【例文5選】デザイナーの自己PRでは何を書けばよいのか?高評価のコツや注意点を徹底解説

【例文5選】デザイナーの自己PRでは何を書けばよいのか?高評価のコツや注意点を徹底解説

記事をお気に入り登録する

記事のお気に入りに登録

「記事のお気に入りに登録」のご利用にはログインが必要です。

会員登録がお済みでない方

無料会員登録
伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

「デザイナーとしての自己PR、何を書けばいいのかわからない」

「ポートフォリオはあるけど、それ以外でどうアピールすればいいの?」

そんなお悩みを抱える就活生や新卒デザイナー志望の方は、決して少なくありません。

自己PRは、履歴書やエントリーシートだけでなく、面接でも頻繁に問われる重要な項目です。

しかし、デザインという目に見える成果を評価される職種だからこそ、「言葉で表現すること」に苦手意識を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、「自己PRとは何か」という基本から始まり、企業が自己PRで見ているポイント、デザイナー職におすすめの強み一覧、そして具体的な例文まで、新卒デザイナー向けに完全網羅で解説します。

【デザイナーの自己PR】そもそも自己PRとは

自己PRとは、企業に対して自分がどのような強みを持っており、どのように貢献できるのかを伝えるためのアピール手段です。

就職活動においては、エントリーシート(ES)や履歴書、面接など、ほぼすべての場面で自己PRが問われます。

デザイナー職においては、ポートフォリオや制作実績も評価材料となりますが、「なぜそのようなデザインをしたのか」「どんな思考で取り組んできたのか」など、思考力や人柄を言語化できる力も非常に重視されています。

そのため、デザインスキルや作品だけでなく、自己PRで自分の強み・価値観・姿勢を的確に伝えることが、内定獲得の鍵となるのです。

ガクチカとの違い

就活生の中には、「自己PR」と「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」の違いに混乱してしまう方も多くいます。

ガクチカとは、大学や高校時代に特に頑張った経験について語るもので、何をしたかという過去のエピソードが中心になります。

一方で、自己PRは今の自分にどんな強みがあるかを伝えることが目的です。

つまり、「経験の紹介」ではなく、「その経験を通じて得たスキルや特性をどのように企業に活かせるのか」をアピールする場になります。

長所との違い

自己PRと似た言葉に「長所」がありますが、こちらも役割が異なります。

長所とは、「自分がどんな性格や特性を持った人間か」を伝えるもので、人柄や性格的傾向にフォーカスする傾向があります。

一方、自己PRでは、その長所が仕事や組織の中でどのように活かせるのかという再現性が重視されます。

単に「私は明るい性格です」と述べるだけではなく、「その明るさでどう組織に貢献できるか」まで具体的に伝えることで、評価されやすい自己PRにつながります。

【デザイナーの自己PR】企業が自己PRで知りたいこと

企業が自己PRを通して知りたいのは、単なるスキルや経験だけではありません

「どんな考え方でデザインに取り組んでいるのか」「人としての価値観や適性はどうか」など、人物像や将来性を多面的に判断しようとしています。

ここでは、デザイナー職において企業が特に重視する3つの視点をご紹介します。

デザインに対する考え方や価値観

企業がデザイナー志望者の自己PRでまず注目するのは、「この人はデザインにどのような姿勢で向き合っているか」という点です。

つまり、表面的なスキルや経験よりも、なぜデザインを志すのかやどのような価値観を持って制作に臨んでいるのかといった“考え方”に強く関心を持っています。

「人の感情に寄り添うデザインを大切にしている」「社会課題に気づきを与える表現をしたい」といった姿勢が言語化されていれば、単なる作業者ではなく思想を持ったデザイナーとして評価されやすくなります。

また、このような考え方がポートフォリオにも一貫して表れていれば、企業側も納得感を持って受け止めやすくなります。

自己PRでは、自分がどんなテーマやミッションを大切にしているのかを明確に伝えることで、個性が伝わる印象的な自己紹介につながります。

志望者の人柄が企業とマッチしているのか

デザイナーの採用においては、スキルや実績だけでなく、その人の性格や人柄が自社の文化やチームと合うかどうかも非常に重要視されます。

なぜなら、デザインは個人作業のように見えて、実際にはディレクター・エンジニア・営業・クライアントなど多くの関係者と連携しながら進める仕事だからです。

自己PRでは、「人と協力する際にどんなことを意識しているか」「相手の意見をどう受け入れてきたか」などを具体的に書くことで、協調性や柔軟性といった社会性が伝わります。

「相手の意図をくみ取り、提案の形に落とし込む工夫をしている」といった経験があれば、それは十分なアピール材料になります。

企業側は「この人はうちのチームで円滑に働けそうか?」という観点から見ているため、スキル面だけでなく人としてどんな人物なのかを伝えることが選考突破の鍵となります。

自己分析が出来ているのか

デザイナーに限らず、就活において最も重要ともいえるのが「自己分析の精度」です。

自己PRにおいても、自分自身の強みや価値観を深く理解できているかどうかが、そのまま説得力や印象に直結します。

「自分の強みは継続力です」と言った場合でも、なぜそれが強みだと思うのか、どのような経験からそう考えるようになったのかが説明できなければ、薄い印象になってしまいます。

一方、自己分析がしっかりできている方は、経験→学び→現在の強み→今後どう活かすかという一連の流れを一貫して語ることができます。

また、自己分析ができている人は、志望動機や企業選びの軸も明確であるため、選考全体を通して「ブレのない人」という印象を与えられます。

自己PRでは、スキルや経験の羅列ではなく、「自分はどういう人間で、何を大切にしているか」をしっかり言語化して伝えることが重要です。

【デザイナーの自己PR】アピールしやすいおすすめの長所一覧

デザイナーとして自己PRを考える際、「何を強みとしてアピールすれば良いのか」が分からず悩む方も多くいらっしゃいます。

実際に、採用担当者が注目するのはデザインスキルそのもの以上に、“仕事としての再現性がある強み”を持っているかどうかです。

ここでは、デザイナー職においてアピールしやすく、かつ企業側が評価しやすいおすすめの長所を具体的にご紹介いたします。

ご自身の経験や特性と照らし合わせながら、最も自然に伝えられる強みを選んでみてください。

課題解決力

課題解決力は、特にUI/UX領域のデザイナーを志望される方にとって大きな武器になります。

単に「きれいなデザインを作る」のではなく、「現場で発生している問題をデザインの力でどう解決したか」という視点が求められます。

「ユーザーの離脱が多いページの構成を見直し、完了率を改善した」「ターゲットに響く構成にすることでCTRを向上させた」など、デザインの目的と効果が結びついている事例があれば積極的にPRすべきです。

企業側は、作品の美しさだけでなく「ビジネスやユーザーにどんな価値を提供したか」を重視しています。

課題発見から改善提案・実行まで一貫して取り組める姿勢は、どの現場でも高く評価されるポイントです。

論理的思考力

論理的思考力は、デザインの意図や構成を相手に伝える場面で非常に重宝されます

デザイナーとして働く以上、自分のデザインをクライアントやチームに説明する機会は多く、その際に感覚だけでなく論理的に話せる力があると信頼されやすくなります。

「なぜこのレイアウトにしたのか」「なぜこの配色が適切なのか」といった設計意図を、ユーザー行動やデータに基づいて説明できると、単なる作る人ではなく提案型のデザイナーとしての印象を与えることができます。

また、UI設計やマーケティング視点を伴う案件においては、仮説と検証を繰り返す思考プロセスが不可欠です。

そのため、論理的な構造で問題を捉え、根拠を持って改善できる人材は、プロジェクト推進の軸として評価される傾向にあります。

共感力

共感力は、特にUX(ユーザー体験)に関わるデザイナーにとって不可欠な強みです。

どれだけ完成度の高いデザインを作っても、ユーザーの本当のニーズに寄り添えていなければ、求められる成果は出せません。

「ユーザーはどんな不安を感じているか」「どうすれば直感的に使えるか」「どんな言葉なら伝わるか」など、利用者の視点で考えられるデザイナーは、あらゆるプロダクトで必要とされています。

共感力をPRする際は、「実際にユーザーの声を聞いた」「その声をもとに改善案を考えた」など、具体的な体験や工夫のエピソードがあると説得力が増します。

ユーザーに寄り添い、気持ちに気づける姿勢は、信頼されるデザインを生み出す大きな基盤になります。

臨機応変さ

臨機応変さは、現場での変化に柔軟に対応できる力として、多くの企業が高く評価しているポイントです。

デザインの現場では、クライアントの要望変更、プロジェクトの方向転換、納期の短縮など、予定通りに進まないことも日常的にあります。

そのような中で、落ち着いて優先順位を判断し、最適な対応ができる人材は、チームにとって非常に貴重な存在です。

この強みをアピールする際は、「納期が急に前倒しになったが、優先機能に絞って設計を見直した」「クライアントから突然テイスト変更の依頼が来たが、短時間で修正対応を行った」などのエピソードがあると説得力が増します。

特に制作現場では、技術力と同じくらい対応力も評価対象になりますので、経験がある方は積極的にアピールしましょう。

コミュニケーション能力

デザイナーは一人で黙々と作業するイメージを持たれることもありますが、実際の現場ではコミュニケーション能力が不可欠です。

チームのメンバーやディレクター、エンジニア、時にはクライアントともやり取りをしながら制作を進めるため、相手の意図を正確にくみ取り、わかりやすく伝える力が求められます。

自己PRでこの強みをアピールする場合は、「関係者の意見を整理してコンセプトに落とし込んだ」「議論の中で折衷案を提案し、全体の合意を得た」など、調整力や伝達力を発揮した具体的な経験が効果的です。

企業は、技術力だけでなく「この人と一緒に働きたい」と思える人物像を重視しています。

相手と良好な関係を築き、信頼を得ながらプロジェクトを前に進められるデザイナーは、どの業界でも高く評価されるでしょう。

表現力

表現力は、特にグラフィックデザイナーや広告制作の分野において、アピールしやすい強みのひとつです。

ここで言う表現力とは、単なる「センスが良い」「デザインがかっこいい」といった話ではなく、意図やメッセージをビジュアルで的確に伝える力のことを指します。

自己PRでは、「見る人の感情に訴える色づかいや構図を工夫した」「商品の世界観を損なわないよう、言葉とビジュアルのバランスを考えた」といった経験を盛り込むと、言語化された表現力として評価されやすくなります。

また、細部にまでこだわる姿勢や、トーン&マナーを守るための工夫なども、プロ意識として伝えることができます。

アート寄りの要素が求められる業界では、この感性と言語の融合が他の志望者との差別化ポイントになります。

実行力

実行力は、決めたことをきちんとやり切る力として、即戦力人材を求める現場で特に評価される強みです。

どれだけ企画力や発想力があっても、実際に手を動かしてカタチにできなければ意味がありません。

デザイン業務では、スピード感が求められる場面も多く、「限られた時間の中で、どこまで完成度を上げられるか」が試されることもあります。

そのため、「短納期でLP全体を制作し納品に間に合わせた」「期限内に複数案を出し、比較検討の選択肢を提供できた」など、スピードと質を両立した経験をPRするとよいでしょう。

実行力は「行動力」や「責任感」とも結びつくため、プロジェクトを前に進める力として企業側に強い印象を残すことができます。

洞察力

洞察力とは、表面的な情報にとどまらず、本質的な問題やニーズを見抜く力のことです。

この力は、特にアートディレクターやプランナーなど、コンセプト設計や戦略設計を担うポジションで強く求められます。

「クライアントが本当に困っているのは見た目ではなく、情報の整理方法だった」「ユーザーの操作ミスが多い原因は、アイコンの配置ではなくラベリングにあった」といったように、課題の本質を掘り下げた経験があれば、それは洞察力の証明になります。

この強みを持っている方は、提案力や企画力にもつながるため、デザインの思考面で差別化を図ることができます。

特に、自己PRで「自分なりの視点や解釈がある」ことをしっかり伝えると、一段上のデザイナーとしての印象を与えることができます。

継続力

継続力は、未経験からデザインを学んできた方や、独学でスキルを磨いた方にとって、非常にアピールしやすい強みです。

「毎日ポートフォリオ作品を制作してSNSに投稿し続けた」「半年間、1日も休まず学習記録を取り続けた」といった習慣や努力は、他の応募者との差別化要素になります。

企業は、スキルの現在地だけでなく、「入社後どれだけ成長してくれそうか」を見ています。

そのため、継続して学び続ける姿勢がある人には、将来性を感じやすくなります。

また、継続力には「目標に向かって努力し続けられる意志の強さ」や「自己管理能力」も含まれており、あらゆる職場で重宝される力です。

自己PRでは、どんな目標に対してどれだけの期間・工夫で続けてきたのかを具体的に伝えると、説得力が高まります。

【デザイナーの自己PR】自己PRを書く際のコツ

自己PRを書く際、いきなり「何を強みにすればいいのか」「どんなエピソードを書けばいいのか」と悩んでしまう方は多いです。

しかし、最初の段階でつまずくのは自然なことです。

大切なのは、焦らずに自己理解と企業理解を丁寧に深めていくことです。

このセクションでは、自己PRを作成する上で欠かせない2つの準備段階について解説いたします。

ここを押さえることで、内容に説得力が増し、あなた自身の魅力をより自然に伝えることができる自己PRが完成します。

自己分析をする

自己PRを書く前に最も重要なのが、「自己分析」です。

自分がどのような価値観を持ち、どんな行動傾向があるのかを把握していないと、表面的なエピソードの羅列になってしまい、読み手に響く自己PRは作れません。

自己分析を通して、「自分がやりがいを感じる瞬間」「自然と頑張れること」「つまずいたときにどう乗り越えたか」といった情報を掘り起こすことで、強みの裏付けとなるエピソードが見つかります。

また、自己分析の精度が高まることで、「どの企業が自分に合っているのか」「本当にやりたいことは何なのか」など、就活全体の軸も定まるようになります。

自己PRは、自己理解の深さがそのまま説得力に直結するため、まずは自分としっかり向き合う時間を取りましょう。

応募先の企業について調べる

自己分析を終えたら、次に取り組むべきは応募先企業のリサーチです。

自己PRは、自分をただアピールするものではなく、「相手に響く形で伝える」ことが目的です。

そのためには、企業がどんな人物を求めているのかを理解する必要があります。

企業研究では、コーポレートサイトや採用ページを見るのはもちろん、可能であればOG・OB訪問なども活用し、実際の現場の雰囲気や社員の価値観にも触れてみてください。

「ユーザーの体験を大切にしている会社」であれば、共感力やUX設計の姿勢を前面に出すと効果的ですし、「スピード重視の制作環境」であれば、実行力や柔軟性を強みとして打ち出すとマッチしやすくなります。

自己PRは、自分を知るだけでなく企業を知ってはじめて完成するものです。

志望先の価値観や評価ポイントに寄せながら、あなたの強みを言語化していきましょう。

【デザイナーの自己PR】自己PRを書く際の注意点

自己PRを作成する際は、自分の魅力を正しく伝えることと同時に、誤解を与えないよう注意することも非常に大切です。

どれだけ素晴らしい経験をしていても、表現の仕方や構成に問題があると、かえって評価を落としてしまうこともあります。

ここでは、デザイナー職の自己PRにおいて特に気をつけたい5つの注意点について、具体例とともにご紹介いたします。

「伝わる自己PR」に仕上げるためにも、ぜひ一度チェックしてみてください。

「デザインが好き」で終わらせないようにする

「昔からデザインが好きです」「小さい頃から絵を描くのが得意でした」といった自己PRは、実は就活においてあまり印象に残りにくい表現です。

もちろん好きという感情はとても大切ですが、それだけでは他の応募者との差別化ができません。

採用担当者が知りたいのは、「なぜ好きなのか」「どのような姿勢で取り組んできたのか」「仕事として継続できるだけの本気度があるか」です。

そのため、単に好きという気持ちを述べるだけでなく、具体的な行動や成果、考え方の変化を伴っているかどうかが重要になります。

「誰かの課題を解決するための手段としてデザインに興味を持った」「自分の表現が人の行動を変える体験に感動した」など、動機の深さやストーリー性を伝えることで、説得力のある自己PRに変わります。

抽象的な言葉でごまかさない

「ユーザーに寄り添ったデザインを心がけています」「世界観を大切にしています」など、抽象的な言葉だけで構成された自己PRは、何をしてきたのかが具体的にイメージできないというリスクがあります。

もちろん、「寄り添う」「大切にする」といった表現自体が悪いわけではありませんが、それがどのような行動や成果に結びついたのかを具体的に伝えなければ、自己PRとしての説得力は弱くなってしまいます。

「高齢者向けアプリで、実際の操作テストを通じて改善点を洗い出し、ボタンサイズや配色を調整した」といったエピソードを加えることで、抽象的だった言葉にリアリティと価値が生まれます。

読み手に「この人は実際にそれを体現している」と思わせるためにも、抽象語の使用は控えめにし、できる限り具体的な行動や結果で語ることを意識しましょう。

ポートフォリオとの一貫性を持たせる

自己PRで語っていることと、ポートフォリオに掲載している内容が一致していない場合、企業側に違和感や疑念を抱かせてしまうことがあります。

自己PRでは「情報設計が得意」とアピールしているのに、作品はビジュアル重視で構成の説明が一切ないと、「本当にそうなのか?」という印象を持たれてしまうことがあります。

自己PRとポートフォリオはセットで評価される材料であるため、両者の一貫性がとても大切です。

文章とビジュアルの両方から同じ強みが伝わることで、より信頼性の高い印象につながります。

自己PRで「ユーザー目線を重視している」と書くなら、ポートフォリオにも「ペルソナ設定」「ユーザーテストの反映」など、考えた過程や背景情報をしっかり載せましょう。

言っていることと見せているものが一致していることが、信頼を勝ち取るための第一歩となります。

数字などを用いて具体的に解説する

「大きな成果を出しました」「多くのユーザーに評価されました」など、あいまいな表現はインパクトが弱く、印象に残りづらい傾向があります。

説得力のある自己PRにするためには、できるだけ数値や具体的なデータを交えて表現することが大切です。

「SNSでのシェア数が2倍になった」「CV率が15%改善した」「作業時間を3日短縮できた」などのように、具体的な変化や結果がわかる数値を含めると、それだけで文章に厚みと信頼性が加わります。

また、定量的な成果だけでなく、「何名のチームで取り組んだか」「期間はどのくらいかかったか」などの補足情報もあると、エピソード全体のリアリティが増すため、読み手にイメージが伝わりやすくなります。

数値を用いることで、「頑張った感」ではなく「実績としての強み」が伝わりやすくなり、選考通過率アップにもつながります。

【デザイナーの自己PR】自己PRの読みやすい構成方法

自己PRがうまく伝わらない原因のひとつに、「内容の構成がバラバラで読みづらい」ことが挙げられます。

読んだ相手が強みやエピソードを正しく理解できるように、自己PR文にはわかりやすく筋道立てた構成が必要です。

そこでおすすめなのが、「PREP法」と呼ばれる構成テクニックです。

PREP法は、論理的かつ簡潔に自分の強みを伝えるためのフレームワークで、エントリーシートや面接回答にもそのまま活用できます。

ここでは、PREP法の各要素について、デザイナー職の文脈に沿ってわかりやすく解説いたします。

Point(結論)

PREP法における「Point」は、最初に結論を述べるパートであり、自己PRの第一印象を決定づける非常に重要な要素です。

採用担当者は一日に何十、何百と自己PRを読むため、冒頭で何を伝えたいのかがはっきりしていないと、読みとばされてしまうリスクが高まります。

そのため、「私の強みは○○です」「私は△△に自信があります」といった形で、最初の1〜2文で明確にアピールポイントを提示することが重要です。

ここで強みがぼやけていると、その後の内容もぼやけて見えてしまうため、強みは一つに絞り、シンプルに伝えるのが効果的です。

特にデザイナー職の場合、「共感力」「論理的思考力」「課題解決力」などの抽象的な強みを挙げることが多いため、「何をどのように強みと捉えているのか」まで含めて伝える意識を持ちましょう。

Reason(理由)

「Reason」は、冒頭で述べた強みを支える根拠や背景を説明するパートです。

この部分があることで、自己PRの内容に説得力と一貫性が生まれ、「その強みは本当に本人のものなのか?」という疑問を払拭することができます。

「ユーザー目線を大切にしています」という強みに対して、「大学の授業でUXリサーチを学んだ経験」「利用者の声に基づいて改善を重ねたインターンでの体験」などを理由として挙げることで、読み手に納得感を与えることができます。

ここで大切なのは、単なる事実を並べるのではなく、「なぜその経験が自分の強みにつながったのか」を丁寧に言語化することです。

また、経験がひとつであっても、背景や学びが深ければ十分にアピール材料になります。

Example(具体例)

「Example」は、強みが実際の経験を通じてどのように発揮されたのかを示すエピソードのパートです。

ここでは、読み手に具体的なイメージを持ってもらえるように、状況・行動・結果を順を追って丁寧に説明することが求められます。

「予約サイトのUI改善に携わり、ヒアリングとA/Bテストを重ねた結果、離脱率が30%改善された」といったように、成果や変化が明確に伝わる構成が理想的です。

定量的な情報(数値、期間、ユーザー数など)を含めることで、説得力をさらに高めることができます。

また、実際の制作プロセスや工夫した点を含めることで、ただ「頑張った」ではなく、「どのように考え、どんな行動をしたのか」が伝わるようになります。

Point(再主張)

PREP法の最後の「Point(再主張)」では、冒頭で述べた強みを再度強調し、今後その強みをどのように活かしていきたいかを語ります。

この締めくくりによって、自己PR全体がまとまり、印象に残る文章に仕上がります。

「このように、ユーザー目線を意識した設計力には自信があります。

今後は、実務経験を通じてより多くのユーザーにとって使いやすいデザインを提供してまいります。

」といった形でまとめると良いでしょう。

このパートでは、「私はこういう人間です」で終わるのではなく、「こういう強みを持つ私が、どう企業に貢献できるか」という未来への視点を添えることで、読み手に前向きな印象を残すことができます

【デザイナーの自己PR】おすすめ例文集

ここでは、デザイナー職における代表的な強みに基づいた自己PR例文を5パターンご紹介します。

すべてPREP法(Point → Reason → Example → Point)に沿って構成しており、構造的で読みやすい文章になっています。

ぜひご自身の特性や経験と照らし合わせながら、参考にしてみてください。

例文1: 課題解決力

例文

私の強みは、課題の本質を見極め、デザインで解決する力です。

大学時代にUXデザインを学んだことがきっかけで、「きれいな見た目」だけでなく、「使いやすさ」を追求する視点を持つようになりました。

ゼミのプロジェクトでは、飲食店の予約サイト改善に携わり、「予約完了までの離脱率が高い」という課題に直面しました。

そこで私は、ヒューリスティック評価とユーザーインタビューを実施し、フォーム構成やボタン配置の改善案を提案しました。

結果として、完了率が30%向上し、クライアントからも高評価をいただきました。

このように、ユーザー課題を的確に把握し、数値的な成果に結びつけられる点が私の強みです。

今後も、企業やサービスが抱える課題をデザインの力で解決し、貢献したいと考えています。

例文2: 共感力

例文

私の強みは、ユーザーの立場に立って設計を考えられる共感力です。

大学でのグループワークやインターンを通じて、「ユーザーが何を求めているのか」を丁寧にくみ取る姿勢を意識してきました。

特に印象に残っているのは、高齢者向け健康管理アプリのプロトタイプ開発です。

当初、チーム内では「操作の簡略化」にばかり注目していましたが、私は実際にターゲット層にヒアリングを行い、「文字サイズの見やすさ」や「安心感のある配色」が重要だと気づきました。

これらを反映したデザインは、テストユーザーから「見やすくて使いやすい」と評価されました。

この経験を通じて、ユーザーの声に耳を傾け、心に寄り添ったデザインを行う大切さを実感しました。

今後も使う人の気持ちを最優先にした設計を追求します。

例文3: 論理的思考力

例文

私の強みは、デザインの構造や意図を論理的に説明できる力です。

見た目の美しさだけでなく、「なぜそう設計したのか」を根拠を持って伝えることで、関係者の納得感を得ながら制作を進めることを大切にしています。

大学の卒業制作では、スマートシティをテーマにした展示インターフェースの設計を担当しました。

限られた表示領域の中で情報を整理し、視線の流れや操作導線を意識した構成を提案しました。

その理由を図解とデータを用いてプレゼンした結果、「構造的でわかりやすい」と審査員の方から評価をいただきました。

このように、論理的な思考と説明力を活かし、企画やチームと連携しながらデザインを提案できる点が私の強みです。

今後も、感覚に頼らず根拠のある提案を心がけ、信頼されるデザイナーを目指してまいります。

例文4: 継続力

例文

私の強みは、目標に向かって継続的に努力できる力です。

デザインに興味を持った大学1年次から、毎日コツコツとスキルを身につけるための行動を積み重ねてきました。

独学でFigmaやIllustratorの使い方を学び、SNS上で「#1日1デザイン」のハッシュタグをつけて毎日作品を投稿し続けました。

投稿開始から半年後には、ポートフォリオの作品数が100件を超え、企業のインターン選考でもその点を高く評価していただきました。

また、日々の投稿を通じて、反応やフィードバックから改善する習慣も身につきました。

このように、自発的な行動を継続しながら成長していける力には自信があります。

今後も新しい表現や技術に挑戦し、デザイナーとしての幅を広げてまいります。

例文5: コミュニケーション能力

例文

私の強みは、相手の意図を正確にくみ取り、円滑にコミュニケーションを図れる力です。

チームで制作を行う中で、「自分の意見だけでなく、相手の考えも尊重する姿勢」を常に意識しています。

学園祭の広報物デザインを担当した際、複数の団体の要望が食い違ってしまい、意見がまとまらない状況に直面しました。

私は全関係者にヒアリングを行い、共通点として「親しみやすさを重視している」点に気づきました。

それを軸にデザイン案を再構成した結果、全員が納得する広報物を作り上げることができました。

このように、相手との対話を通じてニーズを引き出し、制作に反映させる力が私の強みです。

今後も、円滑な関係構築を大切にしながら、チームの中で信頼されるデザイナーを目指します。

まとめ

就職活動において、デザイナー職の自己PRはスキルだけではなく、思考や人柄を伝える重要なツールです。

単に「デザインが好きです」と伝えるだけではなく、「自分の強みをどう捉え、どう活かしてきたか」「入社後にどう貢献したいか」を筋道立てて言語化することが、企業への説得力あるアピールにつながります。

本記事では、自己PRの基本的な考え方から、企業が見ているポイント、アピールしやすい長所、PREP法を活用した構成方法、そして具体的な例文までを網羅的にご紹介しました。

就活に正解はありませんが、「自分らしい言葉で、誠実に伝える姿勢」こそが、最も強い武器になります。

学んだことを活かし、就活を成功させましょう。

この記事を友達におしえる!

LINEで送る ツイートする シェアする URLをコピーする

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます