部員全体が参加するようになりました。
練習の質が向上し、全員が「リーグで勝ちたい」という目標を共有するようになり、結果として優勝を果たしました。
この経験を通じて、目標達成のためには主体的に行動し、周囲を巻き込む力が必要であると学びました。
この向上心は、常に自己成長を目指す姿勢として、今後も活かしていきたいです。」
向上心を示すエピソードが具体的かつ結果につながっている点が優れている例文です。
自主練習の提案から部員全体を巻き込む行動力も評価でき、社会人としての応用力を感じさせる内容です。
自己PRで向上心をアピールする場合のポイントについては以下の記事でも詳しく解説しています。
行動力
「大学3年生の時、私は営業チームのアシスタントとしてインターンをしていました。
その中で、提案書の作成に多くの時間がかかり、営業活動に支障をきたしていることに気づきました。
そこで、提案書をテンプレート化するアイデアを提案し、必要なデザインやフォーマットを自ら作成しました。
テンプレートを導入したことで、提案書作成にかかる時間を大幅に削減でき、営業チームの効率向上に繋がりました。
この経験を通じて、問題を発見し、解決に向けて迅速に行動することの重要性を学びました。
この行動力は、現場での課題解決や改善活動に活かせると考えています。」
この例文は行動力を示すエピソードとして、課題を発見し迅速に対応した点が評価できます。
テンプレート化という具体的な成果も加わり、実務に役立つスキルとして説得力があります。
自己PRで行動力をアピールする場合のポイントについては以下の記事でも詳しく解説しています。
慎重
「大学時代、パン工場での検品作業のアルバイトを経験しました。
職場では、複数の商品を同時に検品することで効率を上げようとする傾向がありましたが、私はその方法ではミスが増えると感じ、1つ1つ丁寧に確認する方法を徹底しました。
同時に、検品基準を明確化し、スピードを保ちながら正確性を向上させる工夫を行いました。
その結果、検品ミスが大幅に減少し、職場のリーダーからも「仕事が正確で早い」と評価されるようになりました。
この経験を通じ、慎重さと効率性を両立する姿勢の重要性を学びました。
この慎重な取り組みは、正確性が求められる業務でも役立つと確信しています。」
この例文は慎重さを具体的に示すエピソードで、効率性とのバランスが取れている点が優れています。
さらに、リーダーからの評価という客観的な視点が含まれ、信頼性の高い内容となっています。
自己PRで慎重さをアピールする場合のポイントについては以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
自己PRのエピソードは、応募者の魅力を伝えるための重要な手段です。
採用担当者は、エピソードを通じて応募者の強み、価値観、そして入社後の活躍の可能性を評価します。
本記事で解説したポイントを踏まえ、自分に合ったエピソードを選び、読みやすく説得力のある文章にまとめることが大切です。
1つに絞る場合でも、複数を選ぶ場合でも、自分の強みが一貫して伝わるよう工夫することで、選考通過率を高めることができるので、是非意識してみてください。