パナソニックのIRを分析して、志望動機やESの作成に役立てよう!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

パナソニックは大阪に本社を置く、日本を代表するメーカーです。

創業者の松下幸之助氏は経営者の間で「経営の神様」とも呼ばれており、今もなお尊敬を集めています。

今までは家電で有名なパナソニックでしたが、現在は企業向け製品・サービス(B2B)にも注力する方針となり、業績面も大きく改善しています。

今回はパナソニックについて分析・解説していきます。

パナソニックの歴史をチェック!

パナソニックの歴史は、革新的なものづくりの歴史であるといえます。

パナソニックのルーツである「松下電気器具製作所」は、創業者 松下幸之助と妻、義弟の3人だけの小さな規模でスタートを切りました。

最初の製品である「アタッチメントプラグ」・「2灯用差し込みプラグ」は品質がよく、通常価格から3~5割安いことからヒット商品となります。

それに伴い、従業員20人を数えるまでに会社が成長します。

当初は品質がよく、価格が安い製品で名を上げた「松下電気」。

しかし、 1931年ラジオの自主生産をきっかけに方針転換を行います。

当時のラジオは機能的に不十分で、故障していました。

そこで、同社では壊れにくく、品質の高いラジオの開発に成功します。

「競争にとらわれず適正な利潤を確保することは、業界の正しい発展に寄与する」という信念から、ラジオを一般的な価格の1.5倍の値段で販売し、高付加価値・高単価路線に切り替えました。

終戦直後には、GHQより制限会社として指定され、幹部の退職を求められたことで苦境を迎えます。

しかし、松下幸之助氏が社長に復帰後は、家電製品の製造を行うなど、順調に発展を遂げていきます。

1957年、パナソニックの最大の特徴である「ナショナルショップ」ネットワークを発足します。

「ナショナルショップ」とは、通称「街の電気屋さん」と呼ばれる、パナソニックグループの製品だけを扱う小規模な電気店同士のネットワークを指します。

パナソニック製品の取り扱いだけではなく、アフターフォローまでを行うのが当時としては画期的でした。

高度成長期には強大な販売網として機能し、ピーク時には全国で約5万店にまで増加しました。

パナソニックが大きく成長した背景には「ナショナルショップ」の貢献があったとされています。

この流れに乗って、 同社では家電製品の販売の強化に至ります。

その後、順調に家電事業を強化したパナソニックでしたが、 転機が訪れたのはリーマンショックと安価な韓国、中国などのメーカーの台頭でした。

リーマンショックの影響や韓国勢の攻勢などによって、TVなどの価格が急速に下落。

その影響もあり2009年3月期は3789億円の損失。

2010年3月期は1034億円の損失に追い込まれてしまいます。

その結果、 同社では不振のプラズマテレビ事業から撤退を行い、中国・韓国勢の成長著しい為、競争激化の家電事業よりも自動車や住宅といったBtoB事業を注力することになったのです。

決算状況を分析!

次に、パナソニックでのIRの分析を行います。

以下のグラフは直近5期分の売上高と純利益です。

(出典:https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/pdf/Report2017.pdf)

リーマンショックの煽りを受けた、パナソニック。

構造改革を行なった影響で、2014年(平成26年)頃までは利益があまり出せていませんでした。

しかし、その後は業績が回復。

一定の利益が生み出せる状況に変化してきています。

この業績が回復したきっかけとなったのが、自動車や住宅といったBtoB事業を注力することがきっかけとなっています。

次に、パナソニックのセグメント別の実績について確認しましょう。

(出典:https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/pdf/2017_full/financial_results_note_j.pdf)

セグメント別に見ると、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」と「アプライアンス」の売上が高いことがわかります。

近年のパナソニックでは、「家電」領域からの脱却を図り、自動車関連などのB2B製品に非常に力を入れていることがわかります。

【オートモーティブ&インダストリアルシステムズ】

最も大きな売上を占める、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ。

オートモーティブは車載関連のデバイスやソリューションを行う事業。

インダストリアルシステムズは、電子部品、FA・産業デバイス、電子材料、電池などBtoB事業を手がける領域となっています。

【アプライアンス】

アプライアンスは家電、美容、健康などのBtoC事業、業務用冷熱機器、デバイス、エネルギーなどのBtoB事業の総称です。

従来のパナソニックの印象が強いセグメントですが、売上比率としてはわずか3割程度。

景気の影響を受けやすい領域のため、売上をアプライアンス領域に依存しないことは安定的に事業運営できていると評価できます。

【エコソリューション(ライフソリューションズ)】

エコソリューションは住宅、オフィスや商業施設、スマートタウンといった街や住宅に関連する領域・事業となっています。

*2019年4月1日より「エコソリューションズ社」は「ライフソリューションズ社」に社名を変更しています。

【コネクティッドソリューション】

「航空」「製造」「エンターテインメント」「流通」「物流」「パブリック(公共)」分野向け機器の開発/製造/販売、並びに、SI※2/施工/保守・メンテナンス、及び、サービスを含むソリューションの提供を行なっています。

※2システムインテグレーター=法人向けにシステム開発

パナソニックの決算状況を分析

次に給与・待遇面を見ていきましょう。

パナソニックに勤める社員の平均年齢は45.6才、平均年収は768万円となっています。

(出典:https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/pdf/Report2017.pdf)

一般的な年収としてはDODAが発表している年齢別の平均年収によると、45歳時点での平均年収は526万円となっています。

一般的な水準を比較すると、同社の年収が比較的高いことがわかります。

(出典:https://doda.jp/guide/heikin/age/)

ただし、 他の年収の高い大手メーカーやメガベンチャーなどと比べるとそこまで多額ではありません。

一方で、平均勤続年数も22年と非常に長くなっていることから、長く安定的に働ける会社であることがわかります。

また、パナソニックは「ものづくりにこだわり」を持っており、この記事で紹介したように、独自の歴史を有している企業でもあることから、愛社精神の強い社員が多い会社となっています。

パナソニックは構造改革の真っ最中

パナソニックは構造改革を実際に行い、家電メーカーからB2B関連企業へ変革を遂げている状況となっています。

そして、その変革はうまくいっており、利益も十分に出る状況となっています。

一方でパナソニックグループ全体では、正社員の人数が大きく減少するなど、雇用の観点で大きく変化している状況ともなっています。

2018年の東洋経済の調査では、日本の全ての企業の中で直近の5年でもっとも減少しているのがパナソニックとなっています。

三洋電機の買収時の人員整理なども影響している為、即問題があるわけではありませんが、会社選びの参考にしておきましょう。

(出典:https://toyokeizai.net/articles/-/174251)

まとめ

今回は、メーカーの代表格パナソニックを分析しました。

現在では構造改革が順調に進んでいます。

会社としては無駄が少なくなっており、少ない資本で利益がしっかりと出る体制となっています。

創業者の松下幸之助氏の影響を色濃く残り、「ものづくりにこだわり」を持っている会社です。

さらに、独自の会社の歴史があることから、愛社精神の強く長く働きやすい会社でもあるといえます。

 

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