サントリーのIRを分析して、志望動機やESの作成に役立てよう!

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ビーム社の買収など、近年積極的な攻勢を仕掛けているサントリー。

そもそも、サントリーは独自の社風を持っています。

創業者の鳥井信治郎氏の精神である「やってみなはれ」は同社の社風を表すものとして、とても有名です。

今回は、飲料品業界トップ企業であるサントリーの分析を行います。

サントリーの歴史をチェック

ここでは、サントリーの歴史について、客観的な情報を基に解説していきましょう。

同社の創業者であるカリスマ経営者、鳥井信治郎氏を中心に同社の歴史を解説していきます。

1899年、創業者・鳥井信治郎氏が大阪市にサントリーの前身である「鳥井商店※」を開業し、ぶどう酒の製造販売を始めることがスタートとなります。

そして、 現在も販売されている葡萄酒「赤玉ポートワイン」を発売。

1907年に発売したところ、当時の時代としては奇抜で、多くの人の度肝を抜いた広告によって、一躍ヒット商品となりました。

当時の広告

(出典:https://www.suntory.co.jp/company/history/)

 

ちなみに、ヒットした赤玉ポートワインの「赤玉」を太陽に見立てサン(英語のsun)とし、これに創業者鳥井の姓をつけて "sun" + "鳥井"(とりい)= "サントリー" としたのが、社名の「サントリー」の由縁と言われています。

その後、 1923年にウイスキーづくりを始めることになります。

1946年に日本人の繊細な味覚に合った豊かな香味を実現した「サントリーウイスキー角瓶」を発売しました。

そして、 1963年には新しくビール事業に参入。

「サントリービール」を発売します。

ビール業界はすでにアサヒ、キリンといった企業がすでに大幅なシェアを取る寡占市場であり、新規参入は難しいとされていました。

そんな中でサントリーはビール事業に参入したものの、45年間に渡って赤字が続いていたのです。

 

ビール事業への参入の際創業者の故鳥井信治郎が放ったのが、かの有名な言葉「やってみなはれ」。

また、サントリーが他の会社とは大きく異なるのが「45年間に渡り、赤字が続いていた」にも関わらず、事業を辞めなかったことです。

厳しい戦いになったとしても、「やってみなはれ」の精神で挑戦していく社風が根づいています。

 

その後、2013年には蒸留酒メーカー大手のビーム社を買収し、ビームサントリーを設立し、世界第3位のプレミアムスピリッツメーカーの誕生となっています。

ここまでがサントリー社の大まかな歴史となっています。

なぜ、ビール事業は46年も赤字だったのに、黒字化できたのか?

サントリーを分析する上で特徴的なエピソードは複数ありますが、最も印象的で重要なエピソードといえば、ビール事業が46年もの間赤字であったが、それでも続けた理由。

そして、どうやって黒字化ができたのでしょうか。

46年間赤字であったにも関わらず事業を続けることができたのは、同社が非上場企業であったことが大きな要因といえます。

(現在では、2013年にサントリー食品インターナショナルが上場)

上場しなかった理由としては「酒造り(ウイスキー)は1年や2年単位で作るものではない。

それこそ、数年や数十年かけて酒造りをしていくため、1年単位などの短期的な利益を要求される株式公開に馴染まない」ということで上場をしなかったとされています。

実際に、佐治信忠氏は「ビール事業が軌道に乗ったのも、株式非公開だったから」と述べていることもあり、強い思いを持っていたことがわかります。

また、佐治信忠氏はビール事業の継続について「ウイスキーは手工業的な世界ですが、ビール事業に参入したことでサントリーは近代的な企業に生まれ変わった」と言います。

酒造りに10年以上の時間がかかってしまうウイスキーはある種職人の世界になってしまいます。

時代のトレンドを捉える会社になるためにも、ビール事業が重要な存在であったことが明かされています。

そして、 同社のビールの大ヒット商品である「ザ・プレミアム・モルツ」が生まれ、黒字化が実現しました。

それでは、ビール事業が黒字化に至った背景を分析してみましょう。

モンドセレクションの受賞をプロモーションに活用

同社のビール事業が利益を上げられるようになった最も大きな要因としては「ザ・プレミアム・モルツ」のヒットに他なりません。

日本のビール市場の歴史としては、キリン一強の時代が続きました。

しかし、「アサヒスーパードライ」の発売を機に、一気にアサヒがビール業界のトップへと躍り出てビール業界の勢力図が変わります。

それ以降はアサヒとキリンで拮抗する状態でした。

アサヒとキリンが占めるビール市場において、品質にこだわったビールとして攻勢をかけたのが、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」だったのです。

 

今では日常の色々な製品で見かけるようになった「モンドセレクション」で最高金賞を受賞し、それをセールスプロモーションに徹底的に活用したのです。

実際に当初のキャッチコピーが「最高金賞の香り、コク、余韻。

」となっており、徹底的なプロモーションであったことが伺い知れます。

 

既存の強みを生かして高付加価値商品を開発

しかし、モンドセレクションの受賞をプロモーションに活用しただけでは当然ビールは売れません。

ビールで最も重要なのは、やはり風味。

そういった意味では、 サントリーはビール造りにおいて重要な「水」にこだわったメーカーであることもヒットの理由の一つといえるでしょう。

サントリーの企業理念のひとつ、「水と生きる」。

ビールづくりはもちろん、ウイスキーや清涼飲料水といった飲料品を作る上で最も重要な水にこだわりを持ち、きれいな水を保つための環境活動も非常に積極的に行なっています。

(出典:https://www.suntory.co.jp/eco/?ke=hd)

美味しい水という強みを持つサントリー。

既存の強みが美味しいビールづくりにも役立ちました。

サントリーのIR分析〜現状と今後とは?〜

それでは、次にサントリーのIRを分析していきます。

まずは、サントリーの売上高をチェックしてみましょう。

(出典:https://www.suntory.co.jp/company/financial/index.html)

2017年の日本基準における売上は約2兆4000億円、営業利益は約2500億円。

営業利益率は10%と非常に高い数字を出しています。

競合であるキリンとアサヒの売上に対する営業利益率と比較しても、サントリーはかなり高い水準となっています。

 

<参考>

キリン:

売上:19708億円

営業利益:1550億円

(出典:https://pdf.irpocket.com/C2503/hHid/iDOI/X60l.pdf)

アサヒ:

売上:15786億円

営業利益:1409億円

(出典:https://www.asahigroup-holdings.com/ir/financial_data/recent.html)

次にセグメント別の収支をみてみましょう。

やはり、 飲料・食品セグメントが最も大きく、57%を占めます。

そして、 酒類セグメントが33%となっています。

次に地域別ではやはり日本が59%と非常に大きくなっていますが、ビーム社の買収もあり、国外の割合も高めていく方針です。

酒類に関しては、売上収益は米国が前年同期比一桁台半ば増、欧州が前年同期比二桁増、東南アジア・中国が前年同期比二桁増となりました。

それらを踏まえると 同社では欧州・東南アジア・中国が強みとなっています。

ちなみに、日本では、サントリースピリッツ(株)を中心とした国内スピリッツ事業の売上収益が前年同期比103%なっています。

サントリーに向いている人とは?

それでは、最後にサントリーに向いている人とはどのような人なのかを分析していきましょう。

最もサントリーらしさを表す言葉が「鳥井信治郎氏の「やってみなはれ」でしょう。

新しいことに挑戦をしていこうとする姿勢を持った人が重要となります。

ただし、「やってみなはれ」はベンチャー企業のような単なるチャレンジ精神ではないとされています。

実際に、サントリーの代表取締役社長の新浪剛史氏は 「単なるチャレンジ精神ではありません。

高く、広い視野を持って考え抜き、何をすべきかを決め、最後までやり抜いて結果を出す」ことであると言っています。

 

これらの考え方にマッチする人こそ、サントリーに向いている人と言えるでしょう。

(出典:https://www.suntory.co.jp/recruit/fresh/company/message.html)

まとめ

サントリーの歴史から創業者である鳥井信治郎氏の「やってみなはれ」のエピソード、そして同社のIRに関する分析を行いました。

サントリーは就活においても人気が高いことから、選考倍率が高くなっています。

人気企業だからこそ、しっかりと個別企業の分析・対策を行い、選考を突破できるようにしましょう。

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